デビットカードは”おすすめしない”、”怖い”といわれているのはなぜ?

デビットカードは”おすすめしない”、”怖い”といわれているのはなぜ?
ライター:関野 良和

不正利用 補償されない”デビットカード”はヤバイのでやめたほうがいいと口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します

本当に”デビットカードはやばい”のか、その危険性やデメリットとメリットから真相に迫る

デビットカードについてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。インターネット上では「デビットカードはやめたほうがいい」「デビットカードはやばい」といった否定的な意見が散見されますが、一方で「使いやすい」「お金の管理がしやすい」といった肯定的な声も少なくありません。デビットカードは本当に「おすすめしない」ものなのでしょうか?それとも単なる誤解に基づく評判なのでしょうか?今回は、様々な角度からデビットカードの実態を検証し、その真相に迫ります。

デビットカードの基本と仕組み

デビットカードとは?クレジットカードとの違い

デビットカードは、利用すると銀行口座から即時で引き落としが行われるカードです。見た目はクレジットカードと似ていますが、仕組みが大きく異なります。

デビットカードの基本的な特徴は以下の通りです。

即時引き落とし: 買い物をした瞬間に、連携している銀行口座からお金が引き落とされます。 利用限度額は口座残高: 口座にある金額以上は使えません。 審査不要: 多くの場合、審査なしで発行できます。 国際ブランド付き: Visa、Mastercard、JCBなどの国際ブランドが付いており、そのブランドが使える店舗で利用可能です。

クレジットカードとの主な違いは、引き落とし時期(即時 vs 翌月以降)、利用限度額(口座残高 vs 審査による設定額)、審査の有無、分割払いの可否などにあります。

デビットカードの種類

デビットカードには、主に2種類あります。

  1. 国際ブランド提携型デビットカード:Visa、MasterCard、JCBなどの国際ブランドと提携したもので、そのブランドが使えるほとんどの店舗やオンラインショップで利用できます。三菱UFJ-VISAデビット、PayPay銀行Visaデビットカード、ソニー銀行のSony Bank WALLET、イオン銀行デビットなどが該当します。
  2. J-Debit(ジェイデビット):都市銀行や地方銀行、信託銀行などが発行するキャッシュカードに付帯したデビットカードのことで、J-Debitマークのある店舗で利用できます。ただし、使える店舗は国際ブランド提携型に比べて限定的です。

かつてはJ-Debitが主流でしたが、「使える所が少ないばかりでなく、決済に時間がかかりとても実用的な決済方法では無かった」という声もあるように、現在では国際ブランド提携型が主流となっています。

デビットカードが「おすすめしない」「やめとけ」と言われる理由

1. ポイント還元率が低い

デビットカードに対する最も多い不満は、ポイント還元率の低さです。デビットカードのポイント還元率は一般的に0.2%~1.0%程度となっています。

例えば、以下のような還元率が一般的です。

  • 三菱UFJ-VISAデビット: 0.2%
  • PayPay銀行Visaデビットカード: 0.2%
  • ソニー銀行のSony Bank WALLET: 0.5%
  • イオン銀行デビット: 0.5%

実際のユーザーからも「0.2%のキャッシュバックがあるようですが、無いよりましという程度ですね」(40代女性)という声があるように、クレジットカードと比較すると還元率で見劣りするケースが多いようです。

クレジットカードでは基本還元率が0.5%~1.0%のものがありますが、特定の利用シーンでは大幅にポイント還元率がアップするものもあります。デビットカードはそうした特典がついているものが少なく、クレジットカードに比べるとポイントが貯まりにくいと言われています。

2. 口座にお金がないと使えない

デビットカードは口座残高の範囲内でしか利用できません。「口座にお金がないとデビットカードは利用できません。デビットカードは口座から即時引き落としとなるため、口座にお金がないと引き落としが完了せず、支払い不可能となってしまいます」と説明されています。

この特性は、急な出費や予想外の買い物が必要になった場合に不便です。口座残高が不足していると対応できないというデメリットがあります。

3. 分割払いやリボ払いができない

デビットカードは、利用時に即座に口座から引き落としが行われるため、クレジットカードのような分割払いやリボ払い、キャッシングサービスを利用することができません。

実際のユーザーからも「分割払いやキャッシングができないため活用しにくいです。せめて分割払いくらいは導入してほしいですね」(30代男性)という声があります。

高額な商品の購入や急な出費が必要な場合に、一括での支払いしか選択肢がなく、金銭的な負担が大きくなる可能性があるという欠点が指摘されています。

4. 不正利用時の補償が制限されている

デビットカードは、クレジットカードと比較して不正利用時の補償が限定的である場合があると言われています。万が一、カードが盗難やスキミングなどの被害に遭った場合でも、補償される金額や条件が制限されていることがあるようです。

実際の不正利用事例では、「手続き完了までは2か月ほどかかると言われました。しかも、カード会社側からVISAへの手続きもあるため、実際に返金されるまでどうしても時間がかかる」という体験談もあります。

これは、デビットカードが利用と同時に口座から即時に引き落としが行われるため、被害額が直接的に口座残高に影響を及ぼすためだと考えられています。

また、「2重オーソリ(決済時の認証処理)が発生すると、買えるはずの物が買えなくなる。別の決済方法を使おうと思っても、口座からお金が消えるので別の資金を用意するしかない」という問題も指摘されています。

5. クレジットヒストリーが構築できない

クレジットカードを適切に利用することで、個人の信用情報(クレジットヒストリー)が構築されます。これは、将来的にローンを組む際や新たなクレジットカードを発行する際に重要な役割を果たします。

しかし、デビットカードの利用は信用情報機関に記録されないと言われています。そのため、デビットカードをどれだけ利用しても、信用情報の構築には寄与しません。将来的に住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの新規発行を検討している場合、デビットカードだけでは信用実績を積み上げることができず、不利になる可能性があるようです。

6. 年会費が発生するものもある

一部のデビットカードでは年会費が発生します。実際のユーザーからも「デビットカードによっては年会費が発生します。メリットがあまり旨味がないのに、持っているだけで費用が発生するのはありえないです」(20代女性)という不満の声があります。

7. 使える店舗が限られる場合がある

デビットカードは国際ブランド対応のものでも、すべての店舗で使えるわけではありません。「デビットカードを利用できない店舗は普通にあります。クレジットカードと比べたらあまり使い道がないです」(40代女性)という声もあります。

特に「デビットカードの多くはガソリンスタンドや高速道路料金の支払いなどには使用できない」という制限があると言われています。

デビットカードの「やばくない」面とメリット

否定的な評判がある一方で、デビットカードには多くの利点もあります。実際のユーザーからの良い評判も含めて、デビットカードのメリットを見ていきましょう。

1. 使いすぎを防止できる

デビットカードの即時引き落とし機能は、使いすぎ防止という面では大きなメリットになります。実際のユーザーからも「クレジットカードのように使えるのに、その場で引き落とされるので、使いすぎの心配がなく重宝しています」(50代男性)という声があります。

クレジットカードは翌月にまとめて引き落とされるため、利用したその場ではお金が減らないため、お金を使っている感覚を忘れ、つい使いすぎてしまう可能性があります。デビットカードなら「お金を使っている実感を味わいやすい」というメリットもあります。

「即時払いなので、いくら利用したのかすぐに把握できます。月末に使いすぎて、後悔するリスクを減らせるので、カードを使いすぎてしまう方におすすめです」(40代女性)という評価もあります。

2. 審査なしで発行できることが多い

デビットカードは、銀行に口座があれば基本的に審査がなく、年会費無料で作れることが多いです。審査がない理由はクレジットカードとは違い、デビットカードにキャッシング機能がないことによります。

実際のユーザーからも「審査せずに発行できるデビットカードもあるので、手軽に使えます。カード払いを経験できるのは有り難いです」(20代女性)という声があります。

3. 未成年でも発行できる

デビットカードは、お申し込み年齢が中学生を除く15歳~16歳以上となっていることが多く、20歳未満や学生の場合でも保護者の同意なく作れるデビットカードもあると言われています。

実際に「18歳未満でも発行できるので、高校生の小遣いに最適」(40代男性)という評価もあります。

4. お金の流れが見えやすく家計管理がしやすい

デビットカードは「カードで支払うと銀行口座から即時でお金が引き落とされるため、お金の流れが見えやすくなります」というメリットがあります。銀行の入出金明細がそのままカードの利用明細となるため、引落口座の銀行のアプリや記帳した通帳などで、いくら使ったかがすぐにわかります。

また、「お金の動きをタイムリーに把握できて家計管理がしやすくなる」というメリットも評価されています。

5. 現金を持ち歩かなくて済む

デビットカードだけで食事や買い物を済ませられるため、必要以上の現金を持ち歩かなくてもいいという、防犯上のメリットがあります。

実際のユーザーからも「デビットカードを利用してから現金を持ち歩かなくて済みました。かなり便利です」(20代男性)という声があります。

6. チャージやATM利用の手間がかからない

デビットカードは、銀行口座から即時に引き落とされるので、チャージの手間がかかりません。また、ATMで現金を引き出すような手間もなく、手数料もかからないので、利便性は高いと言われています。

7. ポイントやキャッシュバックがある

デビットカードにはクレジットカードと同じように、ポイントが貯まったり、キャッシュバックが受けられたりするものがあります。利用する度にポイントやキャッシュバックの還元があるので、現金払いに比べてお得と言えるでしょう。

「利用額に応じてポイントを貯められる」点も魅力のひとつです。デビットカードは、利用した金額の0.50〜1.00%がポイント還元もしくはキャッシュバックされます。毎月5万円利用すると年間で3,000〜6,000円分のポイントが貯まるので、現金で支払うよりもはるかにお得だと考えられています。

8. 海外でも使える

国際ブランドと提携しているデビットカードであれば、加盟店舗で国内・海外を問わず利用できます。また、デビットカードは海外旅行の際に現地のATMを利用して、預金を現地通貨で引き出すこともできると言われています。

実際のユーザー評価と口コミ分析

デビットカードを実際に使用しているユーザーからは、様々な評価や口コミが寄せられています。ここでは、ポジティブなものとネガティブなものの両方を見ていきましょう。

ポジティブな口コミ

「クレジットカードのように使えるのに、その場で引き落とされるので、使いすぎの心配がなく重宝しています」(50代男性)

「18歳未満でも発行できるので、高校生の小遣いに最適」(40代男性)

「審査せずに発行できるデビットカードもあるので、手軽に使えます。カード払いを経験できるのは有り難いです」(20代女性)

「デビットカードを利用してから現金を持ち歩かなくて済みました。かなり便利です」(20代男性)

「即時払いなので、いくら利用したのかすぐに把握できます。月末に使いすぎて、後悔するリスクを減らせるので、カードを使いすぎてしまう方におすすめです」(40代女性)

これらの口コミから、デビットカードは特に「使いすぎの心配がない点」や「未成年でも発行できる点」が高く評価されていることがわかります。特に子どものお小遣い代わりとして活用する親や、お金の管理が苦手な人には魅力的なカードだと言えるでしょう。

ネガティブな口コミ

「0.2%のキャッシュバックがあるようですが、無いよりましという程度ですね」(40代女性)

「デビットカードとしては入会キャンペーンの時だけ使う感じがします。余りメリットがないので…」(30代女性)

「分割払いやキャッシングができないため活用しにくいです。せめて分割払いくらいは導入してほしいですね」(30代男性)

「デビットカードによっては年会費が発生します。メリットがあまり旨味がないのに、持っているだけで費用が発生するのはありえないです」(20代女性)

「デビットカードを利用できない店舗は普通にあります。クレジットカードと比べたらあまり使い道がないです」(40代女性)

ネガティブな口コミからは、主に「還元率の低さ」や「分割払い・キャッシング機能の欠如」、「使える店舗の少なさ」が不満点として挙げられていることがわかります。

どんな人にデビットカードが向いているか/向いていないか

デビットカードは一概に「やばい」わけではなく、使う人や目的によって評価が分かれる金融商品だと言えるでしょう。ここでは、どんな人にデビットカードが向いているか、また向いていないかを考えてみます。

デビットカードが向いている人

  1. お金の管理が苦手な人:即時引き落としなので、使った金額がすぐに把握でき、使いすぎを防げます。
  2. クレジットカードを持てない/持ちたくない人:審査がなく、信用情報に問題がある方や、クレジットカードの審査に通らない方でも利用できます。
  3. 未成年者・学生:15歳以上から発行できるものが多く、保護者の同意なしでもカード払いを利用できます。
  4. キャッシュレス決済を始めたい人:クレジットカードよりもハードルが低く、キャッシュレス決済の入門としておすすめです。
  5. 現金派だが、ポイントも欲しい人:現金のように使える感覚でありながら、ポイントも貯められるため、現金派の方にもおすすめです。

デビットカードが向いていない人

  1. ポイント還元を重視する人:クレジットカードのほうが一般的に還元率が高いため、ポイント重視の方には不向きかもしれません。
  2. 分割払いを利用したい人:高額な買い物を分割で支払いたい場合は、クレジットカードの方が適しています。
  3. キャッシング機能を必要とする人:急な出費が必要な場合に備えて、キャッシング機能があるクレジットカードの方が便利です。
  4. 信用情報を構築したい人:将来的に住宅ローンなどを考えている場合、クレジットカードで信用履歴を築くほうが有利です。
  5. 海外旅行保険などの付帯保険を重視する人:多くのデビットカードには付帯保険がないか限定的なため、旅行保険などを重視する方には不向きです。

デビットカード選びのポイント

デビットカードを選ぶ際には、以下のポイントを確認するとよいでしょう。

1. 還元率の比較

デビットカードのポイント還元率は0.2%~1.0%程度と幅があります。少しでも還元率が高いものを選ぶと、長期的に見てお得になります。

2. 年会費の有無

デビットカードの多くは年会費無料ですが、一部のデビットカードでは年会費が発生します。メリットとコストのバランスを考慮して選びましょう。

3. セキュリティ対策

不正利用に対する補償制度の内容は、カードによって異なります。例えば、「SMBCデビット」では、盗難・紛失による不正利用の補償制度があります。安心して使うためにも、セキュリティ対策が充実したカードを選ぶことが重要です。

4. 発行元の銀行

すでに口座を持っている銀行のデビットカードを選ぶと、管理がしやすくなります。新たに口座を開設する場合は、ATMの利便性やアプリの使いやすさなども考慮しましょう。

5. 国際ブランド

Visa、MasterCard、JCBなどの国際ブランドがあると、国内外で幅広く利用できます。自分のライフスタイルに合った国際ブランドを選びましょう。

まとめ:デビットカードは本当に「やめたほうがいい」のか?

デビットカードが「やばい」「おすすめしない」と言われる主な理由は、クレジットカードと比較したときのポイント還元率の低さや、分割払いができないなどの機能制限です。また、不正利用時の対応に時間がかかるケースや、口座残高以上は使えないという制限もデメリットとして挙げられています。

しかし、デビットカードには多くの利点もあります。使いすぎを防止できる、審査なしで発行できる、未成年でも利用可能、お金の流れが見えやすい、現金管理の手間が省けるなど、クレジットカードにない独自のメリットがあります。

結論として、デビットカードは「一律にやばい」わけではなく、使う人や目的によって評価が分かれる金融商品だと言えるでしょう。特に、お金の管理が苦手な人や、クレジットカードを持てない/持ちたくない人、未成年者にとっては、非常におすすめできるツールです。

「ポイントを貯めたいけど、クレジットカードだと使いすぎが心配」という人にとっても、デビットカードはうってつけのカードと言えます。今まで現金派だった人も、この機会にデビットカードを使ってみてはいかがでしょうか。

デビットカードの良い面も悪い面も理解した上で、自分のライフスタイルやお金の使い方に合わせて選ぶことが大切です。適切に活用すれば、デビットカードは家計管理の強い味方になる「やばくない」、むしろ「おすすめ」できる決済手段となるでしょう。

ぜひ、この記事を参考に、自分に合ったデビットカードを見つけてみてください。キャッシュレス生活の第一歩として、デビットカードの様々な利点を活用してみましょう。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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