高配当株は”やめとけ”といわれているのはなぜ?


”高配当株はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します
高配当株は本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る
高配当株投資についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。「高配当株はやめたほうがいい」「高配当株はやばい」といった否定的な意見がある一方で、安定的な収入源として推奨する声も見られます。本当のところ、高配当株投資はどのような投資なのでしょうか?そのデメリットとメリット、そして誰に向いている投資方法なのかを詳しく解説します。
高配当株とは何か?基本的な理解
高配当株とは、一般的に配当利回りが市場平均よりも高い株式のことを指します。配当利回りとは、株価に対する年間配当金の割合を示すもので、次の計算式で求められます。
配当利回り(%)= 1株当たりの年間配当金 ÷ 株価 × 100
例えば、株価が1,000円で年間配当が50円の場合、配当利回りは5%になります。日本の東証プライム市場の平均配当利回りは2.41%(2025年2月時点)とされていますので、それを上回る配当利回りを提供する銘柄は「高配当株」と見なされることが多いようです。
2025年3月現在の高配当株ランキングを見ると、JX金属(配当利回り10.73%)、ドリームインキュベータ(9.55%)、ダイドーリミテッド(8.46%)などが上位に位置しています。また、海運大手の商船三井(6.20%)や日本郵船(5.89%)も高配当株として知られているようです。
高配当株が”やめたほうがいい”と言われる理由
高配当株投資については、「やめたほうがいい」「やめとけ」といった否定的な意見が散見されます。その理由を詳しく見ていきましょう。
1. 減配や無配になるリスクがある
高配当株の最大のデメリットとして、業績悪化による「減配」や「無配」のリスクが挙げられています。例えば、2020年に日本たばこ産業(JT)が上場来初の減配を発表したケースや、同じく2020年に日本郵政が中間配当を停止したケースがあるようです。
減配が発表されると、株主は期待していた配当収入を得られないだけでなく、失望売りにより株価が下落するリスクもあります。実例として、住友商事が2022年5月に減配を発表した際には、株価が急落したことが報告されています。
2. 異常に高すぎる配当利回りには危険が潜む
配当利回りが極端に高い銘柄には要注意と言われています。なぜなら、配当利回りの計算式(配当÷株価)から分かるように、配当利回りが高くなる要因は「1株あたりの配当が増える」か「株価が下がる」かのどちらかだからです。
特に株価下落によって配当利回りが高くなっている場合、その背景には業績悪化などの問題が潜んでいる可能性があります。株価下落と業績悪化の悪循環に陥っている企業に投資すると、含み損を抱えるリスクだけでなく、将来的な減配・無配のリスクも高まると言われています。
3. 「タコ配」と呼ばれる危険な高配当株がある
「タコ配」という言葉をご存知でしょうか。これは、タコが飢餓状態になると自分の足を食べるという俗説から来た言葉で、継続不可能な無理な配当を出している状態を指します。
例えば、利益が1億円しかないのに配当を2億円出している企業があれば、それは「タコ配」の状態です。このような企業は、会社内部のお金を取り崩して配当を出しているため、長期的には持続不可能となります。配当目当てで投資しても、将来的に減配されるリスクが高いと言われています。
4. 参入障壁が低い業界の企業は危険性が高い
高配当株を選ぶ際は、その企業の属する業界の参入障壁にも注目する必要があるようです。参入障壁が低い業界(スマホゲームやファッションブランドなど)では、新しいライバルが次々と現れるため、業績が不安定になりやすいと言われています。
競争が激しい業界では、ライバルに顧客を奪われて利益が減少するリスクがあります。現在は高配当でも、将来的に配当が減少する可能性が高いため注意が必要とされています。
5. 資産形成の観点では成長性が限られる
高配当株に分類される企業は、建設業や不動産業といった成熟産業に多く、株価の値上がりは緩やかな傾向があると言われています。そのため、「これから株式投資で資産を増やしていこう」と考えている方には向いていないという指摘もあります。
資産形成初期段階の投資家は、成長性のある中小型株などを選んで投資する方が望ましいとされています。
6. 配当金生活を実現するには多額の資金が必要
高配当株投資で配当金だけで生活しようと思うと、かなりの資金が必要になります。例えば、月額10万円の配当収入を得るためには、配当利回り4%の株式で3,000万円、3%の株式なら4,000万円の投資資金が必要とされています。
これだけの資金を用意できない投資家にとっては、配当金のみで生活するという目標は現実的ではないかもしれません。
高配当株の良い評判とメリット
一方で、高配当株投資には以下のようなメリットもあると言われています。
1. 安定したインカムゲイン(配当収入)が期待できる
高配当株の最大の魅力は、定期的に受け取れる配当金です。特に銀行預金の金利が低い環境では、株式の配当利回りが資産運用の大きな選択肢になると言われています。
例えば、日本の定期預金の金利が0.01%程度である一方、東証プライム市場の平均配当利回りは2.3%程度とされており、預金と比較して大きな差があります。
2. 再投資による複利効果が期待できる
受け取った配当金を再投資することで、複利効果を得ることができると言われています。配当金で追加購入し続ければ、持ち株数が増え、次回の配当額も増えるという好循環が生まれる可能性があります。
この「雪だるま式」に資産を増やしていく楽しさも、高配当株投資の魅力の一つのようです。
3. 市場下落局面でも収益確保の可能性がある
株価が下落しても、配当を継続して受け取ることで精神的な安心感を得られるという意見もあります。特に景気後退時や株式市場の暴落時には、キャピタルゲイン(売買差益)が狙いにくい中でも、配当収入があることで損失を一部カバーできる可能性があるようです。
実証的にも、高配当株は低配当株に比べて株価下落局面でのボラティリティ(価格変動)が小さい(株価が下落しにくい)ことが分かっているとされています。
4. インフレヘッジの側面もある
インフレが進むと、現金の価値は目減りしますが、高配当株は企業の成長とともに増配(配当金の増加)を期待できるため、インフレに対するヘッジ手段としても有効という見方もあります。
ただし、この点については「怪しい説明」という意見もあり、見解が分かれているようです。
5. 値上がり益も同時に狙える
配当金がある銘柄も株価が値上がりすれば利益を得られます。コツコツと配当をもらう楽しみと、値上がりのダブルで狙えるのが高配当株投資の醍醐味とする意見もあります。
安全な高配当株の選び方
高配当株投資を行う場合、どのような点に注意して銘柄を選べばよいのでしょうか。検索結果からは以下のようなポイントが挙げられています。
1. 配当性向をチェックする
配当性向とは、会社が稼いだ純利益に対して配当を出す割合のことです。専門家の間では、配当性向が50%以下の企業が望ましいとされています。
配当性向が低いと、配当を出す以外にも会社の中にとどめている利益が多く、成長投資や増配の余地があるとされています。一方、配当性向が100%を超える企業は「タコ配」の可能性が高いので避けるべきと言われています。
2. 業績の安定性を確認する
高配当株を選ぶ際は、配当利回りだけでなく企業のファンダメンタルズ(基本的価値)にも注目することが重要です。特に業績の安定性は不可欠な要素とされています。
一時的な利益が出て配当を高くしただけの場合は、将来的に減配される恐れがあるため注意が必要です。
3. 参入障壁の高い業界の企業を選ぶ
参入障壁が高い業界に属する企業は、新規参入者の脅威が少なく、業績が比較的安定しやすいと言われています。「特別な資格がないと参入できない業界」や「多額の初期投資が必要な業界」などは、ライバルも増えにくいので投資しやすいという意見があります。
4. 増配の実績がある企業に注目する
配当額が一貫して増加している「増配株」に投資するという選択肢もあります。例えば、巴工業は6期連続で増配を発表し、6年間で年間配当を3.1倍に増加させているという事例があるようです。
増配は業績やビジネスモデルの裏付けがあるとされ、単に配当利回りが高いだけの株よりも安定性が高いと考えられています。
5. 分散投資を心がける
減配リスクを下げるには、複数の銘柄に分散投資することが重要とされています。投資する銘柄数が多いほど、1社の減配による影響を受けにくくなると言われています。
6. ETFを活用した手軽な高配当株投資
個別銘柄を選ぶのが難しいと感じる場合は、高配当株ETF(上場投資信託)という選択肢もあります。ETFを活用すれば、手軽に高配当株投資ができるとされています。
なお、NISA口座で高配当株やETFを保有すれば、通常なら20.315%課税される配当金を非課税で受け取ることができるため、より効率的な運用が可能と言われています。
代表的な高配当株の分析
検索結果に出てきた代表的な高配当株について、その特徴や評価を見ていきましょう。
1. 日本たばこ産業(JT)
JTは高配当株として知られていますが、2020年には上場来初の減配を発表したとされています。専門家からは「要注意な点もあるが基本的には優良銘柄」との評価があるようです。
2. 日本郵船
日本郵船は2025年3月24日時点で配当利回り5.89%と高い水準を誇り、高配当株ランキングの上位に位置しています。海運業界の代表的な高配当株として注目されているようですが、業界の特性上、景気変動の影響を受けやすい側面もあると言われています。
3. 商船三井
商船三井は2025年3月24日時点で配当利回り6.20%を誇り、日本郵船と並んで海運大手の高配当株として知られています。「配当利回りが高い株ランキング」でもトップクラスに位置していると報告されています。
4. ソフトバンク
ソフトバンクも高配当株として知られていますが、JTや日本郵船と同様に「要注意な点もあるが基本的には優良銘柄」と評価されているようです。
5. その他の注目銘柄
2025年4月に権利確定を迎える銘柄の中では、ヤガミ(配当利回り5.37%)、ナレルグループ(4.85%)、フロンティアインターナショナル(4.74%)などが高配当株として注目されているようです。特に「増配予想」となっている銘柄は、将来的な配当の安定性も期待できるとされています。
高配当株投資が向いている人・向いていない人
高配当株投資が向いているのはどのような投資家でしょうか。検索結果からは以下のような傾向が見られます。
向いている人
- 資産規模が大きい投資家:資産規模の大きい方が投資するのに向いているとされています。
- 退職後の安定収入を求める投資家:株価の安定性を重視し、定期的な配当収入を求める退職者には適している可能性があります。
- 長期保有を前提とした投資家:短期的な値動きよりも長期的な配当収入を重視する投資家に向いているようです。
向いていない人
- 資産形成初期段階の投資家:資産形成段階では成長性のある中小型株などを選んで投資する方が望ましいとされています。
- 短期的な利益を求める投資家:高配当株は一般的に成熟企業が多く、短期的な株価上昇よりも安定した配当を特徴としているため、短期売買には向かないと考えられています。
- リスク許容度が高く高リターンを求める投資家:安定性を重視する高配当株は、ハイリスク・ハイリターンを求める投資家には物足りない可能性があります。
まとめ:高配当株は本当に”やめたほうがいい”のか?
高配当株投資は一概に「やめたほうがいい」と断言できるものではなく、投資家の目的や状況によって評価が分かれるものと言えるでしょう。
確かに、「減配リスク」「タコ配の危険性」「成長性の限界」といったデメリットは存在します。特に配当利回りだけを見て投資を決めると、業績悪化による株価下落や将来的な減配によって損失を被るリスクがあるようです。
一方で、適切な銘柄選択と分散投資を行えば、「安定したインカムゲイン」「複利効果」「市場下落時のクッション効果」といったメリットを享受できる可能性もあります。
重要なのは、単に配当利回りの高さだけで判断するのではなく、企業の財務状況や業績の安定性、配当性向、業界の参入障壁といった多角的な視点で銘柄を選ぶことでしょう。また、単一銘柄に集中投資するのではなく、複数の銘柄に分散投資することでリスクを軽減することも大切です。
最終的には、投資家自身の投資目的や資産規模、リスク許容度などに合わせて、高配当株投資が自分に合っているかどうかを判断することが重要と言えるでしょう。高配当株投資は万人向けではないかもしれませんが、適切な知識と戦略をもって取り組めば、資産運用の有効な選択肢の一つになり得ると考えられます。
高配当株投資においては、「やばい」銘柄を避け、安定した企業に長期投資するという姿勢が重要なようです。配当利回りの高さに惑わされず、企業の本質的な価値や将来性を見極める目を養うことが、成功への鍵となるのではないでしょうか。
参考情報
このレポートは2025年3月28日時点の情報に基づいています。株式市場や各企業の状況は常に変化していますので、投資判断を行う際は最新の情報を確認することをお勧めします。また、本レポートは投資助言を目的としたものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。
