”太陽誘電の株価がやばい”と話題に – 2025年4月7日

”太陽誘電の株価がやばい”と話題に – 2025年4月7日
ライター:関野 良和

太陽誘電の株価が暴落、「やばい」と言われる背景を徹底調査

太陽誘電株式会社(東証:6976)の株価について、ネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。2025年4月7日、この電子部品メーカーの株価は大幅な下落を見せており、投資家の間で「やばい」状況と話題になっているようです。

太陽誘電の株価動向と市場の反応

2025年4月4日の取引終了時点で太陽誘電の株価は2,096.5円となり、前日比で302.5円(14.43%)もの大幅な下落を記録しました。さらに、4月7日の朝には一時1,781.5円まで下がる場面も見られたとのことです。この株価の急落は、多くの投資家にとって予想外の展開であったと言われています。

理論株価から見ると、PBR基準で2,411円(0.90倍)、PER基準で2,371円(22.2倍)と算出されており、現在の株価は理論値を大きく下回る水準にあります。このギャップが、一部の投資家にとっては「買い」のシグナルとなる可能性もあるようですが、株価の下落トレンドが続いていることから、多くの投資家は慎重な姿勢を示しているようです。

Yahoo!ファイナンスの掲示板では、「45銘柄保有してるが。。。。。。ここだけマイナス(´;ω;`)しかも買値が4500円。。配当頂いても大幅マイナス」という嘆きの声も見られました。この投稿からは、長期保有している投資家の中には大きな含み損を抱えている方もいることがうかがえます。

太陽誘電の業績と事業展望

太陽誘電は電子部品の中でも「積層セラミックコンデンサ」を主力製品としており、世界シェアは金額ベースで14%弱と、業界3番手の位置付けとなっています。主な競合として村田製作所が挙げられ、村田製作所の世界シェアは43%程度で業界トップとなっているようです。

2025年3月期第3四半期決算では、売上高2,547億2,400万円(前年同期比5.3%増)、営業利益84億200万円(同19.3%増)と増収増益を達成しました。特に主力のコンデンサ事業が好調で、売上高は1,717億8,800万円(同12.1%増)と大きく伸長。為替差益の影響もあり、経常利益は136億8,500万円(同83.5%増)と大幅な増益となっています。

このように業績自体は好調であるにもかかわらず株価が下落している点は、市場参加者にとって「やばい」と感じられる状況なのかもしれません。一般的に、業績好調であれば株価も上昇するというのが市場の常識ですが、太陽誘電の場合は異なる動きを見せています。

株価急落の背景とアナリストの見方

太陽誘電の株価は2025年2月10日には業績予想の上方修正を好感し、前営業日比500円(22%)高の2768円でストップ高を記録したことがありました。しかし、その後は下落トレンドに転じています。

野村証券の秋月学リサーチアナリストは、「情報機器やデータセンター向けを中心に需要が回復してきたことは今後の業績回復につながろう」と指摘し、目標株価を従来の2500円から2700円に引き上げていました。しかし、予想PER(株価収益率)は69倍台と、同業の村田製作所(21倍台)やTDK(20倍台)と比べて割高感があることも指摘されています。

有名投資家の井村俊哉氏も太陽誘電に投資していましたが、その後売却したとのことです。このような著名投資家の動向も、市場心理に影響を与えている可能性があります。

コンデンサ市場の将来性と太陽誘電の立ち位置

太陽誘電の主力製品である積層セラミックコンデンサは、スマートフォンや電気自動車、データセンターのサーバーなどに搭載されており、高性能なデバイスになればなるほどたくさん使われるという特性があります。

近年の傾向としては、自動車向けの需要が増加しており、電気自動車の普及や自動車内の電装化の進展に伴い、コンデンサの需要も増えているとのことです。また、AIブームによるデータセンター需要、AIスマホやAIパソコンなどの高性能端末の増加に伴い、コンデンサの需要も今後増えていくという予測もあります。

このような市場環境は太陽誘電にとって大きな利点となる可能性がありますが、EV車の販売がピークアウトしそうだという懸念材料も出てきており、将来的な需要予測には不確実性も含まれているようです。

社員・元社員の口コミから見る企業の実態

太陽誘電の社内状況について、社員・元社員の口コミからは様々な評価が見られます。

良い評価としては、「群馬においては年収が高め」「学部卒でも25万円は貰える」という待遇面での評価や、「有給も取りやすく残業も少ない」「女性は働きやすい。育児に対しても理解がある」というワークライフバランスに関する評価があります。

一方で、「一部の仕事できる人に集中」「本社ではパワハラやモラハラがある」といったデメリットも指摘されています。また、「夜勤が体にかなり影響する」「1週間ごとに交代するので自律神経が乱れる」という勤務形態に関する不満や、「実質的な本社は高崎にあるのに、本社を東京においている」という組織体制への疑問も見られます。

これらの口コミからは、太陽誘電は地方企業としては待遇が良い一方で、一部の職場環境や勤務形態には改善の余地があると言われています。投資を検討している方にとっては、このような企業文化や従業員満足度も長期的な企業価値を判断する上での参考になるかもしれません。

投資判断の考え方

太陽誘電への投資をおすすめするかどうかは、個人の投資目的やリスク許容度によって異なりますが、現在の株価下落局面では慎重な判断が求められているようです。

SimplyWall.stのレポートによると、太陽誘電は過去12ヶ月間で33%の株価下落に見舞われているとのことです。一方で、今後3年間は年率40%の成長が見込まれるという予測もあり、これは市場全体の年間成長率9.3%よりはるかに高い水準です。

しかし、「太陽誘電には2つの注意すべき兆候がある」とも指摘されており、やめたほうがいいと判断する材料も存在するようです。具体的にはEPSが3年前と比べて合計で63%減少しているという点が挙げられており、これは「非常に残念なこと」と評されています。

結論

太陽誘電の株価は2025年4月7日時点で大幅な下落を見せていますが、その背景には複数の要因が絡み合っているようです。業績自体は好調であるものの、高いPER、市場環境の変化、有名投資家の売却などが株価下落の要因となっている可能性があります。

長期的には、AIや自動車の電装化といったトレンドによってコンデンサ需要は増加すると予測されていますが、短期的には株価の変動が大きく、投資家にとっては「やめとけ」と忠告する声もあるようです。

太陽誘電の株価が「やばい」と言われる状況は、投資家にとってはリスクでもありチャンスでもあります。しかし、おすすめしない理由としては、株価の下落トレンドが続いていることや、高いPERによる割高感、さらには一部の欠点として指摘されている職場環境の課題などが挙げられるでしょう。

投資判断にあたっては、最新の業績動向や市場環境、アナリストの見解など、多角的な情報収集が重要であると言えます。

執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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