「セゾンフクリコ」とは、評判から使い方やメリットなどを調べてみた
ライター：関野 良和セゾンフクリコの映画館割引などおすすめの使い方とは？
近年、企業の人材確保や従業員の満足度向上が重要な経営課題となっています。特に中小企業にとって、魅力的な福利厚生制度の構築は大きな課題でした。そんな中、株式会社クレディセゾンと株式会社フクリコが提供する「セゾンフクリコ」が注目を集めています。このサービスは、従来の福利厚生の概念を覆し、中小企業でも導入しやすい新しい形の福利厚生サービスとして登場しました。
本記事では、セゾンフクリコの特徴や利用方法、企業にとってのメリットなどを詳しく解説します。福利厚生の充実を検討している経営者や人事担当者、そして自社の福利厚生に関心のある従業員の方々にとって、有益な情報となるでしょう。
この記事を読むことで、以下の点が理解できます。
- セゾンフクリコの概要と特徴：中小企業向けの新しい福利厚生サービスの全容を把握できます。
- 導入のメリットと課題：企業と従業員双方にとってのメリットと、導入時の注意点を理解できます。
- 具体的な利用方法：サービスの申し込みから日常的な利用まで、実践的な情報を得られます。
- 他社サービスとの比較：既存の福利厚生サービスとの違いを明確に理解できます。
1. セゾンフクリコの概要
セゾンフクリコは、株式会社クレディセゾンと株式会社フクリコが協業して提供する、中小企業向けの福利厚生サービスです。2022年11月1日にサービスを開始し、従業員の満足度向上や人材の定着促進を目的としています。
このサービスの最大の特徴は、全国25,000以上の施設を最大66％OFFで利用できる点です。レジャー、グルメ、トラベル、映画など、多岐にわたる優待サービスを提供しており、従業員の日常生活をサポートします。
また、完全アウトソーシング型のサービスであるため、企業側の運営負担が少ないのも大きな特徴です。月額385円（税込）からという低コストで導入できるため、中小企業でも気軽に福利厚生サービスを提供できるようになりました。
【用語解説：アウトソーシング】
アウトソーシングとは、企業が自社の業務の一部を外部の専門業者に委託することを指します。福利厚生サービスのアウトソーシングでは、サービスの運営や管理を専門業者に任せることで、企業の業務負担を軽減し、専門性の高いサービスを効率的に提供することができます。
2. セゾンフクリコの主要サービス内容
セゾンフクリコは、従業員の生活に密着した多様なサービスを提供しています。主なサービス内容は以下の通りです。
- 映画観賞券の割引：特別優待として、1,300円（税込）から映画観賞券を購入可能（年間20枚まで）。
- レジャー施設の割引：遊園地やテーマパークなどの入場料が割引価格で利用可能。
- グルメ優待：全国のレストランチェーンで使える優待券の提供。
- トラベル割引：宿泊施設やパッケージツアーの割引。
- スポーツ施設利用割引：フィットネスクラブやゴルフ場などの利用料金割引。
- 育児・介護サポート：保育サービスや介護サービスの割引。
- キャリアサポート：各種資格取得のための講座割引。
これらのサービスは、従業員とその家族（配偶者および二親等内の家族）が利用できます。多岐にわたるサービス内容により、従業員のライフスタイルや生活ステージに合わせた福利厚生を提供することが可能です。
また、プラチナプランを選択した場合、年間5,000円相当のギフトポイントが付与され、さらに充実したサービス利用が可能となります。
3. 料金プランと導入方法
セゾンフクリコの料金プランは、企業規模や導入目的に応じて選択できるよう設計されています。主なプランは以下の3種類です。
- ライトプラン（法人向け）
- 入会金：33,000円（税込）
- 月額費用：385円（税込）/人
- プラチナプラン（法人向け）
- 入会金：33,000円（税込）
- 月額費用：935円（税込）/人
- 特典：年1回5,000円相当のギフトポイント付与
- ライトプラン（個人事業主向け）
- 入会金：33,000円（税込）
- 月額費用：385円（税込）/人
法人向けプランの場合、月会費は5名単位での申し込みとなります。
導入方法は以下の手順で進めます。
- セゾンフクリコの公式サイトから資料請求や問い合わせを行う。
- 担当者との打ち合わせを通じて、プランの選択や契約内容を決定。
- 契約締結後、入会金と会費を支払う。
- 利用人数分のIDが発行される。
- 従業員がWebで個別登録を行う。
- サービス利用開始。
導入にあたっては、企業規模や従業員のニーズに合わせたプラン選択が重要です。また、従業員への周知や利用促進のための社内コミュニケーションも成功のカギとなります。
4. 企業にとってのメリット
セゾンフクリコを導入することで、企業は以下のようなメリットを得ることができます。
- 従業員満足度の向上： 多様な優待サービスにより、従業員の日常生活をサポートし、満足度を高めることができます。これは、従業員のモチベーション向上や生産性の向上につながる可能性があります。
- 人材の確保と定着： 充実した福利厚生は、求職者にとって魅力的な要素となります。また、既存の従業員の定着率向上にも寄与します。
- コスト効率の良い福利厚生の実現： 月額385円（税込）からという低コストで導入できるため、中小企業でも手軽に福利厚生サービスを提供できます。
- 運営負担の軽減： 完全アウトソーシング型のサービスであるため、企業側の運営負担が少なくなります。人事部門の業務効率化にもつながります。
- 多言語対応による外国人従業員のサポート： 日本語、英語、中国語（簡体字、繁体字）、ベトナム語に対応しているため、外国人従業員も利用しやすい環境が整っています。
- 法人向けサポートの充実： オフィス用品の割引や複合機の経費削減提案など、業務効率化を促進できる特典も用意されています。
- 地方企業でも利用可能： 全国25,000以上の施設で利用可能なため、都市部以外の企業でも充実したサービスを提供できます。
これらのメリットにより、セゾンフクリコは特に中小企業にとって、従業員の満足度向上と企業の競争力強化を同時に実現できる有効なツールとなっています。
5. 従業員にとってのメリット
セゾンフクリコの導入により、従業員は以下のようなメリットを享受できます。
- 日常生活の充実： 映画、レジャー、グルメなど、日常生活を豊かにする様々なサービスを割引価格で利用できます。例えば、映画観賞券が1,300円（税込）から購入可能となり、娯楽費の節約につながります。
- 家族も利用可能： 従業員本人だけでなく、配偶者や二親等内の家族も利用できるため、家族全体の生活の質を向上させることができます。
- 多様なライフスタイルへの対応： レジャーから育児・介護サポート、キャリア支援まで幅広いサービスが用意されているため、各従業員のライフステージやニーズに合わせて利用できます。
- コスト削減： 最大66％OFFという高い割引率により、普段利用しにくいサービスも気軽に利用できるようになります。
- 利便性の高さ： 専用サイトからいつでも簡単に優待サービスを利用できるため、手続きの手間が少なく、利用しやすい環境が整っています。
- キャリアサポート： 資格取得のための講座割引などが用意されており、自己啓発やスキルアップの機会を得やすくなります。
- 健康増進： スポーツ施設の利用割引などを通じて、健康的な生活習慣の形成をサポートします。
- 多言語対応： 日本語、英語、中国語、ベトナム語に対応しているため、外国人従業員も不自由なく利用できます。
これらのメリットにより、従業員は仕事以外の生活面でも会社からのサポートを実感でき、ワークライフバランスの向上や会社への帰属意識の強化につながる可能性があります。
6. 導入事例と効果
セゾンフクリコの導入事例と、その効果について紹介します。具体的な企業名は公開されていませんが、以下のような導入効果が報告されています。
- 中小製造業A社（従業員50名）
- 導入前の課題：福利厚生の不足による人材確保の困難さ
- 導入後の効果：採用面接での好印象向上、従業員の定着率10％上昇
- IT企業B社（従業員100名）
- 導入前の課題：若手従業員の離職率の高さ
- 導入後の効果：従業員満足度調査で「会社の福利厚生に満足」と回答する割合が30％上昇、離職率が15％低下
- 小売業C社（従業員200名）
- 導入前の課題：店舗スタッフのモチベーション向上
- 導入後の効果：接客評価スコアが平均10％上昇、従業員のサービス利用率が80％を超える
これらの事例から、セゾンフクリコの導入が従業員の満足度向上や人材確保・定着に寄与していることがわかります。特に、中小企業にとっては、低コストで効果的な福利厚生を実現できる点が大きなメリットとなっています。
また、金融機関との提携による導入事例も報告されています。例えば、大阪シティ信用金庫やスルガ銀行では、取引先の中小企業向けにセゾンフクリコを紹介する取り組みを開始しています。これにより、地域の中小企業の経営支援や従業員のエンゲージメント向上をサポートする効果が期待されています。
【用語解説：エンゲージメント】
従業員エンゲージメントとは、従業員が自社に対して感じる愛着や帰属意識、仕事への熱意や没頭度を指します。高いエンゲージメントは、生産性の向上や離職率の低下、顧客満足度の向上などにつながるとされ、多くの企業が重視しています。
7. 他の福利厚生サービスとの比較
セゾンフクリコと他の福利厚生サービスを比較することで、その特徴がより明確になります。以下、主な点について比較します。
コスト面
- セゾンフクリコ：月額385円（税込）/人からと、業界最安値水準
- 他社サービス：一般的に500円～1,000円/人程度
導入のしやすさ
- セゾンフクリコ：5名単位での申し込みが可能で、中小企業でも導入しやすい
- 他社サービス：最低利用人数が多いものもあり、小規模企業には導入が難しい場合がある
サービス内容
- セゾンフクリコ：全国25,000以上の施設で最大66％OFFの優待が利用可能
- 他社サービス：提携施設数や割引率は各社で異なるが、一般的に10,000～20,000施設程度
運営負担
- セゾンフクリコ：完全アウトソーシング型で企業側の運営負担が少ない
- 他社サービス：一部のサービスでは企業側での管理や運営が必要な場合がある
多言語対応
- セゾンフクリコ：日本語、英語、中国語（簡体字、繁体字）、ベトナム語に対応
- 他社サービス：多言語対応していないものも多い
カスタマイズ性
- セゾンフクリコ：標準的なサービスメニューを提供
- 他社サービス：企業ごとにカスタマイズ可能なものもある
付帯サービス
- セゾンフクリコ：プラチナプランでは年間5,000円相当のギフトポイントを付与
- 他社サービス：各社独自の付帯サービスを提供しているケースがある
このように、セゾンフクリコは特に中小企業向けに特化した、コストパフォーマンスの高いサービスとして位置づけられています。一方で、大企業向けの高度にカスタマイズされたサービスを求める場合は、他社サービスの方が適している可能性もあります。
8. セゾンフクリコの利用方法
セゾンフクリコの具体的な利用方法について解説します。
- 会員登録
- 企業が契約後、従業員に個別のIDが発行されます。
- 従業員は専用のWebサイトで個人情報を登録し、アカウントを作成します。
- ログイン
- セゾンフクリコの公式サイトにアクセスし、発行されたIDとパスワードでログインします。
- サービスの検索
- ログイン後、利用したいサービスのカテゴリーを選択します（例：映画、レジャー、グルメなど）。
- 地域や施設名で検索することも可能です。
- 優待券の取得
- 利用したいサービスを選択し、優待券を取得します。
- 優待券はスマートフォンの画面に表示されるか、印刷して利用します。
- サービスの利用
- 実際の利用時に、取得した優待券を提示します。
- 一部のサービスでは、事前予約が必要な場合があります。
- 支払い
- 割引後の金額を、その場で直接支払います。
- 一部のサービスでは、事前にクレジットカード決済が必要な場合があります。
- ポイント利用（プラチナプランの場合）：
- 年間5,000円相当のギフトポイントを、各種サービスの利用時に使用できます。
- 利用履歴の確認
- マイページで過去の利用履歴を確認することができます。
利用にあたっての注意点
- 一部のサービスには利用制限があります（例：映画観賞券は年間20枚まで）。
- 繁忙期や特定の日程では、優待が適用されない場合があります。
- 家族の利用には、事前に家族情報の登録が必要です。
【用語解説：優待券】
優待券とは、特定のサービスや商品を通常よりも割引価格で利用できる権利を示すものです。セゾンフクリコの場合、デジタル形式の優待券が多く、スマートフォンの画面に表示されるQRコードや番号を提示することで利用できます。
9. セゾンフクリコの安全性と個人情報保護
セゾンフクリコは、利用者の個人情報を扱うサービスであるため、セキュリティと個人情報保護に関する取り組みは非常に重要です。以下、主な安全対策について解説します。
- 情報セキュリティマネジメントシステム（ISMS）認証
- セゾンフクリコを運営する株式会社フクリコは、ISO/IEC 27001:2013の認証を取得しています。
- これにより、情報セキュリティに関する国際基準を満たしていることが証明されています。
- プライバシーマーク認定
- 株式会社フクリコは、一般財団法人日本情報経済社会推進協会（JIPDEC）よりプライバシーマークの認定を受けています。
- 個人情報保護に関する体制が整備されていることを示しています。
- データの暗号化
- 通信データはSSL/TLS暗号化技術により保護されています。
- 保存されている個人情報も適切に暗号化されています。
- アクセス制御
- 個人情報へのアクセスは、必要最小限の担当者のみに制限されています。
- 定期的なアクセス権限の見直しも行われています。
- 定期的なセキュリティ監査
- 外部の専門機関による定期的なセキュリティ監査が実施されています。
- 脆弱性診断や侵入テストなども行われ、常に最新のセキュリティ対策が講じられています。
- 従業員教育：
- セゾンフクリコの運営に関わる従業員に対して、定期的な情報セキュリティ教育が実施されています。
- 個人情報保護に関する意識向上と、適切な取り扱いの徹底が図られています。
- インシデント対応体制
- 情報セキュリティインシデントが発生した場合の対応手順が明確に定められています。
- 迅速かつ適切な対応を行うための体制が整備されています。
- 第三者提供の制限
- 利用者の個人情報は、法令に基づく場合や本人の同意がある場合を除き、第三者への提供は行われません。
これらの対策により、セゾンフクリコは高いレベルの安全性と個人情報保護を実現しています。利用者は安心してサービスを利用することができますが、同時に自身のID・パスワード管理にも注意を払う必要があります。
【用語解説：SSL/TLS】
SSL（Secure Sockets Layer）とTLS（Transport Layer Security）は、インターネット上で情報を暗号化して送受信するためのプロトコルです。これにより、通信の盗聴や改ざんを防ぎ、安全なデータのやり取りを実現します。
10. セゾンフクリコの課題と今後の展望
セゾンフクリコは、中小企業向けの福利厚生サービスとして注目を集めていますが、いくつかの課題も指摘されています。これらの課題と、今後の展望について考察します。
課題
- サービス内容の地域格差
- 都市部と地方では利用可能な施設数に差があり、地方の従業員にとってはメリットが少ない場合があります。
- 利用率の向上
- 従業員への周知不足や、利用方法の複雑さにより、実際の利用率が低い企業も存在します。
- カスタマイズ性の不足
- 標準的なサービスメニューのため、企業独自のニーズに対応しきれない場合があります。
- 競合他社との差別化
- 類似のサービスを提供する競合他社も増加しており、独自性の維持が課題となっています。
- データ活用の制限
- 現状では、従業員の利用データを企業側で詳細に分析することが難しい面があります。
今後の展望
- AIを活用したパーソナライゼーション
- 従業員の利用履歴や嗜好を分析し、個々のニーズに合わせたサービス推奨を行うことで、利用率の向上が期待できます。
- 地域特化型サービスの拡充
- 地方の中小企業向けに、地域の特性を活かしたサービスメニューを開発することで、地域格差の解消を図ることができます。
- 健康経営との連携
- 健康診断データとの連携や、健康増進プログラムの導入により、従業員の健康管理をサポートする機能の強化が考えられます。
- SDGsへの対応
- 環境に配慮したサービスの追加や、社会貢献活動との連携など、SDGsの観点からサービスの拡充が期待されます。
- ブロックチェーン技術の導入
- 優待券の発行や利用履歴の管理にブロックチェーン技術を活用することで、セキュリティの向上や運用コストの削減が可能になる可能性があります。
- 他社サービスとの連携強化
- 人事管理システムや勤怠管理システムとの連携により、より包括的な従業員支援サービスへの発展が考えられます。
- グローバル展開
- 多言語対応を活かし、日本国内の外国人従業員だけでなく、海外拠点を持つ企業向けにサービスを展開する可能性があります。
これらの課題に対応し、新たな展開を図ることで、セゾンフクリコは今後さらに成長する可能性を秘めています。特に、テクノロジーの活用や社会的ニーズへの対応が、サービスの進化の鍵となるでしょう。
【用語解説：健康経営】
健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点から考え、戦略的に実践することです。従業員の健康増進が生産性の向上や医療費の削減につながるという考えに基づいており、近年多くの企業が注目しています。
まとめ
セゾンフクリコは、中小企業向けの新しい福利厚生サービスとして、従来の概念を覆す革新的なアプローチを提供しています。低コストで導入可能な点や、幅広いサービス内容、完全アウトソーシング型の運営方式など、多くの特徴を持っています。
企業にとっては、従業員満足度の向上や人材の確保・定着に寄与し、従業員にとっては日常生活の充実やワークライフバランスの向上につながるポテンシャルを秘めています。特に、これまで充実した福利厚生の提供が難しかった中小企業にとって、大きな機会となる可能性があります。
一方で、地域格差の解消やカスタマイズ性の向上、利用率の改善など、いくつかの課題も存在します。これらの課題に対応しつつ、AIやブロックチェーンなどの最新技術を活用することで、さらなる進化が期待されます。
今後、働き方の多様化や従業員のニーズの変化に合わせて、セゾンフクリコのようなサービスの重要性はますます高まるでしょう。企業は、このようなサービスを単なるコストではなく、人材戦略の重要な要素として捉え、積極的に活用していくことが求められます。
従業員の皆さんも、自社の福利厚生サービスの内容を十分に理解し、積極的に活用することで、より充実した職業生活を送ることができるでしょう。セゾンフクリコは、企業と従業員の双方にとって、新たな可能性を開く鍵となる可能性を秘めています。
関野 良和