SPYDは”おすすめしない”、”やめとけ”といわれているのはなぜ?


”SPYD(SPDR ®ポートフォリオ S&P500 ® 高配当株式ETF)はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します
SPYDは本当にやめたほうがいいのか、デメリットとメリットから真相に迫る
SPYDという高配当ETFについてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。「SPYDはやめとけ」「おすすめしない」という声がネット上でよく見られますが、実際のところどうなのでしょうか。投資の世界では様々な意見があり、一方的な見方だけで判断するのは危険です。今回は、SPYDに関する否定的な評価と肯定的な評価の両方を検証し、本当に投資すべき商品なのかを考察していきます。
SPYDとは何か?基本情報を理解する
まず、SPYDの基本情報を確認しておきましょう。SPYDは正式名称を「SPDR®ポートフォリオ S&P500®高配当株式ETF」といい、米国S&P500指数を構成する銘柄のうち、配当利回りの上位約80銘柄に投資するETF(上場投資信託)です。
項目 | 内容 |
---|---|
運用会社 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ (SSGA) |
設立年 | 2015年 |
ベンチマーク | S&P 500® High Dividend Index |
投資対象 | S&P 500指数に含まれる高配当株 |
組入銘柄数 | 約80銘柄 |
配当利回り | 約4.5%(変動あり) |
経費率 | 0.07% |
主なセクター | 公共事業、金融、不動産、エネルギー、消費財など |
分配金頻度 | 四半期ごと |
SPYDは投資家に定期的な配当収入を提供することを主な目的としており、インカムゲイン(配当金などの収入)を求める長期投資家に人気のETFの一つとされています。
なぜSPYDが「おすすめしない」と言われるのか?主な理由
ネット上では「SPYDはおすすめしない」「やめとけ」という意見が見られます。その主な理由を詳しく見ていきましょう。
1. 増配よりも減配した実績の方が多い
SPYDは増配(配当の増加)よりも減配(配当の減少)した実績が多いと言われています。検索結果によると、これまで3回の増配と4回の減配があったとのことです。安定した配当を期待する投資家にとって、これはデメリットになる可能性があります。
SPYDの場合、組入銘柄の業績が全体的に悪化すると配当が減少する傾向があるようです。経済危機や業界特有の問題が発生した際、企業は収益の低下に伴い配当を削減することが多く、これが減配の原因となるのではないかと考えられています。
2. トータルの利回りが良くない
SPYDは配当利回りが高い一方で、トータルリターン(配当と株価上昇の合計)が良くないと指摘されています。キャピタルゲイン(売却益)を狙いたい人には向いていないとの評価があります。
その理由として、SPYDの構成銘柄のほとんどが成熟した企業であり、大幅な株価上昇が見込めないためだと言われています。安定して高い利回りを求める人には、プロに運用を任せることで10%以上の利回りが期待できるヘッジファンドへの投資がおすすめされることもあるようです。
3. 為替リスクが高い
SPYDは米国株投資になるため、為替リスクが高いというデメリットがあります。SPYDを購入するとドル建ての資産を保有することになるので、円安になれば利益が増えますが、円高になると資産価値が下がってしまうリスクがあるとされています。
為替ヘッジを行って為替リスクを回避しようとすると、追加コストがかかるためさらにリターンが低下する可能性があるようです。このことから、為替リスクを避けたい人にはSPYDをおすすめしないという意見があります。
4. インフレに負けるリスク
高配当株は4半期ごとに配当が振り込まれるメリットがありますが、その反面、インフレに対する体制が弱いという欠点があるとされています。インフレが進行すると、実質的な配当の価値が目減りし、生活費の上昇に追いつかなくなる可能性があると言われています。
例えば、インフレ率が高まると日常生活のコストが上昇します。SPYDの配当が一定でも、インフレによりその価値が減少し、実質的な購買力が低下する構造だと説明されています。SPYDへの投資は、インフレ対策としては不十分であるため、成長株やインフレに強い資産との組み合わせが必要だという意見もあります。
5. 他の高配当ETFと比較して株価パフォーマンスが悪い
SPYDはVYMやHDVといった他の人気高配当ETFと比べて株価のパフォーマンスが劣っているとの指摘があります。
VYMは約440銘柄に分散投資をしているため安定したパフォーマンスを出しやすい点がメリットとされています。HDVはSPYDと同等の75銘柄に投資していますが、SPYDよりもセクターの分散効果が高いため、パフォーマンスが安定していると言われています。
対してSPYDも幅広いセクターに投資していますが、ややエネルギーの比重が高いため、分散効果が低くパフォーマンスが安定しにくい点がデメリットだとされています。
6. 分配金に米国の税金がかかる
SPYDは米国株の取引に該当するため、米国にて10%の税金が差し引かれることになります。さらに、日本では所得税と住民税を合わせた20.315%が課税されるので、手元に残る配当金は約70%になると言われています。
高配当といいつつも、実際は引かれる税金が多いので、SPYDへの投資はあまりおすすめしないという意見もあるようです。
7. 景気敏感セクターの比率が高い
SPYDは約80銘柄で構成されていますが、金融、公共事業、エネルギーなどの景気に敏感なセクターが中心のため、価格変動のリスクが高い点がデメリットだとされています。
例えば、金利の上昇はエネルギーや公共事業セクターなどに悪影響を及ぼすので、金融セクターの利益率が低下する可能性があると指摘されています。特に、景気後退期はSPYDがメインで投資しているセクターの業績が悪化しやすく、SPYD全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があるとのことです。
8. 組み入れ銘柄は成熟企業が多く株価成長は期待できない
SPYDに含まれる銘柄は成熟企業が多く、株価成長が期待できないという指摘があります。成熟企業は市場シェアが確立されているため、成長余地が限られていると言われています。
例えば、不動産会社や公共事業関係の企業は既に市場での地位を確立しており、新興企業のような急成長は期待できないとされています。そのため、株価の上昇も限定的で、キャピタルゲインを狙うには不向きだという意見があるようです。
9. 組み入れ銘柄が少なく分散が効かない
SPYDは組み入れ銘柄が80社程度と少なく、分散投資の効果が十分ではないという指摘があります。
80銘柄の中でも十分に分散しているとは言えず、エネルギーや金融、公共事業関連銘柄への比重が高い点が特徴だとされています。依存度の高いセクターの景気が悪くなれば、SPYDに及ぼす影響も高くなり価格の下落につながる可能性があるという懸念があるようです。
10. 歴史が浅い
SPYDは2015年から始まった比較的歴史の浅いETFであるという点も、「やめたほうがいい」と言われる理由の一つとされています。
歴史が浅ければ浅いほど、過去の大きな暴落が発生した際の値動きが確認できなくなってしまうという懸念があります。コロナショックは経験しているものの、リーマンショックは経験していないため、過去の値動きを分析しづらくなるとの指摘があるようです。
SPYDの良い評判や利点
一方で、SPYDには「やばくない」という意見や「おすすめ」する理由も存在します。ここでは、SPYDの良い評判や利点について見ていきましょう。
1. 配当利回りが高い
SPYDの最大の魅力は配当利回りの高さだと言われています。検索結果によると、SPYDの配当利回りは約4.5%とされており、S&P500の中でも特に高利回りな銘柄に投資しているため、高い利回りを実現しているとのことです。
他のETFと比較しても、SPYDの配当利回りは頭一つ抜けていると評価されています。2019年6月末時点の分配金利回りは4.46%で、直近1年は4%以上の高い分配金利回りを実現していたとの情報もあります。
株価上昇によるキャピタルゲインは期待せずに、長期投資により配当金をもらい続けたい人にはSPYDがおすすめとされています。
2. 1つの銘柄で分散投資が可能
SPYDに投資すれば、ポートフォリオを組まなくても約80銘柄に分散投資できる点が利点とされています。
個別銘柄への投資の場合、業績が傾けば株価が大きく下落するリスクがありますが、SPYDに投資すれば80社に分散投資することになるので、組入銘柄の1社の株価が大きく変動しても影響を受けにくくなるとされています。
分散投資することで安定した資産運用を行いたい人にはSPYDをおすすめするという意見もあるようです。
3. 運用コストが低い
SPYDは運用コストが低いという利点があります。経費率は年率0.07%と非常に安く、コストを抑えながら運用が可能だと評価されています。
仮に100万円分のSPYDを保有している場合、支払う経費は年間で700円程度と非常に安価なので、コストを気にせず投資を行えるとされています。
高配当率によるインカムゲインを狙いやすいSPYDは長期保有をしやすい銘柄であるため、経費率の低さは長期的に大きな利益の差となってくる可能性があると指摘されています。
4. 少額から投資できる
SPYDは少額から投資できるのも大きなメリットだとされています。
1株(100円以下)で投資できるため、資金が少ない方でも投資しやすいと評価されています。2022年10月25日時点の株価は33.79米ドルであり、日本円でおよそ5,000円程度から購入できるとの情報もあります。
SPYDに投資すれば80銘柄に分散投資ができるため、少額でそこまで分散できるのは魅力的だという意見もあるようです。
5. 長期で保有すれば売却益も期待できる
SPYDは長期で保有すれば売却益が出る可能性もあるとされています。2016年から保有していれば、価格は上昇しているという指摘もあります。
長期間保有し続ければし続けるほど、元本割れのリスクは低くなると言われています。配当目的であれば長期保有がほとんどであるため、売却益の可能性もあるのは嬉しいポイントだという評価もあるようです。
投資家のタイプによるSPYDの適性
SPYDが「おすすめ」か「おすすめしない」かは、投資家のタイプや投資目的によって異なります。
配当収入を重視する投資家には「おすすめ」
長期的な配当収入を重視する投資家にとっては、SPYDは魅力的な選択肢となる可能性があります。約4.5%という高い配当利回りは、安定した収入を求める投資家にとって大きな利点だと言えるでしょう。
特に、「配当金生活」を目指す投資家や、定期的な収入を得たい退職者などにとっては、SPYDの高配当は魅力的な特徴かもしれません。
キャピタルゲインを重視する投資家には「おすすめしない」
一方、株価の上昇によるキャピタルゲイン(売却益)を重視する投資家にとっては、SPYDはあまり適していないかもしれません。SPYDの構成銘柄は成熟企業が多く、大幅な株価上昇は期待しにくいとされているためです。
株価上昇を重視する投資家は、成長性の高いセクターに投資するETFや個別株を検討した方が良いとされています。
長期投資家には「おすすめ」、短期投資家には「やめとけ」
SPYDは長期投資に向いているとされています。長期で保有することで、景気変動のリスクを低減できる可能性があるためです。
一方、短期的な値動きを狙う投資家にとっては、SPYDの景気敏感セクターへの集中投資や、ボラティリティ(価格変動性)の高さがデメリットになる可能性があります。
結論:SPYDは「やばい」のか「やばくない」のか
SPYDについて様々な観点から検討してきましたが、結論としては「投資目的に合うかどうか」が重要だと言えそうです。
確かに、いくつかの「おすすめしない」理由やデメリットは存在します。組入銘柄数が少ない点、景気敏感セクターが多い点、為替リスクがある点などは注意が必要です。また、歴史が浅いことから長期的な実績が不足している点も考慮すべきでしょう。
しかし、高い配当利回り、低い運用コスト、少額から投資できる手軽さなど、魅力的な利点も多くあります。特に、安定した配当収入を求める長期投資家にとっては、SPYDは検討に値する投資対象と言えるのではないでしょうか。
結局のところ、SPYDは「やばい」投資対象というわけではなく、自分の投資スタイルや目標に合うかどうかを見極めることが重要です。高配当を追求する長期投資戦略を取る投資家にとっては、SPYDはポートフォリオの一部として「おすすめ」できる可能性があります。
ただし、SPYDだけに依存するのではなく、他の資産クラスやETFと組み合わせて、バランスの取れたポートフォリオを構築することが望ましいでしょう。例えば、成長株ETFや債券ETF、あるいは国内ETFなどと組み合わせることで、リスクを分散させつつ、安定したリターンを目指すことができるかもしれません。
投資は自己責任で行うものですが、十分な情報収集と冷静な判断を心がけることで、SPYDのような投資商品のメリットを最大限に活かすことができるでしょう。ネット上の「おすすめしない」「やめとけ」という声に惑わされることなく、自分自身の投資目標に合った判断をすることが大切です。
SPYDは決して「やばい」投資対象ではなく、適切な投資家にとっては魅力的な商品だと言えるのではないでしょうか。高配当を得ながら分散投資ができるという点は、間違いなくSPYDの大きな強みであり、長期的な資産形成を目指す投資家にとっては検討する価値があると思われます。
