”ユーグレナの株価がやばい”と話題に – 2025年4月7日

”ユーグレナの株価がやばい”と話題に – 2025年4月7日
ライター:関野 良和

ユーグレナの株価が暴落、「やばい」と言われる背景を徹底調査

ユーグレナの株価がやばいと話題になっていることについて、ネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。東証プライム市場に上場するユーグレナ株式会社(証券コード:2931)の株価動向が投資家の間で注目されているようです。2025年4月現在、同社の株価はどのような状況にあるのでしょうか?また、その背景には何があるのでしょうか?

ユーグレナの株価最新動向と黒字化への道

ユーグレナの株価は2025年2月に一時ストップ高を記録する場面がありました。これは2024年12月期の決算発表で、同社が7年度ぶりに営業黒字化を達成したことが好感されたためのようです。しかし、その後の株価は不安定な動きを続けており、2025年4月4日時点では465円となっていました。

2024年12月期の決算では、調整後EBITDAは43.3億円(前期比94.8%増)となり、従来計画の38億円を上回る結果となりました。また、営業利益は3億円で7期ぶりの黒字転換を果たしています。さらに、2025年12月期の業績予想では営業利益が前期比4倍となる12億円を見込んでおり、黒字基調の定着を目指しているようです。

このような業績改善の背景には、新経営体制による経営方針の転換があると言われています。2024年1月に共同代表(Co-CEO)に就任した若原智広氏は、「赤字は仕方ない」という従来の考え方からの脱却を明確に打ち出しました。

ユーグレナの株価が「やばい」と言われる理由

しかし、業績の黒字化にもかかわらず、ユーグレナの株価が「やばい」と言われる背景には複数の要因があるようです。

1. バイオ燃料事業の進捗停滞

ユーグレナの将来性を期待されていた主力事業の一つがバイオ燃料「サステオ」ですが、その普及が思うように進んでいないことがデメリットとなっています。日本経済新聞も「バイオ燃料まだ着火せず 稼ぎ頭は『青汁』」という見出しで記事を掲載しており、バイオ燃料事業の進捗の乏しさを指摘しています。

特に大きな問題として、輸入されているバイオ燃料「サステオ」には、実はミドリムシ(ユーグレナ)が含まれていないことが明らかになったという点があります。ユーグレナは2018年に横浜市にミドリムシや廃食用油からバイオ燃料を製造する実証プラントを設置していましたが、2024年1月に閉鎖し、現在は海外のパートナー企業から燃料を輸入して供給している状況だと言われています。

2. 商業化の遅れ

バイオ燃料事業の商業化も難航しているようです。ユーグレナはマレーシアの国営石油会社「ペトロナス」とイタリアの大手エネルギー会社「エニ」と協業を進めていますが、当初2023年中に予定されていた最終投資決定が2024年7月に後ろ倒しとなり、プラント完成時期も2028年に変更されるなど、計画の遅延が見られます。

3. 株主配当の不在

株価が上がらないもう一つの理由として、「無配当の配当方針」が短期的な株主にとって魅力的でないことも挙げられています。配当を重視する投資家にとっては、おすすめできない銘柄となってしまっているようです。

ネット上の口コミや投資家の評判

ネット上ではユーグレナの株価について様々な意見が見られます。Yahoo!ファイナンスの掲示板では「想像以上のドタバタ関税で大幅な下落になり、目先は折り合える水準探しですかね」「来週は400円割れ」といった悲観的な見方をする投稿もあります。

一方で、「機関投資家、先見の明がおありだと素直に脱帽せざるを得ない」といった機関投資家の動きを評価する声もあるようです。また、「機関の空売りだけ特定のサイトに行かないと見れないとか道義的に認めちゃダメ」といった市場の透明性に関する指摘も見られます。

社内の評判と働き環境

エンゲージ会社の評判によると、ユーグレナの従業員からは「福利厚生はほぼないと思って大丈夫です。住宅補助、退職金はありません」といった厳しい評価もあります。一方で、「勤務時間は比較的調整が効く方」「休暇も比較的取りやすい方」といった働き方に関するポジティブな口コミも見られます。

リモートワークについては「新型コロナウイルスが流行りはじめてから、かなり早い段階で推進されていた」との評価があり、多様な働き方への対応という点では利点があるようです。

ユーグレナの今後の展望

2025年12月期の業績予想では、希望退職者募集やヘルスケア事業などにおけるコスト構造改革効果も見込み、営業利益は12億円(前期比4倍)と急拡大する見通しが立てられています。

しかし、主力として期待されるバイオ燃料事業の本格的な商業化は2028年頃まで待たなければならない状況で、短期的な株価上昇を期待するのはやめたほうがいいかもしれません。

本業以外の展開:健康食品・サプリメント事業

ユーグレナの事業は、バイオ燃料だけではありません。実際には健康食品・サプリメント事業が現在の収益を支えています。「いのちのユーグレナ」「パワーユーグレナ」などのサプリメントは、消費者からも「元気が出てきて最高です」「体が楽になり元気が出て20代くらいのようにはつらつとしてきた感じがあります」など、概ね良好な評価を得ているようです。

このようにユーグレナは、将来性が期待されるバイオ燃料事業と現在の収益源である健康食品事業の両輪で事業を展開していますが、株価に関しては投資家の期待と実際の進捗のギャップが影響しているようです。

まとめ

ユーグレナの株価が「やばい」と話題になっている理由は、黒字化という好材料がある一方で、将来の成長ドライバーとして期待されるバイオ燃料事業の進捗が思わしくないことに加え、実際に販売しているバイオ燃料にはミドリムシが含まれていないという事実が明らかになったことなどが挙げられます。

投資判断を行う際には、短期的な株価動向だけでなく、同社の経営方針転換や事業構造の変化、特にバイオ燃料の商業化計画の進捗状況を注視していくことが重要と言えるでしょう。株価が割安と感じても、将来性に不透明感がある場合は、投資にはリスクが伴うことを認識しておくべきでしょう。現在のユーグレナ株への投資は、長期的視点で見る必要があるようです。

執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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