自動車保険の1日だけ利用できるおすすめサービスについてわかりやすく解説

自動車保険の1日だけ利用できるおすすめサービスについてわかりやすく解説
ライター:関野 良和

1日自動車保険の必要性、メリット、選び方を徹底解説

近年、車の所有形態や利用方法が多様化する中で、「1日自動車保険」という選択肢が注目を集めています。この保険は、文字通り1日単位で加入できる自動車保険で、従来の年間契約の自動車保険とは異なり、必要な時に必要な分だけ加入できる柔軟性が特徴です。

特に、車を所有していないが時々運転する機会がある人や、実家に帰省した際に親の車を借りる人、友人の車で旅行に行く際に交代で運転する人などにとって、1日自動車保険は非常に便利なオプションとなっています。

しかし、その便利さの裏には、従来の自動車保険とは異なる特徴や注意点も存在します。この記事では、1日自動車保険の基本的な仕組みから、各保険会社の商品比較、そして実際の利用シーンまで、幅広く解説していきます。

この記事を読むことで、以下のことがわかります。

  • 1日自動車保険の基本的な仕組みと特徴:24時間単位で加入できる短期の自動車保険の概要を理解できます。
  • 1日自動車保険のメリットとデメリット:従来の自動車保険と比較した際の利点と注意点を把握できます。
  • 主要な保険会社の1日自動車保険商品比較:各社の特徴や料金体系を比較し、自分に合った商品を選ぶ際の参考になります。
  • 1日自動車保険の具体的な利用シーン:どのような場面で1日自動車保険が有効なのかを具体例で理解できます。
  • 1日自動車保険加入時の注意点:スムーズに加入し、トラブルなく利用するためのポイントを学べます。

自動車保険の1日だけ利用できるおすすめサービスについてわかりやすく解説

1日自動車保険とは?基本的な仕組みと特徴

1日自動車保険は、その名の通り1日単位で加入できる自動車保険です。正確には、多くの場合24時間を1単位として、最短24時間から最長7日間程度まで、必要な期間だけ加入することができます。

通常の自動車保険が1年間を基本契約期間としているのに対し、1日自動車保険は短期間の利用に特化した商品設計となっています。主に、自分の車を持っていない人が他人の車を借りて運転する際に利用されることが多く、「ちょいのり保険」「ワンデイ保険」などの愛称で各保険会社から提供されています。

1日自動車保険の基本的な補償内容は、対人賠償保険、対物賠償保険、搭乗者傷害保険などが含まれており、通常の自動車保険と同様に事故時の補償を受けることができます。ただし、商品によっては車両保険(借りた車への補償)が含まれていない場合もあるため、加入時には補償内容をよく確認する必要があります。

用語解説:対人賠償保険と対物賠償保険

  • 対人賠償保険:自動車事故により他人を死傷させた場合に、法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償する保険です。多くの1日自動車保険では、補償限度額が無制限となっています。
  • 対物賠償保険:自動車事故により他人の財物(車や建物など)に損害を与えた場合に、法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償する保険です。1日自動車保険でも、通常は補償限度額が無制限となっています。

1日自動車保険のメリットとデメリット

1日自動車保険には、通常の自動車保険と比較していくつかの特徴的なメリットとデメリットがあります。これらを理解することで、自分のニーズに合った保険選びができるでしょう。

メリット

  1. 低コスト:必要な期間だけ加入できるため、年間契約の自動車保険と比べて大幅に安い保険料で補償を受けられます。多くの場合、1日800円程度から加入可能です。
  2. 簡単な加入手続き:スマートフォンやパソコンから24時間365日申し込みが可能で、コンビニエンスストアでも加入できるケースがあります。急な利用にも対応できます。
  3. 等級への影響なし:1日自動車保険で事故を起こしても、通常の自動車保険の等級には影響しません。車の所有者の保険料アップを心配せずに済みます。
  4. 補償内容の選択:基本的な補償に加えて、車両保険や弁護士費用特約などのオプションを選択できる商品もあります。必要に応じて補償内容をカスタマイズできます。
  5. ロードサービスの付帯:多くの1日自動車保険には、事故や故障時のロードサービスが付帯しています。長距離ドライブの際も安心です。

デメリット

  1. 都度の加入手続きが必要:利用のたびに加入手続きが必要なため、頻繁に他人の車を運転する場合は手間がかかる可能性があります。
  2. 補償範囲の制限:通常の自動車保険と比べると、補償範囲が限定的な場合があります。特に、人身傷害保険が付帯していない商品も多いため注意が必要です。
  3. 対象車種の制限:多くの場合、自家用普通乗用車、小型乗用車、軽自動車のみが対象となり、商用車やバイクには適用されません。
  4. 加入条件の制限:運転者の年齢や運転免許取得後の経過期間に制限がある場合があります。
  5. 継続割引がない:通常の自動車保険にある長期無事故割引などの特典がありません。

これらのメリットとデメリットを踏まえ、自分の利用頻度や目的に合わせて、1日自動車保険と通常の自動車保険のどちらが適しているかを判断することが重要です。

おすすめの1日自動車保険商品 比較

1日自動車保険は、多くの大手保険会社から提供されています。ここでは、主要な保険会社の商品を比較し、それぞれの特徴を見ていきましょう。

東京海上日動「ちょいのり保険」

  • 保険料:24時間800円~(プランにより異なる)
  • 特徴:
    • 3つのプラン(シンプル、レギュラー、プレミアム)から選択可能
    • レギュラープラン以上で車両復旧費用特約付き
    • プレミアムプランでは弁護士費用特約も付帯
  • 加入方法:スマートフォン、パソコン、コンビニエンスストア

東京海上日動の「ちょいのり保険」は、業界でも先駆的な1日自動車保険商品として知られています。補償内容の選択肢が豊富で、利用者のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。

三井住友海上「1DAY保険」

  • 保険料:24時間800円~(プランにより異なる)
  • 特徴:
    • 3つのプラン(エコノミー、スタンダード、プレミアム)から選択可能
    • 2回目以降の利用で保険料割引あり
    • 複数人で利用する場合の割引制度あり
  • 加入方法:スマートフォン、パソコン、コンビニエンスストア

三井住友海上の「1DAY保険」は、リピーター向けの割引や複数人利用時の割引など、コスト面でのメリットが特徴的です。頻繁に利用する人や、友人と旅行に行く際の交代運転などに適しています。

損保ジャパン「乗るピタ!」

  • 保険料:12時間650円~(プランにより異なる)
  • 特徴:
    • 3つのプラン(ライト、ベーシック、ワイド)から選択可能
    • 12時間単位での加入が可能
    • ワイドプランでは代車費用特約付き
  • 加入方法:スマートフォン、パソコン

損保ジャパンの「乗るピタ!」は、12時間単位での加入が可能な点が特徴的です。短時間の利用でも必要最小限の保険料で加入できるため、コスト意識の高い利用者に適しています。

あいおいニッセイ同和損保「1DAY保険」

  • 保険料:24時間800円~(プランにより異なる)
  • 特徴:
    • 3つのプラン(エコノミー、ベーシック、ワイド)から選択可能
    • ワイドプランでは車両復旧費用保険付き
    • 24時間365日のロードサービス付き
  • 加入方法:スマートフォン、パソコン、コンビニエンスストア

あいおいニッセイ同和損保の「1DAY保険」は、充実したロードサービスが特徴です。長距離ドライブや旅行時の利用に適しています。

用語解説:車両復旧費用特約

車両復旧費用特約は、借りた車を運転中に事故を起こし、その車に損害が生じた場合に、修理費用などを補償する特約です。通常の1日自動車保険の基本補償には含まれていないことが多いため、この特約の有無は重要なポイントとなります。ただし、補償限度額や免責金額(自己負担額)が設定されている場合が多いので、詳細な条件を確認する必要があります。

1日自動車保険の具体的な利用シーン

1日自動車保険は、様々なシーンで活用することができます。以下に、代表的な利用シーンをいくつか紹介します。

1. 帰省時の親の車利用

実家に帰省した際に、親の車を借りて運転するケースは多いでしょう。この場合、親の自動車保険に「運転者限定特約」が付いていると、子供が運転する際に補償対象外となる可能性があります。1日自動車保険に加入することで、安心して運転することができます。

2. 友人との旅行時の交代運転

友人のマイカーで旅行に行く際、運転を交代する場合があります。この時、車の所有者以外の人が1日自動車保険に加入することで、万が一の事故の際も車の所有者の保険を使わずに済みます。

3. 引っ越し時の車借用

引っ越しの際に友人や知人から車を借りる場合、1日自動車保険は非常に便利です。大きな荷物を運ぶ際は事故のリスクも高まるため、しっかりとした補償があると安心です。

4. レンタカー利用時の追加補償

レンタカーを利用する際、レンタカー会社の保険だけでは補償が不十分と感じる場合があります。1日自動車保険に加入することで、より手厚い補償を受けられます。ただし、レンタカーが1日自動車保険の対象外となっている場合もあるので、事前に確認が必要です。

5. 車購入時の納車までの期間

新車を購入したものの、納車までに時間がかかる場合があります。その間、家族や知人の車を借りて運転する際に1日自動車保険を利用することで、自分の車が来るまでの期間をカバーできます。

6. 免許取得後の練習運転

運転免許を取得したばかりの人が、家族や知人の車で練習する際にも1日自動車保険は有効です。初心者ドライバーは事故のリスクが高いため、十分な補償があると安心です。

これらのシーンに共通するのは、「自分の車ではない車を一時的に運転する」という点です。1日自動車保険は、このような臨時的な運転ニーズに柔軟に対応できる保険商品といえるでしょう。

1日自動車保険の主な改定内容

2025年1月1日以降を保険始期日とする1日自動車保険の主な改定内容は以下の通りです。

補償内容の拡充

  • 「車両全損時復旧費用特約」の新設 初度登録から一定期間が経過した車両でも、全損時に新たな車両を購入する費用等を補償する特約が新設されます。これにより、長期使用の車両でも手厚い補償を受けられるようになります。
  • 「故障補償特約(搬送時)」の新設 従来は補償対象外だった「故障」による修理費用を補償する特約が新設されます。故障によるトラブルにも対応できるようになり、より安心して利用できるようになります。

割引制度の拡充

  • 「1日自動車保険無事故割引」の拡大 1日自動車保険の利用履歴に応じて、新規で自動車保険に加入する際の割引率が最大20%に拡大されます。これにより、1日自動車保険の利用者が将来的に自動車を所有する際のメリットが大きくなります。

対象車種の見直し

  • 軽自動車の型式別料率クラスの拡大 自家用軽四輪乗用車の型式別料率クラスが従来の3クラスから7クラスに拡大されます。これにより、軽自動車の事故リスクをより細かく反映した保険料設定が可能になります。

保険料の改定

  • 全体的な保険料の値上げ 事故件数の増加や修理費用の高騰などを理由に、多くの保険会社で3.5%〜5%程度の保険料値上げが予定されています。ただし、1日自動車保険は比較的安価な保険料を維持しており、依然としてコストパフォーマンスの高い選択肢となっています。

改定を踏まえた1日自動車保険の活用方法

これらの改定を踏まえ、1日自動車保険をより効果的に活用するためのポイントは以下の通りです。

  1. 補償内容の確認 新設された特約や拡充された補償内容をよく確認し、自身のニーズに合った保険プランを選択しましょう。
  2. 割引制度の活用 将来的に自動車を所有する予定がある場合、1日自動車保険の利用履歴を積極的に作ることで、将来の保険料割引につなげることができます。
  3. 軽自動車利用時の注意 軽自動車を利用する際は、型式別料率クラスの拡大により保険料が変動する可能性があるため、事前に確認することをおすすめします。
  4. コストパフォーマンスの再確認 全体的な保険料値上げの中でも、1日自動車保険は比較的安価な保険料を維持しています。短期的な車の利用には依然として有効な選択肢であることを認識しましょう。
  5. 加入手続きの簡便性を活用 スマートフォンやコンビニでの簡単な手続きで加入できる利点を活かし、必要な時に必要な分だけ柔軟に保険に加入することで、効率的な保険利用が可能です。

これらの改定内容を理解し、適切に活用することで、より安心で効果的な1日自動車保険の利用が可能となります。常に最新の情報を確認し、自身のニーズに合った保険選びを心がけることが重要です。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としている。 港区を中心にグルメ情報にも精通しており、独自の切り口でレポートを行う。
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