あいおいニッセイが「建物省エネ化費用特約」を販売開始

あいおいニッセイが「建物省エネ化費用特約」を販売開始
ライター:関野 良和

省エネ基準適合住宅再築の追加費用を補償する新特約、2024年10月提供開始

MS&ADインシュアランス グループの三井住友海上火災保険株式会社(社長:舩曵 真一郎)およびあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(社長:新納 啓介)は、2025年4月に施行予定の改正「建築物省エネ法」に合わせ、住宅が全焼・全壊した際の再築における省エネルギー基準適合費用を補償する「建物省エネ化費用特約」を開発し、2024年10月から個人向け火災保険の特約として販売を開始します。本特約は、省エネ基準適合住宅の普及促進と脱炭素社会の実現を支援します。

このニュースの重要なポイント

  1. 新特約の提供開始:三井住友海上火災とあいおいニッセイが「建物省エネ化費用特約」を提供開始。
  2. 省エネ基準適合費用を補償:住宅が全焼・全壊した際の省エネ基準適合費用を補償。
  3. 改正建築物省エネ法に対応:2025年4月の新法施行に向けた対応策。
  4. 個人向け火災保険の特約:2024年10月より販売開始。

三井住友海上とあいおいニッセイ、建物省エネ化費用特約を販売開始

「建物省エネ化費用特約」が開発された背景

日本では2050年カーボンニュートラル実現に向け、建築物の省エネ化が急務とされています。2022年6月に改正「建築物省エネ法」が公布され、2025年4月以降に新築されるすべての住宅は、省エネ基準に適合することが必須となります。省エネ基準には、「断熱等性能等級4以上」や「一次エネルギー消費量等級4以上」などが含まれます。しかし、現行の火災保険では損害保険金が再調達価額基準で算定されるため、再築時の省エネ基準適合費用が補償されない場合があります。

「建物省エネ化費用特約」は、全焼・全壊した建物の再築時に、省エネ基準適合のための追加費用を補償するものです。この特約では、損害保険金に加え、建物保険金額の10%(1回の事故につき100万円限度)を追加で支払います。省エネ基準適合建物への建て替えや買い替えが必要な場合に、再築費用を補償することで、顧客の経済的負担を軽減します。

建物省エネ化費用特約のメリット

  1. 経済的負担の軽減:省エネ基準適合のための追加費用を補償することで、再築時の経済的負担を軽減します。
  2. 環境負荷の低減:省エネ基準適合住宅の普及を促進し、脱炭素社会の実現に貢献します。
  3. 安心の補償内容:全焼・全壊時の再築における省エネ基準適合費用をカバーするため、顧客に安心を提供します。

建物省エネ化費用特約のデメリット

  1. 追加費用の限度額:補償額が建物保険金額の10%または100万円限度であるため、大規模な再築には不足する場合があります。
  2. 全焼・全壊時のみ:部分的な損害では補償が適用されず、全焼・全壊時のみの適用となります。
  3. 適用条件の確認:適用条件や特約の詳細について、顧客が十分に理解する必要があります。

2050年カーボンニュートラル実現に向けた重要な施策

「建物省エネ化費用特約」は、2050年カーボンニュートラル実現に向けた重要な施策です。省エネ基準適合住宅の普及は、エネルギー消費の削減と環境負荷の低減に寄与します。この特約は、再築時の経済的負担を軽減し、顧客にとっても大きなメリットとなるでしょう。しかし、補償額や適用条件についての十分な理解が必要であり、顧客には詳細な情報提供が求められます。

省エネ基準に適合させるための追加費用は大きな負担となることが多く、この「建物省エネ化費用特約」があれば、再築費用を補償してもらえるため、経済的な負担を軽減しつつ、省エネ基準を満たした快適な住まいが再築しやすくなると思います。この特約は、今後の火災保険選びにおいて重要なポイントとなるでしょう。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としている。 港区を中心にグルメ情報にも精通しており、独自の切り口でレポートを行う。
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