デジタル端末保険「ヤマダのくらしまるごと保険」をヤマダ少額短期保険が販売開始


FinatextのSaaS型システム「Inspire」を活用しヤマダ少額短期保険がデジタル端末保険を販売開始
ヤマダホールディングス傘下のヤマダ少額短期保険が、スマートフォンをはじめとしたデジタル機器に対する保険「ヤマダのくらしまるごと保険」の販売を開始しました。本保険は、次世代金融インフラを手がけるFinatextのSaaS型デジタル保険システム「Inspire」を導入し、オンラインで申し込みから保険金請求までを完結できる点が特徴です。近年、スマートフォンなどの端末価格が上昇し続ける中、水濡れや物損、自然故障といったトラブルへの備えとして、手頃な価格で幅広い補償を提供する商品が求められていました。こうした背景を受け、ヤマダ少短はデジタル時代に合った保険サービスを提供し、家電購入時の安心感を高める狙いです。
月額890円で最大5台まで補償、年間30万円まで対応
ヤマダのくらしまるごと保険は、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどのデジタル機器を最大5台まで、1契約でカバーできる保険商品です。補償内容は、以下のような日常生活で起こり得るトラブルに対応しています。
- 物損(落下やぶつけたことによる破損)
- 自然故障(内部の電子部品などの自然劣化)
- 水濡れ(うっかり水に落とした場合など)
補償上限は年間30万円までとなっており、保険料は月額890円と手頃な設定です。デジタル機器1台あたりではなく、「世帯ごとに5台まで」補償対象になる点が大きな特徴で、家族で複数の端末を所有している場合にも対応可能です。
申し込みから請求まで完全オンライン対応
この保険の最大の利便性は、すべての手続きがオンラインで完結するという点です。スマートフォンやパソコンから、見積もり、申し込み、契約管理、保険金の請求までを一貫して行うことができ、従来のような紙の申請書や郵送手続きは不要です。これは、Finatextが開発したSaaS型デジタル保険システム「Inspire」によって実現されています。
ユーザーにとっては、煩雑な手続きを減らし、スピーディーかつ直感的に保険サービスを利用できるというメリットがあり、デジタルネイティブ世代を中心に高い需要が見込まれています。
Finatextの「Inspire」が支える保険のDX(デジタルトランスフォーメーション)
この保険システムを提供するFinatextは、保険業界のデジタルシフトを支援するスタートアップ企業です。2020年にリリースされた「Inspire」は、Web見積もりから契約、更改、保険金請求までをワンストップで管理できるクラウド型保険業務プラットフォームです。
従来、保険商品を開発・販売するには、複雑な業務プロセスや多様なシステム構築が必要でしたが、Inspireを活用することで開発コストや時間を大幅に削減できます。既に大手損保会社や少額短期保険業者を含む11社が導入しており、柔軟性・拡張性にも優れています。
特に今回のような「デジタル機器向け費用補償保険」に関しては、過去の実績もあり、ヤマダ少短にとっても相性の良い選択肢となりました。
ヤマダ電機の家電販売戦略との親和性
この保険商品は、ヤマダ電機の実店舗やECサイトで家電を購入する際の「付帯サービス」として展開される可能性が高く、グループ全体のクロスセル戦略の一環とも見られます。特に、スマートフォンやノートパソコンなどの高額デジタル機器を購入する消費者にとって、「安心して使える」ことは大きな付加価値です。
また、ヤマダ電機ではリフォームや住宅販売など、家の中全体をカバーするサービス展開を進めており、「くらしまるごと」という名称もそのビジョンに沿ったものであると考えられます。
今後の展望:保険業界の「組込型金融」化が加速
今回の事例は、Finatextが掲げる「組込型金融(Embedded Finance)」の実現に向けた一歩でもあります。保険や金融サービスを、家電やライフスタイル商品と自然に融合させることで、消費者の利便性を高めるだけでなく、企業にとっても新たな収益源や顧客接点の創出につながります。
Finatextは今後も「Inspire」を中心に、保険会社や企業パートナーとの連携を広げていくとしています。保険のデジタル化が進む中で、ヤマダ少短のような企業の動向は、業界全体のトレンドを示す先行指標とも言えるでしょう。
