FXは”やめたほうがいい”といわれているのはなぜ?

FXは”やめたほうがいい”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”FXはヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因と真相についてデメリットを掘り下げて解説します

FX投資は本当に”やばい”のか?

FX(外国為替証拠金取引)は「やめたほうがいい」という噂についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。投資の世界では様々な意見が飛び交いますが、特にFXに関しては「危険」「ギャンブル」といった否定的な意見が目立つようです。しかし、そのような評価は本当に正しいのでしょうか。今回は、FXが「やめたほうがいい」と言われる理由と、それが誤解に基づいているのかどうかを検証していきます。

FXが「やめたほうがいい」と言われる主な理由

レバレッジ取引によるリスクの増大

FXが危険だと言われる最も大きな理由の一つは、レバレッジ取引によるリスクの増大です。レバレッジとは少ない証拠金を元に、より大きな金額の取引を行える仕組みのことを指します。

例えば、10倍のレバレッジであれば、13万円を預け入れることで130万円相当のトレードが可能になります。これにより大きな利益を得るチャンスがある一方で、同様に大きな損失を被るリスクも高まります。

レバレッジは「使い方によって資金を大きく失う要因となるため、危険と言われるケースがある」とされています。つまり、レバレッジ自体が悪いのではなく、その使い方が問題となるようです。

強制ロスカットのリスク

FX取引では、含み損が一定の水準に達すると、強制的にポジションが決済される「強制ロスカット」が発生します。これは顧客資産保護の観点から設けられた仕組みですが、相場が急変動した場合には大きな損失を確定させることになる可能性があります。

あるトレーダーの事例では、「FXデモ取引でiサイクル2取引を300万円で3か月行いました。結果は、300万円が強制ロスカットで150万円になりました」という報告があります。これは、円高になったときに損失が拡大し、急な円高になった際に強制ロスカットが発生したケースです。

精神的・時間的負担

FX取引では、為替市場の動きを常に監視する必要があり、精神的な負担が大きくなったり、多大な時間を消費したりするというデメリットがあるようです。

特に、自分の予測に反して相場が急変動した場合などは、短期的に資産価格がどんどん下落していくことも考えられるため、精神的な負担も大きくなりやすいと言われています。

「為替相場の変動が気になって仕事が手につかない」「ポジションがマイナスになっていると落ち込んでしまって眠れない」など、普段の生活にも支障をきたす可能性があるとの指摘もあります。

元本以上の損失の可能性

FX取引は元本保証ではないため、為替相場の変動によっては損失が生じる可能性があります。特に高いレバレッジをかけて取引すると、預け入れた証拠金以上の損失が発生するリスクもあるようです。

例えば、100万円を証拠金として預けて10倍のレバレッジで取引した場合、10%の価格変動で元手資金と同じ金額の損益が発生します。相場の急変動によっては、元本以上の損失を被る可能性もあるのです。

予測困難な為替相場

為替相場は様々な要因によって変動するため、その動きを正確に予測することは非常に難しいとされています。経済指標の発表内容や予期せぬ要人発言によって、急激に想定外の値動きをすることもあり、常に収益を得られるとは限らないようです。

良い評判から見えるFXのメリット

一方で、FXには多くのメリットもあり、適切に運用すれば魅力的な投資手段となり得ます。

少額から始められる

FXは比較的少額から始められる投資方法です。FX会社の中には1,000通貨単位や、さらには1通貨単位から取引できる会社もあり、少ない自己資金でスタートすることが可能です。

例えば、1米ドル145円の場合、レバレッジを25倍に設定すれば、5,800円程度から取引を始めることができます。これは株式投資の場合に必要な10~20万円という初期投資に比べて、かなり敷居が低いと言えるでしょう。

平日24時間取引可能

為替市場は東京、ロンドン、ニューヨーク、シドニーなど世界のどこかで常に取引が行われているため、土日を除けばほぼ24時間取引が可能です。これにより、日中は仕事で忙しい人でも、自分の生活スタイルに合わせて取引できるというメリットがあります。

下落相場でも利益を狙える

株式投資とは異なり、FXでは「売り」から取引を始めることができるため、相場の下落局面でも利益を狙うことが可能です。これにより、様々な相場環境において収益機会を得ることができるとされています。

実際に、「リーマン・ショックや、コロナ・ショックのようなリスク回避で円が買われる円高方向の下げ相場では、売りから入ればいい。去年のような、米ドル/日本円が上昇する相場では買っていればいい」というコメントも見られます。

スワップポイントによる収入

FXでは「持っている通貨の金利を受け取れる」というメリットがあります。例えば日本円を米ドルに交換している場合、金利の低い日本円と金利の高い米ドルの金利差を「スワップポイント」として受け取ることができます。

これは毎日受け取れるため、「余っている日本円を高金利の通貨に交換して持っておくことで金利をザクザク生むような仕組みを作ることが出来ます」とされています。

為替リスクの軽減に役立つ

投資信託や株式でアメリカの商品に投資している場合、株価が上昇しても為替が円高になると実際の利益は減少してしまいます。しかし、FXを活用して「米ドルを売っておく」取引を行えば、為替変動によるリスクを軽減することができるという見方もあります。

「為替のリスクをFXで軽減することで、純粋な株価上昇分の利益をそのまま得ることが出来る」とされています。

FX成功のための重要ポイント

FXで成功するためには、いくつかの重要なポイントがあるようです。

リスク管理の徹底

FXにおいて最も重要なのはリスク管理です。「レバレッジを上手に活用する最大のポイントは「リスク管理」です」とされています。

具体的なリスク管理の方法として、「ポジション量を抑える」「ストップロス(損切り)を必ず設定する」「エントリー・決済ポイントを事前に決定する」といった対策が挙げられています。

これらのリスク管理が疎かになると、FX取引はやめたほうがいいということになるようです。

少額からの段階的な資産形成

成功事例では、「ある初心者トレーダーは、最初に5万円の元手でFXを始め、リスクを抑えながらコツコツ利益を積み重ね、数年後には100万円以上の資産を形成しました」というケースが紹介されています。

このトレーダーの成功のポイントとして、「レバレッジを低く設定してリスク管理を徹底」「トレード記録をつけて、失敗を分析し学び続けた」「欲張らず、目標の利益率を守る堅実なトレードを実施」といった点が挙げられています。

特定の通貨ペアへの集中

成功例の中には、「あるトレーダーは、USD/JPY(米ドル/日本円)に特化して学習し、市場の動向や特性を深く理解。日本の経済指標発表や米国の雇用統計などのイベントを予測して、トレードのタイミングを的確に見極め」たという例があります。

このトレーダーの成功ポイントとして、「特定の通貨ペアに集中することで市場動向に詳しくなった」「経済ニュースや指標発表の影響を正確に判断」「短期売買ではなく、スイングトレード(数日~数週間)で大きな値動きを狙った」といった点が挙げられています。

自分に合ったトレードスタイルの確立

FXではさまざまなトレードスタイルがありますが、自分に合ったスタイルを見つけることが重要だとされています。例えば、「100万円あった資金が10万円に…。負けてたどり着いたスイングトレード」というタイトルの記事では、失敗を経験した後にスイングトレードというスタイルを見つけて成功したトレーダーの事例が紹介されています。

また、「高速な判断力を持つトレーダーが、短期的な価格変動を利用して1日に数十回のトレードを実施。1回あたりの利益は小さいものの、1日全体での利益が積み上がり、安定的に収益を得ました」という短期トレードで成功した例も紹介されています。

継続的な学習

「FXの成功は、単なる運だけではなく、リスク管理、スキルアップ、冷静な判断、そして継続的な努力によるものです」とされています。

「ある初心者トレーダーは、FXのセミナーや教材で基本を学び、経験豊富なトレーダーのアドバイスを参考にしました。その結果、失敗を減らし、短期間で効率的に利益を上げる方法を習得しました」という事例も紹介されています。

FX業者選びの重要性

FXを始める際には、信頼できるFX業者を選ぶことも重要です。業者によって提供するサービスやコストが異なり、それが取引の収益性に影響することもあるようです。

安全性と信頼性

FX業者を選ぶ際には、安全性と信頼性が最も重要な要素です。特に海外FX業者の場合、「金融ライセンスを取得していない」「企業情報が不明瞭」「運営実績が少ない」「日本語のサポートが弱い」などの理由でやばいと評価される業者も存在するようです。

FOREX.comなどの海外FX業者の場合、「6つの金融ライセンスを取得し、資金管理に信託保全を導入するなど、高い信頼性を誇る」と評価されています。

スプレッドとスワップポイント

取引コストに直結するスプレッド(売買価格の差)とスワップポイント(金利差調整分)も重要な選択基準です。「みんなのFXはやめとけと言われる理由の多くは、一時的なスプレッドの拡大についてです」という指摘もありますが、「全体的には悪い評価よりも肯定的な声の方が多く上がっています」とされています。

実際に、「手数料が安いので、細目に取引したい人にお勧めです」という口コミも見られます。

使いやすさとサポート体制

取引ツールの使いやすさやサポート体制も重要な要素です。「スマートフォンからの取引が中心となりますが、非常に使いやすく満足しています」といった口コミが見られます。

また、「小林社長みずからYouTube配信をリアルタイムで行っていたりXで情報発信していたりするところ」を評価する声や、「大きな経済イベント時に、リアルタイムで解説をしてくれること」を評価する声もあります。

FXにおける注意すべき問題点

FXの世界には、気をつけるべき様々な問題点も存在します。

詐欺まがいの投資商材やサービス

FXの世界には、誇大広告を掲げる詐欺まがいの投資商材やサービスも存在します。例えば、「波乗り道場(波乗り波動論)はFX初心者にとってリスクの高いオンライン投資サロンである可能性が高いです」という指摘があります。

「波乗り道場(波乗り波動論)は「1年半で10万円を23億円に増やす手法」「1万円が100万円になります!」といった甘い言葉に惹かれた方も多い」とされていますが、「実際には投資のリスクを過小評価し、過大な期待を抱かせる誇大広告の可能性が高い真相がありました」とされています。

海外FXの利用における注意点

海外FXを利用する際には、いくつかの注意点があります。「海外FXは、日本の金融庁の規制外でサービスを提供しているため、サービス利用によって生じるトラブルは全てトレーダーの自己責任になります」とされています。

また、「海外FXは信託保全ではなく、分別管理で顧客資金を管理している業者が多い」ことや、「出金拒否のリスクがある」ことも指摘されています。

税金の問題

FXで利益が出た場合の税金にも注意が必要です。特に海外FXの場合、「海外FXと国内FXは課税制度が異なります。国内FXは一律20.315%の税率が適用される一方、海外FXは所得に応じて税率が変動する累進課税です」とされています。

FXに対する誤解と実態

FXについては様々な誤解も存在するようです。

「投資=ギャンブル」という誤解

FXに限らず投資全般に対して、「ギャンブル」というネガティブなイメージを持つ人が多いようです。FXを紹介する記事の中には、「FX(外国為替証拠金取引)と聞くと、「ハイリスク」「ギャンブル」「デイトレード」のようなイメージを持つ人も多いかもしれません」という記述が見られます。

しかし、「FXを資産運用にうまく取り入れることで、今の投資のリスクを抑えたり、高い金利で資産を運用している投資家もたくさんいます」という指摘もあります。

「常に監視が必要」という誤解

FXは「24時間チャートを注視していなければいけない」というイメージを持つ人も多いようですが、「FXの取引手法の中には、スキャルピングなどを除けば24時間チャートを注視しなくてもよい取引手法もある」とされています。

「必ず損をする」という誤解

FXで必ず損をするというイメージもありますが、「OANDA証券の顧客取引データによると、FXで利益を出している口座は存在します」という報告もあります。

ただし、「利益を出せていないという場合、トレードを繰り返すだけでは損失が膨らんでしまう可能性があり、対策が必要です」とも指摘されています。

FXの実態:データから見る勝率と利益率

実際のFX取引のデータを分析した結果も公開されています。

口座資産評価額の増減率

OANDA証券の分析によると、「口座資産評価額の増減率の分布で、1ヶ月ごとに集計して過去12ヶ月分を示したデータでは、利益も損失も0%~10%の範囲に集中し、10%より大きくなると割合が減少しています」とされています。

また、「利益と損失のそれぞれについて10%以上の口座の分布を見ると、損失を出した口座の割合のほうが大きい」という結果も示されています。

成功者の特徴

成功している口座の特徴として、「6ヶ月連続で評価額を増やした口座の平均値は、10%に満たない値です」とされており、「大きな利益を得ると同時に6ヶ月連続でプラスを確保するのは容易でない」という指摘もあります。

また、「長期にわたって利益を上げ続けるには、大きな利益を狙いすぎないことが大切だと考えられます」という見解も示されています。

勝率とリスクリワード比率

成功している口座の特徴として、勝率の高さも挙げられています。「6ヶ月間連続でプラスだった口座の勝率の高さ」が特筆されており、「上位200口座よりも高い例が少なくありません」と報告されています。

さらに、「長期間にわたって利益を得るには、口座評価額に対して十分に小さな金額で取引すべき」という示唆も与えられています。

まとめ:FXは「やめたほうがいい」のか?

FXは「やめたほうがいい」と言われる理由には、レバレッジによるリスクの増大、強制ロスカットのリスク、精神的・時間的負担、元本以上の損失の可能性、予測困難な為替相場といった点が挙げられています。

一方で、少額から始められる、平日24時間取引可能、下落相場でも利益を狙える、スワップポイントによる収入が得られる、為替リスクの軽減に役立つといったメリットも存在します。

FXで成功するためには、リスク管理の徹底、少額からの段階的な資産形成、特定の通貨ペアへの集中、自分に合ったトレードスタイルの確立、継続的な学習といったポイントが重要だとされています。

また、信頼できるFX業者を選ぶことや、詐欺まがいの投資商材やサービスに注意すること、税金の問題にも気を配ることが必要です。

FXに対しては「投資=ギャンブル」「常に監視が必要」「必ず損をする」といった誤解もありますが、実際のデータを見ると利益を出している口座も存在しています。ただし、大きな利益を得ながら長期間安定して利益を上げ続けることは容易ではないようです。

結論として、FXが「やめたほうがいい」かどうかは一概には言えず、個人の知識、経験、資金力、リスク許容度などによって異なるものと考えられます。重要なのは、FXのメリットとデメリットを十分に理解した上で、自分に合った取引スタイルを確立し、リスク管理を徹底することではないでしょうか。

ただし、FXにはやばいと評価される業者や詐欺まがいの投資商材も存在するため、そういった要素には十分に注意する必要があるようです。また、FXに限らず投資には常にリスクが伴うことを念頭に置き、無理のない範囲で取り組むことが大切だと言えるでしょう。

タグ:
執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
関野 良和の執筆記事一覧・プロフィールへ