楽天証券”ゼロコース”のデメリットが”やばい”といわれているのはなぜ?

楽天証券”ゼロコース”のデメリットが”やばい”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”楽天証券のゼロコースはヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

本当にダメなのか、楽天証券ゼロコースのデメリットとメリットから真相に迫る

楽天証券の「ゼロコース」のデメリットが”やばい”と言われていることについてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。手数料無料と聞くと「何か裏があるのでは?」と感じる方も多いようです。本当に「やめたほうがいい」サービスなのか、それとも噂が誤解から生じているのか、良い評判も含めて調査していきます。

楽天証券「ゼロコース」とは何か?

楽天証券の「ゼロコース」は、2023年10月2日から開始された手数料コースです。国内株式の現物取引と信用取引の手数料が完全無料になるサービスとなっています。これまでの「超割コース」や「いちにち定額コース」に加えて新しく追加されたコースで、取引金額にかかわらず誰でも利用することができるようです。

ゼロコースの特徴としては以下の点が挙げられています。

  • 国内株式(現物・信用)取引手数料が無料
  • SOR(スマート・オーダー・ルーティング)およびRクロスの利用同意が必須
  • 設定変更だけで簡単に利用可能

ネットで「やばい」と言われているデメリットとは?

ネット上では楽天証券の「ゼロコース」についていくつかの懸念点が指摘されており、「やばい」「やめたほうがいい」などと噂されています。主なデメリットとして挙げられているのは以下の点です。

1. ポイント還元がない

「超割コース」では取引金額に応じて楽天ポイントが還元されていましたが、「ゼロコース」では楽天ポイントの還元がないと言われています。ポイント投資を活用していた方にとっては欠点となるかもしれません。

2. 信用取引の金利・貸株料が高い

「ゼロコース」では信用取引を行う場合、買方金利・貸株料が「超割コース」よりも高めに設定されているようです。例えば、「超割コース」では金利が1.1%だったものが、「ゼロコース」では1.8%になるなど、長期の信用取引には不利となる可能性があります。

3. 貸株金利(レンディング)の優遇なし

「超割コース」の場合、楽天証券が提供する「貸株サービス」の金利優遇が適用されることがありましたが、「ゼロコース」ではその優遇がないと言われています。

4. 取引回数が少ない人にはメリットが薄い

「ゼロコース」は、取引手数料が無料という特徴がありますが、もともと少額取引しか行わない人にとっては、メリットが少ない可能性があるようです。「超割コース」でも低額取引の手数料はそもそも安いためです。

5. マーケットスピードの無料利用が不可

楽天証券の高機能取引ツール「マーケットスピード(PC版)」は「超割コース」なら無料で利用可能ですが、「ゼロコース」の場合は利用できないとの情報もあります。

6. SOR/Rクロスの利用同意が必須

ゼロコースを利用するには、楽天証券のSOR(スマート・オーダー・ルーティング)およびRクロスの利用に同意する必要があります。これにより、注文が必ずしも東京証券取引所に直接送られるわけではなく、他の取引所や私設取引システム(PTS)を経由することがあるとされています。

デメリットの真相を検証

これらの「やばい」と言われているデメリットについて、実際のところはどうなのでしょうか?検索結果の情報を基に真相を検証していきます。

1. ポイント還元について

確かに「ゼロコース」ではポイント還元がないようです。ただし、「超割コース 大口優遇」の条件を満たしている場合でも、「ゼロコース」に変更すると外国株式、先物・オプション、金・プラチナ取引手数料の2%をポイントでお返しするサービスがあると記載されています。つまり、国内株式のポイント還元はなくなりますが、他の取引ではポイント還元が受けられる可能性があります。

2. 信用取引の金利・貸株料について

信用取引の金利が「超割コース」より高い点は事実のようですが、信用取引自体の手数料は無料になっています。長期的な信用取引を頻繁に行う投資家にとっては考慮すべき点かもしれませんが、現物取引中心の投資家にはほとんど影響がないと考えられます。

3. SOR/Rクロスの利用同意について

SOR注文とは、自動で最も有利な気配価格を出している取引所にオーダーを出す注文方法で、買い注文の場合は少しでも安い気配価格で、売り注文の場合は少しでも高い気配価格で取引できるシステムです。

「SOR注文はより良い気配価格で取引できる注文方法なので、投資家にとってはメリットとなるでしょう」という記述があることから、この点は実質的にはデメリットではなく、むしろメリットと捉えることができそうです。

また、「楽天証券でどのコースを選んでいても、デフォルトでSOR注文にチェックが入っているので、利用している方のほうが多い」とあり、多くのユーザーにとって大きな変化はないと考えられます。

4. 「かぶミニ」などの一部取引での手数料発生について

「かぶミニ」(単元未満株)や信用取引、オペレーターに依頼する取引では手数料がかかる場合があるとの指摘がありますが、最新の情報では「ゼロコース」でも信用取引の手数料は無料になっているようです。「かぶミニ」の売却手数料も0円に引き下げられたとの情報もあります。

良い評判と実際のメリット

一方で、「ゼロコース」については多くの良い評判も見られます。

1. 完全に手数料無料で取引可能

最大のメリットは、国内株式の取引手数料が完全に無料になる点です。約60万円分の注文をしても手数料無料で注文完了したという実例もあります。これは特に頻繁に取引する投資家にとって大きな利点と言えるでしょう。

2. 設定変更が簡単

「ゼロコース」への変更は、楽天証券のウェブサイトやアプリから簡単に行えるようです。手続きは5分ほどで完了し、特に複雑な条件もないという点が多くのユーザーに好評のようです。

3. 家族口座も含めて全ての口座で利用可能

「家族の口座すべてをゼロコースに設定変更した」という口コミもあり、複数口座を管理している場合でもすべての口座で手数料無料のメリットを享受できるようです。

4. 実際のユーザー評価は好意的

「投資家のリアルな意見」として紹介されている口コミでは、多くのユーザーがゼロコースの開始とともに設定変更を行い、好意的に受け止めているようです。

他社の類似サービスとの比較

楽天証券の「ゼロコース」と似たサービスとして、SBI証券の「ゼロ革命」があります。

SBI証券の「ゼロ革命」は2023年9月から始まり、国内株式・現物取引・信用取引・S株(単元未満株)の売買の際に、SBI証券が指定する各種書類を郵送から電子交付に切り替えることにより、売買手数料が0円になるというサービスです。

楽天証券の「ゼロコース」と比較すると:

  • SBI証券:電子交付への切り替えが条件
  • 楽天証券:SOR/Rクロスの利用同意が条件

どちらも一定の条件はありますが、基本的には手数料無料で国内株式の取引ができるという点で共通しています。投資家にとってはどちらも「おすすめ」できるサービスと言えそうです。

どんな人に向いている/向いていないか

検索結果の情報を基に、楽天証券の「ゼロコース」が向いている人、向いていない人を整理してみましょう。

向いている人

  • 国内株式の取引を頻繁に行う人
  • 取引コストを最小限に抑えたい人
  • 現物取引中心の投資家
  • 複数口座(家族口座含む)で投資している人
  • SOR注文を既に利用している、または抵抗がない人

向いていない人

  • 楽天ポイント還元を重視している人
  • 長期の信用取引を多く行う人
  • マーケットスピード(PC版)の無料利用を希望する人
  • SOR注文の対象外銘柄で取引を行いたい人

誤解から生じている噂について

「ゼロコース」のデメリットが「やばい」という噂の一部は、誤解や古い情報から生じている可能性があります。例えば、

  1. 期間限定ポイントが使えない:これは「ゼロコース」特有の問題ではなく、楽天証券全体のポリシーのようです。楽天証券では期間限定ポイントは投信や株式の購入に利用できない仕様になっているため、コースの違いによる差ではありません。
  2. 信用取引手数料の誤解:最初は「ゼロコース」で信用取引に手数料がかかると言われていたようですが、最新情報では信用取引手数料も無料になっているようです。
  3. かぶミニの手数料:こちらも当初は手数料がかかると言われていましたが、かぶミニの売却手数料も0円に引き下げられたとの情報があります。

つまり、「やばい」と噂されているデメリットの一部は既に解消されているか、誤解から生じているものである可能性があります。

「やばくない」理由とその利点

結論として、楽天証券の「ゼロコース」は実際には「やばくない」と言えそうです。むしろ多くの投資家にとっては「おすすめ」できるサービスと考えられます。その理由は以下の通りです。

  1. 完全手数料無料:国内株式取引の手数料が完全無料になることで、長期的に見れば大きなコスト削減になります。
  2. SOR注文のメリット:SOR注文は実質的には投資家にとって有利に働く可能性が高く、最良の価格で取引できるチャンスが増えます。
  3. 設定変更の容易さ:複雑な条件や手続きなしに、簡単に「ゼロコース」に変更できます。
  4. 幅広いユーザーに対応:取引金額や頻度にかかわらず、誰でも利用できるサービスです。
  5. 実店舗がなく対面サポートを受けられない点はデメリットとして挙げられていますが、これは楽天証券自体の特性であり、「ゼロコース」特有の問題ではありません。ネット証券全般に言えることで、その分手数料を安く設定できているとも言えます。

まとめ:楽天証券「ゼロコース」は実際にはお得なサービス

楽天証券の「ゼロコース」については「やばい」「やめたほうがいい」などのネガティブな噂があるものの、実際に検証してみると大部分が誤解や情報の古さから生じているものであることがわかりました。

確かにポイント還元がなくなるなど一部デメリットもありますが、国内株式取引の手数料が完全無料になるというメリットは、多くの投資家にとって非常に大きいと言えるでしょう。SOR注文の利用という条件も、実際には投資家にとって有利に働く可能性が高いものです。

「やばい」と噂されていた「ゼロコース」ですが、実際には多くの投資家にとって「やばくない」どころか「おすすめ」できるサービスと言えそうです。特に頻繁に取引を行う投資家や、コスト削減を重視する長期投資家にとっては、大きな利点があるサービスだと考えられます。

楽天証券を利用している方、または口座開設を検討している方は、自分の投資スタイルに合わせて「ゼロコース」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。SBI証券の「ゼロ革命」と合わせて、証券会社の手数料無料化の流れは投資家にとって朗報と言えるでしょう。

※この記事は2025年4月7日時点での情報に基づいています。サービス内容は変更される可能性がありますので、最新情報は楽天証券の公式サイトでご確認ください。

※投資にはリスクが伴います。株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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