虎ノ門アルセアタワー ― 都心再開発の新たな象徴 飲食店やシェアオフィスも充実

虎ノ門アルセアタワー 高層ビル・オフィスビル
虎ノ門アルセアタワー

東京都港区虎ノ門2丁目に2025年2月竣工した「虎ノ門アルセアタワー」は、約2.9haにも及ぶ虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業の中核を担う超高層複合オフィスビルです。38階建て・地下2階、最高高さ約185m、延床面積約18万㎡という圧倒的なスケールを誇り、国際都市・東京のビジネスシーンに新たなランドマークとして登場しました。

歴史と開発の経緯

虎ノ門エリアは、霞ヶ関や赤坂、六本木といった都心主要エリアに囲まれ、官公庁や外資系企業、大使館が集積する国際色豊かなビジネス街です。老朽化した虎の門病院や国立印刷局、共同通信会館を含む一帯を段階的に再開発し、都市機能と国際競争力の強化を目指してきました。約16年に及ぶプロジェクトの末、2025年2月に虎ノ門アルセアタワーが竣工し、街区の新たな象徴となっています。

名称の由来とコンセプト

「アルセア」は、江戸時代にこの地に群生していたタチアオイ(葵坂)の学名「Alcea」に由来します。歴史と未来をつなぐ想いが込められた名称であり、地域の記憶と新たな都市機能の融合を象徴しています。

立地・アクセスの優位性

虎ノ門アルセアタワーは、東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」や日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」から徒歩3分、南北線「溜池山王駅」からも徒歩5分と、都心主要駅からのアクセスが非常に良好です。また、2025年には虎ノ門ヒルズステーションタワーと、2029年には赤坂インターシティAIRともデッキで接続予定。歩行者ネットワークの強化によって、雨に濡れずに駅や周辺施設へアクセスできる利便性も大きな魅力です。

さらに、羽田空港からは約30分、成田空港からも約90分で到着可能。国内外のビジネスパーソンにとって理想的なロケーションです。

建物概要・スペック

項目 内容
所在地 東京都港区虎ノ門2-2-3
階数 地上38階・地下2階
高さ 約180m(最高約185m)
延床面積 約180,600㎡
構造 鉄骨造(一部SRC造・RC造)
用途 事務所、店舗、業務・生活支援施設、駐車場
竣工 2025年2月14日
設計 日本設計・三菱地所設計共同企業体
施工 大成建設株式会社

フロア構成と施設

  • 1階:マルシェ・店舗
  • 2階:オフィスロビー・店舗・アルセアサロン
  • 3階:ビジネスセンター
  • 4~5階:機械室
  • 6~15階:賃貸対象外オフィス
  • 16~37階:賃貸オフィスフロア
  • 22階:スカイロビー・スカイラウンジ

低層部には商業施設や業務支援施設を配置し、国際的なビジネス活動を支える機能を強化。中高層部には高機能オフィスが広がり、22階には眺望抜群のスカイロビーも設けられています。

オフィススペックとBCP対応

虎ノ門アルセアタワーのオフィスは、16~37階の22フロアに展開し、総貸室面積は約73,000㎡(約22,000坪)とエリア最大級。基準階貸室面積は約3,300~3,500㎡(約1,000~1,050坪)、天井高2,900mm(特定階は3,000mm)という開放的な空間設計です。

OAフロアや高容量電源、DHC(地域冷暖房)やガスコージェネレーションシステム(CGS)を導入し、快適かつ柔軟なオフィス環境を実現。制震構造や非常用発電設備、BCP(事業継続計画)対策も万全で、地震や停電などの緊急時にも最大7日間の非常電力供給が可能です。

環境・防災・サステナビリティ

虎ノ門アルセアタワーは、官庁等の防災拠点と同等の耐震性能を備え、災害時の事業継続性を徹底追求しています。ガスエンジンコージェネレーションシステムを活用し、停電時も安定した電力供給が可能。さらに、地上やデッキ、壁面に豊富な植栽を施し、周辺の広場や緑道と一体となった都市環境の向上を図っています。

省エネ・環境配慮型ビルとして、最新の設備とともに、都市再生特別地区の認定も受けています。

商業・ワーカーサポート施設

低層部には11店舗の飲食店やショップが順次オープンし、オフィスワーカーや来訪者に多様なサービスを提供。さらに、会員制シェアオフィス「WAW虎ノ門アルセアタワー」も開業し、柔軟な働き方やワークスタイルの多様化に対応しています。

ビジネスセンターやラウンジ、リフレッシュスペースも充実しており、快適なビジネス環境と憩いの場を両立しています。

周辺環境と今後の展望

虎ノ門アルセアタワー周辺では、歩道や広場の拡幅・緑化、アメリカ大使館前交差点の改良など、さらなる都市基盤の整備が進行中。2029年度には赤坂インターシティAIRとの接続デッキが完成予定で、都心の回遊性・利便性が一層高まります。

また、既に本田技研工業(Honda)が本社移転を決定しており、今後も国内外の有力企業の集積が期待されています。

まとめ ― 虎ノ門アルセアタワーがもたらす価値

虎ノ門アルセアタワーは、国際ビジネス拠点としての高い機能性と、災害対応力・環境配慮を両立した最先端の都市型複合ビルです。多様な働き方を支える施設や、快適な都市空間の創出を通じて、虎ノ門エリア全体の価値向上と国際競争力強化に大きく貢献しています。

今後も、虎ノ門アルセアタワーを核とした街づくりが進展し、東京のビジネス・イノベーションをリードする新たなランドマークとして、その存在感を高めていくでしょう。

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