単元未満株のデメリットが”やばい”といわれているのはなぜ?


”単元未満株はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します
本当にダメなのか、単元未満株のデメリットとメリットから真相に迫る
単元未満株のデメリットが”やばい”と言われていることについてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。近年、少額投資の入り口として注目を集める単元未満株ですが、SNSやネット上では「やめたほうがいい」「おすすめしない」といった否定的な意見も見られます。しかし、そのような評判は誤解から生じている可能性もあります。今回は、単元未満株の実態とその評価について、様々な角度から検証していきます。
単元未満株とは?基本的な仕組みを理解する
まず、単元未満株(ミニ株)について基本的な仕組みを理解しましょう。通常、日本の株式市場では100株単位(1単元)で取引するのが基本ですが、単元未満株は文字通り1単元未満、つまり1株から99株までの株式を購入できるサービスです。
例えば、株価が2,500円の株式を購入する場合、通常は100株で25万円必要になりますが、単元未満株では1株2,500円から購入することができます。このように、少額から株式投資を始められる点が大きな特徴となっています。
単元未満株と呼ばれるサービスは、証券会社によって「S株」「ワン株」「プチ株」など様々な名称で提供されていますが、いずれも100株未満で取引できるサービスを指しています。
ネットで”やばい”と言われる単元未満株のデメリット
ネット上では単元未満株について「やばい」「やめとけ」といった否定的な意見が見られることがあります。その理由となるデメリットを詳しく見ていきましょう。
1. 取引できる証券会社や銘柄が限られる
単元未満株は全ての証券会社が提供しているサービスではありません。取り扱っている証券会社も限られており、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)、フロッギー(SMBC日興証券)などが主な提供会社のようです。
また、取引できる銘柄も通常の株式取引に比べると少ないと言われています。売買高が多い人気銘柄は取り扱っている可能性が高いですが、マイナーな銘柄はミニ株で取り扱っていないこともあるようです。
2. リアルタイムで取引できない制約
多くの証券会社では、単元未満株取引はリアルタイムでの取引ができないという欠点があります。これは株価が急変動するような相場では不利に働く可能性があります。ただし、楽天証券では一部銘柄に限りリアルタイム注文に対応しているようですが、売買金額に対してスプレッドがかかる点には注意が必要だと言われています。
3. 指値注文ができない
通常の株式取引では「指値注文」といって、自分が希望する価格で取引できる注文方法がありますが、単元未満株では基本的に「成行注文」しかできないケースが多いようです。これにより、思わぬ価格で約定してしまうリスクがあると指摘されています。
4. 手数料が割高になりやすい
少額取引になるため、相対的に見ると手数料が割高になりやすいとも言われています。例えば、1,000円の株を1株だけ購入する場合と、100株(10万円分)購入する場合では、同じ手数料でも投資額に対する割合が大きく異なります。
ただし、最近ではSBI証券や楽天証券などが取引手数料の無料化を始めており、NISA口座ならば「無料」が当たり前となっているようです。
5. 議決権や株主優待が受けられない場合がほとんど
単元未満株主には基本的に議決権がないと言われています。また、株主優待も100株以上を対象としている企業がほとんどであるため、単元未満株では受け取れないケースが多いようです。これは投資の楽しみの一つを逃すことになるため、デメリットとして挙げられることが多いです。
6. 大きな利益は狙えない
少額投資のため、リスクを抑えられる一方で、リターンも小さくなるという点は単元未満株の大きな欠点の一つです。例えば、1株2万円の株式を100株購入した場合と1株購入した場合を比べると、5%の値上がりで100株だと10万円の利益ですが、1株だと1,000円の利益と実際の利益額は少なくなります。
「株式投資で大きく儲けたい」と考えている投資家には物足りなく感じるかもしれないと言われています。
7. 無計画な売買をしがちになる
少額で手軽に始められる分、油断して無計画に売買してしまう傾向があるとも指摘されています。投資の基本原則を無視した投資行動につながりやすいという点は”やばい”と評価される理由の一つかもしれません。
実は”やばくない”?単元未満株のメリットと好評価
一方で、単元未満株には多くのメリットもあり、特に投資初心者にとっては非常に有益なサービスだという評価も多くあります。
1. 少額から株式投資を始められる
最も大きな利点は、少額から株式投資を始められる点です。数百円〜数千円あれば投資を始めることができるため、資金に限りがある若年層や投資初心者にとっては、非常にハードルが低い投資方法と言えます。
例えば、双日(2768)は株価が3,050円なので、単元株で購入しようとすると約30万円必要になりますが、単元未満株であれば3,050円から投資することができます。
2. 分散投資がしやすい
少額で様々な銘柄に投資できるため、リスク分散がしやすいというメリットもあります。例えば、10万円の資金があれば、通常の株式投資では1銘柄か2銘柄程度しか購入できないケースが多いですが、単元未満株では10銘柄以上に分散投資することも可能です。
3. 損失リスクが小さい
投資額が少ないため、万が一株価が下落しても損失額が限定的であるというメリットがあります。これにより、精神的な負担が小さく、冷静な投資判断ができるようになると言われています。
例えば、1株2,700円だった株式が2,500円まで値下がりしたとき、1単元(100株)購入していた場合の損失は2万円ですが、1株だけなら損失は200円に抑えられます。
4. 配当金はもらえる
単元未満株でも、保有株式数に応じた配当金を受け取ることができます。例えば高配当銘柄を選んで少額から投資を始めれば、小さくても定期的な収入を得る経験ができるでしょう。
5. 投資の勉強になる
実際に株式を購入して保有することで、投資のプロセスや株価の変動を身近に体験できるため、投資の良い勉強になると評価されています。理論だけでなく実践を通じて学べる点は、投資初心者にとって非常におすすめのポイントと言えるでしょう。
単元未満株で人気の銘柄とおすすめ証券会社
実際に単元未満株投資を始める際に参考になる、人気銘柄やおすすめの証券会社についても見ていきましょう。
人気の銘柄例
単元未満株として人気がある銘柄としては、以下のようなものが挙げられているようです。
- 信越化学工業(4063)
- 応用地質(9755)
- マブチモーター(6592)
- アジア航測(9233)
- サインド(4256)
- サイバーセキュリティクラウド(4493)
- 全国保証(7164)
- 沖縄セルラー電話(9436)
- 伯東(7433)
- カンロ(2216)
これらの銘柄は、それぞれの業界で安定した業績を示している企業や、成長が期待される企業が多く含まれているようです。
おすすめの証券会社
単元未満株取引に対応している主な証券会社としては、以下が挙げられています。
- SBI証券:取扱銘柄数が多く、手数料も無料化している点が評価されているようです。
- 楽天証券:リアルタイム取引に対応している点が特徴的です。
- マネックス証券:使いやすいアプリ「フェルシー」が好評のようです。
- 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券):独自のサービス内容が特徴です。
- フロッギー(SMBC日興証券):若年層向けのアプリとして注目されています。
各証券会社によってサービス内容や取扱銘柄数、手数料体系が異なるため、自分のニーズに合った証券会社を選ぶことが重要だと言われています。
単元未満株を活用した投資戦略
単元未満株の特性を活かした効果的な投資戦略についても見ていきましょう。
積立投資としての活用
最近では、個別株を1株ずつ積み立てるサービスも人気が高まっているようです。投資信託の積立と同様に、定期的に少額ずつ投資することで、ドルコスト平均法の効果を得られる点がメリットとして挙げられています。
特に楽天証券などでは、投資信託のように株式も積立設定できるサービスを提供しているようです。
分散投資ポートフォリオの構築
単元未満株を活用すれば、限られた資金でも様々な業種・銘柄に分散投資することが可能です。例えば、国内大型株、中小型株、海外株、高配当株など、異なる特性を持つ銘柄に少額ずつ投資することで、リスクを抑えながらリターンを狙うポートフォリオを構築できるとされています。
将来の単元株投資への布石
単元未満株を少しずつ買い足していき、将来的に1単元(100株)に達することを目指す投資方法も考えられます。1単元に達すれば、通常の株主としての権利(議決権や株主優待など)も得られるようになります。
利用者層と最近のトレンド
単元未満株の利用者層や最近のトレンドについても興味深いデータがあります。
楽天証券のデータによれば、単元未満株サービスは40代以下の利用者の割合が多いとされています。一方、単元株で売買される上位10銘柄の保有者は、50代以上が5割以上を占めており、年齢層による違いが鮮明に表れているようです。
若い世代を中心に投資が普及する中で、少額から投資できる単元未満株投資が注目を集めているという状況がうかがえます。
また、東京証券取引所は、現在の100株を1単元として扱って売買を1単元ごとにする制度を、米国や欧州と同様に1株ごとに取引できるように変更するかの議論を開始したとされています。2025年3月ごろに検討結果を公表するとしているとのことで、将来的には単元未満株制度自体がなくなり、全ての株式が1株単位で取引できるようになる可能性もあるようです。
単元未満株投資についての専門家の見解
投資の専門家たちは単元未満株についてどのように評価しているのでしょうか。
元証券ディーラーのたけぞう氏は「ミニ株は投資初心者の方におすすめです。」と述べています。東京証券取引所をはじめとする全国の証券取引所では株式の売買単位を100株に統一していますが、ミニ株といった単元未満株取引を利用すれば1株から株式投資ができ、少額から始めることができるとしています。
また、投資アドバイザーの中には「少額で実践を通じて学べる点で、単元未満株は投資初心者にとって非常に良い入口になる」と評価する声もあるようです。理論だけでなく実際の市場を体験することで、投資に必要な感覚を養うことができるとの意見も見られます。
単元未満株投資に対する誤解と真相
ここまで単元未満株のデメリットとメリットを見てきましたが、ネット上で「やばい」「おすすめしない」と言われている理由には、いくつかの誤解もあるようです。その誤解と真相についても整理しておきましょう。
誤解1:手数料が高すぎて割に合わない
以前は単元未満株の取引手数料が割高だったという事実はあるようですが、最近ではSBI証券や楽天証券などが取引手数料の無料化を始めており、NISA口座ならば「無料」が当たり前となっているようです。そのため、「手数料が高すぎる」という評価は現状とはズレている可能性があります。
誤解2:株主優待が全くもらえない
確かに多くの企業では100株以上の保有を株主優待の条件としていますが、一部の企業では1株から株主優待を提供しているケースもあるようです。全ての企業が単元未満株主に優待を提供していないわけではないという点は誤解かもしれません。
誤解3:投資の意味がない
「少額すぎて投資の意味がない」という意見もありますが、これは投資の目的によって評価が分かれるポイントです。大きな利益を短期間で得ることが目的なら確かに単元未満株は向いていないかもしれませんが、投資の学習や長期的な資産形成の第一歩としては十分に意味があると言えるでしょう。
Z世代に向けた単元未満株投資のアドバイス
Z世代(1990年代後半から2010年代前半生まれ)の若者にとって、単元未満株はどのような意味を持つのでしょうか。
少ない資金から始められる投資体験
Z世代は他の世代に比べて投資可能な資金が限られている場合が多いです。単元未満株なら、数百円から数千円という少額から始められるため、アルバイト収入や小遣いの一部でも投資を体験することができます。
デジタルネイティブに適した投資方法
スマートフォンアプリなどを通じて簡単に取引できる単元未満株は、デジタルネイティブであるZ世代に適した投資方法と言えるでしょう。特にマネックス証券の「フェルシー」のような、1株から購入でき、口コミも見られるアプリは、SNSに慣れ親しんだ若い世代の投資スタイルに合っているようです。
長期的な資産形成の第一歩
Z世代は他の世代よりも長い投資期間を持つ可能性があります。単元未満株から始めて投資の基本を学び、徐々に投資額を増やしていくことで、長期的な資産形成につなげることができるでしょう。特に、配当再投資や定期的な積立投資などの長期投資戦略を早くから実践できる点は大きな利点と言えます。
単元未満株投資の始め方
実際に単元未満株投資を始めるためのステップを簡単に紹介します。
- 証券口座の開設:単元未満株取引に対応している証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)で口座を開設します。
- 投資する銘柄の選定:自分の興味のある業界や、将来性を感じる企業など、投資したい銘柄を選びます。
- 取引の実行:各証券会社のサイトやアプリから単元未満株の購入手続きを行います。成行注文が基本となる場合が多いようです。
- 運用とモニタリング:購入後は定期的に企業の業績や株価の推移をチェックし、必要に応じて追加購入や売却の判断をします。
- 積立設定(オプション):可能であれば定期的な積立設定を行い、ドルコスト平均法の効果を得ることも検討します。
総括:単元未満株は本当に”やばい”のか?
ここまで単元未満株の様々な側面を見てきましたが、「単元未満株が”やばい”」という評価は必ずしも正確ではないようです。確かにいくつかのデメリットはありますが、それは投資の目的や状況によって評価が変わるものであり、特に投資初心者や少額からスタートしたい投資家にとっては、むしろ「おすすめ」できる投資方法と言えるでしょう。
単元未満株の主な利点としては、少額から始められる点、リスクを抑えながら実践的に投資を学べる点、分散投資がしやすい点などが挙げられます。一方で、大きな利益は期待しにくい点や、一部の取引に制約がある点はデメリットとして認識しておく必要があります。
重要なのは、自分の投資目的や資金状況に合わせて適切な投資方法を選ぶことです。「とりあえず株式投資を体験してみたい」「少額から徐々に投資の世界に慣れていきたい」という方には、単元未満株投資は非常に有効な手段となるでしょう。
また、将来的には東京証券取引所の制度変更により、すべての株式が1株単位で取引できるようになる可能性もあるようです。そうなれば、現在のような「単元未満株」という特別な仕組みは不要になり、より多くの人が少額から株式投資を始めやすくなるかもしれません。
結論として、単元未満株投資は”やばい”投資方法ではなく、投資初心者や資金に限りがある投資家にとっては、むしろ投資の世界への入口として「やばくない」、むしろ「おすすめ」できる投資方法と言えるでしょう。ただし、その特性をしっかりと理解し、自分の投資目的に合っているかを判断することが重要です。
投資には必ずリスクが伴いますが、少額から始められる単元未満株は、そのリスクを最小限に抑えながら投資の経験を積むことができる貴重な機会を提供してくれます。ぜひ、この記事を参考に、単元未満株投資の可能性を検討してみてはいかがでしょうか。
