はじめに
2025年2月、東京都港区芝浦に「ブルーフロント芝浦TOWER S(BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S)」が竣工しました。これは旧浜松町ビルディング(東芝ビルディング)の建替事業として誕生した、高さ約229m・地上43階建ての超高層複合タワーです。オフィス・ラグジュアリーホテル・商業施設など多様な都市機能を集積し、東京ベイエリアの新たな顔として注目を集めています。
プロジェクトの全体像と背景
ブルーフロント芝浦は、野村不動産とJR東日本が共同で推進する国家戦略特別区域計画の特定事業であり、区域面積約4.7ha・延床面積約55万㎡という、約10年に及ぶ大規模複合開発です。TOWER S(南棟)とTOWER N(北棟)のツインタワー構成で、TOWER Sが2025年2月に竣工、TOWER Nは2030年度の竣工を予定しています。
このプロジェクトは、浜松町駅周辺の都市再生とグローバルビジネス拠点の強化、そして地域住民やワーカーの利便性向上を目的に計画されました。東京湾岸部の新たなシンボルとして、都市景観や働き方、暮らし方に変革をもたらします。
立地とアクセス
ブルーフロント芝浦TOWER Sは、JR・東京モノレール「浜松町」駅、都営地下鉄「大門」駅、ゆりかもめ「日の出」駅の4駅6路線が利用可能な至便な立地です。浜松町駅からはペデストリアンデッキで直結し、雨に濡れずにアクセスできます。羽田空港や成田空港へのダイレクトアクセスも可能で、国内外のビジネスパーソンにとって理想的な拠点となっています。
建物概要とスペック
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S(ブルーフロント芝浦タワーS) |
所在地 | 東京都港区芝浦1丁目1-1 |
階数 | 地上43階・地下3階 |
高さ | 228.88m |
延床面積 | 約550,209㎡ |
構造 | S造(一部RC造、SRC造) |
設計・監理 | 槇総合計画事務所、清水建設、日建設計ほか |
施工 | 清水建設 |
主用途 | オフィス、ホテル、商業施設、駐車場 |
竣工 | 2025年2月28日 |
TOWER Sは、1~3階がショップ&ダイニング、7~33階がオフィス、35~43階がラグジュアリーホテル「フェアモント東京」となっています。TOWER Nは2030年度に竣工予定で、主に住宅や追加オフィスが入居します。
施設構成と特徴
オフィス
中層階(7~33階)には、都内有数の1フロア約1,500坪の広大なオフィス専有部を設置。「TOKYO WORKation」をテーマに、自然環境を活かした共用部やテラス付きのスカイラウンジなど、イノベーションを促進する多彩なワークスペースが整備されています。最新の省エネルギー技術を取り入れた「ZEB Ready」認証を取得し、快適かつ環境負荷の少ないオフィス環境を実現しています。
ホテル
高層階(35~43階)には、日本初進出となるラグジュアリーホテル「フェアモント東京(219室)」が2025年7月に開業予定です。世界的ブランドならではの上質なサービスと眺望、レストランやバー、スパなど多彩な付帯施設を備え、国際都市東京の新たなホスピタリティ拠点となります。
商業施設
低層階および外構部には、2つのフードホールを中心とした約40店舗の商業施設が2025年9月に順次開業予定です。地域のHUBとして、地元住民やワーカー、来街者が気軽に立ち寄れる多彩な飲食店やショップが揃います。浜松町駅と芝浦エリアを結ぶ「GREEN WALK」沿いにもカフェやレストランが先行オープンし、賑わいを創出しています。
環境・防災・サステナビリティ
ブルーフロント芝浦TOWER Sは、環境負荷を低減するための先進技術を多数導入しています。高性能Low-E複層ガラスや高効率空調システム、LED照明などにより「ZEB Ready」認証を取得。再生可能エネルギーの活用やCO2排出量実質ゼロを目指す取り組みも進行中です。
また、東京ガスと野村不動産が共同で設立した「芝浦エネルギーセンター」からのエネルギー供給や、日立製作所の「グリーン水素発電システム」導入など、スマートエネルギーネットワークも稼働しています。これにより、災害時のエネルギー供給の安定化やBCP(事業継続計画)にも大きく寄与しています。
街づくりと地域連携
本プロジェクトでは、既存の2つの区立公園を集約・再整備した「港区立新浜公園」や、緑豊かな歩行者動線「GREEN WALK」の整備も進められています。これにより、駅から芝浦エリアへの回遊性や快適性が大幅に向上し、地域の賑わい創出と都市環境の質向上に貢献しています。
今後の展望
TOWER Sの竣工・開業を皮切りに、2030年度にはTOWER Nも完成し、住宅や追加オフィスが供給される予定です。これにより、ブルーフロント芝浦は「職・住・遊」が一体となった新しい都市型ライフスタイルを提案し、東京ベイエリアの国際競争力をさらに高めていくでしょう。
まとめ
ブルーフロント芝浦TOWER Sは、圧倒的なスケールと多機能性、最先端の環境技術、優れたアクセス性を兼ね備えた、東京ベイエリアの新たなランドマークです。ビジネス・観光・生活のすべてを高次元で融合し、都市の未来像を体現するこのプロジェクトは、今後も多くの注目を集め続けることでしょう。
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