定期預金は”おすすめしない”、”やめとけ”といわれているのはなぜ?


”定期預金はヤバイのでおすすめしない”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します
定期預金は本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る
定期預金についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。近年、ネット上では「定期預金はやめとけ」「おすすめしない」という声が目立ちますが、その実態はどうなのでしょうか。これらの否定的な意見の背景には何があるのか、また反対に良い評判も存在するのか、多角的な視点から検証していきます。
定期預金の基本的な仕組み
まず初めに、定期預金とは何かについて確認しておきましょう。定期預金は、あらかじめ定められた期間にお金を預ける貯蓄方法です。預入期間は通常1ヶ月から最長10年程度まであり、金融機関によっては15年や20年といった長期のものを提供しているところもあるようです。
定期預金には主に以下のような種類があります。
- スーパー定期:一般的な定期預金で、1万円以上から預け入れできる
- 大口定期:1,000万円以上の預け入れが対象
- 積立定期:毎月一定額を積み立てる形式の定期預金
- 期日指定定期:預入から1年後に満期日を指定できる定期預金
- 外貨定期預金:外貨で預け入れる定期預金
普通預金との大きな違いは、普通預金が基本的にいつでも自由に引き出せるのに対し、定期預金は満期までお金が拘束されるという点です。
定期預金が「おすすめしない」と言われる理由・デメリット
それでは、なぜネット上で定期預金が「おすすめしない」「やめとけ」と言われているのでしょうか。主な理由として以下の点が挙げられます。
1. 金利が極めて低い
定期預金の最大のデメリットは金利の低さです。現在の定期預金の金利相場は0.01%程度と言われており、例えば1,000万円を定期預金で1年間預け入れても、利息としてもらえる金額はわずか1,000円程度にしかならないようです。これでは「お金が増えている」という実感がほとんど得られないでしょう。
一方で、投資信託のような金融商品であれば、10~20年程度の長期投資で年利3%~7%程度は期待できると言われています。このような比較から見ると、定期預金の金利は「やばい」ほど低いと感じる人が多いのも無理はありません。
2. 途中で解約すると手数料がかかる
定期預金は満期までの資金拘束が原則です。もし途中で解約をする場合には、解約手数料が発生してしまう可能性があります。また、中途解約すると、当初約束されていた金利ではなく、中途解約時の低い金利が適用されることが多いようです。
これにより、「急にお金が必要になった時に困る」という流動性の低さも、定期預金が「やめたほうがいい」と言われる一因となっています。
3. 保証は1,000万円までに限定される
定期預金では、1つの金融機関に1,000万円以上の預金をしていると、1,000万円を超えた部分は預金保険制度による保証がされません。これは「ペイオフ」と呼ばれる制度の制限です。
万が一金融機関が破綻した場合、1,000万円を超える部分は戻ってこない可能性があります。資産が多い人にとっては、これも定期預金の大きな欠点と言えるでしょう。
4. インフレによって資産が目減りする
定期預金の金利が低い状態でインフレ(物価上昇)が進行すると、預けているお金の「実質的な価値」が目減りしていきます。例えば年間2%のインフレがある場合、定期預金の金利が0.01%だとすると、実質的には年間約1.99%の資産価値が失われていることになります。
このように、長期的な資産形成の観点から見ると、定期預金は「おすすめしない」商品となる可能性があります。
5. 解約し忘れると自動継続になる恐れがある
多くの定期預金は「自動継続型」となっていることが多く、満期日が来ても放置していると自動的に継続となり、再び資金が拘束されてしまいます。満期日を忘れてしまい、必要な時にお金を引き出せないというリスクもあります。
定期預金の隠れたメリットと「やばくない」理由
しかし、定期預金には「おすすめ」できる面もあります。ネット上の「やめとけ」という評判だけでなく、実際のメリットを見ていきましょう。
1. 普通預金よりは金利が高い
定期預金の金利は確かに低いものの、普通預金と比べると10倍程度高い傾向にあります。普通預金の金利相場は0.001%程度で、定期預金は0.01%程度と言われています。わずかな違いかもしれませんが、まったく使う予定のないお金であれば、普通預金より定期預金の方が有利です。
また、2025年時点では金利上昇の傾向が見られ、一部の銀行では1%前後の金利を提供するところも出てきています。例えば、以下のような高金利の定期預金も存在しています。
- auじぶん銀行:1.00%(1年もの)
- オリックス銀行:0.85%(1年もの)
- SBI新生銀行:0.80%(1年もの)
- 住信SBIネット銀行:0.80%(1年もの)
- ソニー銀行:0.80%(1年もの)
2. 元本割れのリスクがほぼない
定期預金の最大の利点は、元本保証されている点です。株式投資や投資信託など他の金融商品と異なり、元本割れするリスクがほとんどありません(一般的な円建ての定期預金の場合)。
この安全性は、「資産運用でリスクを取りたくない」「とにかく元本を確保したい」という方にとって大きな魅力と言えるでしょう。
3. 預入期間を自由に選べる
定期預金は、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、3年、5年など、様々な期間から選ぶことができます。将来の資金計画に合わせて、柔軟に預入期間を設定できる点は大きな利点です。
例えば「3年後に車を買い替えるための費用」や「来年の結婚式のための費用」など、使う目的と時期がはっきりしている資金の保管先として適しています。
4. 手数料がかからない
定期預金は通常、口座開設時はもちろん、預けるときも引き出すときも手数料はかからないようです。投資信託などでは運用管理費などの手数料が発生することが多いのに対し、定期預金はこうしたコストがない点も評価できます。
5. 貯蓄の習慣づけに効果的
普通預金は簡単に引き出せるため、つい使ってしまいがちですが、定期預金はその仕組み上、簡単には引き出せません。これが逆に「貯蓄が苦手な人」にとっては、お金を貯める習慣づけに役立つ場合があります。
特に自動積立定期預金を活用すれば、毎月自動的に一定額が積み立てられるため、意識せずに貯蓄ができるという利点もあります。
定期預金が向いている人と向いていない人
定期預金の活用を考える際には、自分のニーズや状況に合っているかどうかを判断することが重要です。
定期預金が向いている人
- 運用期間が短い人:長期投資向きではない短期間(数ヶ月~数年)で使う予定の資金がある人
- 着実にお金を貯めたい人:リスクを取らずに堅実に貯蓄したい人、貯金が苦手で引き出しにくい仕組みを求める人
- 資産運用は安全第一という人:元本割れのリスクを避けたい人、金融商品に不安を感じる人
- 目的を定めた預金をしたい人:具体的な使用目的と時期が決まっている資金を管理したい人
- 金融教育の一環として活用したい人:子どもの金融教育の一環として、貯蓄の概念を教えたい親
定期預金が向いていない人
- 資産を大きく増やしたい人:リターンを重視し、積極的に資産を増やしたい人
- 換金性(流動性)を重視する人:いつでも自由にお金を使いたい、急な出費に備えたい人
- 保有している資産が多い人:1,000万円を超える大きな資産を持ち、預金保険の限度額を超える可能性がある人
- 長期的な資産形成を目指す人:老後資金など長期の資産形成を考えている人は、定期預金だけでなく他の運用方法も検討すべきかもしれません
定期預金を有効活用するポイント
ここまで見てきたように、定期預金には確かにデメリットがありますが、うまく活用すれば有効な金融商品となり得ます。以下に定期預金を活用するポイントをご紹介します。
1. 目的を定めた預金に利用する
定期預金は、特定の目的のための資金管理に向いています。例えば「3年後の車の買い替え費用」「来年の結婚式のための費用」など、使用時期が明確な資金の保管先として活用しましょう。
普通預金より金利が高いため、特に「今すぐには使わないけれど数年以内に使う予定がある資金」の置き場所として適しています。
2. 自動的に預金される仕組みを利用する
自動積立定期預金などの仕組みを活用することで、コツコツとお金を貯めることができます。特に「老後のためにお金を貯めたいけれど貯金が苦手」という方には、こうした自動的な仕組みが役立つでしょう。
3. 他の金融商品と使い分ける
定期預金だけで資産運用を完結させるのではなく、様々な金融商品と組み合わせて使うことが重要です。例えば、以下のように資金を分類して運用することが考えられます。
- 日常的な支出や緊急時のための資金:普通預金
- 数年以内に使う予定の資金:定期預金
- 長期的な資産形成のための資金:投資信託やNISA、iDeCoなど
このように資金を目的別に分けることで、リスクとリターンのバランスを取った運用が可能になります。
4. なるべく金利が高い金融機関を選ぶ
定期預金の金利は金融機関によって大きく異なります。少しでも有利な条件で預け入れるために、各金融機関の金利を比較検討することが大切です。
特にネット銀行は、店舗運営コストがないため比較的高い金利を提供していることが多いようです。また、期間限定のキャンペーンで通常より高い金利が適用されることもあるため、こうした情報もチェックするとよいでしょう。
最近の定期預金事情と金利上昇の動き
最近では日本の金利が少しずつ上昇しており、定期預金の金利も徐々に上がってきている傾向が見られます。
2025年1月時点での高金利の定期預金としては、auじぶん銀行の1.00%(1年もの)やオリックス銀行の0.85%(1年もの)などがあります。これらの金利はまだ投資信託や株式投資に比べると低いものの、従来の定期預金の金利(0.01%程度)に比べると大幅に改善されています。
金利が0.85%の定期預金に100万円を預け入れると、1年後に受け取れる利息は税引き前で8,500円になるようです。これが金利0.10%の場合は1,000円ですから、わずかな金利の差でも長期的に見ると大きな違いになります。
また、SBJ銀行の「ミリオくん」という商品では、10年定期で金利1.35%という高い金利を提供しているケースもあるようです。
定期預金の評判に関する誤解と真相
定期預金に対する「やめとけ」「おすすめしない」という評判の背景には、投資への関心の高まりや金融リテラシーの向上も影響しているようです。特にインターネットの普及により、より高いリターンを得られる投資手段の情報が広まりやすくなった結果、相対的に定期預金の魅力が薄れて見えることがあります。
しかし、定期預金を完全に否定する見方は誤解を含んでいる可能性があります。定期預金は「高いリターンを得る手段」というよりも「安全に資産を保管する手段」として捉えるべきでしょう。投資とは異なる目的を持った金融商品だということです。
また、すべての人に「投資」が適しているわけではありません。リスク許容度の低い人や、数年以内に使うことが確定している資金の場合は、元本保証のある定期預金の方が適している場合もあります。
つまり、定期預金の評価は一律に「良い」「悪い」で判断するのではなく、個人の状況やニーズ、資金の使用目的によって変わるものだと言えるでしょう。
まとめ:定期預金は状況に応じて「おすすめ」できる金融商品
定期預金には確かに「金利が低い」「途中解約に制限がある」「インフレリスクがある」といったデメリットがあります。特に資産を大きく増やしたい人や、長期的な資産形成を目指す人にとっては、定期預金だけで運用することは「おすすめしない」と言えるでしょう。
しかし一方で、「元本保証がある」「普通預金より金利が高い」「目的に合わせて期間を選べる」といった利点もあります。特に以下のような場合には、定期預金は「やばくない」どころか、むしろ「おすすめ」できる金融商品と言えるのではないでしょうか。
- 近い将来(数年以内)に使う予定がある資金の保管
- リスクを取りたくない資金の運用
- 貯蓄が苦手な人の強制的な貯金方法
- 金融商品の入門として始めやすい商品
最も重要なのは、自分の資金の性質や目的に合った金融商品を選ぶことです。日々の生活資金は普通預金に、数年以内に使う資金は定期預金に、長期運用する資金は投資信託やNISAなどに、というように適材適所で活用することが賢明でしょう。
最近では日本の金利も上昇傾向にあり、定期預金の魅力も少しずつ回復してきています。定期預金を含めた多様な金融商品について理解を深め、バランスの取れた資産運用を心がけることが、将来の資産形成には大切なのではないでしょうか。
「やめとけ」「おすすめしない」という評判に惑わされず、定期預金の特性を正しく理解した上で、自分のニーズに合った使い方をすれば、定期預金も立派な資産運用の選択肢の一つになると言えるでしょう。
