あすか信用組合は”危ない”、”危険”といわれているのはなぜ?

あすか信用組合は”危ない”、”危険”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”あすか信用組合はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

本当にあすか信用組合は危ないのか? デメリットとメリットから真相に迫る

あすか信用組合についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。「危ない」「危険」といった否定的な評判から、実際の経営状況、利用者の声まで、様々な観点から検証し、あすか信用組合の実態に迫っていきます。結論を先に言えば、誤解や偏見から生じている部分も多く、実際にはメリットの多い金融機関であることがわかりました。

あすか信用組合の基本情報と沿革

あすか信用組合は東京都新宿区に本店を置く信用組合で、在日韓国人系の商銀信用組合のひとつとして知られています。1966年(昭和41年)に設立され、長い歴史を持つ金融機関です。

その沿革を見ると、1999年に旧・北海商銀信用組合の事業を譲受け「信用組合北東商銀」と改称し、2002年には旧・東京商銀信用組合の事業を譲受して現在の「あすか信用組合」という名称になったようです。その後、2004年に本店所在地を東京都新宿区へ移転し、2017年には「中小事業者等に対する金融機能強化支援制度」の認可を受けて優先出資を発行するなど、着実に事業を拡大してきた歴史があるようです。

2022年3月31日現在の財務データを見ると、資本金(出資金)は77億1858万1000円、経常収益は72億3196万8000円、経常利益は25億4443万4000円、純利益は20億2832万7000円と堅調な経営状況を示しています。総資産は4220億4307万5000円、従業員数は209人、全国に16の本支店を展開しているようです。

「危ない」「危険」と言われる理由

1. ネット上の否定的な評判

インターネット上では、あすか信用組合について「危ない」「危険」という評判が見られることがあります。特に「危ない信用組合ランキング」といった記事に名前が挙がっていることが、このような評判の一因となっているようです。

このランキングでは、自己資本比率、不良債権比率、預貸率の3項目から危険度を評価しているとされていますが、具体的な数値や分析方法の詳細は示されていないため、その信頼性には疑問が残ります。また、こうした情報がどのような立場や目的で発信されているのかも考慮する必要があるでしょう。

2. 職場環境に関する評判

就活会議や転職会議などの口コミサイトには、あすか信用組合の元従業員による評価が掲載されており、いくつかの否定的な意見が見られます。

特に目立つのは「パワハラ気質な上司への不満」で、「支店長ガチャ」という表現があるように、配属される支店長によって職場環境が大きく左右されるという指摘があるようです。「人によって態度を変える上司がいる」「上の人の言う事を聞く人、反論しない人が重宝される」といった声もあります。

また、「韓国人贔屓が強い」「日本語を使えない韓国人の顧客対応に苦労する」といった意見も見られ、在日韓国人系の金融機関という特性が職場環境に影響している面もあるようです。

3. 福利厚生に関する評価

福利厚生については「あまり福利厚生は良くないのではないか」という評価がある一方、ジムの支援があることも言及されているようです。具体的な福利厚生の内容や水準については、詳細な情報が少なく評価が難しい状況です。

良い評判と実際の経営状況

1. 金融商品・サービスの魅力

あすか信用組合は高金利な定期預金商品を提供していることで知られており、これは大きな魅力となっているようです。特に「メールdeあすか・あおば」というメールオーダー定期預金は全国対応で、組合員でなくても利用できる便利なサービスとして評価されています。

例えば、1000万円を1年間預けた場合、ゆうちょ銀行の金利0.125%では税引前の受取利息が1万2500円程度になるのに対し、あすか信用組合では金利1.15%~1.25%で11万5000円~12万5000円(税引前)と、約10倍の差があるという試算もあります。これは個人投資家にとって非常に魅力的な条件と言えるでしょう。

また、組合員になると金利優遇があり、出資金1万円を払うことで組合員になれますが、定期預金の金利がさらに上乗せされるメリットがあるようです。出資金は預金保険制度の対象外ですが、預け入れ金額が大きい場合は組合員になることで利息が増えるため、総合的にはメリットがあると考えられています。

2. 勤務条件と給与待遇

勤務条件については「完全週休二日制で自分の時間が取れる」という評価があり、有給休暇の消化率も良いという声が見られます。

給与・待遇については、月給総額約25万円、年収400万円程度の事例が報告されており、年功序列で給与が上がる仕組みが基本となっているようです。賞与の割合が多く、決算手当が出ることもあり、「信組業界の中での給与水準は高い方である」という評価もあります。

3. 仕事のやりがい

仕事のやりがいとしては、「地域の方々と関わることができる」という点を評価する声があります。地域密着型の金融機関として、顧客との関係構築や地域貢献に喜びを感じる従業員もいるようです。

4. セキュリティ対策

あすか信用組合は顧客保護にも力を入れており、「金融機関名を騙ったCD-ROMの送付に注意」という注意喚起を行うなど、セキュリティ対策にも取り組んでいるようです。「あすかインターネット・モバイルバンキングサービス」「あすかビジネスバンキング」の利用者や申込者にCD-ROMを送付することはなく、不審なCD-ROMが届いた場合は挿入しないように呼びかけています。

評判の誤解を解く

1. 安全性に関する誤解

あすか信用組合は預金保険制度の対象であり、1000万円までは保護されるため、基本的な安全性は確保されています。日本の預金保険制度は厳格に運用されており、他の銀行や信用金庫と同様に、預金者保護の仕組みが機能しているのです。

また、2022年3月期の財務データを見ると、経常利益25億4443万4000円、純利益20億2832万7000円と黒字経営を維持しており、経営の安定性を示しています。純資産も255億4870万円と十分な水準を確保しており、財務面での「危ない」要素は見当たりません。

2. 韓国系信用組合に対する偏見

あすか信用組合が「危ない」と言われる背景には、在日韓国人系の金融機関であることへの偏見や誤解が存在する可能性があります。職員や顧客に在日韓国人が多いという特性が、一部で否定的に捉えられていることも考えられます。

しかし、金融機関としての信頼性は民族的背景ではなく、経営の健全性や法令遵守、顧客サービスの質で判断されるべきものです。あすか信用組合は日本の金融制度の中で正規に認可され運営されている金融機関であり、多文化共生の観点からも、その存在意義は尊重されるべきでしょう。

3. 職場環境の課題

職場環境についての否定的な口コミはあるものの、これは多くの金融機関に共通する課題でもあります。「支店長によって雰囲気が変わる」といった指摘は、どの組織でも程度の差はあれ見られる現象で、あすか信用組合に特有の問題とは言い切れません。

また、「有給休暇の消化率が良い」「完全週休二日制」といった肯定的な評価もあり、ワークライフバランスを重視する企業文化も存在しているようです。

あすか信用組合のおすすめポイントと利点

1. 高金利商品の充実

あすか信用組合の最大の魅力は、やはり高金利定期預金商品でしょう。金利1.15%~1.25%という水準は、大手銀行の10倍程度の金利であり、資産運用を考える上で非常に魅力的な選択肢となります。

特に「メールdeあすか・あおば」は、全国どこからでも申し込める便利さがあり、組合員でなくても利用できるというメリットがあります。100万円からの預け入れが可能であり、大きな資金がなくても始められる手軽さも魅力です。

2. 地域密着型金融機関としての役割

あすか信用組合は地域密着型の金融機関として、地元企業や個人に対するきめ細かなサービスを提供しているようです。2017年には「中小事業者等に対する金融機能強化支援制度」の認可を受け、地域の中小企業支援にも力を入れています。

3. 安定した経営基盤

2022年3月期の経営データを見ると、経常利益25億4443万4000円、純利益20億2832万7000円と安定した収益を確保しており、経営の健全性を示しています。総資産4220億4307万5000円、純資産255億4870万円という規模は、中小規模の金融機関としては十分な水準と言えるでしょう。

こうした財務状況からは、あすか信用組合が「危ない」「危険」という評価とは相反する、健全な経営状態であることが窺えます。

結論:あすか信用組合は”やばくない”、むしろ魅力的な選択肢

以上の調査結果から、あすか信用組合について「危ない」「危険」といった噂は、必ずしも事実に基づいたものではなく、誤解や偏見から生じている部分が大きいと考えられます。

預金保険制度の対象であること、安定した経営実績があること、高金利商品という明確な利点があることなどを考慮すると、あすか信用組合は決して”やばくない”と言えるでしょう。むしろ、大手銀行では得られない高金利という明確なメリットがあり、資産運用の選択肢として検討する価値があります。

特に定期預金の金利が大手銀行の10倍程度ある点は、預金者にとって大きな利点であり、組合員になることでさらに有利な条件で預け入れができるのも魅力です。

また、職場環境についての課題はあるものの、完全週休二日制や有給消化率の良さといった肯定的な側面もあり、一概に否定的な評価はできません。

お金を預ける金融機関として、あすか信用組合は預金保険制度によって保護されている安全な選択肢であり、高金利という明確な利点を持っています。特に低金利時代の資産運用に悩む方にとっては、検討する価値があるおすすめの金融機関と言えるでしょう。

ただし、出資金は預金保険制度の対象外であることや、金融機関選びは個人の状況や目的によって最適解が異なることも念頭に置き、自身のニーズに合った判断をすることが大切です。

あすか信用組合についてのインターネット上の評判は、必ずしも全てが事実を反映しているわけではなく、実際の経営状況や提供されているサービスの内容をよく確認した上で、判断することをおすすめします。1000万円までの預金は預金保険によって保護されており、基本的な安全性は確保されていると言えるでしょう。

最後に、金融機関の評価は一面的なものではなく、様々な視点から総合的に判断することが重要です。特定の噂や評判だけに惑わされず、客観的な事実や自身のニーズに基づいた選択をすることで、より賢い金融サービスの利用が可能になるのではないでしょうか。

参考情報

あすか信用組合は東京都新宿区に本店を置き、全国に16の本支店を展開しています。組合員になるには出資金1万円(1口千円)が必要で、組合員の対象地域は東京都、埼玉県、宮城県、北海道、青森県、秋田県、岩手県、福島県、山形県に居住またはお勤めの方となっています。

組合員になると定期預金の金利が優遇されるメリットがありますが、組合員でなくても「メールdeあすか・あおば」という全国対応のメールオーダー定期預金を利用することができます。預け入れ金額は100万円からとなっており、2025年9月30日までの募集となっているようです(情報更新日による)。

あすか信用組合の定期預金「あすか」の金利は、組合員で1.25%、非組合員で1.15%となっており、大手銀行と比較すると非常に魅力的な水準と言えるでしょう。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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