「債権まもるくん」がサービス開始、中小企業向けの売上債権を守る新たな保証サービス

「債権まもるくん」がサービス開始、中小企業向けの売上債権を守る新たな保証サービス
ライター:関野 良和

名古屋商工会議所が保証サービス「債権まもるくん」の販売を開始

名古屋商工会議所は2024年9月2日より、中小企業向けの新しい債権保証サービス「債権まもるくん」の販売を開始しました。このサービスは、取引先の支払い遅延や倒産などにより売上債権の回収が困難になった際、保証金を提供するもので、連鎖倒産の防止や企業の安定した経営をサポートします。保証額は100万円から最大1億円まで対応しており、5社以上の取引先に対して任意で保証を選択できる柔軟な仕組みが特徴です。掛金は一律2.5%で、既存の信用保険に上乗せする形でも利用可能です。

このニュースのポイント

  • 名古屋商工会議所が中小企業向けの債権保証サービス「債権まもるくん」を開始。
  • 支払い遅延や倒産などによる売上債権の回収困難時に保証金が支払われる。
  • 100万円から1億円までの保証額に対応、5社以上の取引先を任意に選択可能。
  • 掛金は一律2.5%で明瞭な料金体系。

名古屋商工会議所が保証サービス「債権まもるくん」の販売を開始

「債権まもるくん」提供開始の背景

昨今の経済環境の変動により、取引先の倒産や支払い遅延が増加し、企業間取引における与信管理の重要性が高まっています。特に中小企業は、大手企業に比べて資金繰りの悪化や連鎖倒産のリスクにさらされやすく、適切な対策が急務となっています。名古屋商工会議所は、このようなリスクに対処するため、従来の「売上債権保全制度」に加え、中小企業が利用しやすい「債権まもるくん」を新たに提供することで、会員企業の事業継続を支援しています。

「債権まもるくん」の特徴

「債権まもるくん」は、取引先が3ヶ月以上代金を支払わない場合や、倒産・夜逃げなどで代金が回収できない場合に保証金を提供するサービスです。保証の対象となる取引先は最低5社から選択可能で、保証額は最大1億円までカバーされます。また、既存の取引信用保険に上乗せして利用することができるため、さらなる安心感を得ることができます。掛金は年払いで一律2.5%という分かりやすい料金設定も魅力です。

「債権まもるくん」のメリット

  1. 連鎖倒産の防止
    取引先の倒産などで売上債権の回収が困難になった場合でも、保証金が支払われるため、中小企業の経営安定に寄与します。
  2. 柔軟な利用条件
    最低5社以上の取引先を任意で選択できるため、企業ごとのリスク管理に応じたカスタマイズが可能です。
  3. 明瞭な料金体系
    保証額に対して年払いで一律2.5%の掛金であり、コスト管理がしやすい点が企業にとって大きなメリットです。

「債権まもるくん」のデメリット

  1. 対象が会員企業限定
    この保証サービスは、名古屋商工会議所の会員企業に限定されているため、非会員企業は利用できません。
  2. 保証対象の制約
    保証対象となる取引先は最低5社必要であるため、取引先が少ない企業にとっては利用のハードルが高い場合があります。
  3. 掛金の負担
    保証額に応じて掛金が決まるため、特に大規模な取引に対しては掛金の負担が重くなる可能性があります。

中小企業にとって重要なリスクヘッジ手段

「債権まもるくん」のような保証サービスは、中小企業にとって重要なリスクヘッジ手段となります。特に、日本では取引先の倒産による連鎖倒産のリスクが高いため、こうした保証サービスの利用は、企業の経営安定に大きく寄与すると考えられます。しかし、保証を受けるためには一定の掛金負担が伴うため、各企業は自社のリスクとコストのバランスを慎重に見極める必要があります。また、会員限定での提供という制約もあり、サービスの拡充や対象企業の拡大が求められるでしょう。 このような保証サービスがあれば、経営への打撃を軽減できるようになり、中小企業は大手に比べてリスクに対する備えが不足していることが多いため、「債権まもるくん」のようなサービスは非常に心強い存在だと感じます。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としている。 港区を中心にグルメ情報にも精通しており、独自の切り口でレポートを行う。
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