損保ジャパン×SOMPOリスクがみずほ銀行とクニエのサプライチェーン途絶リスク対策支援に参加


みずほ銀行とNTTデータグループのクニエのサプライチェーン途絶リスク対策支援を強化
背景:止まらないリスク、企業に必要な“備え”とは?
近年、自然災害、地政学的リスク、パンデミック、サイバー攻撃など、サプライチェーンに影響を及ぼすリスクは多様化し、しかもその発生頻度も高まっています。これにより、製造業をはじめとする多くの企業が原材料の調達や物流、販売といったビジネスの根幹を揺るがす「サプライチェーン途絶」に直面してきました。
こうした状況を踏まえ、みずほ銀行とNTTデータグループのクニエは2024年11月に、SCM(サプライチェーンマネジメント)支援に関する業務提携を締結し、調達・生産・物流だけでなく資金管理や決済などを含む包括的な支援体制を構築しました。
そしてこのたび、その支援体制の第二弾として、損害保険ジャパン(損保ジャパン)およびSOMPOリスクマネジメント(SOMPOリスク)が連携に加わり、より高度なリスク可視化と対策実行支援が可能となったのです。
4社連携の新たな取り組みとは?
今回の取り組みでは、各社の専門性を活かした「サプライチェーン途絶リスクマネジメント支援」が展開されます。企業が抱えるサプライチェーンリスクに対し、分析から具体策の立案、さらには実行支援までをワンストップで提供する体制が整備されました。
各社の役割分担
企業名 | 役割 |
---|---|
みずほ銀行 | 資金管理、決済、貿易金融に関する知見と情報を提供 |
クニエ | 自然災害や地政学リスク等の影響分析と対策のコンサルティング支援 |
損保ジャパン | 保険事業を通じたリスクマネジメントの知見提供 |
SOMPOリスク | リスクスコアリングによる定量評価・可視化を提供 |
カギとなる「リスクスコアリング」とは?
SOMPOリスクが提供する「リスクスコアリング」は、各企業の拠点や取引先のサプライヤーに対し、以下のような多様なリスクを定量的に評価・可視化する仕組みです。
- 自然災害リスク(地震・水害)
- サイバーリスク
- クレジットリスク(信用リスク)
これらの評価により、「どの拠点や取引先がどのリスクにどれだけ脆弱か」を一覧で把握できるようになります。
さらに、リスクが高い拠点と、それに紐づく最終製品の情報を結びつけることで、「どの製品の供給が止まる可能性が高いか」までを可視化。これにより、企業は優先的に対策すべきポイントを明確にし、スピーディかつ実効性の高い対応を打つことが可能になります。
企業にとってのメリットは?
この4社による連携支援は、単なるコンサルティングではなく、リスクの可視化から対策実行までを一貫してサポートするという点で、従来の支援とは一線を画しています。
企業側は以下のようなメリットを享受できます。
- 拠点やサプライヤーごとのリスクを“見える化”
- 製品ごとにサプライチェーン途絶の可能性を把握
- 資金・決済・保険など、ビジネス全体のリスク対応が可能に
- スピーディかつ現実的な対応策を実行できる
特に製造業やグローバルに展開する企業にとっては、事業継続計画(BCP)の強化にもつながる重要な取り組みです。
今後の展望:さらなる連携、業界横断の支援体制へ
この取り組みはまだ「第二弾」に過ぎません。今後はさらに多様な専門領域との提携も視野に入れており、より多角的なリスク対応支援が期待されています。
外部環境の不確実性が高まる中、企業単体でのリスク対応には限界があります。だからこそ、金融・IT・保険・リスク管理といった異なる分野のプロフェッショナルが連携するこのスキームは、これからの時代の「企業の備え」の新しいモデルとなりそうです。
まとめ:リスクは避けられない、だから“見える化”と“実行力”が重要に
今後、サプライチェーンに関するリスクはさらに増え続け、複雑化していくと見られています。そんな中で、みずほ銀行・クニエ・損保ジャパン・SOMPOリスクの4社が提供する支援体制は、企業のリスクマネジメントにおける新たな選択肢として注目を集めることになりそうです。
このような包括的な支援が広がれば、日本企業全体のレジリエンス(回復力)向上にもつながるでしょう。
