株価の暴落が”やばい”といわれているのはなぜ?


”2025年4月の株価はヤバイのでやめたほうがいい”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します
株は本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る
2025年4月5日現在、「株価の暴落がやばい」とネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。特にS&P500の大幅下落と新NISA制度に関する懸念の声が多く見られます。「暴落だからNISAはやめたほうがいい」「今は投資をやめとけ」といった警告的な意見が広がっていますが、これらの批判には根拠があるのでしょうか。それとも単なる誤解なのでしょうか。多角的に検証していきます。
2025年4月の株価急落の実態
S&P500指数は、4月4日(金)の取引で6%もの大幅下落を記録しました。これは、新型コロナウイルスのパンデミックが始まった2020年以来最悪の下落率であり、週全体で見ると9.1%もの下落となっています。この結果、S&P500は年初来で13.7%もの値下がりを見せており、投資家からは「やばい」との声が多く上がっています。
この急落の主な原因は、アメリカのドナルド・トランプ大統領による新たな関税政策と、それに対する中国など各国の報復措置です。これにより、世界的な貿易戦争が激化し、インフレ加速や経済成長鈍化への懸念が広がっていると言われています。
主要指数の下落率は以下の通りです。
- S&P500:6%下落
- ダウ平均株価:5.5%下落
- ナスダック総合指数:5.8%下落
この急落により、S&P500に上場する企業全体で約5兆ドル(約650兆円)の時価総額が消失したと報告されています。特にテクノロジーセクターが大きな打撃を受けており、アップルやテスラなど主要企業の株価は一日で7%以上下落したと言われています。
「株価暴落がやばい」とネットで言われる主な理由
1. 新NISA制度への懸念
2024年から始まった新NISA制度についてネット上では様々な批判的意見が見られます。特に「NISAが暴落でやばい」「やめたほうがいい」という声が多く聞かれます。
その主な理由としては:
暴落時の資産価値の急減
新NISAをスタートした2024年は、順調に株価が上昇していたものの、8月初旬に大暴落が起きました。例えば「オルカン」と呼ばれる人気の全世界株式インデックスファンドは、7〜8月にかけて約17%も下落したと報告されています。新NISA開始時からコツコツ積立投資をしていた投資家の中には、それまでの含み益が一気に消えてしまった方も多かったと言われています。
損益通算ができないデメリット
NISAには見落としがちなデメリットとして、「損益通算」や「繰越控除」ができないという点があります。通常の特定口座では投資の利益と損失を相殺できますが、NISA口座ではそれができません。NISA口座内で発生した損失は税制上「なかったもの」とみなされるため、他の口座で出た利益と相殺できないのです。
短期的な投資には向かない
新NISAは短期で資金を引き出す予定のお金の運用には向いていないと言われています。株式や投資信託は値動きがあり、元本割れのリスクがあるため、日々の生活に必要なお金や数年以内に使う予定のお金を投資すべきではないとの指摘があります。
2. トランプ大統領の政策に対する不安
現在の株価暴落の直接的原因として、トランプ大統領の関税政策に対する懸念が大きいと言われています。ネット上では、「今は株式投資を控えたほうがいい」「これ以上の損失を避けるために売却すべきだ」といった慎重な意見が多く見られるようです。
3. 過去の暴落の記憶
多くの投資家は過去の大暴落の記憶から不安を感じています。世界大恐慌、ブラックマンデー、ITバブル崩壊、リーマン・ショックなど、過去の暴落事例を引き合いに出して「やばい」と表現する声が見られます。
「株価暴落がやばい」という誤解を検証する
誤解1:「暴落=投資がやばい」という短絡的な考え
暴落が起きたからといって、投資自体に問題があるわけではありません。過去の株式市場を振り返ると、S&P500の推移でも、ブラックマンデー、リーマンショック、コロナショックなど、数年に1度のペースで暴落は発生しています。しかし、それらの暴落後も市場は回復し、長期的には上昇トレンドを維持していると言われています。
例えば主な暴落時の下落率とそこからの回復までの期間は、数ヶ月から数年程度で元の水準に戻っていることが報告されています。2024年8月の暴落についても、その後数日で大幅に株価が回復したとの報告があります。
誤解2:「暴落時には売却すべき」という考え
暴落時に「慌てて売却する」ことは、専門家から最もやってはいけない行動として挙げられています。なぜなら、売却してしまうと、その時点で損失が確定し、その後の市場回復の恩恵を受けられなくなるからです。歴史的に見ても、下がり続けた相場はないとされています。
この「狼狽売り」と呼ばれる行動を避けるべき理由は、売却のタイミングを誤りやすい点にあります。株価が急落したあとは、数ヶ月から数年で回復するケースが一般的です。一時の感情で売却してしまうと、その後の株価上昇の機会を逃し、損失を確定させてしまう可能性が高くなると言われています。
誤解3:「積立投資をやめるべき」という考え
暴落時に積立投資をやめることも、専門家からは推奨されていません。むしろ、積立投資を続けることで「ドルコスト平均法」の効果を得られます。これは、金融商品の価格が安いときにはたくさん購入し、価格が高いときには少しだけ購入することで、自然と平均購入単価を下げる効果があります。つまり、暴落はむしろ積立投資にとっては「チャンス」になり得るのです。
市場の短期的な値動きにとらわれず、コツコツ同じ金額で積立を続けていく姿勢が安定的な資産形成につながると言われています。
株価暴落時にやるべきこと
1. 冷静に状況を分析する
株価が急落した場合は一呼吸置き、冷静に状況を分析する必要があります。あらかじめ決めていた投資計画や損切りルールに基づいて、感情的にならずに判断することが重要です。
特に投資初心者は、暴落時の短期的な売買で利益を得ようとするのは危険だと言われています。底値の見極めは、経験豊富な投資家でも難しい判断です。また、売却のタイミングを誤ると、かえって損失を確定させてしまうことにつながる可能性があります。
2. 長期的な視点を持つ
株価暴落時に真っ先に検討したい選択肢が「動かずに様子を見る」という対応です。特に長期投資を前提としている場合、突発的な株価の下落に過度に反応する必要はありません。株価の下落は一時的な現象であり、経済は長期的には成長する傾向といわれているためです。
冷静に保有を継続すると、長期的には市場の回復によって利益を得られる可能性があると言われています。
3. 買い増しを検討する
株価暴落時は、優良企業の株式を割安な価格で購入できる機会とも捉えられます。長期的な値上がり益を期待して、保有している銘柄を買い増しすることも選択肢の一つです。
「大きな暴落があっても、長い目で見れば株価は上昇すると信じている」という方は、暴落したときに余裕資金があれば、暴落を「安く買えるチャンス」とみなして、ETFを買い増すのも1つの手だと言われています。
株式の個別銘柄の場合、一度暴落した株価が長期的に戻らないこともありうるため、損切りの決断も必要な場合がありますが、ETFは複数の株式などを投資対象としているため、たとえその中の1社が破綻しても、その他の企業の業績が回復し、再び成長軌道に乗れば、ETF全体としては長期的な成長が期待できると言われています。
暴落のメカニズムと歴史から学ぶ
暴落が起こる理由
株価が下落・暴落する理由はさまざまですが、多くの場合、企業の業績見通しや経済状況の悪化、政情の不安定化などにより、人々の金融に対する不安心理が高まった時に発生すると言われています。
このような状況になると、投資家はまず手元のポジションを解消し、お金を低リスク資産へ避難させます。その額や人数が少なく、株価に対して影響が少なければ大きな下げにはつながりませんが、機関投資家などの大口投資家、あるいは大勢の投資家が売りに出すと株価に対するインパクトが大きく、暴落につながる可能性があります。
また、自動的に売買を繰り返すアルゴリズム取引も大きな下落につながりやすいと言われています。あらかじめ設定した条件で、高速・大量に売買が成立するメリットがある反面、売りが売りを呼ぶ展開になりやすいという指摘もあります。
過去の暴落事例から学ぶ
1929年:ウォール街大暴落
「ウォール街大暴落」は1929年10月24日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で起こりました。この暴落は、20世紀の歴史的な悲劇として有名です。
1920年代、欧米諸国の経済は工業生産の増加に伴い力強く成長していました。ニューヨーク証券取引所の株価は約300%上昇しました。この状況を見て強欲な投資家たちは、株式を売買すればもっと多くの利益が得られると考えました。そして株式市場に多くの資金が流入したのです。
しかし、熱狂的ともいえる株式の投資は「投機」となりました。当然、株価は経済や企業のファンダメンタルズからかい離していきました。そして10月24日、ウォール街の証券取引所で1,280万株の株式が売りに出されます。その膨大な売りにより株価は下落しました。そして売りが売りをよび、米国の株式市場は暴落しました。この時のことを「暗黒の木曜日」といいます。
米国の株式市場で起こった一連の暴落は、約10年に渡り続くことになる「世界大恐慌」が始まるきっかけとなりました。世界恐慌はこれまで好調だった欧米経済を急速に後退させ、都市では貧困と失業が蔓延したと言われています。
1987年:ブラックマンデー
1987年に起こった株式市場の大暴落を「ブラックマンデー」と呼びます。この時の暴落は香港、ロンドン、ベルリン、ニューヨークなど世界中の株式市場へ瞬く間に広がりました。この暴落は1929年のウォール街大暴落以降、1日としては最悪の取引日となりました。
ブラックマンデーはドルの過大評価、金利の上昇、株式市場における投機的バブルなどが原因だと言われています。
2008年:リーマン・ショック
リーマン・ショックとは、2008年のサブプライムローン問題などをきっかけに米国大手金融機関であるリーマン・ブラザーズが破綻し、連鎖的に発生した世界的な金融危機を指します。
ITバブル崩壊後、米国では金融緩和政策が続いていました。また、同時期に新興国の発展などにより、中国や中東のお金が米国に流れ、不動産価格が上昇しました。住宅市場が活況になったことで、信用力の低い借り手向けの住宅ローン(サブプライムローン)の利用者が増加していきましたが、政策転換により米国の政策金利が引き上げられ、住宅ブームが落ち着くと住宅価格は下がりました。ローン返済ができない人が急増することで不良債権問題が生じた上に、サブプライムローンの証券化により債権者が世界中に拡大していたと言われています。
そしてリーマン・ブラザーズが2008年9月に6,000億米ドル以上の負債を抱えて破綻したことをきっかけに世界的な金融危機へと発展しました。その後、米国を含む6ヵ国の中央銀行が翌月10月に政策金利の引き下げを同時に行なうなど異例の対応がとられたと報告されています。
株価暴落はやばくない?むしろおすすめのタイミングか
普段の買い物をするときは、「同じものならなるべく安く買いたい」と考えるはずです。買おうと思っていたものが値下がりすると嬉しいと感じるのではないでしょうか。投資においても、同じように考えることができます。
長期的に見れば、相場が下がったときは資産を安く買うことができます。手元に余裕資金があるなら投資にまわしてもいいでしょう。相場が下がったときに買った資産は、相場が回復するとプラスのリターンになります。リーマン・ショックで相場が下がったときに資産を買っていれば、その後の回復で大きなリターンを得たであろうことがわかると言われています。
ただし、これは急落を待って投資すべきという話ではありません。相場の急落はいつどのくらいの大きさで起こるかはわからず、待った方が有利とは限りません。また、実際に急落したタイミングでうまく投資できるとも限らないでしょう。
また、投資はあくまで余裕資金の範囲で、無理のない金額で行うことが大切です。相場がいつ底を打って回復するかは誰にもわかりません。近いうちに使うことがわかっている資金は投資せずに残しておくことが推奨されています。
暴落時の投資戦略:利点を考える
1. 長期投資の視点
株価暴落を経験したとしても、長期的な視点で見れば市場は回復し、成長する傾向があります。過去の暴落事例を検証すると、短期的には大きな損失が出る時期もありますが、長期的に見れば株式市場は上昇トレンドを示しています。
過去のS&P500の動きを見ると、下落率上位5日(2020/3/16の-12.0%など)と上昇率上位5日(2008/10/13の11.6%など)が示すように、大きく下落した後に大きく回復する傾向があるとも言われています。
2. 分散投資の効果
株式市場全体が急落すると、その銘柄を保有していた投資家は大きな損失を被ることになります。しかし、分散投資をしていれば、特定の市場や銘柄の暴落による影響を抑えることが可能と言われています。
日本だけでなく他の先進国や新興国、さらに株式にとどまらず債券やリート(不動産投資信託)など、幅広い対象に分散投資を行うのが資産運用の鉄則とされています。
3. 自分に合った投資方法の選択
リターンに対する感じ方は人によって異なるため、自分に合った投資方法を選ぶことで長期で続けやすくなります。
値下がりが気にならないなら「まとめて投資」:「しばらく相場が下がり続けるかもしれないけれど、10年後、20年後にはプラスだろうから気にしない」と考えられる方は、タイミングを気にせず、余裕資金をまとめて投資することもできるでしょう。
値下がりが心配なら「分けて投資」:値下がりが心配な方には、着実に買い続ける「積立投資」がおすすめされています。一度投資した後で相場が下落しても、次の積立のタイミングで安く買えるとポジティブにとらえることができるでしょう。結果的に底に近い安いタイミングで買うことが期待できると言われています。
まとめ:株価暴落は本当に”やばい”のか?
2025年4月5日現在、S&P500指数の急落や新NISAへの懸念から、ネット上では「株価暴落がやばい」との声が多く聞かれます。確かに短期的には不安を感じる状況ですが、長期的な視点で見れば、必ずしも「やめたほうがいい」状況とは言えないでしょう。
むしろ、株価暴落はやばくないと考え、長期投資の視点から見れば「安く買えるチャンス」と捉えることもできます。歴史的に見ても、株式市場は暴落と回復を繰り返しながら長期的には成長してきました。
暴落時こそ冷静に判断し、狼狽売りを避け、長期的な投資計画を持ち続けることが重要です。また、分散投資や積立投資など、自分に合った投資方法を選ぶことで、暴落のリスクを軽減することができると言われています。
株価暴落は怖いものですが、適切な知識と冷静な判断力を持ち合わせれば、むしろ資産形成のおすすめの機会になる可能性もあります。投資は必ず余裕資金で行い、長期・積立・分散の原則を守ることで、暴落への対応力を高めていきましょう。
暴落の中にこそ、将来の利益の種があるのかもしれません。
