ビットコインは”やめたほうがいい”といわれているのはなぜ?

ビットコインは”やめたほうがいい”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

ビットコインはヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

ビットコインをはじめとする仮想通貨(暗号資産)についてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。近年、ビットコインは「やめとけ」「やばい」といった否定的な見方が一部で広がる一方で、将来性を評価する声もあります。このような相反する意見が存在するなか、実際のところビットコインへの投資は本当に避けるべきなのでしょうか。本記事では仮想通貨に関する様々な視点を検証し、その実態に迫ります。

ビットコインが「やめたほうがいい」と言われる主な理由

価格変動率(ボラティリティ)が高いリスク

仮想通貨は、従来の金融商品と比較して価格の変動率(ボラティリティ)が極めて高いことが特徴です。株式市場では「ストップ高」「ストップ安」という値幅制限が設けられていますが、ビットコインにはそうした制限がないため、1日で価格が大きく変動することがあります。

「価格が一日で20%以上下落するケースもあるため、ハイリスクハイリターンな金融商品といえます」という指摘もあります。実際、2023年のビットコインは年初の約200万円から年末には約450万円まで上昇し、約155%の上昇率を記録したとされています。

このような急激な価格変動は、投資初心者にとって大きなリスク要因となっていると言われています。「大きなリターンを得られるメリットがある一方で、大きな損失を受ける恐れも十分あります」という指摘は、ビットコインの本質的な特性を表しているのではないでしょうか。

ハッキングや詐欺被害の危険性

仮想通貨取引所がハッキングの被害に遭う可能性も、「やめたほうがいい」と言われる重要な理由の一つです。「2024年には、国内仮想通貨取引所であるDMMBitcoinから、482億円相当のビットコインがハッキングされました」という事例が報告されています。

このような大規模なハッキング事件は、テレビニュースでも報道されるため、仮想通貨に興味がない人にも知られることとなり、ビットコインに対する不信感を増幅させていると考えられます。

「取引所がハッキングなどを受けて破たんした場合でも補償が受けられないことがあります」という点も、投資家にとって大きな不安要素となっているようです。

高い税率と複雑な税金計算

日本では仮想通貨取引で得た利益は総合課税扱いとなり、最大税率が55%にも達することが大きなデメリットとして挙げられています。これは株式投資などの他の金融商品と比較しても高い水準です。

「会社員の場合、年間20万円以上の売買益があると、仮想通貨で得た利益は雑所得に該当し、確定申告の対象となります」という規定があります。さらに、「仮想通貨は取引所の売買で得た利益以外にも、仮想通貨で仮想通貨を購入した場合やステーキング報酬を得た場合など、様々なケースが課税対象」となるため、税金計算が非常に複雑になります。

「利益が発生しているのに、計算が面倒だから」という理由で放置してしまうと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが発生する恐れもあるようです。

使用できる店舗やサービスの限定性

仮想通貨が実際に使える店舗やサービスはまだ限られているという点も指摘されています。法定通貨として正式に認められている国も少なく、日常的な決済手段としての実用性には制約があるようです。

これは仮想通貨を「通貨」として利用したい場合の大きな欠点となっており、純粋な投資対象としてみなさざるを得ない状況につながっていると考えられます。

レバレッジ取引のリスク

仮想通貨では、少ない資金で大きな取引ができる「レバレッジ取引」が可能ですが、これによって大きな損失を被るリスクも高まります。特に初心者や投資経験の少ない人が身の丈に合わないレバレッジをかけて取引すると、資産を大きく失う可能性があると言われています。

「FX(外国為替証拠金取引)のように、値幅の小さい金融商品と同様の感覚でレバレッジ取引をすると、大損を抱えてしまう」というリスクが存在します。

専門知識の必要性

仮想通貨には「ブロックチェーン」「ウォレット」「マイニング」など多くの専門用語があり、仕組みが複雑で初心者には分かりにくいという特徴があります。このような専門的な知識がないまま投資すると、リスクを正確に把握できずに損失を被る可能性が高まるでしょう。

技術的な理解がなくても投資自体は可能ですが、仮想通貨の本質や将来性を正確に評価するためには、ある程度の専門知識が必要とされているようです。

ビットコインに関する誤解を解く

「仮想通貨=ギャンブル」という認識は正確か?

仮想通貨は多くの人から「ギャンブルのようなもの」と見なされがちですが、これは必ずしも正確ではないという見方もあります。重要なポイントは、「短期になればなるほどギャンブル性(投機性)が高まる」という点です。逆に言えば、中長期投資であれば「ギャンブル性は減少」するとも考えられています。

実際、ビットコインには「ストックフローモデル」という長期的な価格予想モデルが存在し、長期目線では価格上昇が見込まれているという意見もあります。つまり、「仮想通貨=ギャンブル」ではなく、「仮想通貨の短期売買=ギャンブル性が高い」と捉えるべきだという主張もあるようです。

マウントゴックス事件に関する誤解

「マウントゴックス事件は、ビットコインを扱っていた業者の一つが破たんしただけで、ビットコイン自体のシステムには何ら問題は起きていない」という指摘があります。取引所の一つに問題があったことが、ビットコイン自体の信頼性に影響を与えてしまったという面は否めませんが、技術そのものに欠陥があったわけではないようです。

匿名性に関する誤解

「ビットコインは匿名性が高いので犯罪に使われる」という誤解もあります。しかし、ビットコイン研究者の斉藤賢爾氏によれば「ビットコインは現金と全く違う性質を持っているから犯罪に使われるというのは間違いで、むしろ現金と同じ性質を持っているから犯罪に使われる」とのことです。

ビットコインは「実はすべての取引の履歴がシステム上公開状態になっている」ため、本人確認を義務付ければマネーロンダリングなどを防ぐことは可能だと考えられています。

「通貨である」という誤解

「どの国の政府もビットコインを正式な通貨と認めていない」という指摘があります。法的には「価値記録」という位置づけであることを政府が明言している場合もあるようです。

一方で、「ドイツは合法な決済手段として認めている」という事例もあり、各国の対応はさまざまです。ビットコインは通貨ではなく「実物資産のような価値を持ち、個人間の決済システムとしてはそれ以上の価値がある」という見方もあります。

「簡単に儲かる」という誤解

「ビットコイン価格は変動の振り幅が大きいので、儲けるのは容易ではない」という指摘があります。「短期的にはいくらか利益が出るかもしれないが、投資に回せる大量の余剰資金がない限り、既存の株式市場で「成長株」を狙うほうが一般投資家向き」とも言われています。

「長期投資を行うなら、歴史の浅いビットコイン市場より実績のある市場が適している」という意見もありますが、これは人によって判断が分かれるところでしょう。

ビットコインの良い評判とメリット

24時間365日取引可能

「株式投資の場合、原則として証券取引所が開いている平日の日中に取引が行われます」が、仮想通貨の取引所であれば、早朝や夜間、休日を利用して売買できるため、平日の日中は仕事などで忙しい人でも始めやすいと言われています。

「早朝や夜間、休日を利用して売買できるため、平日の日中は仕事などで忙しい人でも始めやすい」という点は、サラリーマンや主婦など、日中に時間が取れない投資家にとって大きなメリットと言えるでしょう。

送金・決済の利便性

「円などの法定通貨を送金・決済する場合、基本的には銀行等で振込手続きを行う必要があります」が、仮想通貨は送付先のアドレスを指定するだけで送金・決済が可能です。

「金融機関を通すよりも手数料が安い傾向にあり、通貨の種類によっては手数料無料で送金できる場合もあります」という利点があります。ただし、「送付先のアドレスを間違えると仮想通貨が戻ってこない可能性が高い」という点には注意が必要です。

少額からの投資が可能

多くの取引所では、少額からビットコインを購入することができます。「500円からビットコインを始められる」という表記もあり、高額な初期投資が不要な点はおすすめポイントと言えるでしょう。

例えば、「1円から取引することができる」と記載している取引所もあり、初心者でも気軽に始められる環境が整っています。

長期的な価値上昇の可能性

「長期的に大きな値上がりが予想されている」という意見もあります。「10万円分買っておいたら10年、20年後に数千万円になっている可能性がある」という期待感を持つ投資家も多いようです。

「アメリカ財務省も「デジタルゴールドとしての役割がある」と発言しています」という報告もあり、一定の将来性が期待されている面もあるようです。

大手企業による取引所の信頼性

日本国内にも複数の大手仮想通貨取引所があり、それぞれに特徴があります。例えば、bitFlyer(ビットフライヤー)は「創業以来ハッキング被害ゼロ」という実績があり、「ビットコイン取引量8年連続No.1」という評価を得ています。

ビットフライヤーに関しては「セキュリティの高さもメリットです。強固なセキュリティをいくつも用意されているので安心して取引ができています」という口コミもあります。

主要な仮想通貨取引所の評判

bitFlyer(ビットフライヤー)の評判

bitFlyerは「手数料の高さに不満を感じている方が多い印象」ですが、「何度も取引をしなければ手数料に関して気にしないと考える方もいます」。また、「ハッキング事故を起こしたことがない点や大手ならではの安心感から、選んでいる方も多い」とされています。

「ビットコインの取引高が高いこともあって、板取引において狙っていた価格で取引が成立しやすくなっている点が一番気に入っています」という口コミもあり、流動性の高さが評価されていることがわかります。

一方で、「銀行出金や他社取引所送金などに手数料がかかるため、他の取引所と比べるとそれらの点はデメリット」という声もあります。

Coincheck(コインチェック)の評判

Coincheckは「初心者でも使いやすい暗号資産取引所との高い評価」を得ています。「チャート画面や取引画面が見やすい」という点が初心者に支持されている理由の一つとされています。

また、「国内の取引所の中でも暗号資産の取り扱い種類が多いのが特徴です。2025年1月時点で、31種類以上の暗号資産を取り扱っています」という点も魅力と言えるでしょう。

しかし、「販売所形式での売買のスプレッドが広すぎる」、「現物取引のみ対応可能というところはデメリット」といった不満の声もあります。

GMOコインの評判

GMOコインは「アプリが使いやすい、取り扱い銘柄が豊富・会社が信頼できる」という良い評判があります。「会社が信頼でき、初心者でも取引がわかりやすい。Macでも安心して使える。チャートも見やすい」という口コミもあります。

「ウェブサイトのデザインもかわいい。ビットコインなど初めてなので安心できることが何より大切」という声もあり、初心者に配慮したサービス設計がなされているようです。

DMMビットコインの評判

DMMビットコインの良い口コミ・評判には、「使いやすい」「少額から取引ができる」「アルトコインのレバレッジに対応している」「キャンペーンが充実している」「LINEで365日サポートが受けられる」「手数料が無料で嬉しい!」といった意見が多く集まっているようです。

「DMMビットコインは実際の利用者からの評判も良く、手数料が無料、365日のサポート体制という点からも、非常におすすめの取引所です」という評価もあります。

ビットコインは本当に”やばい”のか?

これまで見てきたように、ビットコインには確かにリスクや欠点が存在します。価格変動の大きさ、ハッキングのリスク、複雑な税金計算、使用店舗の限定性、レバレッジ取引の危険性、専門知識の必要性など、「やめたほうがいい」と言われる理由は多岐にわたります。

しかし一方で、24時間取引可能、送金・決済の利便性、少額投資の可能性、長期的な価値上昇の可能性など、多くのメリットも存在しています。また、「ビットコインはやばくない」と考える専門家も少なくありません。

例えば、「ビットコインは大物からも支持されている。フェイスブックの元となるアイデアをめぐりマーク・ザッカーバーグと争ったウィンクルボス兄弟や、ヴァージングループの創業者リチャード・ブランソンといった著名人がビットコインを推奨している」という事実もあります。

また、「ビットコインは怪しい金融商品ではなく、一部の主要国・地域で現物ETFとして承認されている投資対象」であるという見方もあります。

誰にビットコインはおすすめできるのか?

結論として、ビットコインへの投資は全ての人に向いているわけではなく、個人の状況や投資の目的によって判断が分かれるものと言えるでしょう。

「ビットコインへの投資をやめるべきかは、保有資産の状況次第といえます」という指摘があるように、リスクを理解し、余裕資金で投資を行うことが大切です。

「仮想通貨は前述の通り、大きな利益が狙える反面、値動きが大きい投資商品。そのため、大きな値動きに対して精神的負担を感じる人にはおすすめできません」という点も重要な考慮事項です。

一方で、「余裕資金の10%程度をビットコインに積み立てたり、イーサリアムに投資してみるのは投資戦略として「アリ」」という意見もあります。リスクを許容できる資金で、長期的な視点を持って投資するという選択肢も考えられるでしょう。

「投資初心者が大きな資産を投資した結果、大損した例もあるため、慣れるまでは少額投資を行うことをおすすめします」という助言も重要です。GMOコインやbitFlyerなどの取引所では、少額から始められるサービスも提供されています。

まとめ:正しい知識と判断が重要

ビットコインが「やめたほうがいい」と言われる理由には、確かに根拠のあるものが多くあります。しかし、それらの中には誤解に基づくものも含まれており、メリットも多く存在しています。

最終的には、正確な情報を得た上で、自分自身の投資スタイルや目的に合わせて判断することが重要です。価格変動の大きさを理解し、リスク管理をしながら、余裕資金で投資するという姿勢が大切でしょう。

「自分の資産状況を踏まえたうえで、まわりから「やめとけ」と言われる理由やビットコインの特徴を理解できている場合は、投資をしてもよい」という考え方は、非常に理にかなっていると言えるでしょう。

ビットコインへの投資を検討されている方は、本記事でご紹介した情報を参考に、慎重かつ賢明な判断をしていただければ幸いです。リスクとリターンのバランスを考慮した上で、ビットコインの利点を活かした投資戦略を構築することができれば、新たな資産形成の選択肢として検討する価値はあるのではないでしょうか。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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