松井証券が”危ない”、”危険”といわれているのはなぜ?


”松井証券はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します
本当に松井証券は危ないのか、デメリットとメリットから真相に迫る
松井証券が「危ない」「危険」と噂されていることについてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。老舗ネット証券として知られる松井証券ですが、インターネット上では時折「危ない」という言葉と共に検索されることがあるようです。しかし、これらの噂は実態を反映しているのでしょうか?今回は松井証券に関する様々な口コミや評判、財務状況などを詳しく調査し、その実態に迫ります。
松井証券に「危ない」という噂が出る背景
インターネット上で松井証券について検索すると、「危ない」や「危険」といったキーワードが関連して表示されることがあります。このような言葉が結びつけられている理由としては、以下のような要因が考えられるようです。
大手証券会社と比較した知名度の差
松井証券が「危ない」と噂される一つの要因として、SBI証券や楽天証券などのネット証券大手と比較して、知名度や市場シェアが相対的に低いことが挙げられます。口座数で比較してみると、2024年12月末時点での総合口座数は松井証券が161万口座であるのに対し、SBI証券は1,366万口座、楽天証券は1,193万口座となっており、大きな差があることがわかります。この知名度の差が、根拠のない不安を生じさせる一因となっているのではないかと言われています。
システムメンテナンスの頻度
「松井証券メンテナンス多すぎ」という口コミもネット上で見られます。システムメンテナンスが行われる頻度が多いと感じるユーザーがいるようで、これが不満の声として挙がっていることがあるようです。
例えば、以下のようなTwitter上の声も確認されています。 「松井証券がメンテで明日の午後までつかえない 最悪だ歩み値見て研究したかったのに・・・」
ツールの動作に関する不満
取引ツールの動作に関する不満の声も見られます。「松井証券ツール固まりまくりで最悪!!」といったTwitter上の投稿が紹介されており、一部のユーザーはツールの安定性に不満を感じているようです。
松井証券の「危ない」という噂は根拠があるのか?
では、実際に松井証券は「危ない」会社なのでしょうか?様々な情報を分析すると、そのような懸念には明確な根拠がないことがわかります。
財務状況からみる安全性
松井証券の財務状況を見てみると、決して「危ない」状況ではないことがわかります。2024年4月~12月期の決算データによると、松井証券は大幅な増収増益を達成しており、営業収益は297億円(前年同期比12%増)、純利益は85億円(同21%増)と報告されています。
特に重要なのは、証券会社の財務健全性を測る指標である「自己資本規制比率」です。この数値は120%以上を保つことが法的に義務付けられていますが、松井証券は2024年12月末時点で427.1%という高い数値を達成しています。これは、SBI証券の277.7%や楽天証券の294.4%と比較しても高い水準であり、十分な安定性を確保していると言えるでしょう。
格付け情報
松井証券は、格付投資情報センター(R&I)からBBB+の格付けを取得しています(2024年9月30日現在)。これは投資適格と評価される水準であり、財務的な安定性が認められていることを示しています。
設立からの歴史
松井証券は1918年に創業された老舗の証券会社で、1998年には日本初の本格的なインターネット取引を開始した先駆者でもあります。100年以上の歴史を持つ企業であり、長年にわたって証券業界で運営を続けてきた実績があります。
投資者保護の取り組み
松井証券では、万が一経営が破綻した場合でも、顧客の資産を確実に返還できるようにするため、「投資者保護基金」へ加入するとともに、法令等で義務付けられている「分別保管」を徹底しています。さらに、法令で求められている「週に一日」以上の「顧客分別金必要額の差替計算基準日」を自主的に「毎日」とし、より厳格な運用を行っているとのことです。
松井証券の実際の評判・口コミ
次に、松井証券を実際に利用しているユーザーからの評判や口コミを見てみましょう。良い評判と悪い評判の両方を確認することで、より客観的な視点で松井証券を評価することができます。
良い評判・口コミ
手数料の分かりやすさと経済性
多くのユーザーが松井証券の手数料体系の分かりやすさとコストパフォーマンスを評価しています。
「手数料体系が分かりやすい事はもちろんですが、NISA分などの手数料は無料で、通常取引も約定代金一日50万円以下のなら無料です。」(40代男性)
「一日に何度も少額取引を行う投資タイプなので、50万円以下は手数料無料はうれしい限りです。」(50代男性)
「私は取引量がさほど多くはないのですが、手数料無料の範囲で取引できる場合も多く、助かっています。」(50代男性)
使いやすいツールとチャート
松井証券のツールやチャートの使いやすさも高く評価されています。
「なんといっても株価ボードの見やすさでしょう。瞬時の判断が要求される株式取引において、チカチカ点滅する画面はリアル感と取引しているライブ感がたまらないです。他のネット証券も利用していますが、松井証券の株価ボードが一番です。」(50代男性)
「松井証券の1番良いところはチャートの見やすさ、パソコン画面の見やすさかと思う。」
「株価ボードやチャートが見やすいのと、チャートからの分析等もあり、株式取引をする上での情報が検索しやすいです。」(60代女性)
充実したサポート
ネット証券ながら手厚いサポートがあることも評価されています。
「ネット取引にもかかわらず電話問い合わせがスムーズで、相談内容を言葉で簡単に説明してくださり、安心して取引ができたことです。」(30代女性)
「ネットでの取引だが不明な点で直に電話での問合せに対していつも対応が良い。」
「問い合わせに対して素早く、適切に対応してくれる。」
充実した投資情報とセミナー
投資に関する情報提供やセミナーが充実していることも評価されています。
「動画セミナーなどが充実していて、株式の基本を学ぶことができます。チャートの基本から株に関する用語も丁寧に説明しています。お笑いタレントさんを活用して、楽しく学ぶことができました。」(60代女性)
悪い評判・口コミ
投資信託の取扱数の少なさ
「自分は主に投資信託にて資産形成を行っていますが、松井証券さんにはその投資信託の取扱件数が少ない点です。数でいえば自分が利用しているもう一社のSBI証券さんの方がシェアが多く多様性があると感じております。」(40代男性)
システムメンテナンスの多さ
前述の通り、システムメンテナンスの頻度が多いという不満の声があります。
「松井証券がメンテで明日の午後までつかえない 最悪だ歩み値見て研究したかったのに・・・」
取引金額が高額になると手数料が高くなる
「松井証券は、1日の約定代金が50万円以下なら、現物取引・信用取引がどちらも売買手数料が無料になります。しかし50万円以上になると、約定金額が増えるごとに手数料が発生してしまうので、ほかのネット証券の方がお得な場合もあるのです。」
1日の約定代金が100万円までの場合の手数料を比較すると、SBIネオトレード証券、SBI証券、GMOクリック証券、岡三オンライン、三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)、楽天証券では無料ですが、松井証券では1,100円かかるとのことです。
松井証券のメリット
松井証券には様々なメリットがあります。これらのメリットは多くのユーザーにとって魅力的なポイントとなっているようです。
1日50万円までの取引手数料無料
松井証券の国内株式取引の料金体系は、1日の約定代金の合計額によって手数料が決まる仕組みになっていて、1日50万円までの取引については手数料が無料に設定されています。この料金体系は、現物取引でも信用取引でも変わりません。少額投資を中心に行うユーザーにとっては、コストを抑えて株式取引をすることができる大きな利点と言えるでしょう。
25歳以下なら手数料完全無料
26歳になる月の最終営業日の取引分までは、1日にどれだけ取引を行っても、手数料はかかりません。未成年でも取引手数料は無料になるため、若い人が株式投資を始める場合には特におすすめの選択肢と言えるでしょう。
投資信託の残高に応じたポイント還元
松井証券では、投資信託を保有しているだけで、ポイントが付与されます。付与されるのは松井証券ポイントという独自のポイントですが、そのポイントをさらに投資できるだけでなく、PayPayポイント、dポイント、Amazonギフトカードといった他社のポイントやさまざまな商品と交換することが可能です。
還元率はauカブコム証券、SBI証券、マネックス証券、楽天証券と比べても高い還元率でポイントが付与されるとのことで、最大1%のポイントがもらえるとされています。
信用取引サービスの充実
松井証券の信用取引では、株主優待を獲得するために行うクロス取引を一度の操作で完結できる「優待クロス注文」という機能が利用可能です。通常のクロス取引では複数の注文が必要ですが、松井証券では一度の操作で行えるため、非常に便利です。
また、信用取引のデイトレードには「一日信用取引」と呼ばれる専用の料金体系が用意されており、返済期限が1日の信用取引については、約定料金にかかわらず手数料が無料となっています。
夜間取引が可能
松井証券ではPTS(Proprietary Trading System:私設取引システム)を利用することができるため、8:20〜15:30と17:00〜翌2:00の時間帯に取引が可能です(現物取引の場合)。日中は仕事で忙しい方でも、夜間に取引ができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、PTSでは証券取引所よりも有利な価格で取引できるケースがあるため、価格差を利用して利益の獲得を狙うこともできるとのことです。
事前入金なしでIPOに申込み可能
IPOを購入するためには、一般的には抽選に当たらなければならず、当選発表までに購入代金を口座に入金しておかなければなりません。しかし、松井証券では、IPOの購入に事前入金を求められることがなく、当選発表後の入金が可能です。
これにより、手持ち資金がないタイミングで魅力的なIPOの銘柄の申込みが開始された場合でも、抽選に申し込むことができるという利点があります。
充実した無料ツール
松井証券では、投資に役立つさまざまなツールが無料で提供されています。「マーケットラボ」は市場や銘柄に関するニュースや決算情報など、必要な情報を収集できて投資判断に活用できるツールです。また、「ネットストック・ハイスピード」は発注画面やチャート画面をカスタマイズして自身に最適な投資環境を実現できるツールとなっています。
松井証券はどんな人におすすめか
松井証券の特徴を踏まえると、以下のような投資家におすすめと言えそうです。
1日の取引金額が少ない投資家
1日の約定代金合計が50万円以下の取引を中心に行う投資家にとっては、手数料無料のメリットを最大限に活かせるでしょう。少額から投資を始めたい初心者の方や、分散投資のために少額ずつ複数の銘柄を購入したい方に特におすすめと言えます。
スマートフォンでの取引を重視する投資家
「アプリで保有資産の状況がわかりやすい」「家計簿アプリと連動している」といった口コミがあるように、スマートフォンアプリの使いやすさを評価する声が多くあります。外出先からもスムーズに取引したい投資家に向いているでしょう。
ロボアドバイザーを利用したい投資家
松井証券はロボアドバイザーを利用した投資信託の運用サービスも提供しており、このサービスを活用したい投資家におすすめと言われています。
信用取引やデイトレードを行いたい投資家
信用取引のサービスが充実していることから、特に「一日信用取引」などの特徴的なサービスを利用してデイトレードをしたい投資家には魅力的な選択肢となるでしょう。
初心者投資家
充実した投資情報やセミナー、使いやすいツール、手厚いサポートなどが評価されていることから、投資初心者の方にもおすすめと言えます。「チャートの基本から株に関する用語も丁寧に説明している」といった評価からも、初心者に優しい環境が整っていることがうかがえます。
松井証券をやめたほうがいいケース
一方で、以下のような場合は松井証券よりも他の証券会社の方が適している可能性があります。
1日の約定代金が50万円を超える場合
前述の通り、松井証券は1日の約定代金が50万円を超えると手数料が発生します。一方、多くのネット証券は1日の約定代金が100万円までは無料となっているため、取引金額が多い場合は他社の方がお得になる可能性があります。
外国株式に投資したい場合
松井証券では外国株式の取引ができないという不満の声もあります。海外の株式に積極的に投資したい方は、外国株式の取引に対応している証券会社を選ぶ方が良いでしょう。
投資信託の品揃えを重視する場合
「投資信託の取扱件数が少ない」という口コミもあるように、投資信託の品揃えを重視する方は、より多くの銘柄を取り扱っている証券会社を検討した方が良いかもしれません。
松井証券は本当にやばくない?結論
ここまで松井証券について様々な角度から検討してきましたが、「危ない」「危険」という噂は根拠のないものであることがわかります。むしろ、以下の点から松井証券は健全な経営を行っていると言えるでしょう。
- 創業100年以上の歴史と実績を持つ老舗証券会社である
- 自己資本規制比率が427.1%と非常に高く、財務的に安定している
- 格付投資情報センター(R&I)からBBB+の格付けを取得している
- 投資者保護基金への加入や分別保管の徹底など、顧客資産保護の取り組みを行っている
- 2024年4月~12月期の決算では増収増益を達成している
これらの事実から、松井証券は財務的にも制度的にも安定した証券会社であると言えます。「危ない」という噂は、おそらく大手証券会社と比較した知名度の差や、一部のユーザーの不満の声が誇張されて広まったものではないかと推測されます。
松井証券の特徴やサービス内容を理解し、自分の投資スタイルに合っているかどうかを判断することが重要です。1日50万円までの取引手数料無料、25歳以下なら完全無料、充実した信用取引サービス、夜間取引の可能性など、多くの利点があることから、特に少額投資を行う初心者や若年層、信用取引を活用したい投資家などには特におすすめの証券会社と言えるでしょう。
松井証券についてインターネット上で「危ない」という言葉と共に検索される現象は見られますが、その実態は健全な経営を続ける信頼できる証券会社であることが、様々な角度からの調査で明らかになりました。投資を始める際には、このような根拠のない噂に惑わされず、自分の投資スタイルに合った証券会社を選ぶことが大切です。
まとめ
松井証券が「危ない」「危険」と噂される理由としては、大手証券会社と比較した知名度の差、システムメンテナンスの頻度、ツールの動作に関する一部の不満などが考えられますが、実際の財務状況や格付け情報、100年以上の歴史を持つ実績などを考慮すると、これらの噂には明確な根拠がないことがわかります。
松井証券には、1日50万円までの取引手数料無料、25歳以下なら手数料完全無料、投資信託のポイント還元、充実した信用取引サービス、夜間取引の可能性、事前入金なしでのIPO申込み、充実した無料ツールなど、多くのメリットがあります。
特に、少額投資を行う投資家、若年層の投資家、スマートフォンでの取引を重視する投資家、ロボアドバイザーを利用したい投資家、信用取引やデイトレードを行いたい投資家、そして初心者投資家には特におすすめの証券会社と言えるでしょう。
一方で、1日の約定代金が50万円を超える場合、外国株式に投資したい場合、投資信託の品揃えを重視する場合には、他の証券会社の方が適している可能性もあります。
最終的には、自分の投資スタイルや重視するポイントに合わせて証券会社を選ぶことが重要です。松井証券は「危ない」会社ではなく、多くの投資家にとって有益なサービスを提供している信頼できる証券会社であると言えるでしょう。
