はなさく生命の評判が悪いのはなぜ?

はなさく生命の評判が悪いのはなぜ?
ライター:関野 良和

はなさく生命のデメリットについて”審査が厳しい”などの口コミや評判から掘り下げて解説します

「はなさく生命」についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。日本生命の100%子会社として2018年に設立された「はなさく生命」は、ネット系生命保険会社として知られていますが、SNSやレビューサイトでは良い評判と悪い評判が混在しています。本当に「やばい」保険会社なのか、それとも誤解から生じた噂なのか、Z世代の若者にも分かりやすく解説していきます。

はなさく生命の基本情報と特徴

はなさく生命保険株式会社は、日本生命保険相互会社の100%子会社として2018年7月に設立され、2019年4月から本格的に営業を開始した比較的新しい生命保険会社です。企業理念は「新たな発想でお客様一人ひとりの人生をサポートし続ける」とされており、ニュー・インシュアランス・クリエイターとして新しい価値を創造することを目指しているようです。

経営基盤については、日本生命グループの一員であることから安定していると言われています。2022年度末のソルベンシーマージン比率は3645.4%と非常に高く(200%超で安心とされる)、経営状態は極めて健全であると評価されています。

主な取扱商品は以下の通りです。

  • 医療保険「はなさく医療」
  • がん保険「はなさくがん保険」
  • 定期死亡保険「はなさく定期」
  • 収入保障保険「はなさく収入保障」
  • 特定疾病一時給付保険「はなさく一時金」
  • 引受緩和型シリーズ「かんたん告知」
  • 変額保険「はなさく変額保険」(2025年1月発売)

特徴的なのは、対面・郵送・オンラインの3つの申込み方法から選べることで、顧客のライフスタイルに合わせた柔軟性を提供しています。

ネットで噂される悪い評判の真相

では、「はなさく生命」についてネット上で見られる悪い評判とその背景について見ていきましょう。

保険金支払いに関するトラブル事例

はなさく生命に対して最も深刻な批判の一つが、保険金支払いに関するトラブルです。特にSNS上では下記のような不満の声が見られます。

「はなさく生命の話なんだけど、手術前に保険がおりるかちゃんと確認して手術日決めて手術して診断書とって申請したらあとから保険金下りないっていわれた😢 不担保期間があるって‥ 契約するときに話はあったけど問い合わせしてくれたときに教えてくれてたら手術日ずらせたのに‥ たったの1日違いで→」

このようなケースは非常に「やばい」と感じる方もいるでしょう。契約時の説明不足や問い合わせ時の対応に問題があった可能性があります。しかし、一つのケースだけで全体を判断するのは早計かもしれません。はなさく生命では保険金支払いに関して、ケース別の「保険金の支払い対象事例」をウェブサイトで公開しており、透明性を高める取り組みも行っているようです。

保険料設定に関する不満

「加入年齢による保険料金が意外と高額」という声も見られます。特に高齢者や健康に不安がある方向けの引受緩和型商品「かんたん告知」シリーズは条件が緩い分、保険料が高くなる傾向があります。例えば、「かんたん告知 はなさく医療」に60歳男性が加入する場合、月額保険料は6,975円となり、通常の「はなさく医療」の4,789円と比べて2,000円以上高くなると指摘されています。

また、「ネット型保険会社では最安ではない」という評価もあります。保険料の安さを売りにしているネット系生命保険会社の中でも、必ずしも最安値ではないという点は注意が必要かもしれません。「やめたほうがいい」と考える人もいるかもしれませんが、保険は保険料だけでなく保障内容とのバランスで判断すべきでしょう。

対応品質に関する不満

オペレーターの対応についても批判的な意見がいくつか見られます。

「オペレーターの対応がカジュアル。他の保険会社の方が丁寧。コマーシャルと違い、資料請求を拒否された。資料は内容が薄く、ネットの方が詳しいと言われた。」

「当初の電話受付の対応が、当方の言ったことを十分に理解できていなかったところ。」

このような対応の問題は、比較的新しい会社であるため、オペレーター教育やマニュアル整備などが追いついていない可能性が考えられます。ただし、これらの口コミは一部のケースであり、全体的な傾向とは言い切れないでしょう。

保障内容に関する不満

保障内容については以下のような不満の声が挙げられています。

「保障内容が少し物足りない」「昔からある生命保険会社の保障プランはさまざまな保障や特約を組み合わせた『パッケージ保険』が多かったために、はなさく生命の保険は保障範囲が狭くて物足りなさを感じる」

「90歳で保障が修了なので、保険料が上がらないで、もう少し長い保障が欲しかった。」

確かに従来の大手生命保険会社の複雑な特約を含むパッケージ保険と比較すると、保障範囲が限定的に感じる方もいるようです。また、終身ではなく90歳までの保障に不満を感じる声もあります。

その他の欠点と注意点

その他、以下のような「欠点」も指摘されています。

  • 復活手続きができない(契約が失効した場合に元に戻せない)
  • 不妊治療の手術は責任開始日から2年経過後から保障される
  • 帝王切開手術は女性特定疾病に含まれていて女性疾病定入院給付金は支払い対象だが、女性特定手術給付金は支払い対象ではない

特に復活手続きができないという点は、他社と比較して大きなデメリットになる可能性があります。保険料の支払いが滞り、契約が失効した場合、再度加入するには保険料が上がった状態で入り直す必要があるため、注意が必要です。

意外と多い良い評判とその根拠

「はなさく生命」には悪い評判だけでなく、多くの良い評判も存在します。ここではその具体的な内容を見ていきましょう。

保険料の安さと保障内容のバランス

実は「はなさく生命」の保険料は、ネット系生命保険会社の水準で比較的安いと評価する声も多く見られます。

「T&Dフィナンシャル生命の収入保障保険に入っているんですが、はなさく生命の収入保障への乗り換えを提案されました。確かに同じ保障でもこちらの方が金額が安いですし、就労不能の特約もいい気がします」

「はなさく定期まじで掛け金安いな」

「以前加入していた保険と比べて、保障内容が広がったのに値段は安くなった。」

このように、以前の保険や他社の保険と比較して保険料が安くなったという評価は「やばくない」ポイントとして評価できるでしょう。

手続きの簡便さとスピード感

手続きの簡便さとスピード感についても高評価が多く見られます。

「加入時の手続きがスピーディーかつライフプランナーの方の説明が丁寧で分かりやすかった。」

「加入時の手続き進行のスピード。保険料の安さと、それに比する保障内容のお得感。」

「審査が早かった。15年満期で検討していて、なかなか無かったのでよかった。」

「ネットで申し込みが出来たので時間がある時に契約が出来たが良かった。」

特にネット世代には、オンラインで完結できる手続きの簡便さが「おすすめ」ポイントとなっているようです。

保障内容の特徴と充実度

保障内容については、特に以下の点が評価されています。

  1. 3大疾病保障の充実:上皮内がんを含む3大疾病で診断が確定したり、手術になった場合は以後の保険料が免除になる特約が「利点」として挙げられています。
  2. 収入保障保険の評価:「収入保障保険とがん保険を検討中。収入保障保険は、・FWD収入保障・ネオdeしゅうほ・はなさく収入保障のいずれかが良さそう」といった評価や、「身体障害手帳を交付されると、毎月、支払われるようだ」という特徴が評価されています。
  3. 女性向け保障の充実:「私にも4歳の息子がいるので、親近感があります。ちょうど今、医療保険の見直しを考えています。『はなさく医療』は今入っている保険にはない、女性限定の充実した保障が選べる点が安心で魅力的だと思いました」という評価も見られます。

健康状態に不安がある人への対応

他社で加入を断られた方でも加入できたという声も見られます。

「他の保険会社で健康診断の結果を見て断られたのに、はなさく生命さんは保険に加入できた。とても、助かりました。」

これは「かんたん告知」シリーズのような引受緩和型保険の存在が大きいと考えられます。健康に不安がある方でも加入しやすい設計になっていることが評価されているようです。

日本生命グループの安心感

「はなさく生命」が日本生命の100%子会社であることによる安心感も大きな評価ポイントです。

「手続きが簡単で、保険料が安価。日本生命グループで安心感がある。(60代以上・女性)」

生命保険は長期的な契約となるため、会社の信頼性や安定性は非常に重要な要素です。日本生命という業界最大手の保険会社のグループ会社であることは、大きな安心材料となっているようです。

主要商品ラインナップと特徴

「はなさく生命」の主要商品について詳しく見ていきましょう。

医療保険「はなさく医療」

「はなさく医療」は、入院・通院の保障に加え、生活習慣病等による様々なリスクに備えられる医療保険です。特徴として以下が挙げられます。

  • 3大疾病による入院は支払い日数無制限で保障
  • がん等の特定8疾病で所定の治療を受けた時に一時金が受け取れる
  • 女性に対する保障を手厚くできる
  • 特定疾病一時給付特約を付帯することで、がんなどの特定8大疾病で所定の治療を受けた際に10万~200万円の一時金を受け取ることができる

また、告知項目については6つの質問があり、特に過去の病歴や現在の健康状態についての詳細な告知が求められます。

定期保険「はなさく定期」

「はなさく定期」は、一定期間の死亡保障を提供する保険です。特徴として以下が挙げられます。

  • 万一のときや所定の高度障害状態になった場合に保障
  • 保険金額・保険期間をニーズに応じて設定可能
  • 3大疾病保険料払込免除特約を付加することで、上皮内がんを含む3大疾病で所定の事由に該当した場合、以後の保険料が免除される

また、健康に不安がある方向けの「かんたん告知 はなさく定期」も提供されています。

収入保障保険「はなさく収入保障」

「はなさく収入保障」は、万一の場合に毎月一定額を年金として受け取れる保険です。保険期間の経過とともに、生活費の総額が減少していくのにあわせ、受取総額も徐々に減少していく合理的な仕組みとなっています。

こちらも健康に不安がある方向けの「かんたん告知 はなさく収入保障」が用意されています。

がん保険「はなさく がん保険」

「はなさく がん保険」は、がんと診断確定されたとき等にまとまった一時金で保障する保険です。口コミや評判によると、総合評価は4.7点(6件の評価)と高評価を得ています。

「父親ががんになったことで、がん保険に入りたいと思いました。これで安心して暮らすことができます。」「保険を見直して、保険料が前より安くなったので大変満足しています」といった声が見られます。

変額保険「はなさく変額保険」

2025年1月6日に発売予定の新商品です。保障と資産形成を両立できる商品で、以下の特徴があります。

  • 万が一の際の保障を確保しながら、将来の資産形成にも取り組むことが可能
  • 上皮内がんなど特定の疾病に該当した場合、以後の保険料が免除される特約あり
  • お客様のライフスタイルや人生設計に合わせて柔軟に設計可能

ただし、資産形成を目的とした商品のため、運用成績によっては元本割れするリスクがあることには注意が必要です。

はなさく生命が向いている人・向いていない人

では、「はなさく生命」はどのような人に向いているのでしょうか。また、どのような人には向いていないのでしょうか。

はなさく生命が向いている人

  1. 保険料を抑えたい人:従来の大手生命保険会社と比較して、保険料が安いケースが多いようです。特に必要最低限の保障で十分という方には向いていると言えるでしょう。
  2. シンプルな保障を好む人:複雑な特約を含むパッケージ保険ではなく、シンプルで分かりやすい保障内容を好む方に向いています。
  3. ネット手続きを好む若年層:特に20~30代の若年層で、自分のペースで好きなように保険を組みたい方には好評のようです。
  4. 女性特有の疾病リスクに備えたい女性:女性向けの保障が充実しているため、女性特有の疾病リスクに備えたい女性には特におすすめです。
  5. 3大疾病リスクに備えたい人:上皮内がんを含む3大疾病に対する保障が手厚いため、これらのリスクに備えたい方に向いています。
  6. 健康に不安がある方:「かんたん告知」シリーズのような引受緩和型保険があるため、健康に不安がある方でも加入できる可能性があります。
  7. 保障と資産形成を両立したい人:2025年1月に発売予定の「はなさく変額保険」は、万が一の保障と資産形成を両立したい方におすすめです。

はなさく生命が向いていない人

  1. 大手保険会社を希望する人:「はなさく生命は日本生命の子会社ですが、日本生命に比べて認知度は低く、当然実績も少ないでしょう。」「大手保険会社の方がより安心できるという人には、はなさく生命はおすすめしない」と言われています。
  2. 保険の保障内容がわからない人:「保険の保障内容がわからない人」「特にはなさく生命の医療保険をネットもしくは郵送で申し込みたい人は、保障内容をきちんと理解することはもちろん、他社との比較や特約の選択まで全て自分で行う必要があります」と指摘されています。
  3. 複雑な保障を求める人:パッケージ型の複雑な保障内容を求める方には、はなさく生命のシンプルな商品設計は物足りなく感じる可能性があります。
  4. 対面での丁寧な説明を求める人:ネット系生命保険会社であるため、対面での丁寧な説明を重視する方には不向きかもしれません。
  5. 保険料の支払いが滞る可能性がある人:復活手続きができないため、保険料の支払いが滞る可能性がある方は「やめとけ」と言えるかもしれません。

評判の真相:誤解と事実

「はなさく生命」の評判について調査してきましたが、その真相はどうなのでしょうか。悪い評判と良い評判の背景にある事実を整理してみましょう。

保険金支払いに関する評判

保険金支払いに関するトラブル事例は確かに報告されていますが、これはどの保険会社でも起こり得ることです。特に新しい会社であるため、支払い実績が少なく評価が定まっていない面があります。はなさく生命では保険金支払いに関して「保険金の支払い対象事例」をウェブサイトで公開するなど、透明性を高める取り組みも行っているようです。

保険料に関する評判

保険料については「安い」という評価と「高い」という評価が混在しています。特に引受緩和型商品は条件が緩い分、保険料が高くなる傾向がありますが、これは他社の同種商品でも同様です。また、ネット型保険会社の中で「最安ではない」という評価も、必ずしもデメリットとは言えません。保険は保険料だけでなく保障内容とのバランスで判断すべきでしょう。

対応品質に関する評判

対応についての批判的な意見はありますが、一方で「代理店の方の対応でしたが、加入の手続や商品内容がテキパキと説明がありわかりやすかった」「通信だと思っていたら、担当の人がきて、わかりやすく説明してくれた」といった好意的な評価も見られます。会社全体としての対応品質に問題があるというよりは、個々の担当者による差が大きいのかもしれません。

保障内容に関する評判

保障内容については「物足りない」という評価もありますが、むしろシンプルで分かりやすいという点を評価する声も多く見られます。「昔からある生命保険会社の保障プランはさまざまな保障や特約を組み合わせた『パッケージ保険』が多かった」ため、そういった複雑な商品と比較すると物足りなく感じる方もいるようですが、これは保険に対する考え方の違いも大きいと考えられます。必要な保障を必要な分だけ選ぶというアプローチを好む方には、はなさく生命のシンプルな商品設計はむしろメリットになるでしょう。

会社の信頼性に関する評判

日本生命の100%子会社であることによる安心感は多くの方に評価されています。ソルベンシーマージン比率も3645.4%と非常に高く(200%超で安心とされる)、経営状態は極めて健全であると言えます。会社の信頼性という点では、「やばい」という評価は当てはまらないと考えられます。

総合的な評価

以上を総合すると、「はなさく生命」には確かに改善点はあるものの、多くのメリットも存在します。保険に対する考え方や優先順位によって評価が分かれる面があり、一概に「良い」「悪い」とは言えないことが見えてきます。

特に以下の点は評価できるでしょう。

  1. 日本生命グループの安心感
  2. シンプルで分かりやすい商品設計
  3. 3大疾病や女性疾病に対する手厚い保障
  4. ネット・郵送・対面と多様な申込み方法
  5. 健康に不安がある方向けの引受緩和型商品の存在

一方で、以下の点には注意が必要かもしれません:

  1. 復活手続きができないこと
  2. 引受緩和型商品の保険料の高さ
  3. 対応品質のばらつき
  4. 保険金支払いに関する実績の少なさ

まとめ:あなたに合った選択をするために

「はなさく生命」の評判について多角的に検討してきましたが、保険選びは個人のニーズや状況によって大きく異なります。以下のポイントを参考に、ご自身に合った選択をしていただければと思います。

  1. 保険の目的を明確にする:何のために保険に加入するのか、どのようなリスクに備えたいのかを明確にしましょう。
  2. 必要な保障内容と金額を確認する:必要以上の保障は保険料の無駄になる可能性があります。本当に必要な保障は何か、いくらあれば十分かを考えましょう。
  3. 複数の保険会社を比較する:はなさく生命だけでなく、他の保険会社の商品も比較検討することで、より良い選択ができる可能性があります。
  4. 専門家のアドバイスを受ける:保険の内容がわかりにくい場合は、保険のプロに相談するのも一つの方法です。はなさく生命の保険も含めて、客観的なアドバイスを受けることができるでしょう。

結論として、「はなさく生命」は日本生命の100%子会社という安心感があり、シンプルで分かりやすい商品設計が特徴の保険会社です。改善点はあるものの、多くのメリットも存在するため、ご自身のニーズに合っているかどうかをしっかりと検討した上で判断することが大切です。特に保険料を抑えつつ必要な保障を確保したい方や、シンプルな保障内容を好む方には「おすすめ」の選択肢となるでしょう。

いずれにせよ、「やばい」「やめとけ」という単純な評価ではなく、自分自身のニーズと照らし合わせて保険を選ぶことが最も重要です。はなさく生命が提供する保険が、あなたの人生設計をサポートする一助となることを願っています。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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