バリュエンスジャパンとSBI証券が顧客紹介契約を締結

バリュエンスジャパンとSBI証券が顧客紹介契約を締結
ライター:関野 良和

資産管理の新しい形へ、バリュエンスジャパンとSBI証券がタッグ

近年、個人の資産形成や相続対策が注目される中、「金融資産」と「実物資産」の両面からサポートする動きが加速しています。こうした時代背景の中、ブランド品などのリユース事業を展開するバリュエンスジャパン株式会社と、大手ネット証券の株式会社SBI証券が「顧客紹介契約」を締結しました。両社はそれぞれ異なる領域で強みを持ちますが、今回の連携により、資産管理サービスの幅を広げ、「金融×リユース」の新たな価値創出を目指します。これは、顧客にとってより総合的で利便性の高いサポート体制の実現につながると期待されます。

リユースと金融をつなぐ新しい協業モデル

今回の顧客紹介契約の目的は、単なる顧客の取り次ぎにとどまりません。SBI証券の持つ多様な顧客基盤と、バリュエンスジャパンのリユース領域における実績・ノウハウを掛け合わせることで、顧客の資産全体を見渡す「資産の棚卸し」的なサービスを提供することが狙いです。

たとえば、相続の際に出てくる高級腕時計や骨董品、美術品など、処分や評価が難しい実物資産の価値を的確に査定し、リユースを通じて次の持ち主へとつなげていく。この過程を通して、顧客の資産整理をサポートしながら、新たな価値創出を実現します。

SBI証券の「顧客中心主義」とは?

SBI証券はインターネット証券のパイオニアとして、革新的なサービス展開を続けてきました。たとえば、国内株式の取引手数料を無料にしたり、セキュリティトークンといったデジタル証券への対応など、業界の常識を打ち破る挑戦を行っています。

このような「顧客中心主義」のもと、金融商品に限らず、実物資産という新しい領域にも目を向けることで、SBI証券は一段と包括的な資産サービスを提供できる体制を整えようとしています。

バリュエンスジャパンのリユースビジネスとは

バリュエンスジャパンは、「なんぼや」などの買取専門店を全国に130店舗以上展開し、ブランド品から骨董品、美術品まで幅広く買取を行っています。特徴的なのは、単に「モノを買い取る」だけでなく、それを必要とする次の人へとつなげる“循環型ビジネス”を推進している点です。

このモデルは、環境に配慮したサステナブルな取り組みであると同時に、相続や終活といったライフイベントにおいても重要な役割を果たしています。

顧客の「ライフタイムバリュー」の最大化へ

今回の提携で両社が目指すのは、顧客満足度の向上にとどまらず、その人の「人生全体を通した価値」、すなわちライフタイムバリューの最大化です。若いうちは投資に集中し、ライフステージが変われば実物資産の整理が必要になる。そうした人生の各段階で、金融と実物資産の両側面から支援を受けられる仕組みは、多くの人にとって安心材料となるはずです。

循環型社会への貢献と競争力強化

さらにこの取り組みは、単なるサービスの強化だけにとどまりません。実物資産の再利用を促進することで、廃棄物の削減や環境負荷の軽減といった、循環型社会への貢献にもつながります。

加えて、金融業界とリユース業界という異なる分野が手を組むことで、それぞれの業界における競争優位性を高め、他社との差別化も図れるという戦略的なメリットがあります。

今後の展望:ワンストップ資産管理サービスの進化

今後は、顧客が金融資産と実物資産の両方を一元的に管理できるワンストップサービスの実現に向けて、さらなるシステム連携やサポート体制の強化が期待されます。

ライフプランに合わせた資産戦略を立てる上で、金融の専門家と実物資産のプロが連携するこの新たな枠組みは、多くの顧客にとって大きな安心を提供するはずです。

まとめ

バリュエンスジャパンとSBI証券の協業は、今後の資産管理における重要なモデルケースとなる可能性があります。金融資産と実物資産という異なる軸を統合し、顧客一人ひとりのニーズに応じたサポート体制を構築することで、より豊かで安心な暮らしを実現する一助となるでしょう。これからの展開にも注目が集まります。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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