法人向け金融サービス「Trunk(トランク)」を三井住友フィナンシャルグループが提供開始

法人向け金融サービス「Trunk(トランク)」を三井住友フィナンシャルグループが提供開始
ライター:関野 良和

三井住友FGが法人向け新サービス「Trunk」を発表、中小企業の“デジタル経営”をサポートへ

2025年5月、三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)は、法人向けデジタル総合金融サービス「Trunk(トランク)」の提供を開始します。この新サービスは、三井住友銀行と三井住友カードを中心とするグループの総力を挙げて開発されたもので、口座・決済・ファイナンスなどの基本機能に加え、AIやスマートフォンを活用した新しいユーザー体験の提供を目指しています。対象は主に中小企業で、デジタル技術の進化に伴って多様化・高度化する経営課題に対し、金融機能を軸とした「デジタル経営基盤」として機能することが期待されています。

「Trunk」は、SMBCグループが個人向けに展開してきた「Olive(オリーブ)」のノウハウを法人向けに応用したもので、デジタルファースト、モバイルファーストの姿勢を貫いています。サービス名には「長い旅の相棒」「事業の幹」として経営を支え続けるという想いが込められており、中小企業の成長とともに歩むパートナーとなるべく設計されています。

法人経営の“お金回り”を一元化するTrunkの特徴

「Trunk」は単なる銀行口座やビジネスカードの提供に留まらず、経理業務効率化、資金繰り支援、資金管理の見える化など、法人経営に欠かせない機能をワンストップで提供するのが最大の特長です。

ネット口座×ビジネスカード=法人デジタルの入口に

まず、ネット口座の開設はスマートフォンから完結可能。Web面談による審査を経て、最短翌営業日に開設できるというスピード感が魅力です。加えて、振込などのインターネットバンキング手数料も業界最低水準とされており、コスト面でも競争力があります。

ビジネスカードは、サービス開始当初は法人代表者向けの「ビジネスオーナーズ」カードを発行予定。今後、会計SaaSとの連携など、高度な機能を持つカードが登場する予定です。

豊富な周辺サービスで経理業務を自動化

「Trunk」は経理担当者の負担を減らすことにも注力しています。例えば、請求書をスマートフォンで撮影するだけで、支払いデータが自動作成され、振込予約まで完了。さらに、支払期日の繰り延べが可能なカード連携機能もあり、キャッシュフローの調整にも役立ちます。

また、「フレキシブル・ファイナンス」機能では、複数の資金調達方法を一元管理できるほか、補助金の申請をサポートする機能や経営状況を視覚化するダッシュボード機能なども順次追加予定です。

AI技術とパートナー企業による進化するサービス

AIを活用したユーザー体験にも注目です。口座、決済、ファイナンス機能の操作は、直感的でスピーディに使いこなせるよう工夫されています。協業パートナーとしては、ビザ・ワールドワイド・ジャパンやインフキュリオンが名を連ね、これら企業との連携によって、今後も機能拡張が続けられる見込みです。

「Trunk」の戦略的位置づけと今後の展開

SMBCグループは「Trunk」を、法人戦略の中核商品と位置づけています。日本経済の再活性化には中小企業の成長が不可欠とし、従来の金融サービスでは対応しきれなかったニーズに、デジタルの力で応えていく狙いがあります。

特に、口座を持っていない新規顧客向けに提供される「デジタル支店」モデルを採用することで、非対面でありながらも迅速かつ安全な金融サービスを提供。今後は、既存顧客やリアル店舗との連携も視野に入れて、サービスの拡充を図っていくとしています。

リリース記念「Trunkキャンペーン」でAmazonギフト券も

サービスの本格始動に先立ち、SMBCグループは2025年4月15日〜5月25日の期間、「Trunkリリースキャンペーン」を実施します。このキャンペーンでは、事前に口座開設を予約した法人に対し、Amazonギフトカード5,000円分がプレゼントされます(諸条件あり)。詳細は公式Webサイトからの確認が必要です。

まとめ

金融とテクノロジーの融合が進むなか、SMBCグループが提供する「Trunk」は、これからの中小企業経営に欠かせない存在になるかもしれません。従来の枠にとらわれないデジタルファーストの金融サービスは、法人ユーザーの多様なニーズに柔軟に応え、変化の激しいビジネス環境でも頼れる”旅の相棒”となるでしょう。

執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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