ナスダック100は”やめとけ”といわれているのはなぜ?


ナスダック100はヤバイので”やめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します
ナスダック100についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。「やめたほうがいい」「ハイリスク」などの否定的な意見がある一方で、高いリターンを示す実績も無視できません。米国テクノロジー企業への投資として注目されるナスダック100の実態はどうなのでしょうか。
ナスダック100の基本情報
ナスダック100(NASDAQ100)は、米国ナスダック市場に上場する時価総額上位100社(金融セクターを除く)で構成される株価指数です。2025年3月時点での主要構成銘柄には、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、ブロードコム(AVGO)、メタプラットフォームズ(META)などの世界的なテクノロジー企業が含まれています。
特徴としては、四半期ごとに銘柄の見直しが実施され、時価総額による加重平均方式を採用している点が挙げられます。また、新興企業の成長性に注目した指数であることから、世界経済を牽引する米国ハイテク企業を中心に構成されているのが特徴です。
「おすすめしない」と言われる理由
ネット上では「ナスダック100はおすすめしない」という声が少なくありません。その主な理由を詳しく見ていきましょう。
1. ボラティリティの高さ
ナスダック100は価格変動が激しいとされています。検索結果によると、「ナスダック100は、ボラティリティが高い株式指数です」と指摘されており、他の株式指数と比較しても「最小値△22.9と他の株式と比較してリスク面も高い」と言われています。
2024年に入ってからのNASDAQ100の値動きを見ても、「短期間で何回も乱高下を繰り返している」とのことで、このような激しい価格変動は「精神的な負荷がかかりやすく、正常な判断ができなくなる」リスクも指摘されています。価格の急落が珍しくないため、暴落の予兆に気づきにくいというデメリットもあるようです。
ある専門家は「ナスダック100は赤字企業も採用することがあるため、イノベーションの種を早期に取り入れることが期待できる反面、株価が大幅に下落することもありボラティリティが高くなることがあります」と指摘しています。
2. 特定セクターへの集中投資
ナスダック100指数のセクター割合を見ると、「情報技術セクターで49.3%を保有しており、セクター分散性には大きな課題がある」と評価されています。このため、「情報技術セクターが好調な年は高いパフォーマンスとなる一方、不調な年は大きく株価が下落」する傾向があるとのことです。
このセクター偏重は「ナスダック100のボラティリティが高い要因」とされており、分散投資の観点からは欠点と言えるかもしれません。
3. 配当利回りの低さ
ナスダック100のコアセクターである情報技術は、「配当利回りが低い傾向にあります」。2024年の配当利回りは0.63%とされており、これはインカムゲイン(配当益)を重視する投資家にとっては魅力的ではないかもしれません。ナスダック100は「インカムゲイン(配当益)ではなく、キャピタルゲイン(売却益)を狙う投資商品」と理解されているようです。
4. 投資銘柄数の限定性
その名の通り、ナスダック100は100社への投資に限定されています。これは「S&P500(500社)、全米株式(約2,500社)、全世界株式(約3,000社)と比較した場合、限定的な分散性」であると指摘されています。「毎年セクター別に好不調があるため、リスクを下げたい場合セクター分散性を上げることが大切」とのアドバイスもあります。
5. 為替リスク
米国株への投資である以上、為替の影響は避けられません。「株価下落+円高」となった場合、株価以上の損失を被るリスクが指摘されています。例えば、1ドル100円と1ドル150円では、株価が同じでも1.5倍の差が出ることになります。
6. 上位銘柄への集中
ナスダック100の構成を見ると、「上位10銘柄だけで指数全体の約50%を占める」とされており、特に「コストコを除く9企業がテクノロジー企業で構成比46.21%を占めている」ことから、「指数の動きに大きな影響力を持つ」と分析されています。
これを他の指数と比較すると、S&P500の場合は上位10社で34.42%、上位10社におけるテクノロジーセクターの比率は27.22%であり、ナスダック100の方が明らかに集中度が高いことがわかります。このことから、「ナスダック100はハイテク企業が組み入れ銘柄の多くを占めるなど業種が偏っていることから分散力が低いため、単体での購入はおすすめしない株価指数です」という結論に至る意見もあります。
これらの理由から、ネット上では「ナスダック100はやめたほうがいい」「やばい」といった否定的な評価も見られます。特に投資初心者に対しては、「下落に耐えてガチホできる人にはそれだけのリターンが得られるでしょう」という意見があるように、価格変動への耐性が必要と考えられているようです。
実は良い評判も多い?ナスダック100のメリット
一方で、ナスダック100には多くのメリットも存在します。「おすすめしない」という評判と比較してみましょう。
1. 高いパフォーマンス
ナスダック100は「高いパフォーマンスが期待できる」と評価されています。あるファンドのデータでは、「年間リターン60.55%」という実績も報告されており、長期投資の観点からは魅力的な数字と言えるでしょう。
iFreeNEXT NASDAQ100インデックスのリターンを見ると、過去5年で27.37%(8位)という高いパフォーマンスを記録しています。これは、他の多くの投資信託と比較しても優れた実績と言えるでしょう。
2. 世界的イノベーションへの投資
「GAFAMをカバーしているので、世界のイノベーションによる恩恵を享受できる最もすぐれたインデックスファンド」という評価もあります。実際、ナスダック100の主要構成銘柄には、世界経済を牽引するテクノロジー企業が多く含まれており、これらの企業の成長に投資できる点はおすすめポイントと言えるでしょう。
3. 情報の入手のしやすさ
「米国を代表する指数であるため、情報入手が容易い」というメリットもあります。「新製品や新サービスの発表や新技術の開発、当局の規制等、ナスダック100の構成銘柄の業績や株価に影響を与える情報は新聞やニュース等のメディアを通じて入手することができます」とされており、投資判断に必要な情報を集めやすい点は大きな利点です。
4. 投資のしやすさ
日本からでも、投資信託やETFを通じて「日本円でNASDAQ100指数に投資が出来るようになる」というメリットがあります。具体的には「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」や「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」、「楽天NASUDAQ‐100」などの商品を通じて、手軽に投資できるようです。
これらのファンドの信託報酬(手数料)も比較的低く、「100万円を投資をしても、年2,000円程度と格安での運用が可能」とされています。これは投資コストを抑えたい投資家にとっては利点と言えるでしょう。
5. CFDを活用した投資方法
CFD(差金決済取引)を通じてナスダック100に投資する方法もあり、「レバレッジを効かせれば少ない資金から取引できる」というメリットがあります。例えば、最大10倍のレバレッジをかけることで、少ない自己資金でより大きな取引が可能になるとのことです。
ただし、レバレッジ取引にはリスクも伴うため、経験や知識が必要とされています。
専門家の見解と実際の評判
投資家や専門家からの具体的な評価も見てみましょう。
あるサイトの評価では、「ニッセイNASDAQ100インデックスファンドの評価は、ズバリ4(5段階中)です」として、その理由に「パフォーマンスが高い」「信託報酬が低い」を挙げつつも、「比較的リスクも高い」「隠れコストが分からない」という点も指摘しています。
実際の投資家の声としては、「S&P500では物足りないとなると、NASDAQ100がよい商品だと思う」「個別で外国株も買っているが、こっちの方が楽」という意見があります。また、「時価総額が大きく、経営状態の良い優良企業が上位にきているので、比較的安心して買いやすいでしょう」という評価もあります。
一方で、「下がったときの下がり方がS&P500や全世界株式に比して大きいため、投信初心者にはお勧めしません」という忠告もあります。これは前述のボラティリティの高さを裏付ける意見と言えるでしょう。
バランスの取れた投資アプローチ
多くの専門家が推奨しているのは、ナスダック100を投資ポートフォリオの「一部」として位置づけるアプローチです。「ナスダック100は素晴らしい投資商品であるも、自身のポートフォリオの一部に留めることをおすすめします」という助言があります。
これは、ナスダック100の持つセクター集中リスクやボラティリティの高さを考慮すると、ポートフォリオ全体の中で適切に位置づけることが重要だという考え方です。例えば、S&P500や全世界株式、債券などと組み合わせることで、リスクを分散させることができるでしょう。
ナスダック100への投資商品の比較
ナスダック100に投資する方法はいくつかありますが、主な選択肢として以下のような投資信託が挙げられています。
- 楽天NASUDAQ‐100: 信託報酬0.198%/年
- eMAXIS NASUDAQ100: 信託報酬0.2035%/年
- ニッセイNASDAQ100: 信託報酬0.2035%/年
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス: 信託報酬の記載はありませんが、低コストで投資できるとされています
これらの信託報酬は、S&P500や全世界株式のインデックスファンドと比較すると「僅かに割高」とされていますが、「100万円投資をしても年間コスト差は1,000円前後と、それほどこだわるポイントではありません」という見解もあります。
ナスダック100は本当におすすめしないのか?
ここまでの情報を総合すると、ナスダック100は一概に「おすすめしない」とは言い切れないことがわかります。確かに、ボラティリティの高さやセクター集中、配当利回りの低さなど、デメリットは存在します。しかし、世界をリードするテクノロジー企業への投資機会や高いパフォーマンスの可能性など、魅力的な面も多くあります。
重要なのは、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて判断することでしょう。短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で投資できる方であれば、ナスダック100はやばくない選択肢と言えるかもしれません。
「S&P500では物足りない」という投資家や、テクノロジーセクターの成長に期待する投資家にとっては、ナスダック100はおすすめの投資先となる可能性があります。特に「GAFAMをカバーしているので、世界のイノベーションによる恩恵を享受できる最もすぐれたインデックスファンド」という評価は、その利点を端的に表していると言えるでしょう。
ただし、投資初心者や価格変動に敏感な投資家にとっては、「下落に耐えてガチホできる人にはそれだけのリターンが得られる」という意見にもあるように、値動きの大きさを理解した上で投資することが重要です。
まとめ:バランスのとれた視点で考える
ナスダック100についての評判と真相を掘り下げてきましたが、「おすすめしない」という評価は一面的な見方に過ぎないことがわかりました。確かに欠点は存在しますが、それを理解した上で適切に活用すれば、ポートフォリオに大きな価値をもたらす可能性があります。
ナスダック100への投資を検討する際は、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
- ボラティリティの高さを理解し、短期的な値動きに一喜一憂しない長期投資の姿勢を持つ
- ポートフォリオ全体のバランスを考え、過度な集中を避ける
- 値動きに対する精神的な耐性を持つ
- テクノロジーセクターの将来性に対する自分なりの見解を持つ
- 為替リスクも考慮する
- 自分のリスク許容度に合わせた投資配分を決める
最終的には、「ナスダック100は素晴らしい投資商品であるも、自身のポートフォリオの一部に留めることをおすすめします」という助言が、バランスの取れた視点を示していると言えるでしょう。単体での購入ではなく、他の資産クラスと組み合わせることで、そのリスクを抑えつつ高いパフォーマンスの可能性を享受できるかもしれません。
世界経済を牽引するテクノロジー企業への投資機会としてのナスダック100は、適切に活用すれば投資ポートフォリオの重要な一部となり得る、おすすめの投資先と言えるのではないでしょうか。
