損害保険会社向けレンタカー手配プラットフォームを損害保険ジャパンとデロイトトーマツが構築

損害保険会社向けレンタカー手配プラットフォームを損害保険ジャパンとデロイトトーマツが構築
ライター:関野 良和

損害保険ジャパンが国内初となる業界共通のレンタカー配車システムを提供開始

損害保険ジャパンの新レンタカー手配システムとは?

損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)は、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、デロイト トーマツ)と共同で、損害保険業界共通のレンタカー配車システムを開発しました。本システムは、すべての国内損害保険会社が利用可能なプラットフォームとして提供されます。

従来、事故時のレンタカー手配は、損害保険会社の担当者が個別にレンタカー会社へ電話やFAXで確認する必要がありました。この非効率なプロセスを解消するため、損保ジャパンは独自の配車システムを開発し、2023年2月から運用していました。しかし、レンタカー会社からは「他の損害保険会社も利用できるシステムにしてほしい」との要望が寄せられていました。

このニーズに応える形で、デロイト トーマツと共同でシステムを拡張し、業界全体で利用できるプラットフォームとして提供することになりました。

  • 業界初:複数の損害保険会社が共通で利用可能なレンタカー手配プラットフォームを構築
  • 業務効率化:電話やFAXを不要にし、システム内で手配完結
  • 高セキュリティ:デロイト トーマツと共同開発し、FISC安全対策基準に準拠

損害保険会社向けレンタカー手配プラットフォームを損害保険ジャパンとデロイトトーマツが構築

レンタカー手配プラットフォームの概要

項目 内容
サービス名 損害保険業界共通レンタカー配車システム
提供企業 損害保険ジャパン株式会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
提供形態 クラウドベースのシステム
対象者 国内の全損害保険会社、レンタカー会社
主な機能 – レンタカー手配のオンライン完結- 複数のレンタカー会社へ同時依頼- システム内チャット機能- 配車状況の可視化- 料金請求のデジタル化
セキュリティ FISC安全対策基準に準拠
現在の状況 すべての都道府県を網羅するレンタカー店舗が登録済み
今後の展開 – 登録レンタカー店舗の拡充- 損害保険会社の利用拡大

レンタカー手配プラットフォームのメリット

  • 業務効率化が実現
    従来の電話・FAXによる手配をシステム化することで、レンタカー手配業務の大幅な時間短縮が可能。
  • レンタカー会社との連携強化
    複数のレンタカー会社へ同時に手配依頼が可能となり、事故対応の迅速化が実現。
  • セキュリティ強化
    デロイト トーマツのクラウド基盤を活用し、FISC安全対策基準に準拠した高セキュリティな環境で運用。

このプラットフォームがおすすめな方

  • 損害保険会社の事故対応担当者
    レンタカー手配の負担を軽減し、スムーズな事故対応を可能にしたい方に最適。
  • レンタカー会社の業務担当者
    損害保険会社からの依頼を効率的に受け、手配可否の確認から請求業務までシステム内で完結したい方におすすめ。
  • 事故後の対応を迅速化したい保険契約者
    事故後のレンタカー手配が迅速化されることで、スムーズに代車を利用したい方にメリットがある。

レンタカー手配プラットフォームのデメリット

  • 導入までの初期対応が必要
    各損害保険会社やレンタカー会社がシステム導入を進める必要があるため、一定の準備期間が必要。
  • システムへの慣れが必要
    従来の電話・FAXでのやり取りに慣れている担当者にとっては、システム利用への移行に時間がかかる可能性がある。
  • すべてのレンタカー会社がすぐに対応できるわけではない
    現在、登録店舗の拡充を進めているが、全てのレンタカー会社がすぐにシステムを導入できるとは限らない。

おすすめしない方

  • 従来の電話・FAXでの対応に慣れており、変更を好まない方
    システム化による効率化のメリットは大きいが、アナログ対応を好む企業には向かない可能性がある。
  • 小規模なレンタカー会社で、システム導入が難しい方
    クラウドベースのシステム導入が負担となる可能性があるため、IT対応が難しい事業者には適さない場合がある。
  • 即座にすべてのレンタカー会社での利用を期待する方
    現時点で登録されているレンタカー会社は多数あるものの、すべてのレンタカー会社が対応しているわけではないため、即時対応を期待する方には不向き。

損害保険ジャパンとデロイト トーマツが開発したレンタカー手配プラットフォームは、業界全体の業務効率化に貢献する画期的なシステムといえる。特に、電話やFAXといったアナログ業務をシステム化することで、事故対応の迅速化が期待される。

今後、より多くの損害保険会社やレンタカー会社がこのシステムを導入すれば、業界全体のデジタル化がさらに進むだろう。導入初期のハードルはあるものの、長期的には業務負担軽減・コスト削減に大きく寄与する可能性が高い。

業界のデジタル化が進む中で、本システムがどこまで普及するのか、今後の動向にも注目したい。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としている。 港区を中心にグルメ情報にも精通しており、独自の切り口でレポートを行う。
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