商工中金が”やばい”といわれているのはなぜ?

商工中金が”やばい”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”商工中金はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

商工中金は本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る

商工中金(商工組合中央金庫)についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。「商工中金はやばい」という噂がインターネット上で見られますが、それは事実なのでしょうか。また、単なる誤解から生じている部分はないのでしょうか。公平な視点から商工中金の実態について、良い評判も含めて詳しく調査していきます。

商工中金とは:基本情報と位置づけ

商工中金は正式名称を「株式会社商工組合中央金庫」といい、中小企業向けの金融機関として1936年に設立されました。元々は100%日本政府出資で運営されていましたが、現在は民間と日本政府の共同出資による運営形態となっています。

全国に支店網を持ち、北海道から沖縄まで、さらには海外(ニューヨークや上海など)にも拠点を展開しているのが特徴です。銀行や日本政策金融公庫とは異なり、「株式会社商工組合中央金庫法」という独自の法律により規定されている特殊な金融機関です。

商工中金の主な特徴として、以下が挙げられます。

  • 中小企業・中堅企業専門の金融機関である
  • 政府が出資する政府系金融機関の性格を持つ
  • 完全な銀行機能(フルバンキング機能)を有している
  • 全国ネットワークを持っている

「やばい」と言われる主な理由①:過去の不正融資問題

商工中金が「やばい」と言われる最大の理由は、2016年から2017年にかけて発覚した「危機対応業務等における不正行為事案」にあるようです。

平成28年(2016年)10月24日に商工中金が内部調査を行ったところ、職員による取引先の試算表等の数値・日付の入替や変更が発覚し、重大な問題となりました。その後、他の業務についても不適切な運営実態が明らかになり、平成29年(2017年)10月25日に行政処分を受けています。

具体的な不正行為としては、次のような内容が指摘されていました:

  1. 組織ぐるみでの不正融資の実行
  2. 企業の業績を偽装して融資を行っていた
  3. 政策などにも影響を及ぼす景況調査の偽装

この不正問題は多数の職員の処分や経営陣の引責辞任にまで発展し、組織の存続が危ぶまれる事態にまで至りました。

特に興味深いのは、報道によると「業績の悪い企業を良く見せかけて融資したのではなく、良い業績を悪く見せかけて融資した」という点です。つまり、返済能力があるにもかかわらず、危機対応融資を受けられるように書類を改ざんしていたということになります。

「やばい」と言われる主な理由②:民営化と存在意義に関する懸念

商工中金は2025年に完全民営化が予定されているという大きな転換点を迎えようとしています。民営化により、中小企業専門の金融機関としての業務範囲を「通常の銀行」のレベルまで拡大するとされています。

関根正裕社長によれば、商工中金のガバナンスにおける最大の問題は「政府系といいながら株主構成が半官半民で、経営責任の所在が不明確なこと」だったと指摘しています。この半官半民の構造が不正事案の根底にあったというわけです。

また、「危機対応業務が存在意義の中心になりすぎて、『危機待ち銀行』になっていた」という内部からの反省の声もあります。つまり、危機的状況が発生しない限り本来の役割を発揮できないという構造的問題を抱えていたということです。

このような状況は、商工中金の存在意義そのものに疑問を投げかけることになり、「いっそ潰してしまえ」といった極端な意見も一部で見られるようになりました。

口コミから見えるサービス面での課題

実際の利用者からの口コミを見ると、いくつかのサービス面での課題も浮き彫りになっています。

例えば、みん評に掲載されている口コミには、以下のような不満の声が見られます。

  • 「窓口で通帳を預り、処理は4日後になる」「通帳は処理後に書留で半月後までに自宅に送られる」など、手続きに長時間かかる
  • 「1ヶ月に実質2回しか手続きを依頼できない」という利便性の低さ
  • 「仕事中でも運転中でも関係なしに電話をかけてくる」「要件を入れないのも社内規定らしい」など、顧客対応の問題

これらの口コミからは、一部のユーザーにとって商工中金のサービスや対応が不便と感じられていることがわかります。

一方で高い評価も:良い評判や特徴

しかし、商工中金が「やばくない」という声も多く、むしろ中小企業にとって重要な役割を果たしているという評価も数多く見られます。良い評判としては、以下のような点が挙げられています。

1. 低金利での融資が可能

商工中金の融資は、低金利で受けられることが大きな魅力とされています。一般的に民間の銀行やローン会社などの金融機関では中小・中堅企業向けの融資は金利が高くなる傾向にありますが、商工中金では1.0~3.0%程度の低金利で融資を受けることが可能だとされています。

「商工中金の金利は高い!」という意見も一部にありますが、これは「保証協会付き融資」や「担保・保証人を取られている融資」など、リスクのない融資の金利と比較している場合が多いとの指摘もあります。リスクの高い「プロパー融資」(保証協会なしの融資)で金利3.0%以下というのは非常に条件が良いと言えるでしょう。

2. 豊富なサービスと専門性の高さ

商工中金は中小企業のための金融機関として、提供しているサービスが非常に豊富です。資金調達はもちろん、資産運用や事業支援、経営サポート、海外進出支援など、幅広いサービスが用意されています。

また、口コミによれば「優秀な担当者が多く」、「中小企業の経営者と2年目からすぐにディスカッションを行い融資他様々な商品の提案ができる」といった評価もあります。

さらに、「定期預金の金利アップのキャンペーン」や「スマホひとつでスムーズに口座開設の手続き」ができるなど、個人向けのサービスの充実度に満足しているユーザーの声も見られます。

3. 全国ネットワークの強み

商工中金の大きな特徴として、全国および海外に支店網を持っていることが挙げられます。地方銀行や信用金庫との最大の違いは「商工中金は全国・世界に支店があること」であり、これにより「遠隔地の融資支援や全国展開や海外進出にも大きな力を発揮する」と評価されています。

特に「全国に拠点がある」「全国・海外展開をする野望がある」経営者にとっては非常に心強い金融機関になり得ると言われています。

4. 信用力と呼水効果

商工中金から融資を受けることで得られる最大のメリットの一つは、他の金融機関からの信用が高まる「呼水効果」です。「審査の難しい商工中金から融資を受けていると、他の金融機関から融資が引き出しやすくなる」という側面があり、「商工中金が融資するなら、ウチも融資したい!」という反応を他の金融機関から得られる可能性があるとされています。

これは「商工中金と取引があるだけで信用される」という評価にも繋がっており、中小企業の資金調達において大きなアドバンテージとなります。

誤解されている点:「やばい」と言われる背景の検証

商工中金が「やばい」と言われる理由には、誤解や情報の偏りから生じている部分も少なくないようです。以下、誤解されやすい点について検証します。

1. 不正問題は過去の話

商工中金がやばいと言われるのは「過去の行政処分を受けたことによる影響」であり、「現在は不正を行っていないとされる」という点は強調すべきでしょう。外部から関根正裕社長を招聘し、組織として立て直しを図っていることも報告されています。

不正問題の発覚後、商工中金は改革に取り組んでおり、2023年の日経ビジネスのインタビューでは関根社長が「危機対応業務だけをやっていたら、何も変わることができない。アフターコロナを見据えたお客様ニーズへの対応もしっかりやるように」と指示を出したことが紹介されています。

2. 審査の厳しさは品質の証

「審査は厳しい(適正)」「いい加減な会社では融資審査が通らないことでも有名」という評判は、ネガティブな意味で「やばい」と受け取られがちですが、実は金融機関としての質の高さを示しています。

審査の厳しさは貸し倒れリスクを最小限に抑え、結果として低金利での融資を可能にしている要因の一つと考えられます。「優秀な人材が審査に介在している」からこそ、健全な融資判断ができているとも言えるでしょう。

3. 民営化は課題解決の一歩

2025年に予定されている完全民営化は、「半官半民の株主構成によるガバナンス不全」を解消するための重要なステップとも考えられます。民営化によって経営責任の所在を明確にし、より健全な経営体制を構築することが期待されています。

また、民営化によって「中小企業のサポートに特化した営業体制」をさらに強化できる可能性もあります。

商工中金の利用を検討する際のポイント

様々な評判や特徴を踏まえると、商工中金の利用を検討する際には以下のポイントに注目するとよいでしょう。

おすすめできる企業の特徴

商工中金は以下のような企業にとって特におすすめできる金融機関と言えそうです。

  1. 比較的規模の大きな中小企業や中堅企業(融資額は少なくとも5,000万円以上が基本とされている)
  2. 全国展開や海外進出を視野に入れている企業
  3. 低金利での資金調達を希望する企業
  4. 他の金融機関からの信用力向上を求める企業

特に「全国に拠点がある」「全国・海外展開をする野望がある」経営者にとっては非常に心強い金融機関になり得ると言われています。

利点と注意点

商工中金を利用する際の主な利点としては:

  1. 低金利での融資が可能(1.0~3.0%程度)
  2. プロパー融資(保証協会なし)が中心
  3. 全国および海外のネットワークを活用できる
  4. 他の金融機関からの信用力が高まる「呼水効果」がある
  5. 豊富なサービスと専門知識を持った担当者のサポートが受けられる

一方で注意すべき点としては:

  1. 指定団体に加盟している企業しか融資を受けられない
  2. 審査のハードルが高い傾向にある
  3. 一部手続きに時間がかかる場合がある

中小企業金融における商工中金の役割と意義

地域の中小企業にとって、商工中金は重要な役割を果たしてきた歴史があります。特に地方では「商工中金による協同組合などへの支援や中小企業への融資などは、地域経済の中で大きな存在」だったという評価もあります。

全国に支店を持つ商工中金は「我が国唯一の中小企業専門金融機関」であり、地域経済や中小企業の発展に大きく貢献してきたことは間違いありません。

商工中金の現在の課題は「全国ネットワークの銀行であるということは、ある意味、過大な固定費を抱えながらやっていかなければいけない、ものすごく不利な条件を商工中金さんは背負わされている」点にあるとも指摘されています。全国展開のメリットを活かしながら、この構造的課題をどう克服していくかが今後の焦点となるでしょう。

商工中金での融資を受けるメリットは具体的に何

商工中金で融資を受けることには、中小企業や個人事業主にとって多くの具体的なメリットがあります。以下にその特徴を詳しく解説します。

1. 低金利での融資

商工中金の最大の魅力は、低金利で融資を受けられる点です。一般的な民間金融機関では、中小企業向けの融資は返済能力が低いと判断される場合、金利が高く設定される傾向があります。しかし、商工中金では政府出資を背景にしているため、金利が1%台から3%程度と非常に低く抑えられています。

特に「プロパー融資」(保証協会なしの融資)でも低金利を実現している点は、他の金融機関ではなかなか見られない特徴です。このため、返済額を抑えながら効率的に資金調達が可能となり、運転資金や設備資金の調達で大きな助けとなります。

2. 幅広い融資制度

商工中金では、中小企業の多様なニーズに応えるため、以下のような幅広い融資制度を提供しています。

  • 一般的な融資:運転資金や設備資金など、事業運営に必要な基本的な資金調達。
  • 国・地方公共団体施策に基づく融資:政策目的に沿った特別条件の融資。
  • 業界団体向け融資:特定業界や団体の共同事業支援。
  • 組織化・組合共同事業支援:協同組合などによる共同事業への支援。 これにより、中小企業が必要とする短期・長期の運転資金や設備投資に柔軟に対応できます。

3. 危機対応融資

自然災害や経済危機などによって事業運営が困難になった場合でも、商工中金は「危機対応融資」を通じて迅速な支援を行います。この制度は政府系金融機関ならではの特徴であり、非常時にも頼れる存在となっています。

4. 信用力向上(呼水効果)

商工中金から融資を受けることで得られるもう一つのメリットは、「信用力向上」による呼水効果です。商工中金は審査が厳しいことで知られており、その審査を通過していること自体が他の金融機関からの信用度アップにつながります。その結果として、追加融資や取引拡大が容易になる場合があります。

5. 専門的なサポートと相談しやすさ

商工中金は単なる金融機関ではなく、中小企業向けに特化した専門的なサポートを提供しています。経営課題へのアドバイスや研修プログラムなども充実しており、経営者が抱える問題解決に役立つ情報や支援を受けることが可能です。また、担当者との信頼関係構築を重視しており、相談しやすい環境が整っています。

6. 全国ネットワークによる利便性

商工中金は全国規模で展開しているため、日本国内どこでも利用可能である点も大きなメリットです。さらに海外進出支援にも対応しており、グローバル展開を目指す企業にも適した金融機関と言えます。

商工中金での融資を受けるデメリットは具体的に何

商工中金で融資を受ける際には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下に、具体的なデメリットを詳しく解説します。

1. 構成員や株主になる必要がある

商工中金の融資制度は、利用対象者が「商工中金の株主」または「株主構成員」に限定されています。そのため、融資を受けるためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 株主になるために株式を取得する費用が発生する
  • 構成員の場合は年会費などの維持費用が必要

これらの追加コストは、融資を受ける際の負担となり得ます。

2. 事前に金利がわからない

商工中金では、融資の金利がインターネットやパンフレットなどで事前に明示されていないことが多いです。これは、商工中金の融資がオーダーメイド型(個別案件ごとに条件が異なる)であるためです。その結果、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 事前に計画を立てづらい
  • 想定以上の金利が提示される場合もある

他の金融機関でも同様に詳細な金利情報を事前に確認できないケースはありますが、特に商工中金ではこの点が顕著です。

3. 融資審査が非常に厳しい

商工中金は、中小企業向け金融機関として高い専門性を持っていますが、その分審査基準も厳しく設定されています。具体的には以下のような点が挙げられます。

  • 決算書や財務状況に対する精密な審査
  • 返済能力や収支状況が不明瞭な場合、審査落ちする可能性
  • 創業間もない企業や個人事業主の場合、受付自体を断られることもある

このため、十分な準備と信頼性の高い財務資料を用意しないと融資を受けることは難しいとされています。

4. 店舗数が少ない

商工中金は全国展開しているものの、他の民間銀行や信用金庫と比べると店舗数は少なく、地域によってはアクセスしづらい場合があります。一方で、全国および海外にも拠点を持つこと自体はメリットですが、地方在住者などにとって利便性に欠ける場合もあります。

5. 過去の不正問題によるイメージリスク

2016年から2017年にかけて発覚した不正融資問題は、現在でも一部でネガティブなイメージとして残っています。この問題自体は解決に向かっているものの、「信頼性」に対して懸念を抱く企業も少なくありません。また、不正問題後に内部管理体制が強化されたことで、審査基準や手続きがさらに厳格化している可能性があります。

6. 利用対象者や融資額の制限

商工中金では、中規模以上の中小企業や中堅企業を主な対象としているため、小規模事業者や個人事業主には不向きな場合があります。また、融資額も比較的大きな規模(数千万円以上)を前提としていることから、小口融資を希望する場合には適さない可能性があります。

まとめ:デメリットと利用時の注意点

商工中金で融資を受ける際には以下のデメリットを考慮する必要があります。

  • 構成員や株主になるための費用負担
  • 金利情報が事前にわからない
  • 厳しい審査基準
  • 店舗数やアクセス面での制約
  • 過去の不正問題によるイメージリスク

これらのデメリットにもかかわらず、商工中金は低金利融資や専門的サポートなど、多くの魅力的な特徴を持っています。したがって、自社の状況やニーズに応じてこれらデメリットを許容できるかどうかを慎重に判断しながら利用することが重要です。

商工中金の過去の行政処分が現在に与える影響は

商工中金(商工組合中央金庫)の過去の行政処分は、現在においてもその運営や信用力、そして将来の方向性に影響を及ぼしています。以下に、その具体的な影響を整理します。

1. 信用力への影響と回復への取り組み

信用力の低下

2016年から2017年にかけて発覚した危機対応融資に関する不正行為は、商工中金の信用力に大きな打撃を与えました。不正行為は全国100営業店中97営業店で発生し、4,609件(融資額約2,646億円相当)の不正が確認されました。この規模の不正事案は、政府系金融機関としての信頼性を大きく損ないました。

信用回復への取り組み

不正発覚後、商工中金は第三者委員会を設置し、原因究明と再発防止策を策定しました。また、業務改善命令を受けて内部管理体制やガバナンスの強化に取り組みました。これには倫理憲章や行動基準の制定、新たな経営管理態勢の構築などが含まれます。

現在では、これらの改革が一定の成果を上げているとされており、過去の問題が完全に解消されたわけではないものの、信頼回復に向けた努力が続いています。

2. 民営化への影響

民営化プロセスの遅延

商工中金は2006年に民営化方針が決定されていましたが、不正問題の発覚によってその進行が大幅に遅れました。特に不正事案によって「政府系金融機関としての役割」を再評価する必要が生じたためです。

2025年完全民営化への準備

現在、商工中金は2025年までに政府保有株式をすべて売却し、完全民営化を目指しています。この過程では、不正問題を踏まえてガバナンス体制やビジネスモデルの見直しが進められています。具体的には、「経営者保証に依存しない融資比率」を高めるなど、中小企業支援に特化した持続可能なビジネスモデル構築が進行中です。

3. ガバナンスと内部管理体制への影響

過去問題から学んだ教訓

不正事案では、内部管理体制やコンプライアンス統括室が適切な役割を果たせなかったことが問題視されました。これを受けて、商工中金は内部監査機能やリスク管理体制の強化を図っています。

現在の改善状況

「商工中金の在り方検討会」や「経営及び危機対応業務に関する評価委員会」の提言を基に、新しい経営改革プログラムが策定されました。このプログラムでは、コンプライアンス重視の文化醸成や監査体制の強化が重点的に進められています。

4. 中小企業支援機能への影響

危機対応融資制度の見直し

過去の不正問題では、危機対応融資制度そのものが制度趣旨を逸脱して運用されていたことが指摘されました。これを受けて、危機対応業務全般について見直しが行われています。現在では、不正防止策として要件確認プロセスや書類管理体制が厳格化されています。

信頼回復による支援継続

一方で、中小企業支援という商工中金本来の役割は維持されています。不正問題後も、中小企業向け融資や経営支援サービスは継続して提供されており、多くの企業から一定の評価を得ています。

5. 業界全体への影響

商工中金の不正事案は、他の金融機関にも影響を与えました。同業他社からは「政府系金融機関として厳格なガバナンス体制を持つべきだった」という批判もありました。また、この問題によって民間銀行との競争環境にも変化が生じたとされています。

まとめ:現在への影響と将来への展望

商工中金の過去の行政処分は、その信用力や運営体制に大きな影響を与えました。しかし、不正事案以降、内部改革やガバナンス強化など多くの改善策が講じられており、その成果も徐々に現れつつあります。また、2025年予定の完全民営化に向けた取り組みも進行しており、中小企業支援という本来の役割を果たすため、新たなビジネスモデル構築にも注力しています。

過去の問題から得た教訓を活かしつつ信頼回復と成長戦略を実現できるかどうかが、今後の商工中金にとって重要な課題となるでしょう。

まとめ:「やばい」とは言えない商工中金の実態

商工中金について様々な評判や情報を検証してきましたが、一部で言われているほど「やばい」金融機関とは言えないようです。確かに過去の不正問題や行政処分は事実ですが、現在は組織改革が進められ、2025年の完全民営化に向けた取り組みが行われています。

低金利融資や全国ネットワーク、他の金融機関に対する信用力など、中小企業にとって大きなメリットを提供していることも事実です。「優秀な担当者が多く」「中小企業の経営者と深いディスカッションを行い様々な提案ができる」という評価も少なくありません。

もちろん、審査の厳しさや一部手続きの煩雑さなど、改善の余地がある部分もあります。しかし、これらは金融機関としての健全性を維持するための側面もあり、一概にネガティブな評価とは言えないでしょう。

最終的に、商工中金は中小企業専門の金融機関として独自の強みを持ち、適切に活用することで企業の成長や発展に大きく貢献する可能性を秘めた金融機関だと言えそうです。個々の企業のニーズや状況に合わせて、その特性を理解した上で利用を検討することをおすすめします。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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