デビットカードは”おすすめしない”、”やめとけ”といわれているのはなぜ?

デビットカードは”おすすめしない”、”やめとけ”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”デビットカードはヤバイのでおすすめしない”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

デビットカードは本当にやめたほうがいいのか、デメリットとメリットから真相に迫る

デビットカードについてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。「デビットカードはやめとけ」「おすすめしない」という否定的な意見がネット上では多く見られますが、一方で「使いやすい」「お金の管理がしやすい」といった肯定的な声も少なくありません。デビットカードは本当に「やばい」ものなのでしょうか、それとも誤解に基づく評判なのでしょうか。今回は、様々な角度からデビットカードの実態を検証し、その真相に迫ります。

デビットカードとは?クレジットカードとの違い

デビットカードは、利用すると銀行口座から即時で引き落としが行われるカードです。見た目はクレジットカードと似ていますが、仕組みが大きく異なります。

デビットカードの基本的な特徴は以下の通りです。

  • 即時引き落とし: 買い物をした瞬間に、連携している銀行口座からお金が引き落とされます
  • 利用限度額は口座残高: 口座にある金額以上は使えません
  • 審査不要: 多くの場合、審査なしで発行できます
  • 国際ブランド付き: Visa、Mastercard、JCBなどの国際ブランドが付いており、そのブランドが使える店舗で利用可能です

クレジットカードとの主な違いは、引き落とし時期(即時 vs 翌月以降)、利用限度額(口座残高 vs 審査による設定額)、審査の有無、分割払いの可否などにあります。

デビットカードが「おすすめしない」「やめとけ」と言われる理由

1. ポイント還元率が低い

デビットカードに対する最も多い不満は、ポイント還元率の低さです。デビットカードのポイント還元率は一般的に0.2%~1.0%程度となっています。

例えば、

  • 三菱UFJ-VISAデビット: 0.2%
  • PayPay銀行Visaデビットカード: 0.2%
  • ソニー銀行のSony Bank WALLET: 0.5%
  • イオン銀行デビット: 0.5%

「0.2%のキャッシュバックがあるようですが、無いよりましという程度ですね」という40代女性の口コミがあるように、クレジットカードと比較すると還元率で見劣りするケースが多いです。

2. 口座にお金がないと使えない

デビットカードは口座残高の範囲内でしか利用できません。「口座にお金がないとデビットカードは利用できません。デビットカードは口座から即時引き落としとなるため、口座にお金がないと引き落としが完了せず、支払い不可能となってしまいます」。

急な出費や予想外の買い物が必要になった場合、口座残高が不足していると対応できないというデメリットがあります。

3. 分割払いやキャッシングができない

デビットカードでは基本的に分割払いやキャッシングは利用できません。ある30代男性の口コミには「分割払いやキャッシングができないため活用しにくいです。せめて分割払いくらいは導入してほしいですね」との不満が見られます。

高額な買い物をする際に、この制限が「やめたほうがいい」と考える理由になっているようです。

4. 年会費が発生する場合がある

デビットカードの中には年会費が発生するものもあります。「デビットカードによっては年会費が発生します。メリットがあまり旨味がないのに、持っているだけで費用が発生するのはありえないです」という20代女性の口コミもあります。

例えば、

  • GMOあおぞらネット銀行「Mastercardプラチナデビット」: 年会費3,300円
  • 三井住友銀行Oliveフレキシブルペイゴールド: 年会費5,500円(無料条件あり)
  • 三菱UFJ-VISAデビット: 年会費1,100円(条件により無料)

5. 利用できない店舗がある

クレジットカードと比較すると、デビットカードは利用できない店舗がある場合があります。「デビットカードを利用できない店舗は普通にあります。クレジットカードと比べたらあまり使い道がないです」という40代女性の口コミがあります。

6. 海外旅行保険が付帯していないことが多い

デビットカードの多くは、海外旅行保険が付帯していません。「海外で事故や盗難などに巻き込まれるなど、海外旅行中にトラブルが発生してしまった際に、保険がないと全額自費になってしまう点は大きなデメリットです」。

クレジットカードには海外旅行保険が付帯しているものが多いため、海外によく行く人にとっては不便に感じることがあります。

7. 継続利用希望者が少ない

VISAの調査によると、デビットカード利用者のうち、継続して利用したいと回答した人は55%しかいません。半数近くの人が継続利用を希望していないという結果は、満足度の低さを示しているとも言えるでしょう。

デビットカードに関する誤解:実は「やばくない」良い面

デビットカードに対する否定的な意見がある一方で、実際には多くのメリットがあります。一番気になる「ナッジはやばい」という口コミについてですが、これは、今までのクレジットカードとは違う性質を備えているための誤解といえるでしょう。

デビットカードの良い評判を見ていきましょう。

1. 使いすぎを防止できる

デビットカードの即時引き落とし機能は、使いすぎを防止するのに役立ちます。ある50代男性の口コミでは「クレジットカードのように使えるのに、その場で引き落とされるので、使いすぎの心配がなく重宝しています」と評価されています。

また40代女性は「即時払いなので、いくら利用したのかすぐに把握できます。月末に使いすぎて、後悔するリスクを減らせるので、カードを使いすぎてしまう方におすすめです」と述べています。

「クレジットカードの使いすぎが不安な人にもメリットがあり、リボ払い・分割払いはできないので銀行口座残高分しか利用できないので、安心です」という意見もあります。

2. 審査なしで発行できる

デビットカードは基本的に審査がなく、銀行口座を持っていれば発行できるケースが多いです。「審査なし、年会費無料で満15歳から作れる」という利点があります。

これはクレジットカードの審査に通らない人や、過去に信用事故を起こした人にとって大きなメリットです。「過去にクレジットカードやカードローン等の延滞で信用事故を起こしていたり、債務整理をした関係でクレジットカードが作れない方にとって、デビットカードは非常に重宝します」という指摘があります。

3. 未成年でも発行可能

多くのデビットカードは15~16歳以上から申し込めるため、未成年者でも利用可能です。「18歳未満でも発行できるので、高校生の小遣いに最適」という40代男性の口コミもあります。

例えば、

  • GMOあおぞらネット銀行「Mastercardプラチナデビット」: 15歳以上
  • ソニー銀行「Sony Bank WALLET」: 15歳以上
  • 楽天銀行「デビットカード」: 16歳以上
  • イオン銀行「キャッシュ+デビット」: 15歳以上

4. お金の流れが見えやすい

デビットカードは「カードで支払うと銀行口座から即時でお金が引き落とされるため、お金の流れが見えやすくなります。銀行の入出金明細がそのままカードの利用明細となるため、引落口座の銀行のアプリや記帳した通帳などで、いくら使ったかがすぐにわかります」。

お金の管理が苦手な人でも、支出状況を把握しやすく、家計管理がしやすくなるという利点があります。

5. 現金管理の手間が省ける

デビットカードを利用することで、現金を持ち歩く必要がなくなります。「デビットカードを利用してから現金を持ち歩かなくて済みました。かなり便利です」という20代男性の口コミがあります。

また、「ATMで現金を引き出すような手間もなく、手数料もかからないので、利便性は高い」というメリットもあります。「現金を引き出す必要がない」点は、デビットカードの大きな利点です。

6. ポイントやキャッシュバックがある

現金払いと違い、デビットカードはポイントやキャッシュバックがあります。「利用する度にポイントやキャッシュバックの還元があるので、現金払いに比べてお得です」と評価されています。

還元率はクレジットカードより低いことが多いですが、現金払いと比較すれば明らかにお得です。「クレジットカードやプリペイドカードなどのように、使うとポイントを貯められます」。

デビットカードがおすすめの人・適している人

デビットカードは以下のような人におすすめできます。

1. クレジットカードの審査に通らない人

過去の金融トラブルや信用情報に問題がある人、収入が不安定な人など、クレジットカードの審査に通りにくい状況の人にとって、デビットカードは有効な選択肢です。「デビットカードは、クレジットカードの審査に通らない人にとって、上手にお金を管理するための手段としてとても有用である」と評価されています。

2. クレジットカードだと使いすぎが心配な人

「クレジットカードは使いすぎが怖いので作りたくない人」にもデビットカードはおすすめです。後払いのクレジットカードでは「支払いの実感」がないため、つい使いすぎてしまう人もいますが、デビットカードなら口座残高の範囲内でしか使えないため、使いすぎを防止できます。

3. 現金主義の人

「現金主義の人」にもデビットカードはおすすめです。口座からすぐに引き落とされるため、現金感覚で使えます。また、「現金でお金を管理しなくても良い」点も大きなメリットです。

4. 未成年者(特に高校生など)

15~16歳以上から申し込める場合が多いため、高校生などの未成年者にもおすすめです。「18歳未満でも発行できるので、高校生の小遣いに最適」という口コミがあります。

5. お金の管理をしっかりしたい人

「即時払いなので、いくら利用したのかすぐに把握できます。月末に使いすぎて、後悔するリスクを減らせる」という利点があり、お金の管理をしっかりしたい人にもデビットカードは適しています。

人気のデビットカードとその特徴

1. 三井住友銀行Oliveフレキシブルペイ

  • 年会費:無料
  • 還元率:最大20%*(特定条件下)
  • 特徴:フレキシブルなオールインワンカード、大手金融機関

2. Sony Bank WALLET

  • 年会費:無料
  • 還元率:最大2%
  • 申込年齢:15歳以上
  • 特徴:海外旅行のお供に、海外事務手数料が安い

3. 楽天銀行デビットカード

  • 年会費:無料
  • 還元率:1%
  • 申込年齢:16歳以上
  • 特徴:楽天経済圏は強い、ブランドは3種類から選べる

4. イオン銀行キャッシュ+デビット

  • 年会費:無料
  • 還元率:最大1%
  • 申込年齢:15歳以上
  • 特徴:主婦の強い味方、イオン系列のスーパーでは一強

5. 三菱UFJ-VISAデビット

  • 年会費:1,100円(年間10万円以上の利用で翌年無料)
  • 還元率:0.2%
  • 特徴:三菱UFJ銀行の口座と連携

デビットカードを選ぶ際のポイント

デビットカードを選ぶ際は、以下のポイントを考慮するとよいでしょう。

1. ポイント還元率

「できるだけ還元率が良いカード」を選ぶことが推奨されています。還元率は0.2%~1.0%程度のものが多いですが、中には特定条件下で高還元率のものもあります。自分の利用シーンに合わせて、還元率の良いカードを選ぶとよいでしょう。

2. 年会費

無料のものから数千円するものまで様々です。年会費がかかる場合は、その分のメリット(高い還元率や付帯サービスなど)があるかを確認しましょう。また、一定額以上の利用で年会費が無料になる条件がある場合もあります。

3. 発行する銀行

「デビットカードを新規で作る場合は発行する銀行の口座を新しく開設する必要がある」ため、すでに口座を持っている銀行のデビットカードを選ぶと便利です。または、新しく口座を開設する価値のある銀行を選ぶことも検討しましょう。

4. 付帯サービス

海外旅行保険や優待サービスなど、付帯サービスの充実度も重要なポイントです。特に海外でよく使う人は、海外での手数料や付帯保険の有無を確認するとよいでしょう。

5. セキュリティ面

「ナッジはやばい」という誤解に関連して、セキュリティ面も重要な選択ポイントです。「クレジットカードに求められるセキュリティ面において、2023年6月からEMV 3-Dセキュア(3-D セキュア2.0)が実装されています。ワンタイムパスワードを用いた認証を行っているため、他社のクレジットカードと同等のセキュリティと考えられます」。

結論:デビットカードは本当に「やめとけ」なのか?

デビットカードが「やばい」「おすすめしない」と言われる主な理由は、クレジットカードと比較したときのポイント還元率の低さや、分割払いができないなどの機能制限です。また、海外旅行保険が付帯していないことが多いため、海外旅行が多い人には向いていないというデメリットもあります。

しかし、デビットカードには多くの利点もあります。

  1. 使いすぎを防止できる(即時引き落とし)
  2. 審査なしで発行できる
  3. 未成年でも利用可能
  4. お金の流れが見えやすい
  5. 現金管理の手間が省ける
  6. ポイントやキャッシュバックがある(現金払いよりお得)

つまり、デビットカードは「一律にやばい」わけではなく、使う人や目的によって評価が分かれる金融商品だと言えるでしょう。特に、お金の管理が苦手な人や、クレジットカードを持てない/持ちたくない人、未成年者にとっては、非常におすすめできるツールです。

確かに、「ポイント還元率が高いクレジットカードを持っている」「分割払いやリボ払いが必要」「海外旅行が多い」といった人にとっては、デビットカードをわざわざ作る理由はないかもしれません。そういった人には「おすすめしない」と言えるでしょう。

しかし、「使いすぎが心配」「クレジットカードの審査に通らない」「お金の管理をしっかりしたい」「未成年でカード決済を利用したい」といった人にとっては、デビットカードは非常におすすめの選択肢です。

結論として、デビットカードは一律に「やめとけ」と言えるものではなく、自分のニーズや状況に合わせて判断すべきものだということです。ネット上の「やばい」「やめとけ」といった口コミの多くは、特定の視点からの評価であり、必ずしも全ての人に当てはまるものではありません。デビットカードの特性をよく理解した上で、自分にとって本当に必要かどうかを判断することが大切です。

まとめ

デビットカードは、即時引き落としという特性から、使いすぎを防ぎたい人や家計管理をしっかりしたい人、また未成年者などには非常に適した決済手段です。クレジットカードと比較すると還元率の面では見劣りするものの、現金払いと比べればポイントが貯まるという利点があります。

「おすすめしない」「やめとけ」といった評判は、主にクレジットカードユーザーの視点からのものであり、デビットカードの持つ独自の価値を考慮していないケースが多いようです。

自分のライフスタイルや金融習慣に合わせて、デビットカードが「やばくない」選択肢になるかどうか、冷静に判断してみることをおすすめします。デビットカードの最大の魅力は、お金の使いすぎを防ぎながらもキャッシュレス決済の便利さを享受できる点にあります。この点を重視する人にとっては、デビットカードは確かに「おすすめ」できる選択肢と言えるでしょう。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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