fundnoteの預かり資産総額が300億円を突破

fundnoteの預かり資産総額が300億円を突破
ライター:関野 良和

fundnote、預かり資産300億円を突破 独立系運用会社として異例の急成長

近年、個人投資家を中心に「自ら資産を育てる」という意識が高まる中で、独立系運用会社が注目を集めています。その中でも急成長を遂げているのが、fundnote株式会社です。2021年に創業し、直販による私募ファンドを中心にスタートした同社は、2024年12月には公募投資信託にも進出。そして2025年4月17日時点で、同社の預かり資産総額が300億円を突破しました。これは、設立からわずか4年足らずで達成された数字であり、日本の資産運用業界において非常に異例な実績と言えるでしょう。

この急成長の背景には、「顔の見える資産運用」という哲学に基づく独自のファンド戦略と、投資家との信頼関係の構築があります。今回は、fundnoteの成長の軌跡とその魅力を詳しく解説します。

歴代1位・6位の記録でスタートダッシュに成功

fundnoteが注目されるきっかけとなったのは、2024年12月に設定された「fundnote IPOクロスオーバーファンド(匠のファンド あけぼの)」です。このファンドは、直販ファンドとして歴代6位となる当初設定額を記録し、多くの個人投資家から支持を集めました。

さらに2025年1月には、第二弾となる公募投信「fundnote日本株Kaihōファンド(匠のファンド かいほう)」が99.83億円を集め、直販ファンドとしては歴代1位の当初設定額を達成。新興の独立系運用会社が、2つのファンドで同時にトップ10入りするのは極めて珍しいことであり、業界内でも話題となりました。

この2本のヒットファンドにより、fundnoteは一気に信頼と実績を積み重ね、預かり資産も急拡大。300億円という節目を迎えるに至りました。

fundnoteが選ばれる理由

fundnoteが多くの投資家から支持を得ている理由は、その商品設計と企業理念にあります。以下の特徴が特に評価されています。

・運用者の「顔」が見えるファンド設計
・未上場株へのアクセスを提供する独自性
・直接販売による透明性と信頼性
・30〜50代の経営者・富裕層からの支持

fundnoteでは、自社サイトを通じた直販や、営業担当者による対面販売を重視しています。加えて、ファンドマネージャーの経歴や投資戦略も積極的に開示し、投資家との双方向のコミュニケーションを築いています。

代表的ファンド紹介:fundnote IPOクロスオーバーファンド

このファンドは、上場後5年以内の中小型株に加えて、上場を控える未上場企業にも投資する「IPOクロスオーバー戦略」を採用しています。未上場企業を組み入れた公募投信は、国内でも非常に珍しい存在であり、個人投資家にとって貴重な投資機会を提供しています。

運用を担当する川合直也氏は、三井住友DSアセットマネジメントや香港のヘッジファンドで活躍した経歴を持ち、国内中小型株の調査・運用に豊富な実績があります。川合氏の運用哲学と手腕が、ファンドの成長を大きく後押ししています。

代表的ファンド紹介:fundnote日本株Kaihōファンド

このファンドは、投資助言会社Kaihouの助言に基づいて国内株に集中投資するスタイル。Kaihouは「ニッポンの家計に貢献する」という明確なミッションを掲げ、株式市場の「アルファ(=本来の企業価値と株価の差)」を追求する姿勢が特徴です。

同社を共同設立した竹入敬蔵氏と井村俊哉氏の経歴も非常にユニークです。竹入氏はゴールドマン・サックス証券出身、井村氏はお笑いタレントを経て個人投資家として成功し、100億円以上の運用益を上げた実績があります。多様な視点を持つ運用助言者の存在が、ファンドに独特の魅力を加えています。

「顔が見える資産運用」が信頼を生む

fundnoteが掲げる「顔の見える資産運用」という哲学は、資産運用業界に新しい風を吹き込んでいます。投資家にとって、誰が、どのような考えで資産を運用しているのかが明確であることは、安心して資産を託す上で非常に重要です。

このスタイルが特に共感を集めているのが、30〜50代の経営者層や富裕層の個人投資家です。彼らは時間的制約がある中でも、自らの資産形成に対して高い関心を持っており、信頼できる運用者に任せたいというニーズを持っています。

今後の展望

fundnoteは今後も、透明性と独自性を武器に、新しい投資の形を提案していくと見られています。現在の2本の公募ファンドに加え、将来的にはさらに多様なファンドや投資機会の提供が期待されます。

また、投資教育や情報発信にも力を入れることで、投資をもっと身近に、そして豊かにするというビジョンの実現を目指しています。

fundnoteが見せる成長のスピードと、徹底した理念経営は、これからの資産運用の在り方を考える上で重要な参考例となるでしょう。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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