投資信託は”やめたほうがいい”といわれているのはなぜ?

投資信託は”やめたほうがいい”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”投資信託はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

投資信託は本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る

投資信託について「やめたほうがいい」というネガティブな口コミや評判がネット上でしばしば見られることについて、真相を掘り下げてみました。投資信託は多くの人にとって資産形成の手段として注目されていますが、同時に様々な懸念点も指摘されています。この記事では、投資信託に関するネガティブな意見とその理由、そして肯定的な評価や誤解されている点を総合的に検証し、実際のところはどうなのかを明らかにしていきます。

投資信託が”やめたほうがいい”と言われる主な理由

元本保証がなく損失リスクがある

投資信託の最も大きな懸念点は、元本保証がない点だと言われています。銀行預金とは異なり、投資信託は市場の変動により値動きが発生するため、投資した金額(元本)が減ってしまう「元本割れ」のリスクがあるようです。

特に世界経済の悪化や災害、戦争などの予想外の出来事が発生した場合、投資信託の価値が大きく下がる可能性があります。リーマンショックやコロナショックのような世界的な金融危機の際には、大きな損失を被るケースもあるようです。

継続的な手数料負担がかかる

投資信託は保有しているだけでも「運用管理費用(信託報酬)」が発生します。この信託報酬は投資信託の資産から毎日差し引かれるため、長期保有するとコストが積み重なり、運用成果に大きな影響を与える可能性があります。

例えば、信託報酬が1%の投資信託に100万円を投資した場合、1年で約1万円が手数料として差し引かれることになります。運用成績が芳しくない場合、利益どころか手数料分だけ損失が出てしまうこともあるようです。

短期的な大きな利益は期待しにくい

投資信託は短期間で大きな利益を得るのが難しい投資商品だと指摘されています。これは投資信託の価額が公表されるのが取引申込締切後であるため、株式のように安い時に買って高い時に売るといった取引が難しいためです。

そのため、株式のように短期間のうちに何度も売買して利益を積み重ねるという取引方法には不向きとされています。短期間で大きな利益を狙うのであれば、株式投資やFXなど別の投資方法が向いているかもしれません。

銘柄選択の難しさ

投資信託は種類が非常に多く存在するため、初心者にとって適切な投資先を選ぶのが難しいと言われています。銘柄によってリスクや手数料が大きく異なりますが、初心者の場合はそれぞれの商品を正確に理解して比較するのは容易ではありません。

結果として、口コミや評判だけを参考に選んでしまい、自分の目的に合わない商品を選択してしまうリスクがあるようです。投資信託を選ぶ際は、信頼できるアドバイザーに相談したり、基本的な知識を学んだりしてから始めることが推奨されています。

投資知識や経験が身につきにくい

投資信託は運用をプロに任せるため、自分自身の投資知識や経験が身につきにくいという指摘もあります。株式投資やFXなどでは、自分で市場動向を調査したり、銘柄を選定したりする過程で投資に関する知識が深まりますが、投資信託ではそのような機会が少なくなる傾向があるようです。

毎月分配型に関する誤解

特に毎月分配型の投資信託については、様々な誤解があるようです。「毎月分配型で資産を増やせる」という考え方が一般的ですが、実際には分配金は純資産の中から支払われるため、「分配する回数が多いほど純資産は目減りする」という事実があります。

また、利益から出る分配金(普通分配)には20%以上の税金がかかるため、税金を支払った後のお金を再投資したとしても、分配をしない投信よりも運用面で不利になる可能性があるようです。

投資信託の良い評判とメリット

一方で、投資信託には多くのメリットもあり、適切に活用すれば効果的な資産形成手段になり得ると評価されています。

少額から始められる手軽さ

投資信託の大きな魅力の一つは、比較的少額から始められる点です。一般的に1万円程度から購入が可能で、「投信つみたてプラン」などを利用すれば毎月1,000円という少額からでも始められます。これによって、まとまった資金がなくても投資を始めることができ、初心者にも取り組みやすい金融商品と言えるでしょう。

分散投資によるリスク低減効果

投資信託の重要なメリットとして、分散投資の効果が挙げられます。「1つのカゴに卵を盛るな」という投資の格言が示すように、投資先を複数に分散させることでリスクを軽減できます。投資信託は1つの商品でも多くの銘柄に分散投資するため、個別銘柄のリスクを軽減できる利点があります。

専門家による運用

投資信託は、ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が運用を行うため、投資の知識や経験が少ない人でも専門的な運用の恩恵を受けることができます。市場動向の分析や投資先の選定など、専門知識を要する部分をプロに任せられるのは、特に初心者にとって大きなメリットと言えるでしょう。

透明性の高さ

投資信託は法律によって情報開示が義務付けられており、運用状況や手数料などが明確に開示されています。このような透明性の高さは、投資家が投資判断をする上で重要な要素となり、安心して投資を行う基盤になります。

税金計算の簡便さ

投資信託は税金の計算や手続きが比較的簡単であるというメリットもあります。特に、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの制度を利用することで、税制優遇を受けながら資産形成ができる点も注目されています。

投資信託に関する誤解と真相

投資信託について広がっている誤解とその真相を検証していきましょう。

誤解1:毎月分配型は資産を増やすのに適している

毎月分配型の投資信託は定期的に分配金が受け取れることから人気がありますが、実は中長期的な資産形成には必ずしも適していないとされています。分配金は投資信託の純資産から支払われるため、分配頻度が多いほど純資産が減少し、複利効果が得られにくくなります。

また、分配金には税金がかかるため、再投資しても税引き後の金額になり、分配されない投信と比べて運用面で不利になる可能性があるようです。資産を増やすことが目的であれば、「できるだけ分配頻度が少ないか、無分配の投信を選びたい」とされています。

誤解2:分配金が高い投資信託は安心できる

分配金が高い投資信託は安心だと考えられがちですが、実際には「安心とは言いづらい」のが真相のようです。高い分配金を出している投資信託は、高収益が期待できる一方で、そのぶんリスクも高い資産に投資している可能性があります。

分配金が高くても、基準価額がそれ以上に下がっていては意味がありません。このため、「本当の利回り」(1年間の分配金合計から1年間の基準価額の下落分を差し引いた利回り)を考慮することが重要だと指摘されています。

誤解3:基準価額の高低がファンドの良し悪しを表す

基準価額の高い・低いはファンドの割安さや割高さを示すものではありません。すべてのファンドは設定時に基準価額が10,000円でスタートし、その後の運用によって価額が変動します。現在の価額はファンドがいつ設定されたかによって大きく異なるため、単純に基準価額の高低でファンドを評価することはできないようです。

同じ日経平均に連動するファンドでも、設定時期の違いにより現在の基準価額は異なりますが、運用が同じであれば同じ期間での値動きはほぼ同じになります。基準価額は自分が購入した価格からの変動を見るための指標として使うべきでしょう。

誤解4:信託報酬は低ければ低いほど良い

信託報酬(手数料)は低いほうが良いと単純に考えられがちですが、実際には運用方法や投資対象によって適正なコストは異なります。例えば、アクティブファンドはインデックスファンドよりも高いパフォーマンスを目指すため、コストが高くても正当化される場合があります。

また、日本株式と新興国株式では、新興国の方がアクセスしにくく、様々な法規制や税制の違いがあるため、適正なコストも異なります。したがって、単純にコストの低さだけで判断するのではなく、運用手法や投資対象を考慮した上で判断する必要があるようです。

投資信託が”やばくない”と言える理由

ネット上で「やめたほうがいい」という評判があるものの、投資信託は適切に活用すれば決して「やばい」存在ではなく、むしろ有効な資産形成手段になり得ます。

例えば、ウェルスナビのようなロボアドバイザーサービスについても「やばい」という評判がある一方で、実際には以下のような点から「やばくない」健全なサービスと評価されています。

  • 実績と信頼性:預かり資産1兆3,000億円、運用者40万人以上という実績があり、多くの人に支持されている
  • 透明性:手数料や運用方針が明確で、隠れたコストがない
  • 長期的な視点:投機的ではなく、長期・分散投資という健全な投資哲学に基づいている
  • 自動化による利便性:時間や知識がない人でも質の高い資産運用ができる環境を提供している

同様に、投資信託全般についても、正しい知識と適切な選択をすれば「やばくない」資産形成手段であると言えるでしょう。

投資信託がおすすめできる人と向いていない人

投資信託は誰にでも向いているわけではなく、個人の投資目的や性格によって適性が異なります。

おすすめできる人

投資信託が向いている人の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  1. 長期的な資産形成を目指している人
  2. 自分で銘柄選定をするのが難しい、または時間がない人
  3. 少額から分散投資したい人
  4. リスクを抑えて運用したい人

これらの特徴を持つ人には投資信託がおすすめであり、特に初心者にとっては始めやすい投資方法と言えるでしょう。

向いていない人

一方で、以下のような特徴を持つ人は投資信託があまり向いていない可能性があります。

  1. 短期間で大きな利益を求める人
  2. 自分で銘柄を選びたい人
  3. 損失に敏感で頻繁に売買してしまう人
  4. 株主優待を重視する人

このような特徴がある人は、投資信託よりも個別株投資やETF、FXなど他の投資方法を検討した方が良いかもしれません。特に「少しでも損失が出るたびに売却してしまう人は、投資信託の運用には不向き」とされています。

投資信託を始める際の注意点と利点

投資信託を始める際には、以下のポイントに注意することで、より良い結果につながる可能性が高まります。

注意点

1. 自分の投資目的を明確にする

投資期間や目標金額、リスク許容度などを考慮し、自分の投資目的に合った投資信託を選ぶことが重要です。短期・中期・長期など、時間軸によって選ぶべきファンドは異なります。

2. コストを確認する

信託報酬や購入時手数料など、投資信託にかかるコストを事前に確認しましょう。特に長期投資では、コストの差が最終的なリターンに大きな影響を与える場合があります。同じ運用方針なら、低コストのファンドを選ぶことが推奨されています。

3. 長期的な視点を持つ

投資信託は一般的に短期的な値動きを狙うものではなく、長期的な資産形成に適しています。短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で運用することが重要です。

利点

投資信託の主な利点としては、以下のような点が挙げられます。

1. 分散投資が容易

投資信託は1つの商品で多くの銘柄に分散投資できるため、効率的にリスクを分散させることができます。個別株式投資では難しい幅広い分散も、投資信託なら容易に実現できます。

2. 時間の節約

投資信託は運用のプロに任せることで、自分で市場分析や銘柄選定をする時間を節約できます。忙しい人や投資に時間をかけられない人にとって、この点は大きな利点と言えるでしょう。

3. 積立投資との相性の良さ

投資信託は定期的な積立投資との相性が良く、ドルコスト平均法を活用することで投資タイミングのリスクを分散できます。特に初心者には、この方法がリスクを抑えながら投資を始められるため、おすすめされています。

まとめ:投資信託は正しく活用すれば効果的な資産形成手段

投資信託には確かにリスクやデメリットが存在し、それが「やめたほうがいい」という評判につながっている面があります。しかし、それらの多くは投資信託の性質を正しく理解していないことから生じる誤解や、自分の投資目的に合わない商品を選んでしまうことによる不満である可能性が高いようです。

「しかし、投資信託は上手く活用できれば、効率よくお金を増やすことができる金融商品です。「失敗しやすい」といったネガティブなイメージをもたれやすいものの、正しい知識を身につければ有効な資産形成手段になり得ます」と指摘されています。

投資信託の利点を理解し、自分の投資目的に合った商品を選び、長期的な視点で運用することで、投資信託は効果的な資産形成手段になり得ます。特に少額から始められる手軽さや専門家による運用、分散投資によるリスク軽減といった特徴は、初心者にとって大きなメリットとなるでしょう。

結論として、投資信託は「やめたほうがいい」というわけではなく、正しい知識と適切な選択をすれば、むしろおすすめできる資産形成手段と言えます。ただし、元本保証がないリスクがあることや、長期的な視点が必要であることを十分に理解した上で、自分に合った投資信託を選ぶことが重要です。

この記事が、投資信託に関する誤解を解き、より良い投資判断の一助となれば幸いです。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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