マネックス証券は”やめたほうがいい”といわれているのはなぜ?

マネックス証券は”やめたほうがいい”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”マネックス証券はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

マネックス証券は本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る

マネックス証券についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。インターネット上では「マネックス証券はやばい」「潰れる」といった噂が時折見受けられますが、こうした評判は本当なのでしょうか。それとも単なる誤解なのでしょうか。本記事では、マネックス証券に関する様々な口コミを検証し、実態に迫っていきます。

マネックス証券が「やばい」と言われる主な理由

インターネット上で「マネックス証券がやばい」と評される主な理由は、いくつか存在するようです。

1. NTTドコモによる子会社化

2023年10月4日に、NTTドコモはマネックス証券との資本業務提携を発表しました。NTTドコモが中間株式会社の株式および議決権割合の約49%を保有し、マネックス証券を連結子会社としています。

この提携の背景には、SBI証券と楽天証券による日本株売買手数料ゼロ化の流れがあると言われています。一部では、マネックス証券が「激しい手数料競争で追い詰められてやばかった」という見方もあるようです。

2. 競合他社と比較した営業収益の差

SBI証券や楽天証券と比較すると、マネックス証券の営業収益は相対的に少ないことが指摘されています。具体的な数字としては、SBI証券が1750億円(2023年3月期)、楽天証券が約1108億円(2023年12月期)であるのに対し、マネックス証券は310億円(2023年3月期)となっているようです。

3. 国内株取引の手数料が比較的高い

マネックス証券の国内株式取引の手数料は、他のネット証券と比較するとやや高めだという指摘があります。特に、SBI証券や楽天証券では条件付きながら手数料無料の取引が可能な場合があるのに対し、マネックス証券の1日定額コースは最低でも550円(税込)の手数料が必要とされています。

「最近のネット証券会社は手数料が無料なところが多いのに、マネックスは最低でも55円かかるのがちょっと引っかかっているポイントです」という口コミもあります。

4. 外国株の取り扱いが限定的

マネックス証券では外国株として米国株と中国株のみを取り扱っており、他の国の株式は取り扱っていないという点がデメリットとして挙げられています。SBI証券では9カ国、楽天証券では6カ国の株式を取り扱っており、比較すると選択肢が限られていると言われています。

「国内株より外国株に興味があるのですが、マネックス証券は米国株と中国株しかないのでやや不満です」という声もあります。

これらの「やばい」という評価は誤解なのか?

ここまで紹介したマネックス証券の「やばい」という評価は、実際のところ誤解や根拠の薄いものが多いと考えられます。以下にその理由を見ていきましょう。

経営状況は安定している

マネックス証券の2023年3月期の営業収益は約310億円で、当期純利益は約25億9,600万円でした。2021年3月期の営業収益が約320億円、2022年3月期が約309億円だったことと比較しても、経営状況が大きく悪化しているわけではないようです。

また、総口座数も2015年以降右肩上がりの増加傾向が続いていると報告されています。インターネット上の「潰れる」といった評判には明確な根拠がないと言えそうです。

NTTドコモとの提携はむしろプラス評価

NTTドコモとの資本業務提携は、マネックス証券が「やばい」から提携したというネガティブな見方もありますが、むしろ将来的な成長のためのポジティブな戦略と見ることもできます。

この提携により、dカードでのクレカ積立をはじめ、dポイント・d払い・dカード・dアカウントといったドコモのサービスとマネックス証券のサービスの連携が期待できると言われています。

また、2024年1月にNTTドコモとの業務提携を開始したことで、格付け会社からの評価は「BBB+」から「AA」に引き上げられ、信頼性はさらに上がっているとの報告もあります。

外国株取扱いの質は高い

確かに取扱国数は限られていますが、マネックス証券の米国株と中国株の取扱銘柄数は非常に充実しています。2025年2月現在では米国株が5,000以上、中国株が2,500以上になっているとのことです。

米国株単体の銘柄数は国内でもトップレベルであり、米国株投資を重視する投資家にとっては十分な選択肢があると言えそうです。

マネックス証券の良い評判とメリット

マネックス証券には多くの良い評判やメリットも存在します。以下にその詳細を見ていきましょう。

1. 米国株式の取引に強み

マネックス証券は米国株式の取引に特に強みを持っていると評価されています。取扱銘柄数はおよそ4,500に上り、SBI証券や楽天証券に匹敵する豊富なラインナップがあるようです。

米国株式の現物取引手数料も約定金額の0.495%(最低手数料0米ドル、手数料上限22米ドル)と手頃な設定になっています。2024年の「ネット証券会社 オリコン顧客満足度ランキング」では、外国株式部門でマネックス証券は2位にランクインしています。

2. 充実した投資分析ツール

マネックス証券では、無料で使える銘柄情報分析ツール「銘柄スカウター」をはじめとする多彩な投資ツールを提供しています。

「銘柄スカウター」は銘柄ごとに売上高や営業利益などのさまざまな情報を見やすく表示し、銘柄選定を効率的に行えるようになっています。分析が苦手な人にも詳しい分析を行いたい人にも適したツールだと評価されています。

その他にも、スピード重視の発注機能を持つ「マネックストレーダー」や、保有資産全体の動きをグラフで確認できる「MONEX VIEW」、資産の詳細な分析や資産設計のアドバイスをもらえる「MONEX VISION」といった様々なツールが無料で提供されているようです。

3. クレジットカード積立の高還元率

マネックス証券のクレジットカード積立のポイント還元率は、スタンダード(通常)カードでの還元率としてはネット証券の中でも最大とされています。最大1.1%のポイントが還元されるとのことです。

また、マネックスカードでは、カードショッピングでも1%のポイント還元を受けることが可能で、ポイントはAmazonギフトカードやdポイントといった他社のポイントとの交換や、投資信託の買い付け、株式の取引手数料への充当などに利用できるようです。

4. IPOに強い

マネックス証券では、IPO(新規公開株)について完全平等抽選を実施している点も特徴的です。IPOを購入するためには一般的に抽選に当選する必要がありますが、マネックス証券では申込株数に応じてすべての顧客に平等に抽選権を付与し、人の意思を介在させない無作為な抽選制度を導入しています。

これにより、投資を始めたばかりの人も、公平な条件でIPOの抽選に参加できるという利点があるようです。

5. ゴールドバーの引き出し

マネックス証券では、ゴールドバーを引き出せるというユニークなサービスも提供しているようです。具体的な詳細は検索結果に含まれていませんが、実物の金を保有したい投資家にとっては魅力的なオプションだと考えられます。

実際の利用者の口コミ

実際にマネックス証券を利用しているユーザーからの口コミも見てみましょう。

良い口コミ

  • 「クレジットカードを利用しての定期積立で貰える還元ポイントが1.1%と知り得る限り最高の還元率なので、マネックスカードを利用しているとかなりお得感を感じる。また貰えるマネックスポイントで株式購入の手数料などの支払いに充てられるので手数料をあまり考えないで済む。」
  • 「他社より画面が見やすくツールも使いやすい」
  • 「長い歴史のある証券会社で安心感がある」
  • 「クレカ積立や保有残高に応じたポイント還元が嬉しい」

批判的な口コミ

  • 「投資信託などの商品数が大手のSBIや楽天に比べて少なく、必要としている商品が見つからないことがある。サイトも使いやすいとは言えず、自身の所有している商品の売却などが直感的に出来ず、何度も利用しているのにそのたびに迷うってしまうレベル。」
  • 「他社に比べて手数料や銘柄数はやや物足りない」
  • 「アプリが使いづらくツールは慣れが必要」
  • 「イオン銀行からマネックス証券に変わって困惑する人が多数」

これらの口コミを見ると、特に米国株取引やクレジットカード積立の還元率に関しては高い評価がある一方、国内株の手数料や使い勝手に関しては改善の余地があると感じる利用者もいるようです。

マネックス証券の将来性と経営状況

「マネックス証券は潰れる」といった評判がありますが、2025年2月時点でのマネックス証券の経営状態は安定しており、現状では倒産の危険性は低いと考えられます。

また、2024年1月にNTTドコモとの業務提携を開始したことで、格付け会社からの評価は向上し、今後ますます成長が期待できる証券会社とされています。NTTドコモとのサービス連携により、dポイントやdアカウントなどを活用したサービスの拡充が期待されています。

マネックス証券の取り扱う銘柄の数も年々増えており、米国株の取扱数は2023年時点では約4,500だったものが、2025年2月現在では5,000以上に増加しています。中国株も約2,000から2,500以上へと増えており、取扱銘柄の拡充に積極的な姿勢が見られます。

まとめ:マネックス証券は「やばくない」

マネックス証券に関する「やばい」という評判は、一部の側面を切り取ったものや、誤解に基づくものが多いと言えそうです。確かに国内株の取引手数料や外国株の取扱国数など、一部の面では他社に見劣りする点はあります。

しかし、米国株取引の充実度やクレジットカード積立の還元率、IPOの平等抽選など、独自の強みも多く持っています。経営状況も安定しており、NTTドコモとの提携によって財務基盤は強化されています。「潰れる」といった極端な評価には客観的な根拠が乏しいと言えるでしょう。

2023年3月期の営業収益は約310億円、当期純利益も約25億9,600万円と黒字経営を維持しており、総口座数も右肩上がりで増加しています。

こうした点から考えると、マネックス証券はむしろ「やばくない」証券会社であり、特に米国株投資や投資信託の積立投資、IPO投資に関心のある投資家にとっては「おすすめ」の選択肢と言えるでしょう。

特に、以下のような投資家には、マネックス証券の利点が活かせると考えられます。

  • 米国株投資を重視している方
  • クレジットカードでの投資信託積立を活用したい方
  • 充実した投資分析ツールを使いたい方
  • IPO投資に平等に参加したい方

一方で、国内株の頻繁な売買を行う投資家や、米国・中国以外の外国株への投資を考えている方は、他の証券会社も検討する価値があるかもしれません。

投資先の選択は個人の投資方針や重視するポイントによって異なりますので、ご自身のニーズに合った証券会社を選ぶことが大切です。マネックス証券については、ネット上の「やばい」という評判に惑わされず、実際のサービス内容や経営状況を踏まえた判断をすることをおすすめします。

最後に

マネックス証券についてのネット上の評判や口コミを調査した結果、「やばい」という評価は誤解や一面的な見方に基づくものが多いことがわかりました。実際には安定した経営基盤を持ち、特に米国株投資や投資信託の積立てなどでは優れたサービスを提供している証券会社であると言えそうです。

証券会社選びの際には、こうした情報を参考にしつつ、ご自身の投資スタイルに合った会社を選択されることをおすすめします。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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