コインチェックは”危ない”、”怖い”、”手数料が高すぎる”といわれているのはなぜ?

コインチェックは”危ない”、”怖い”、”手数料が高すぎる”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

”コインチェックはヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

本当に”コインチェックは危ない”のか? デメリットとメリットから真相に迫る

コインチェックについてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。国内最大級の仮想通貨取引所として知られるコインチェック(Coincheck)は、「危ない」「怖い」「手数料が高すぎる」といった口コミが見られることがあります。しかし、これらの評判は事実に基づいているのでしょうか?それとも誤解から生じているのでしょうか?今回は、様々な視点からコインチェックの実態を調査し、メリット・デメリットを包括的に分析していきます。

コインチェックが「危ない」と言われる主な理由

過去のハッキング事件の影響

コインチェックが「危ない」と言われる最大の理由は、2018年1月に発生した大規模なハッキング事件にあるようです。この事件では、約580億円相当のNEM(ネム)が不正に流出したと報告されています。この事件はマウントゴックス事件を上回る規模であり、当時は大々的に報道され、仮想通貨業界全体に大きな影響を与えました。

あるユーザーは次のように述べています。

「DMMからビットコイン流出。コインチェック事件を思い出しますが、またあの国の仕業でしょうか?幸い日本では、不正流出があっても全額補償される仕組みがあるので安心です。」

この事件の影響で、「コインチェックはやばい」「やめたほうがいい」といった声がネット上で見られることがあります。過去にこれほどの事件があったということを考えると、セキュリティ面での懸念を持つユーザーがいるのは自然なことと言えるでしょう。

他の仮想通貨取引所の経営破綻事例

また、仮想通貨業界では過去に「安全」と思われていた取引所が経営破綻したケースがあります。例えば、マウントゴックス社は2014年にハッキングによって約470億円のビットコインを失い経営破綻しました。また、2023年には米国の大手取引所FTXが資金繰りの悪化により経営破綻しています。

こうした事例から、「コインチェックもいつかやめとけと言われる日が来るのでは?」という不安を抱くユーザーもいるようです。実現性は低いものの、リスクがゼロではないことを意識しておく必要があるでしょう。

偽サイトによる被害

さらに、コインチェックを装った偽サイトによる金銭的被害も報告されているようです。これはコインチェック自体の問題というよりも、そのブランド名を悪用した第三者による詐欺行為ですが、こうした事例もコインチェックの評判に影響を与えている可能性があります。

「手数料が高すぎる」という評判について

入出金手数料の比較

コインチェックの手数料が高いという評判も多く見られます。特に入金手数料に関しては、他の取引所と比較して高めの設定となっているようです。

コインチェックの入出金手数料は以下の通りです。

  • 銀行入金:無料
  • コンビニ入金/クイック入金:3万円未満で770円、3万円以上で1,018円
  • 出金手数料:407円

これを他の取引所と比較すると、例えばGMOコインでは入金も出金も無料となっています。DMM Bitcoinも入金は無料、bitbankは住信SBIネット銀行からの入金なら無料となっているなど、より安い選択肢が存在します。

スプレッドの広さ

また、販売所形式での取引におけるスプレッド(売買価格の差)が広いという点も指摘されています。

あるユーザーはこう評価しています。

「コインチェックの残念なところは、販売所形式での売買のスプレッドが広すぎるところです。取引所形式の板取引の手数料は安いですが、販売所形式での売買のスプレッドはかなり広くなっているので短期間での売買には向きません。」

このようなスプレッドの広さは、特に短期売買を行うトレーダーにとって大きなデメリットとなる可能性があります。

送金手数料の高さ

仮想通貨の送金手数料も、一部の通貨で高いとの指摘があります。ビットコインの送金手数料を比較すると、コインチェックは0.0005BTCかかるのに対し、GMOコインやDMM Bitcoinでは無料となっています。

コインチェックの公式サイトでは「手数料を抑える方法や更に手数料を抑えたい人におすすめの取引所もご紹介します!」といった記載があるように、同社自身も手数料の高さを認識している可能性があります。

コインチェックの「欠点」とされるその他の要素

板取引の制限

コインチェックでは、販売所での取引可能な通貨は多いものの、板取引(取引所形式)ができる通貨が非常に少ないという指摘もあります。

53歳の男性ユーザーはこう述べています。

「現物取引のみ対応可能というところはデメリットだと思います。また、販売所での取引可能な通貨は多いが、板取引ができる通貨が非常に少なくなっているところもデメリットだと思う。板取引も正直やりづらい仕様となっている。」

これは特に、より本格的なトレードを行いたいユーザーにとっては「おすすめしない」ポイントとなるかもしれません。

レバレッジ取引の終了

2020年3月13日にレバレッジ取引の提供を終了しており、現在は現物取引か販売所取引しかありません。これもまた、一部のユーザーにとっては選択肢が限られるというデメリットとなるでしょう。

コインチェックの「やばくない」良い面とは?

ここまでネガティブな評判を見てきましたが、コインチェックには多くの「利点」や良い評判も存在します。

初心者にとっての使いやすさ

コインチェックは「日本で一番簡単にビットコインを買える取引所」をうたっており、特に初心者からの評価が高いようです。

21歳の女性ユーザーはこう評価しています。

「暗号資産の草分け的な存在で、常に初心者へ使いやすいような操作性を目指しているところが一番気に入りました。取引の際に見るべき箇所やチャート画面での変動における見極め方をガイダンスによって教えてくれるので、未経験者が容易に扱えるところが魅力的でした。」

また、ウェブサイトとアプリのUIデザインが直感的で分かりやすいという点も多くのユーザーから好評を得ているようです。

取扱通貨の豊富さ

コインチェックは2025年1月時点で31種類以上の暗号資産を取り扱っており、これは国内の取引所の中でも最多水準です。

特筆すべきは、サンド($SAND)やパレットトークン($PLT)といった、国内ではコインチェックでしか購入できない通貨もあるという点です。このような豊富な選択肢は、様々な通貨に投資したいユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。

充実したサービス内容

コインチェックは単なる取引所としてだけでなく、様々な付加価値サービスを提供しています。

  • Coincheckつみたて:口座振替による自動積立サービスで、毎日積立ができる
  • 最大年率5%の貸暗号資産サービス:保有している暗号資産をコインチェックに貸し出すことで利用料を得られる
  • Coincheck IEO:将来的な値上がりに期待が寄せられる銘柄をいち早く購入できるサービス
  • NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」の提供

これらのサービスは、単に暗号資産を売買するだけでなく、多様な資産運用の選択肢を提供している点で評価されています。

安全性向上への取り組み

2018年のハッキング事件以降、コインチェックはセキュリティを強化する取り組みを行っているようです。また、マネックスグループの傘下に入ったことで経営基盤も強化されています。

28歳の男性ユーザーはこう評価しています。

「コインチェックはマネックスグループの傘下に入っている企業であり、安心感もある。さらには、日本で初めてIEOを行うなど、先進的な取り組みにも好感が持てる。」

また、過去のハッキング被害があった際には、ユーザーに対して補償が行われたという点も信頼性につながっているようです。

取引手数料の利点

コインチェックの手数料に関しては、高いという評判がある一方で、実はメリットもあります。特に、取引所形式でのビットコイン取引手数料が無料である点は大きな利点です。

また、Taker手数料は他の取引所と比較しても「トップクラスで安い」との評価もあります。これは、頻繁にビットコインの取引を行うユーザーにとっては大きなメリットとなるでしょう。

真相:コインチェックは本当に危ないのか?

これまでの調査から、コインチェックに関する懸念点とメリットの両面が見えてきました。では、コインチェックは本当に「危ない」のでしょうか?

セキュリティへの対応

確かに2018年の大規模なハッキング事件は事実です。しかし、その後コインチェックは以下のような対応を行っています。

  • ユーザーへの被害額の全額補償
  • マネックスグループ傘下に入り、経営基盤を強化
  • セキュリティ対策の強化

これらの対応から、過去の教訓を活かしてセキュリティ対策を強化していると考えられます。また、事件発生時にもユーザーへの補償が行われたという点は、万が一の際の安心材料と言えるでしょう。

手数料は本当に高すぎるのか

手数料については確かに一部高めの設定があります。特に入金手数料(コンビニ/クイック入金)やスプレッド、一部の送金手数料などは他社と比較して高い傾向にあるようです。

しかし、すべての手数料が高いわけではなく、例えば取引所でのビットコイン取引手数料は無料であるなど、メリットもあります。また、Taker手数料は他の取引所と比較してもトップクラスに安いとされています。

結論として、コインチェックの手数料が「高すぎる」かどうかは、どの手数料に着目するか、そして自分の取引スタイルによって異なると言えるでしょう。

コインチェックはどんな人におすすめなのか

これまでの分析を踏まえると、コインチェックは以下のようなユーザーに特に「おすすめ」できると考えられます。

初心者におすすめの理由

  • 直感的に操作できるUI設計
  • シンプルな画面レイアウト
  • 初心者向けのガイダンス機能
  • スマホアプリの使いやすさ

暗号資産取引の経験が少ない方にとって、コインチェックの分かりやすいインターフェースは大きなメリットとなるでしょう。

多様な通貨に投資したい人におすすめの理由

  • 31種類以上の暗号資産を取り扱い
  • 国内でしか買えない通貨も取扱い
  • すべての通貨を日本円で直接購入可能

様々な暗号資産に分散投資したい方や、マイナーな通貨にも投資したい方にとって、コインチェックの豊富な取扱通貨は大きな魅力となるでしょう。

長期投資を考えている人におすすめの理由

  • Coincheckつみたてによる自動積立投資が可能
  • 最大年率5%の貸暗号資産サービス
  • マネックスグループ傘下の安定した経営基盤

長期的な資産形成を目指す方にとって、これらのサービスは効率的な運用手段となる可能性があります。

まとめ:コインチェックの総合評価

コインチェックについて、ネガティブな評判と良い評判の両面から検討してきました。確かに過去のハッキング事件や一部の高い手数料など、懸念点は存在します。しかし、それらの多くは過去の問題であったり、すでに対策が講じられていたり、あるいは取引スタイルによっては問題にならない場合もあります。

コインチェックは国内最大規模の仮想通貨取引所として、初心者への使いやすさ、豊富な取扱通貨、多様なサービス展開など、多くの「利点」を持っています。マネックスグループ傘下に入ったことで経営基盤も強化され、過去の教訓を活かしたセキュリティ対策も進んでいると考えられます。

最終的には、自分の投資スタイルや優先事項に合わせて判断することが重要です。特に初心者の方や、多様な通貨に投資したい方、長期的な資産形成を考えている方にとっては、コインチェックは「やばくない」選択肢の一つとなるでしょう。

もちろん、仮想通貨投資自体にリスクがあることは忘れてはなりません。どの取引所を選ぶにしても、投資は自己責任で行い、リスク管理を徹底することが大切です。コインチェックの評判について正しく理解し、自分のニーズに合った取引所を選ぶための一助となれば幸いです。

よくある質問(FAQ)

Q: コインチェックは今でも危ないですか?

A: 2018年のハッキング事件以降、コインチェックはセキュリティ対策を強化しているようです。マネックスグループ傘下に入り経営基盤も強化されており、過去の教訓を活かした対策が講じられていると考えられます。完全なリスクゼロとは言えませんが、以前よりもセキュリティは向上していると言われています。

Q: コインチェックの手数料は本当に高いのですか?

A: 一部の手数料(特にコンビニ入金やクイック入金、一部の送金手数料)は他社と比較して高めです。ただし、取引所でのビットコイン取引手数料は無料であり、Taker手数料も比較的安いなど、メリットもあります。手数料が高いかどうかは、どの手数料に着目するか、そして自分の取引スタイルによって異なります。

Q: コインチェックで過去に起きたハッキング事件はどのようなものでしたか?

A: 2018年1月にコインチェックから約580億円相当のNEM(ネム)が不正に流出しました。この事件は仮想通貨史上最大級のハッキング事件となり、大きな話題となりました。その後、コインチェックはユーザーに対して補償を行い、セキュリティ対策を強化しています。

Q: コインチェックはどんな人におすすめですか?

A: コインチェックは特に以下のような方におすすめです。

  • 初心者(使いやすいUI設計、分かりやすい操作性)
  • 多様な通貨に投資したい方(31種類以上の取扱通貨)
  • 長期投資を考えている方(自動積立サービス、貸暗号資産サービスなど)

Q: コインチェックのアプリはどうですか?

A: コインチェックのスマホアプリは使いやすさで高い評価を得ているようです。チャートや時価評価額の確認だけでなく、入出金や取引など一通りの機能を利用できます。また、ウィジェット機能やプッシュ通知機能も備えており、便利に利用できると言われています。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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