世界貿易センタービルディング本館――浜松町の未来を担う超高層複合ビルの全貌
概要と開発の背景
世界貿易センタービルディング本館は、東京都港区浜松町2丁目、JR浜松町駅・東京モノレール浜松町駅に隣接する一帯で進行中の大規模再開発「浜松町駅西口開発計画」の中核を担う超高層複合ビルです。旧「世界貿易センタービルディング本館」跡地を中心に、鹿島建設・世界貿易センタービルディング・東京モノレール・JR東日本の4社が共同で推進し、2027年3月の竣工・一部開業を予定しています。
本館(A-1棟)は地上46階・地下3階、高さ233.5m、延床面積約30万㎡という国内最大級の規模を誇り、オフィス・ホテル・商業・交通・医療・観光など多彩な都市機能を集積します。

街区構成と施設概要
A街区の全体像
A街区は「新本館(A-1棟)」「ターミナル(A-2棟)」「南館(A-3棟)」「モノレール浜松町駅棟」で構成されます。
- 新本館(A-1棟):地上46階・地下3階、高さ233.5m、延床面積約30万㎡。オフィス・ホテル・商業・医療・観光・キッズセンター・駐車場等
- ターミナル(A-2棟):地上8階・地下3階、高さ約55m。バスターミナル、商業施設、ホール&カンファレンス、屋上広場
- 南館(A-3棟):地上39階・地下3階、高さ197.3m(2021年3月竣工済)
新本館(A-1棟)の主なフロア構成
- 1階:タクシープール(29台)
- 2階:観光プレ体験施設、キッズセンター
- 3階:ラッフルズ東京(ホテル部)
- 5階:ワールドメディカルセンター
- 7階:オフィスロビー
- 9~34階:オフィスフロア(1フロア約850坪=約2,803㎡)
- 36~46階:ラグジュアリーホテル「ラッフルズ東京」
交通結節機能とアクセス強化
新本館は、浜松町駅と直結する「ステーションコア」と呼ばれる巨大な吹き抜け空間を整備。JR・モノレール・都営地下鉄・バスターミナル・タクシープールなど、陸・海・空の主要交通をシームレスに接続します。
- 歩行者ネットワーク:竹芝・汐留・芝浦方面を結ぶ歩行者デッキや自由通路を整備し、駅周辺の回遊性とバリアフリー性を大幅に向上。
- バスターミナル・タクシープール:ターミナル棟1階に19台収容のバスターミナル、本館1階に29台のタクシープールを設置。
- 駅・街・広場の一体化:中央広場とステーションコアを起点に、都市の玄関口としての機能を強化。
オフィス機能とスペック
フロア概要
- 基準階面積:約2,803㎡(約850坪)の無柱空間
- 天井高:2,900mm
- 床荷重:標準500kg/㎡、ヘビーデューティゾーン1,000kg/㎡
- ゾーン別空調、男女トイレ2カ所/階
- 分割利用や専用階段設置も可能
最新鋭のICTインフラ、快適性と柔軟性を両立したオフィス空間が提供され、東京湾や東京タワー、旧芝離宮恩賜庭園など都心有数の眺望も魅力です。
ホテル・商業・医療・観光機能
ラグジュアリーホテル「ラッフルズ東京」
- 36~46階に日本初進出の「ラッフルズ東京」(全130室、60㎡以上の広々とした客室)
- 3つのレストラン、ラウンジ、バー、スパ、プールなど充実の付帯施設
- 世界的なラグジュアリーブランドによる国際水準のホスピタリティを提供

商業施設・カンファレンス
- ターミナル棟3~5階、モノレール駅舎2・3階に「アトレ」運営の商業施設
- ホール&カンファレンス(6~7階)はTKPが運営予定。国際会議やMICEに対応
その他の都市機能
- 観光プレ体験施設(2階):多言語・デジタル体験を通じて日本各地の魅力を発信
- ワールドメディカルセンター(5階):先進医療サービスの提供
- キッズセンター(2階):子育て支援や一時保育機能
- 屋上広場(ターミナル7階):旧芝離宮恩賜庭園とつながる緑のオープンスペース
環境性能・防災・サステナビリティ
- ZEB Ready認証取得:一次エネルギー消費量50%以上削減
- 全館LED照明・高断熱ガラス・高効率空調・省エネエレベーター
- 太陽光発電・雨水利用・緑化強化:ヒートアイランド対策として12,000㎡の緑化空間を創出
- 再生可能エネルギー由来電力供給(オプション)
- CASBEE Sランク相当を目指す
BCP・防災対策
- 鹿島建設の新世代制振オイルダンパー「HiDAX-R」採用:地震時の揺れ幅・体感時間を大幅低減
- 中圧ガス発電・非常用発電機(72時間対応)
- テナント向けBCP電源(15VA/㎡、オプション)
- フロアごとに防災倉庫スペース設置
- 24時間有人管理・多重セキュリティ・非接触ICカードシステム
浜松町エリア再開発と今後の展望
世界貿易センタービルディング新本館は、南館(2021年竣工)、ターミナル(2027年竣工予定)などとともに、浜松町駅西口一帯の再開発の中核を担います。竹芝・芝浦・汐留エリアを結ぶ歩行者ネットワーク強化や、駅・街・広場の一体化による都市基盤の刷新が進行中です。
国際水準のオフィス・ホテル・商業・MICE・医療・観光機能を備え、陸・海・空の交通結節点として、東京・日本の新たな「玄関口」となり、国際ビジネス・観光・地域活性化の拠点としての役割が期待されています。
まとめ
世界貿易センタービルディング新本館は、浜松町駅直結の超高層複合ビルとして、オフィス・ホテル・商業・交通・医療・観光など多様な都市機能を融合。最先端の環境性能と防災力、国際水準のホスピタリティ、駅・街・広場の一体化による都市基盤強化を実現し、東京の未来を担う新たなランドマークとなります。2027年の開業に向けて、浜松町エリアの発展とともに、世界と日本をつなぐ「一歩目」として大きな注目を集めています。
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