国民年金学生免除の”デメリット”がやばいといわれているのはなぜ?


”国民年金学生免除はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します
国民年金学生免除は本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る
国民年金の学生納付特例制度(学生免除)についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。この制度は学生の経済的負担を軽減するための仕組みですが、「将来の年金額が減る」「デメリットがやばい」などと言われることもあります。今回は、そのような噂の背景にある原因や理由を調査し、誤解から生じている部分はないのか、実際の利点も含めて検証していきます。
国民年金学生納付特例制度とは
国民年金学生納付特例制度とは、日本国内に住むすべての人が20歳になった時から加入義務のある国民年金について、学生を対象に在学中の保険料納付を猶予する制度です。この制度は、経済的に余裕がない学生の負担を軽減するために設けられたものです。
対象となるのは、本人の前年所得が一定以下(128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等)の学生です。なお、家族の所得の多寡は問われません。学生とは、大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校などに在学する方で、夜間・定時制課程や通信課程の方も含まれるため、ほとんどの学生が対象になると言われています。
厚生労働省の「令和2年国民年金被保険者実態調査結果」によると、学生納付特例制度を利用している人は全体の63.9%にのぼるとの結果も出ています。多くの学生がこの制度を活用していることがわかります。
ネットで言われる「やばい」デメリットとは
ネット上では、この学生納付特例制度について「デメリットがやばい」「やめたほうがいい」といった声が見られます。そのような声の背景には、どのような原因があるのでしょうか。
デメリット1:追納しないと年金額が減少する
学生納付特例制度の最大のデメリットは、追納(後から保険料を納めること)をしないと将来受け取れる年金額が減少することです。この制度は「免除」ではなく「猶予」であり、追納しなければ将来の年金額に影響が出るのです。
例えば、2年間この制度を利用し追納しなかった場合の年金減額は以下のように計算されます。
老齢基礎年金の満額(2023年度は79万5000円として)×24月(2年)/480月(40年)=3万9750円
つまり、2年間分の猶予を追納しなかった場合、年間約4万円の減額となります。65歳から95歳まで30年間年金を受給すると仮定すると、減額分の合計は約120万円にもなるとされています。これは人生設計に大きな影響を与える可能性があり、この点が「やばい」と言われる大きな要因のようです。
デメリット2:追納には期限があり加算金が発生する
学生納付特例を利用した期間の保険料は、10年以内であれば追納することができます。しかし、3年以上前の保険料には経過期間に応じた加算額が上乗せされます。つまり、追納を先延ばしにすればするほど、支払う金額が増えていくというデメリットがあります。
「今は払えないから後で払えばいい」と安易に考えていると、将来的に予想以上の負担になる可能性があり、この点もネットで「やめとけ」と言われる原因の一つと考えられます。
デメリット3:制度を知らずに未申請だと障害年金が受給できないリスク
学生納付特例制度の申請をせずに単に保険料を未納のままにしておくと、万が一事故や病気で障害を負った場合に障害基礎年金を受け取れなくなる可能性があります。
この制度を利用していれば、その期間は保険料納付済期間と同様に扱われ、障害基礎年金の受給資格要件を満たす可能性がありますが、申請せずに未納状態だと受給資格要件を満たさなくなる恐れがあります。この点は非常に重要ですが、制度を知らないまま未申請・未納になってしまう学生も少なくないと言われており、「欠点」として挙げられています。
実は誤解されている点も多い
上記のようなデメリットがある一方で、誤解されている点や正しく理解されていない部分もあるようです。
誤解1:学生納付特例制度と単なる「未納」は異なる
最も大きな誤解は、学生納付特例制度を利用することと単に保険料を未納のままにすることを混同している点です。この二つは全く異なり、学生納付特例制度は申請して承認されることで受けられる正式な猶予制度です。
一方、単に未納のままにしておくと、将来の年金受給に影響するだけでなく、万が一の際の障害基礎年金も受け取れなくなる可能性があります。さらに、未納のままだと督促状が届いたり、最悪の場合は財産差し押さえなどの可能性もあると言われています。
誤解2:制度を使うことが全て悪いわけではない
「デメリットがやばい」と言われる学生納付特例制度ですが、実際には個人の状況によっては非常に有用な制度でもあります。特に、学生時代に十分な収入がなく保険料を納めるのが難しい状況であれば、未納よりも制度を利用する方がはるかに良いと言えます。
将来、社会人になって経済的に余裕ができたときに追納することで、年金額の減少を防ぐことができますし、何より障害基礎年金の受給資格を確保できるメリットは大きいと考えられます。
誤解3:追納のタイミングと計画性の重要性
追納については「10年以内なら可能」という点だけが強調されることが多いですが、実際には3年以内に追納すれば加算金が不要という点が見落とされがちです。計画的に追納することで、負担を最小限に抑えることが可能です。
「やばくない」メリットもある学生納付特例制度
ネット上でデメリットが強調される傾向がありますが、実は学生納付特例制度には多くのメリットもあります。
メリット1:学生期間中の経済的負担の軽減
最も明確なメリットは、学生の間は国民年金保険料を支払わなくても良いという点です。2024年度の国民年金保険料は月額1万6,980円とされており、これを毎月支払うことは学生にとって大きな負担となります。この制度を利用することで、学生時代の経済的な負担を軽減することができます。
メリット2:年金受給資格期間に含まれる
学生納付特例制度の承認を受けた期間は、老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上必要)に含まれます。これにより、将来年金を受け取るための最低期間をカウントする上で有利になります。
メリット3:障害基礎年金受給資格の確保
学生納付特例制度を利用していれば、在学中に万が一事故や病気で障害を負った場合でも、障害基礎年金を受け取れる可能性があります。未申請・未納の状態だと、この受給資格を失ってしまう可能性があるため、このメリットは非常に重要と言えるでしょう。
おすすめの活用方法と対策
学生納付特例制度は、正しく理解して活用すれば非常に有用な制度になります。以下に、この制度を効果的に活用するための方法をご紹介します。
対策1:必ず申請手続きを行う
20歳になったら、経済的に余裕がなくて保険料を納められない場合でも、必ず学生納付特例制度の申請を行いましょう。単に未納のままにするよりも、正式に猶予を受けることで将来のリスクを大幅に軽減できます。申請は年度ごとに必要なので、忘れずに行うことが重要です。
対策2:追納の計画を立てる
卒業後、就職して収入が安定したら、できるだけ早く追納の計画を立てることをおすすめします。特に、加算金が付かない3年以内の追納を優先すると良いでしょう。計画的に追納することで、将来の年金受給額を確保しつつ、一度に大きな負担が発生するのを避けることができます。
対策3:家族のサポートを検討する
可能であれば、親が代わりに保険料を支払うことも検討価値があります。その場合、親が社会保険料控除を受けることができ、住民税を軽減させるメリットもあると言われています。家族間でしっかり話し合い、最適な選択をすることが大切です。
対策4:付加年金の検討
さらに資金的な余裕がある場合は、付加年金への加入も視野に入れると良いでしょう。毎月の保険料に400円をプラスすることで、将来の年金受給額を増やすことができます。
各世代ごとの注意点
現在48歳以上の方の特殊事情
1991年4月より前は、20歳以上の学生の国民年金加入は任意でした。そのため、現在48歳以上(1971年3月以前生まれ)の方は、学生時代に国民年金に加入していないと「任意未加入者」として扱われ、老齢基礎年金額で不利になる可能性があると指摘されています。
現役学生の方々への注意点
現役学生の方々は、学生納付特例制度を利用する際に、将来の追納も視野に入れた計画を立てることが重要です。また、在学証明書などの必要書類をきちんと準備して、期限内に申請することが大切です。
実際にはどうするべきか?総合的判断
学生納付特例制度には確かにデメリットはありますが、それが「やばい」かどうかは個人の状況によって異なります。以下のポイントを参考に判断すると良いでしょう。
- 学生時代に保険料を支払う経済的余裕がなければ、未納よりも学生納付特例制度を利用する方が断然良いと言えます。
- 経済的に余裕があれば、最初から保険料を納めることが将来的には最も有利です。
- 制度を利用した場合は、就職後できるだけ早く(特に3年以内に)追納することを計画しましょう。
- 万が一のリスクを考えると、単に未納のままにするよりは、必ず制度の申請を行うべきです。
まとめ:デメリットを正しく理解して賢く活用しよう
国民年金学生納付特例制度のデメリットについて「やばい」という噂がネット上で広がっていますが、実際には正しく理解し活用すれば大きな利点もある制度だと言えます。確かに追納しなければ将来の年金額が減少するというデメリットはありますが、未納のままにするよりも遥かに良い選択です。
特に重要なのは、この制度を利用することで障害基礎年金の受給資格が確保できるという点です。若いうちは考えたくないかもしれませんが、万が一の事故や病気に備えるという観点からも、この制度の利用はおすすめできます。
また、デメリットとされる追納についても、計画的に行えば大きな負担にはなりません。特に卒業後3年以内に追納すれば加算金も不要であり、将来の年金額を確保するための賢明な投資と考えることができます。
結論として、国民年金学生納付特例制度は、そのデメリットを正しく理解した上で適切に活用すれば、決して「やばい」制度ではなく、むしろ学生の将来を守るための有用な制度だと言えるでしょう。20歳を迎える学生やそのご家族は、この制度の仕組みをよく理解し、自分の状況に合わせて賢く活用していくことをおすすめします。
参考情報:申請方法と必要書類
最後に、学生納付特例制度の申請方法についても簡単にご紹介します。申請は、住民登録をしている市区町村の国民年金担当窓口や近くの年金事務所、在学中の学校で行うことができます。必要な書類は、学生納付特例申請書と基礎年金番号通知書か年金手帳のコピー、それに学生証のコピーか在学証明書の原本などです。
毎年申請が必要ですが、前年度に学生納付特例制度を利用した方には、4月頃に申請書が送られてくるので、忘れずに提出することが重要です。
この制度をうまく活用して、学生時代の経済的負担を軽減しつつ、将来の年金も確保できるよう、賢く計画を立てていきましょう。
