ソニー損保が「降雹アラートサービス」を提供開始

ソニー損保が「降雹アラートサービス」を提供開始
ライター:関野 良和

ひょう災から車を守る、天候リスクへの新たな備えとなるソニー損保の新サービス

異常気象時代の自動車保険に、新たな安心をプラス

近年、突発的で局地的な天候被害が相次いでいます。特に注目されているのが、短時間で甚大な被害をもたらす「ひょう(雹)」による災害です。車のフロントガラスが割れたり、ボディに無数のへこみができるなど、その被害は決して軽視できません。
このような背景の中、ソニー損害保険株式会社(以下、ソニー損保)は、2025年5月より自動車保険契約者向けに「降雹アラートサービス」を提供開始します。本サービスは、株式会社ウェザーニューズの気象データを活用し、降ひょうのリスクが高い地域の契約者へメールで事前に注意を促すという仕組みです。
自然災害のリスクと隣り合わせの今、損害を「補償」するだけでなく、「予防」にも取り組む新たなサービスの誕生は、ユーザーにとって非常に意義深いと言えるでしょう。

ひょう被害の現状とサービスの必要性

そもそも、ひょうによる被害はどれほど深刻なのでしょうか。
通常のひょうの大きさは直径10mm程度ですが、時にゴルフボール大のひょうが降ることもあります。実際に、車の窓ガラスが割れたり、全体に深い傷が残るケースも多く報告されています。
さらに、修理には高額な費用と時間がかかるだけでなく、大規模なひょう災発生時には地域の修理工場に依頼が集中し、修理完了まで数週間、場合によっては数ヶ月待つケースもあるのです。

車両保険に加入していれば補償は受けられますが、保険金請求後は翌年の保険料が上がるため、金銭的な負担を完全には回避できません。保険未加入であれば修理費は全額自己負担となり、さらに負担が大きくなります。
こうした背景から、ひょうによるリスクを「事前に知り、備える」ことの重要性が急速に高まっているのです。

「降雹アラートサービス」とは?具体的な仕組み

今回ソニー損保が導入する「降雹アラートサービス」は、株式会社ウェザーニューズが提供する「WxTech(ウェザー・テック)」の「ひょうリスク予測API」を活用したものです。

具体的には、降ひょうが予測される市区町村に住む自動車保険契約者に対して、前日夜にアラートメールを配信します。このメールでは、単に「注意してください」という呼びかけにとどまらず、被害を避けるための具体的なアドバイス(例えば、屋根のある場所に車を停める、カーポートを活用するなど)も記載されます。

さらに、車両保険に加入しているユーザーには、翌日に別メールが届き、万が一被害が発生した際の保険金請求の方法や、LINE・ウェブサイトを使ったスムーズな事故受付手続きについても案内されます。
このように、事前予防から事故後のフォローまで一貫したサポートが特徴です。

今後の期待とユーザーへのメリット

このサービスにより、ユーザーはひょうによる突発的な被害を回避できるだけでなく、「万が一」にも冷静に対応できる安心を得られます。特に、ひょうのような局地的な災害は、天気予報だけでは把握しきれないケースもあるため、ピンポイントでアラートを受け取れるこの仕組みは、まさに実用的な災害対策といえるでしょう。

また、保険業界全体としても、単なる「事後の補償」にとどまらず、「予防」や「リスク軽減」に重きを置いたサービスの拡充が進んでおり、今回のソニー損保の取り組みはその先駆けとなる可能性があります。

まとめ:保険の新しいカタチへ

ソニー損保は「価値ある『違い』で安心と感動を」というビジョンのもと、ユーザー体験を重視したサービス開発に取り組んでいます。
今回の「降雹アラートサービス」もその一環であり、単なる商品提供にとどまらず、契約者一人ひとりの「暮らしの安心」に寄り添う姿勢が感じられます。

気象リスクの高まりとともに、保険の「あり方」も進化を求められる時代。ソニー損保の新サービスは、保険業界の新しいスタンダードとなるかもしれません。

執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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