iDeCo(イデコ)の”デメリット”がやばいといわれているのはなぜ?

iDeCo(イデコ)の”デメリット”がやばいといわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”iDeCoはヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

iDeCoは本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る

iDeCo(個人型確定拠出年金)についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。近年、「iDeCoのデメリットがやばい」「やめたほうがいい」という声がネット上で見られますが、実際のところはどうなのでしょうか。本記事では、iDeCoに関する様々な情報を整理し、そのメリットとデメリットを公平な視点から分析していきます。

iDeCoとは何か?その基本的な仕組み

iDeCo(イデコ)は「個人型確定拠出年金」の愛称で、老後の資金形成を目的とした私的年金制度です。2017年の制度改正により、ほぼすべての現役世代が加入できるようになりました。2023年4月時点での加入者数は293万人に達しており、多くの人が利用している制度と言えます。

iDeCoの基本的な仕組みは、自分で毎月一定額を積み立てながら運用し、将来の個人年金を準備するというものです。掛金は全額が所得控除の対象となるため、iDeCoを始めた年から税金を減らすという節税メリットがあります。

ネットで「やばい」と言われるiDeCoのデメリット

ネット上では「iDeCoはデメリットしかない」「やめとけ」という意見も見られます。それらの意見の背景には、どのような理由があるのでしょうか。

1. 原則60歳まで引き出せない

iDeCoの最も大きなデメリットとして挙げられるのが、「原則として60歳まで資金を引き出すことができない」という点です。iDeCoは老後の生活資金を準備するための制度であるため、この制限が設けられています。

「iDeCoでは積立を一時的に停止することや減額することも可能ですが、急にお金が必要になる可能性も考慮して掛金を拠出することが望ましい」と言われています。

この制限により、「予期せぬ資金需要に対応できない点がデメリットとなります。この制限は、若年層や資金の流動性を重視する人にとっては大きな障壁となる可能性があります」と指摘されています。

2. 運用リスクの存在

iDeCoでは、加入者自身が運用商品を選択するため、「元本割れのリスク」があります。特に株式や投資信託などのリスクの高い商品を選択した場合、市場の変動により大きな損失を被る可能性があると言われています。

「iDeCoは元本変動型の投資信託で運用した場合、当初の購入代金を下回ってしまう『元本割れ』を起こすリスクもあります。資産運用は自己責任となるため、もし損失が出た場合でも自己負担となる」とされています。

3. 手数料の負担

iDeCoを利用する際には様々な手数料が発生します。「口座管理手数料や運用商品の手数料など、さまざまな費用が発生します。これらの手数料は長期的に見ると運用成績に大きな影響を与える可能性があります」。

具体的には、加入時には新規加入手数料2,829円、運用時には事務手数料105円/月、資産管理手数料66円/月、運営管理手数料0~412円、受け取り時には給付事務手数料440円/1回がかかると言われています。

特に「運営管理手数料には注意が必要」であり、「どこの金融機関で始めるかによって、手数料が変わる」ため、「手数料の高い金融機関を使ってしまうと、手数料だけで最大で年間4,944円も損してしまう」可能性があります。

4. 制度の複雑さと理解不足

「iDeCoは制度が複雑で理解しづらい面があります」。2022年12月のNRIの調査によると、iDeCoの認知度は高いものの、制度の詳細を理解している人は少ないことが明らかになっているようです。

また、「iDeCoの詳しい制度を理解せず、iDeCoを始める人が思ったようにメリットを受けれなかったり、逆に損をしてしまうことで『やばい』と言うパターンがほとんど」だとされています。

5. 職業による加入率の格差

「iDeCoの加入率には職業による大きな格差があります」。2023年6月の厚生労働省の資料によると、自営業者や公務員の加入率は低い傾向にあり、この格差により「制度の恩恵を受けられる層と受けられない層の二極化を生み出す可能性」が指摘されています。

6. その他のデメリット

上記以外にも、「掛金の変更は年に1度のみ」、「運用できる金融商品の選択肢が少ない」、「退職金の金額によっては税金を多く取られる可能性がある」、「特別法人税が復活した場合、収益性が悪化する」などのデメリットが挙げられています。

iDeCoに関する誤解と真実

一方で、iDeCoに関する誤解も少なくありません。以下に、よくある誤解とその真実について見ていきましょう。

誤解1:投資がよく分からないからiDeCoはできない

「投資がよく分からないからiDeCoはできない」というのは誤解だと言われています。実際には、「iDeCoは運用商品として、投資信託以外に定期預金のような元本確保型商品もあります。ですから、投資が苦手という人もiDeCoであれば、積立時の所得控除や運用中の非課税メリットを受けながら老後資金づくりに利用できます」。

誤解2:取扱商品が多い金融機関を選ぶのがよい

「取扱商品が多い金融機関を選ぶのがよい」というのも、必ずしも正しくないと言われています。「もともと個人で株式や投資信託を売買していた人にとっては、商品ラインアップが豊富だと自分が買いたいと考えている商品が含まれている可能性が大きいので、よい」かもしれませんが、初めて投資信託を買う人にとっては、「なるべく商品ラインアップが絞り込まれた金融機関で契約した方が、商品選びの際のストレスが少なくて済みます」と言われています。

誤解3:専業主婦(主夫)をしている間は利用しても意味がない

「専業主婦(主夫)の場合、所得税・住民税を負担していないので、iDeCoで掛け金を積み立てたとしても、これらの税負担が軽減されるメリットは受けられません」。しかし、「積み立てを続ければしっかりと老後に向けた資産形成ができますし、加入期間が1年増えるごとに一時金の受取時の退職所得控除を40万円分(加入期間が20年超の場合は70万円分)増やすことができます」。

また、「子育て中の人であれば、保育料が下がるケースもあります。保育料は特別区民税・市町村民税に基づいて算出されますが、iDeCoの掛け金は世帯の所得から控除できるので、所得割額が下がって保育料が下がることにつながります」。

誤解4:すでにNISAを使っているのでiDeCoは使わない

「すでにNISAを使っているのでiDeCoは使わない」という考えも誤解だと言われています。「iDeCoには掛け金が全額所得控除される節税メリットがあり、極論すれば預金に入れているだけでも得になる」とされており、「所得税を払っているなら、使わないと”損”」とされています。

誤解5:iDeCo口座はすぐに開設できる

「思い立ったらすぐにiDeCo口座を開設できる」というのも誤解だとされています。実際には、「利用する金融機関を決めてまず資料を取り寄せ、必要事項を記入した申込書を返送する。それから口座開設までに約1カ月、さらに積み立て開始まで約1カ月かかるケースもあり、意外に時間を要する」と言われています。

iDeCoの知られざるメリット

ネット上で「やばい」と言われるiDeCoですが、実際には多くのメリットも存在します。

税制優遇のメリット

iDeCoの最大のメリットは、「掛金支払時、運用時、受取時の3つの局面における税制優遇」です。

具体的には、「毎月積み立てる掛金の全額が所得控除の対象になることで、節税ができる」という点があります。例えば、「年収500万円(課税所得約160万円、所得税・住民税の税率計約15%)なら年2万1600円の節税になる」と言われています。

長期運用のメリット

iDeCoは長期運用によるメリットも大きいと言われています。「月5000円からでもいいので、なるべく早く加入するのが理想」であり、「5000円を毎月積み立てた場合でも、30年続ければ掛け金は累計180万円に上り、運用利回り次第で資金を増やせる」とされています。

また、「運用の途中で投資商品を変更できるのが大きな利点」とされており、「頻繁でなくてよいが、数年に1度あるいは投資割合に10%以上の乖離が生じた時に見直せばよい」と言われています。

老後資金形成におけるiDeCoの位置づけ

「日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超え」ており、「定年を迎える60歳から20年以上の生活がある」ことから、「生活を支える資金の準備は、とても重要なミッション」とされています。その意味で、iDeCoは「長生きリスク」に対応する重要なツールだと言えるでしょう。

iDeCoがおすすめな人・おすすめしない人

iDeCoの利用に適した人とそうでない人について見ていきましょう。

iDeCoがおすすめな人

iDeCoが特におすすめされるのは、「自分で貯金するのが苦手な人」や「月5,000円からでも、節税対策や資産運用をしながら老後の資産を形成したい人」とされています。

また、「投資開始はまとまったお金ができてから」と考えるのではなく、「少額からでも、なるべく早く始めるのが良策」とされています。

iDeCoがおすすめしない人

一方、iDeCoをおすすめしない人としては、「運用中に資金を自由に引き出したい人」や「余剰金で運用できない人」が挙げられています。

また、「iDeCo(イデコ)で節税効果が低い人」、「iDeCo(イデコ)を続ける余裕がない人」、「iDeCo(イデコ)で投資をする気がない人」もおすすめできないとされています。

失敗しないiDeCoの始め方

iDeCoを始める際の注意点を見ていきましょう。

金融機関選びのポイント

iDeCoを始める際には、金融機関選びが重要です。特に「運営管理手数料には注意が必要」であり、「どこの金融機関で始めるかによって、手数料が変わる」ため、「もし手数料の高い金融機関を使ってしまうと、手数料だけで最大で年間4,944円も損してしまう」可能性があります。

運用商品の選び方

運用商品の選び方も重要です。「iDeCoでは、加入者自身が運用商品を選択する」ため、自分のリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。

ただし、「投資がよく分からない」という人でも、「iDeCoは運用商品として、投資信託以外に定期預金のような元本確保型商品もあります」ので、必ずしも高リスクの商品を選ぶ必要はありません。

掛金設定のコツ

掛金の設定も重要なポイントです。「iDeCoなら月5,000円から、節税対策や資産運用をしながら老後の資産を形成できる」とされていますが、「毎月5,000円〜の掛金を無理なく支払える人の場合に限る」ことに注意が必要です。

結論:iDeCoはやばくない、むしろおすすめの資産形成手段

以上、iDeCoに関する様々な情報を見てきました。確かにデメリットはありますが、それらを理解した上で適切に利用すれば、iDeCoは老後の資産形成に大きく貢献する制度だと言えるでしょう。

「iDeCoはやばい」という声の多くは、制度の誤解や不理解から来ているものも多いようです。「iDeCoは老後資金の準備のために十分有効な制度」であり、「デメリットについて正しい知識を知り、自分によって活用するべき制度か見極めてから始める必要があります」。

iDeCoの最大の利点は、「節税しながら将来に備えるのに最適な制度」である点です。また、「制度を上手く使いこなして税金をコントロール」することで、「ゆとりある老後」を実現する助けになります。

特に「所得税を払っているなら、使わないと”損”」とされており、NISAとの併用など、自分の状況に合わせた効果的な活用法を検討することをおすすめします。

ただし、iDeCoは「節税効果が大きい分、制限が多い」制度でもあります。「活用できるかが、ゆとりある老後の分かれ道になります」ので、十分な情報収集と理解をした上で、自分にとって最適な選択をすることが重要です。

iDeCoに関心を持たれた方は、金融機関やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することもおすすめします。正しい知識を身につけて、将来に向けた資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。

iDeCoと合わせて考えたい新NISAの活用

iDeCoと新NISAを組み合わせることで、より効果的な資産形成が可能になります。「資金を柔軟に引き出したいなら、新NISAを利用しましょう!」と言われています。新NISAは「いつでもお金を引き出すことができ、無期限に非課税で運用できる」という利点があります。

iDeCoの「原則60歳まで引き出せない」というデメリットを補完するものとして、新NISAの活用を検討してみると良いでしょう。

まとめ:iDeCoは知れば知るほど魅力的な制度

iDeCo(個人型確定拠出年金)には、様々なデメリットがあるとされ、ネット上では「やばい」「やめたほうがいい」という声も見られます。しかし、その多くは制度の誤解や不理解から来ているものと考えられます。

iDeCoの主なデメリットとしては、「原則60歳まで引き出せない」「元本割れのリスクがある」「手数料がかかる」「制度が複雑」などが挙げられますが、これらは制度の性質上避けられないものであり、むしろ長期的な資産形成を促進するための仕組みとも言えます。

一方、iDeCoの最大の利点は、「掛金が全額所得控除される」「運用中は非課税」「受取時も税制優遇がある」という3つの税制優遇です。これにより、将来の老後資金を効率的に準備することができます。

iDeCoがおすすめな人は、「自分で貯金するのが苦手な人」「少額から資産形成を始めたい人」「税制優遇を活用したい人」などです。一方、「資金をいつでも引き出したい人」「余剰金がない人」などはおすすめできないとされています。

結論として、iDeCoはやばい制度ではなく、むしろおすすめの資産形成手段と言えるでしょう。ただし、自分の状況に合わせた活用が重要であり、専門家に相談するなどして正しい知識を身につけることが大切です。

また、iDeCoと新NISAを組み合わせることで、より効果的な資産形成が可能になります。「原則60歳まで引き出せない」というiDeCoのデメリットを、「いつでも引き出せる」新NISAで補完するという使い方も検討に値します。

老後の資金準備は早く始めるほど有利です。iDeCoの正しい理解を深め、自分にとって最適な資産形成の方法を見つけることをおすすめします。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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