関税の”デメリット”がやばいといわれているのはなぜ?

関税の”デメリット”がやばいといわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”関税はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

関税は本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る

ネットショッピングの普及により、海外からの商品購入が身近になった現代において、「関税」という言葉を目にする機会が増えています。特に「関税のデメリットがやばい」「輸入はやめたほうがいい」といった口コミをSNSで見かけることも少なくありません。本記事では、関税についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。関税は本当に避けるべきものなのか、それとも誤解に基づく評判なのか、多角的な視点から検証していきます。

関税とは?基本的な仕組みと目的

関税とは、輸入品に課される税金のことです。関税額は輸入した物品の価格に、品目や原産地によって決められる関税率をかけて算出されます。一般的に関税は「輸入者または輸出者」が「商品を輸入する国」に対して支払うものとされています。

関税の主な目的としては以下のようなものがあると言われています。

  • 国内産業の保護
  • 国家の財源確保
  • 貿易政策の調整

かつて関税は国家の重要な財源でした。例えば、米国の連邦政府は19世紀の南北戦争ごろまで歳入の多くを関税に頼っていたようです。現在の日本における関税収入は2025年度予算案に基づくと約0.9兆円であり、国税収入全体に占める割合は約1%にとどまっていると報告されています。

ネットで「やばい」と言われる関税のデメリット

1. 消費者への負担増

関税が高く設定されると、その負担は最終的に消費者に転嫁されることがあります。特に近年話題になっているトランプ氏の関税政策に関しては、「米国輸入品に10%の関税率をかければ、それは日本の消費者にとって10%の値上げを意味する」と指摘されています。米議会予算局(CBO)の試算によれば、トランプ氏の関税政策が実施された場合、米国の物価指数は2026年までにおよそ1%上昇すると予測されているようです。

2. 経済成長への悪影響

関税の引き上げは短期的には国内産業を保護する一方で、経済全体の成長を抑制する可能性があります。CBOの分析では、トランプ氏の関税政策が実現した場合、2034年の実質GDPは0.6%減少するとの試算が出ています。関税による貿易量の減少は「市民は倹約しかしません」という声もあり、消費の冷え込みを招くおそれがあるようです。

3. 国際競争力の低下という欠点

関税によって保護された産業は、国際競争にさらされることなく存続できる一方で、競争力が育たないという欠点があります。「関税率が高かった場合、国内産業間での競争となり、海外との競争力がなくなる」という指摘もあります。これは長期的には国内産業の競争力低下につながる可能性があると言われています。

4. 貿易摩擦と報復関税のリスク

一方的な関税引き上げは、貿易相手国からの報復措置を招く恐れがあります。例えば、「中国はトランプ氏の関税率引き上げに対して、対抗措置として米国からの全輸入品に同様の関税率をかけるだろう」との見方があります。このような関税の応酬は世界貿易の停滞を招くリスクがあると懸念されています。

5. 予想外の追加費用の発生

特に個人輸入や海外通販を利用する消費者にとって、関税関連の追加費用は大きな負担となることがあります。BUYMAのような海外通販サイトでは「想定していなかった追加の料金がかかった」という評判も見られ、これは「購入者がBUYMAのシステムをよく理解していなかったことが原因」と考えられています。

海外からの発送には関税だけでなく、以下のような費用が発生することがあります。

  • 関税
  • 消費税
  • 通関手数料(荷物1点につき200円)
  • 返送時の送料(返品の場合)

6. 為替への影響

関税の変更は為替市場にも影響を与えます。「関税の変更によって、外国為替市場で米ドルが増価するため、米国が保有する外国資産のドル建て価値が減少する可能性が高い」とCBOは指摘しています。これは国際投資ポジションにも影響を及ぼす可能性があるようです。

7. サプライチェーンの混乱

グローバル化が進んだ現代においては、多くの企業が国際的なサプライチェーンを構築しています。突然の関税引き上げはこうしたサプライチェーンを混乱させる恐れがあります。特に「中国などに海外展開する日本企業には予想外のダメージになるだろう」と懸念されています。

8. 手続きの煩雑さがやばい

実際に海外から商品を購入した人の体験談によれば、関税に関する手続きは非常に煩雑であることがわかります。特に返品時の関税払い戻し手続きは「クソ面倒なことになった」と表現されるほど複雑です。

ある利用者の体験では:

  • 関税の払い戻しを受けるには、返送前に税関に行って手続きをする必要がある
  • 発送方法によっては自分が直接発送業者と税関に出向かなければならない
  • 返送時の送料と払い戻される関税を比較して判断する必要がある

といった手間がかかるようです。

関税に関する誤解と実態

1. 発送方法による関税額の違い

同じ商品でも発送方法によって関税額が異なることがあります。ある利用者の体験では「前回と同じショップから同じものを仕入れたのに、何故、関税の請求が違うのか問い合わせたところ、前回はEMSでの発送で、今回はKS-JP航空便のためといわれました」とのことです。

2. 商品カテゴリーによる関税率の違い

関税率は商品カテゴリーによって大きく異なります。税関の資料によれば:

  • 時計、パソコン、デジタルカメラ、書籍、化粧品などは無税
  • 衣料品は4.4〜13.4%
  • ハンドバッグは8〜16%
  • 履物は30%または4,300円/足のうちいずれか高い税率
  • チーズは22.4〜40%

など、品目によって大きな差があることがわかります。

さらに驚くべきことに、こんにゃくには1706%という非常に高い関税率が設定されているという情報もあります。これは国内産業保護の観点から設定されているようです。

3. 買い物サイトの仕組みに関する誤解

BUYMAなどの海外通販サイトでは、「海外のブランド品を安く購入できるサイト」という誤解がある一方で、実際には「関税や買い付けの費用、ショッパーの報酬が上乗せされるため、必ず安く買えるとは限らない」という実態があるようです。

また、「BUYMAの購入には関税がかかりますが、購入者がその点を理解していないために、不満を持つケースもあります」と指摘されているように、システムへの理解不足が不満の原因となっていることも少なくないようです。

関税のやばくないメリット

関税には批判的な意見が多い一方で、以下のようなメリットも報告されています。

1. 国内産業の保護

関税の最も大きなメリットは、国内産業を保護することです。「関税によって、輸入品にかかる税金が上昇するため、国内産品との価格差が縮まります。これによって、国内産業が保護され、雇用の維持につながる」と指摘されています。

特に農業分野では、「こんにゃく(関税率1706%)」や「チーズ(関税率30%)」など高い関税率が設定されている品目があり、これらは「国内の酪農産業保護の意味合いが強く、自給率を高める狙いから高額な関税となっています」と説明されています。

2. 国家の財源としての役割

関税は国家の財源としても機能します。「関税を徴収することで、政府は税収を得て公共事業や社会保障に活用できます」と指摘されています。かつては米国など多くの国にとって主要な収入源でしたが、現在は所得税や法人税などの割合が増え、日本では国税収入全体の約1%程度となっています。

3. 貿易政策としての機能

関税は外交や経済政策の一環として活用されることもあります。「ダンピング防止関税やセーフガードなどの特別関税を導入し、国内企業を保護・救済する手段として使う場合がある」と指摘されています。これにより、不公正な貿易行為からの保護や、急激な輸入増加に対する一時的な対応が可能になると言われています。

4. 産業育成期間の確保

関税による保護は、将来的な国際競争に備えるための産業育成期間を提供する効果もあります。「関税による国内産業育成はそもそも将来において海外製品と競争するのを見据えた猶予期間のようなもの」という見方もあります。

実際の輸入時におすすめの注意点

関税に関するトラブルを避けるためには、以下のような点に注意することが推奨されています。

1. 事前に関税率を調査する

購入予定の商品がどのカテゴリーに分類され、どの程度の関税率が適用されるのかを事前に調査しておくことが重要です。税関のウェブサイトなどで確認できますが、「原産国、品目の材質、加工の有無及び用途などによって大きく変わることがありますので、この表の関税率がそのまま適用されるとは限りません」と注意書きされている通り、あくまでも目安として考える必要があるようです。

2. 総コストを計算する

商品価格だけでなく、関税、消費税、通関手数料などを含めた総コストを事前に計算しておくことが推奨されています。「手数料や配送料を含め、トータルでかかるコストを事前に計算しておくと良いでしょう」とアドバイスされています。

3. 信頼できる業者・サイトを選ぶ

輸入代行サービスを利用する場合は、信頼できる業者を選ぶことが重要です。「一部には悪質な業者も存在するため注意が必要」で、「過去の実績やレビューなどを参照しながら依頼先を選ぶ必要があります」とされています。

4. 返品ポリシーを確認する

万が一の場合に備えて、返品ポリシーや手続き方法を事前に確認しておくことが重要です。特に「返品時の関税払い戻しについて」は「払い戻しを受けるには、返送前に税関に行って払い戻しの手続きをする必要あり」など、特殊な手続きが必要な場合があるようです。

国際貿易における関税の位置づけと変遷

関税の国際的な位置づけは、歴史的に大きく変化しています。「1930年代の経済不況の後、主要国は閉鎖的な経済圏を形成し、国外に対して高い関税を課すことで自国の産業を守る政策を採用しました。この経済のブロック化が第二次世界大戦の一因となった」という歴史的教訓から、1947年には関税貿易に関する一般協定(GATT)が設立され、その後、貿易自由化や関税の引き下げに向けた多国間交渉が進行し、1995年には世界貿易機関(WTO)が設立されました。

現在は「FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の締結が増え、締約国間での関税撤廃や引き下げが進んでいます」という状況にあります。これにより、国際貿易の活性化と経済成長の促進が図られているようです。

関税と消費者の利点:知識武装で上手に付き合う

関税には確かにデメリットがありますが、適切な知識と準備があれば、むしろ利点として活用することも可能です。例えば、関税の低い品目を選んで輸入したり、FTA締結国からの輸入を優先したりすることで、コストを抑えることができます。また、国内産業保護の観点からは、消費者としても長期的には国内での雇用維持や産業基盤の維持につながるというメリットも考えられます。

個人輸入を行う場合には特に、「関税率は商品によって税率が大きく異なる」ということを念頭に置き、事前に調査を行うことがおすすめです。例えば、化粧品や時計などは無税である一方、衣料品やチーズなどには比較的高い関税が課されています。こうした知識を持っていれば、購入前に総コストを正確に把握し、思わぬ出費を避けることができるでしょう。

また、最近では「近年はFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の締結が増え、締約国間での関税撤廃や引き下げが進んでいます」という状況もあり、こうした協定の恩恵を受ける方法を知ることも有益です。

まとめ:関税は「やばい」のか「おすすめ」なのか

関税には確かに「やばい」と言えるデメリットがいくつか存在します。消費者への負担増、経済成長への抑制効果、国際競争力の低下、貿易摩擦のリスク、手続きの煩雑さなどです。特に個人輸入や海外通販を利用する際には、これらのデメリットがダイレクトに影響してくることがあります。

一方で、関税には国内産業の保護、国家財源の確保、貿易政策としての機能、産業育成期間の提供といった「やばくない」メリットも存在します。また、ネットで見られる否定的な評判の中には、関税制度に対する誤解や知識不足に起因するものも少なくないようです。

結論として、関税自体は避けるべきものではなく、適切な知識を持って上手に付き合うことが重要であると言えるでしょう。特に海外からの購入を検討している場合は、事前に関税率や手続きについて調査し、総コストを計算した上で判断することがおすすめです。また、信頼できる業者やサイトを選び、返品ポリシーなども確認しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

関税は国際貿易の重要な要素であり、デメリットばかりが強調されがちですが、その利点も正しく理解することで、より賢い消費選択につながるのではないでしょうか。国内産業の保護や国家財政への貢献という観点から見れば、関税は社会全体にとって一定の意義を持つ制度であると言えます。

結局のところ、関税について「やめたほうがいい」というのは単純すぎる見方であり、メリットとデメリットを理解した上で、自分の状況に合わせた判断をすることが最も重要なのではないでしょうか。

参考資料

本記事は、検索結果に基づいて作成されています。内容の正確性については、各公式機関の最新情報をご確認ください。関税制度は国際情勢や政策変更により変わる可能性があります。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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