少額短期保険のメリットを口コミなどの評判から調査、契約者の満足度と不満が明らかに!

少額短期保険のメリットを口コミなどの評判から調査、契約者の満足度と不満が明らかに!
ライター:関野 良和

少額短期保険とは? わかりやすく解説

少額短期保険は、現代の多様化する保険ニーズに応えるために誕生した「第3の保険」として注目されている新しカテゴリの保険です。その最大の特徴は、保険金額が少額で保険期間が短期間に限定されている点にあり、「ミニ保険」という愛称で親しまれています。生命保険や損害保険では対応しきれない特定分野のリスクを手軽にカバーできる点が評価され、近年加入者が増加傾向にあります。

少額短期保険の基本的な定義

少額短期保険は保険業法に基づき、以下の条件を満たす保険商品を指します。

保険金額の上限規定

  • 死亡保険:300万円
  • 医療保険:80万円
  • 損害保険:1,000万円
    (低発生率保険を除く)

保険期間の制限

  • 生命保険・医療保険:1年以内
  • 損害保険:2年以内

これらの規制により、従来の保険商品に比べて保険料が大幅に抑えられ、月額数百円から加入可能な商品が多数存在します。例えばペット保険の場合、0歳のチワワで月額1,870円、4歳のトイプードルで2,020円という手頃な料金設定が特徴的です。

一般保険との構造的差異

少額短期保険業者と一般保険会社の違いを比較表で整理します。

項目 少額短期保険業者 保険会社
参入規制 財務局登録制 金融庁免許制
最低資本金 1,000万円 10億円
生損保兼営 可能 不可
契約者保護機構 対象外(保証金供託) 対象
保険料控除 不可 可能
商品特性 掛け捨て型のみ 貯蓄型を含む

この構造的差異から、少額短期保険業者はニッチ分野への特化が可能となり、葬儀費用保険やスマホ破損保険といった独自商品の開発が進んでいます。

主な商品カテゴリーと具体例

日常生活リスク対応型

  • モバイル保険:スマートフォンの落下破損時の修理費用を補償(例:画面割れ修理10万円まで)
  • 自転車保険:事故時の賠償責任を最大1億円までカバー

レジャー特化型

  • レスキュー費用保険:登山中の遭難時に発生する捜索費用を300万円まで補償
  • チケット保険:急病によるコンサート中止時のチケット代金を全額返金

ペット関連

  • 高齢ペット医療保険:16歳11ヶ月まで新規加入可能(他社平均8歳まで)
  • 手術費用の80%補償(年間上限50万円)

特殊リスク対応

  • 孤独死清掃費用保険:特殊清掃作業費用を30万円まで補償
  • 痴漢冤罪弁護士費用保険:無実証明のための弁護士費用を全額負担

メリットと適応事例

保険料の経済性

月額500円台の葬儀費用保険(死亡時50万円給付)や、年額4,000円のレスキュー保険など、低コストで特定リスクに対応可能。

健康状態不問の商品

持病保有者向け医療保険では、告知不要で3大疾病を含む幅広い疾病を対象。50代男性の場合、月額2,500円で入院日額5,000円の保障例あり。

デジタル対応の利便性

SBI日本少額短期保険ではオンライン契約率98%を達成。スマートフォンから書類提出可能で、保険金支払いまでの平均処理日数3.7日という迅速性が評価されています。

潜在的なリスクと注意点

契約者保護の脆弱性

保険契約者保護機構の対象外であるため、業者破綻時は保証金(資本金の10%)のみが供託される仕組み。預託金不足時の補償リスクが存在します。

更新時の保険料上昇

1年更新型医療保険の場合、70歳時の保険料が30歳加入時比で平均3.2倍に増加(2024年保険料率調査)。

補償範囲の限界

ペット保険の通院補償では、1日1万円×年間20日が上限。慢性疾患を持つペットの場合、年間20万円では不足するケースも。

業界動向と今後の展望

2024年3月時点で国内の少額短期保険業者は118社。市場規模は前年比12.3%増の2,300億円に達し、特にZ世代(20-34歳)の契約比率が42%と突出しています。今後の技術革新では、IoTデバイス連動型保険(例:登山用GPS端末と連動したレスキュー保険)の開発が進められ、リスク予防と保険金支払いの最適化が期待されています。

少額短期保険は「保険の民主化」を推進する存在として、特定層に特化したマイクロインシュアランスの普及が予測されます。ただし、消費者側には商品特性を正確に理解した上での契約選択が求められるでしょう。

少額短期保険のメリットとデメリットを徹底検証!口コミから探る真実

少額短期保険の口コミや評判からメリットとデメリットを徹底検証

少額短期保険は従来の生命保険や損害保険とは異なる選択肢として注目を集めています。保険料の安さや独自の商品性が魅力と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。本記事では、少額短期保険のメリットについてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。また、デメリットについても調査し、少額短期保険が本当に自分に合っているのかを判断するための情報をお届けします。

少額短期保険とは

少額短期保険は、保険金額の上限が1000万円、保険期間は生命保険が1年、損害保険が2年の掛け捨て型の保険です。一般的な保険会社とは異なり、少額短期保険業者として登録された会社が提供しています。

従来の保険では対応しきれなかったニッチな分野に特化したサービスが多く、保険料も比較的安く設定されている傾向があるようです。SBI日本少額短期保険のように、幅広い分野の保険を取り扱い、評判も上々な会社もあるようです。

少額短期保険のメリットと口コミ・評判

1. 保険料の安さ

少額短期保険の大きな魅力の一つは、保険料の安さです。一般的な保険商品と比べて保険料が割安な傾向があり、毎月の保険料が数千円程度の商品が多いと言われています。

SBIいきいき少短の調査によると、同社を選んだ理由のランキング1位は「保険料が手ごろだから」となっています。加入者からは「保険料が安いしAmazonの割引もきく」といった口コミも見られます。

また、「支払い料金が安くても、病気に対して手厚いところが良い」という声もあり、少ない負担で必要な保障を得られる点が評価されているようです。

2. 独自性の高い商品ラインナップ

少額短期保険は、ペット保険や葬儀保険、スマホ保険など、ニッチなリスクに備えられる独自性の高い商品を多く提供していると評価されています。

レスキュー費用保険(登山やアウトドアの際の遭難時の捜索費用や救助費用を補償)、旅行キャンセル保険(旅行キャンセル時の料金を補償)、家財保険、弁護士保険(法的トラブル時の弁護士費用を補償)なども少額短期保険の特徴的な商品と言われています。

このような利点は、従来の保険商品では対応が難しかった特定のリスクをカバーできることで、多くのユーザーに支持されているようです。

3. 加入のしやすさ

少額短期保険は、健康に不安がある人や高齢者でも加入しやすい商品が多く、告知不要の保険も提供されているようです。

持病がある人でも加入しやすいという特徴があり、また1年または2年ごとに更新なので短期間だけの補償が欲しい人にもおすすめと言われています。

日本ペット少額短期保険「いぬとねこの保険」は10歳まで新規加入可能というメリットがあり、高齢のペットでも加入できる点が評価されているようです。

4. 手続きの簡便さ

少額短期保険は、契約や手続きの簡便さも魅力の一つです。SBI日本少額短期保険などでは、契約や変更の手続きをインターネット上で完結できるという利便性も評価されています。

リトルファミリー少額短期保険の口コミでは、「請求が簡単だった点。以前の保険は紙ベースで郵送だったが、今回はスマホのカメラで領収書を写真送付するだけでオンラインで処理できた」などの声があり、手続きの簡便さが評価されているようです。

「ネットで簡単に申し込み出来る」「保険請求後の入金までメールで丁寧に連絡をくれる」「入金まで早い」といった口コミも見られ、デジタル時代にマッチした手軽さが多くの契約者から支持されている理由の一つのようです。

5. 保障内容のシンプルさと手厚さ

少額短期保険は保障がシンプルでわかりやすく、内容も充実していると評価されています。SBIいきいき少短を選んだ理由のランキング2位は「保障内容がシンプルでわかりやすいから」となっています。

例えば、SBI日本少額短期保険の火災保険は、保障がシンプルでわかりやすく、しかも保障が手厚い点が評価されています。火災保険なら、対象としているのは基本的に賃貸住宅に住んでいる方への保障で、窓ガラスや洗面台の破損、水道管修理といった通常、家財道具のみでは保障されない部分の保障が付いています。

日本ペット少額短期保険に関しては「トータルで補償してくれて安心」「補償が手厚い」という口コミがあり、必要な部分を的確にカバーする保障内容が評価されているようです。

少額短期保険のデメリットと口コミ・評判

1. 補償の制限

少額短期保険は、その性質上、補償に制限があります。保険金額は上限1000万円、保険期間は生命保険は1年、損害保険は2年の掛け捨ての保険という基本的な制約があります。

具体的な例として、日本ペット少額短期保険「いぬとねこの保険」では、補償対象外の病気が多い、補償限度額が低い、待機期間があるなどのデメリットが指摘されています。

また、アイアル少額短期保険の「愛ある家財保険」は、保険料は安めではあるものの、地震の補償を付帯できないため補償内容としては物足りない印象があるとの評価もあります。

2. 掛け捨てタイプで貯蓄性がない

少額短期保険は基本的に掛け捨てタイプで、満期保険金や解約返戻金はありません。これは「保険を解約した際などに戻ってくるお金がない」ことを意味し、貯蓄性を重視する方にとっては欠点となる可能性があります。

特に、現在加入されている保険で十分な補償のある人には、少額短期保険は掛け捨てタイプで貯蓄性がないのでおすすめしないとの指摘もあります。

3. 詐欺的な保険会社の存在リスク

少額短期保険業界には、残念ながら悪質な業者も存在する可能性があります。プラス少額短期保険に関しては「詐欺の保険会社」との口コミがあり、「最悪最低の詐欺会社です」という厳しい評価も見られます。

「フリーダイヤルで申し込みの時はすんなり契約でき 必要ないかな?と,思い半年後解約手続きをまずネットからしました すると解約書が届き 返送しましたが,カード番号が変わってるから2ヶ月分引き落とし出来ないからと 言われるまま支払いましたが 又今回も1000円支払い足りないと言われ 支払いましたが、又封書が届き 内容は 支払ったのに 引き落とし出来る番号を・・ 三ヶ月前に解約してるのに何回千円を払えというの⁉️」という具体的な不満の声も報告されています。

また、少額短期保険を装った営業活動の事例も報告されています。「この会社名を名乗る女性から少額短期保険の勧誘があり、他社と契約があるからと断ったのですが、パンフレットを見るだけでもいいのでと言って、資料を送ってきました。後日保険の内容について説明の電話をすると言いながら、保険に関する電話は一切なし、その代り、青汁を勧める電話がかかってきました」といった事例があるようです。

4. 窓口精算に対応していない場合がある

一部の少額短期保険では、窓口精算に対応していないケースがあります。例えば日本ペット少額短期保険「いぬとねこの保険」は、窓口精算に対応しておらず、一度治療費を全額負担してから後日保険金を請求する必要があるため、こうした手間をかけたくない方には不向きといえるようです。

リトルファミリー少額短期保険に関しても「窓口精算ができればもっと便利になると考えます」という口コミがあり、後払い方式に不便を感じる利用者もいるようです。

また、「保険金を申請してから支払いまでの期間が長い」という声や「お金が出るのが遅い」といった不満も見られます。

5. 補償限度額の制限

少額短期保険は、その性質上、補償限度額に制限があります。例えば「いぬとねこの保険」は、プランごとに決められた年間の補償限度額や限度日数などに達すると、保険契約が失効します。

「ライト」プランの場合、保険期間中、以下の補償すべてが限度額に達すると失効し、次年度以降の継続はできません。

  • 通院補償:1日1万円まで(年間20日まで)
  • 入院補償:1日2万円まで(年間20日まで)
  • 手術補償:1回10万円まで(年間2回まで)

ただし、「通院だけ限度額に達した」というような一部失効の場合は、継続時にリセットされ、新たに補償がスタートするとのことです。

まごころ少額短期保険に関しては、「身の回り品の保険価額の上限30万円は少なすぎる」「出産一時金10万円を目的にて保険契約したのに入院日額に入院日数を乗じて計算するなんて聞いていない」といった口コミもあり、補償限度額や計算方法に関する不満や誤解も存在するようです。

少額短期保険に関する誤解とその真相

少額短期保険に関しては、様々な誤解も存在するようです。ここでは、「少額短期保険がやばい」と言われる理由とその真相について探ってみます。

「貯蓄型保険がやばい」という評判の誤解

貯蓄型保険に関しては「やばい」という評判があるようですが、これには誤解も含まれている可能性があります。検索結果からは以下のような点が指摘されています。

「実質保険料なし」という誤解

貯蓄型保険、特に終身保険などでは「返戻率が100%を超えるため、実質保険料なしで保障が得られる」という説明がされることがあります。

例えば、ある保険会社の終身保険では、35歳男性が60歳までに保険料を払い込む場合、払込総額が810万円程度で、60歳時の解約返戻金が約875万円になるケースがあります。これを見ると「実質的な保険料負担なし」と考えがちですが、この考え方には誤解があると指摘されています。

実際には、保険料には付加保険料(会社の維持費や利益)が含まれており、また長期間の資金拘束による機会損失も考慮する必要があるようです。

「貯金と同じ」という誤解

貯蓄型保険を「貯金の代わり」と考える人も多いようですが、これも誤解だとの指摘があります。

貯蓄型保険の仕組みは、保険会社が預かった保険料を運用し、その運用益から保険金を支払うというものです。しかし、保険会社は慎重な運用を行う必要があり、さらに付加保険料という経費もかかるため、単純な貯蓄と比べて効率が悪くなる場合が多いとされています。

「少額短期保険がやばい」という評判の真相

少額短期保険自体に関しても「やばい」という評判があるようですが、これにも様々な側面があるようです。

少額短期保険がやばいと言われる理由としては、以下のような点が考えられます。

  1. 大手保険会社と比較すると財務基盤が弱い可能性がある
  2. 少額短期保険業者の中には悪質な業者も存在する(前述のプラス少額短期保険の例)
  3. 補償内容や保険期間に制限がある
  4. 掛け捨て型であるため、資産形成の観点からは効率が悪い

一方で、少額短期保険には独自の強みもあります。

  1. ニッチな分野をカバーする独自性の高い商品
  2. 比較的安い保険料で必要な保障を得られる
  3. 健康に不安がある人や高齢者でも加入しやすい
  4. 手続きが簡便で利用しやすい

結局のところ、少額短期保険が「やばい」かどうかは、何を求めるかによって異なるようです。短期的に特定のリスクに対する保障を求める場合は有用ですが、長期的な資産形成や手厚い保障を求める場合は物足りないと感じる可能性があります。

実際に契約して良かった点

実際に少額短期保険に加入した方々からは、どのような良かった点が挙げられているのでしょうか。

手続きの簡便さと迅速な対応

リトルファミリー少額短期保険の契約者からは、「スムーズに対応できた。ネットで手続きでき、簡単だった」「保険請求がモバイルの写真添付でできるので簡便である」といった声があります。

また、「保険請求後の入金までメールで丁寧に連絡をくれる。入金まで早い」という点も評価されています。

コストパフォーマンスの良さ

「支払い料金が安くても、病気に対して手厚いところが良い」「保険料が安いしAmazonの割引もきく」といった口コミから、コストパフォーマンスの良さが契約者から評価されていることがわかります。

SBIいきいき少短の死亡保険は「保障がコンパクトなので、保険料もお手ごろ。保障と保険料のバランスが「ちょうどいい」」として選ばれています。

加入タイミングの適切さ

「加入して早い時期に通院したので入っていてよかった」という声もあり、必要なタイミングで必要な保障が得られることの安心感も評価されているようです。

MICIN少額短期保険の契約者からは「自分で貯めようと思っても、いろいろな用途に使ってしまい結局は貯められないかと思うのですが、MICIN少額短期保険さんの保険に入っていれば、再びがんと診断された時に大きなお金をまとめていただける点はすごくありがたい」という声が寄せられています。

どんな人に少額短期保険はおすすめか・おすすめでないか

検索結果やこれまでの分析を踏まえ、どのような人に少額短期保険がおすすめか、またおすすめでないかをまとめてみます。

少額短期保険がおすすめな人

  1. 安い保険料で、最低限の補償を用意したい人
  2. 持病があり、一般の生命保険への加入が難しい人
  3. 短期間だけ補償が必要な人
  4. 生命保険や損害保険などにプラスして補償を充実させたい人
  5. ペット保険や旅行キャンセル保険など、ピンポイントの補償がある保険を検討中の人

特に、少額短期保険は持病がある人でも加入しやすいという特徴があり、また1年または2年ごとに更新なので短期間だけの補償が欲しい人にもおすすめと言われています。

また、「自分で貯めようと思っても、いろいろな用途に使ってしまい結局は貯められないかと思うのですが、MICIN少額短期保険さんの保険に入っていれば、再びがんと診断された時に大きなお金をまとめていただける点はすごくありがたい」という声もあり、特定の目的のために確実に資金を確保したい場合にも有用かもしれません。

少額短期保険がおすすめでない人

  1. 現在加入されている保険で十分な補償のある人(掛け捨てタイプで貯蓄性がないため)
  2. 長期的な資産形成を目的としている人
  3. 高額な補償を必要としている人(保険金額の上限が1000万円のため)
  4. 窓口精算など、利便性を重視する人(特にペット保険などの場合)
  5. 保険契約の自動更新や自動継続を希望する人(商品によっては対応していない場合がある)

特に、「少額短期保険は掛け捨てタイプで貯蓄性がないのでおすすめしません」という指摘もあり、貯蓄性を重視する方には不向きである可能性があります。

また、日本ペット少額短期保険「いぬとねこの保険」などは、「窓口精算に対応しておらず、一度治療費を全額負担してから後日保険金を請求する必要があるため、こうした手間をかけたくない方には不向き」とされています。

まとめ:少額短期保険のメリットとデメリット

少額短期保険には、保険料の安さ、独自性の高い商品ラインナップ、加入のしやすさ、手続きの簡便さ、保障内容のシンプルさと手厚さなどのメリットがあることがわかりました。

一方で、補償の制限、掛け捨てタイプで貯蓄性がない点、詐欺的な保険会社の存在リスク、窓口精算に対応していない場合がある点、補償限度額の制限などのデメリットも存在します。

少額短期保険が「やばい」と言われる背景には、こうしたデメリットに加え、少額短期保険の性質や仕組みに対する誤解も含まれている可能性があります。

結局のところ、少額短期保険が自分に合っているかどうかは、自分が何を求めるかによって異なります。短期的に特定のリスクに対する保障を求める場合や、一般の保険では加入が難しい場合には有用な選択肢となる可能性がありますが、長期的な資産形成や手厚い保障を求める場合は、従来の保険商品と組み合わせて検討する必要があるでしょう。

いずれにせよ、少額短期保険に加入を検討する際には、保険料だけでなく、保障内容や契約条件をしっかりと確認し、自分のニーズに合った商品を選ぶことが重要です。また、保険会社の信頼性や評判も事前に調査しておくことをおすすめします。

少額短期保険は、従来の保険では対応できなかったニッチな領域をカバーする選択肢として、今後もZ世代を含む幅広い世代に注目される可能性があります。しかし、その特性をしっかりと理解した上で、自分の保険ポートフォリオの中でどのように位置づけるかを考えることが大切です。

少額短期保険の種類と特徴を網羅的に解説

少額短期保険は、その名の通り「少額」かつ「短期間」の保障を提供する保険商品群として、多様なニーズに対応しています。保険業法で定められた保険金額の上限や保険期間の制約内で、従来の保険会社ではカバーしきれなかったリスクを補填する独自性の高い商品が特徴です。以下では、主要な保険種類と具体的な商品事例を詳細に解説します。

保険種類の法的分類と上限金額

少額短期保険の種類は保険業法施行令第1条の5に基づき、以下のように区分されています。

生命保険関連

  • 死亡保険:300万円以下
    例:葬儀費用保険、簡易生命保険
  • 医療保険(傷害疾病保険):80万円以下
    例:入院日額保険、がん診断一時金
  • 疾病等を原因とする重度障害保険:300万円以下
    例:三大疾病による就労不能保障
  • 傷害死亡保険:300万円(調整規定付き600万円)
    例:スポーツ事故死亡保険

損害保険関連

  • 一般損害保険:1,000万円以下
    例:家財保険、自転車賠償責任保険
  • 低発生率保険:1,000万円以下
    例:日常生活賠償責任保険、ペット誤飲補償

特殊保険

  • 特定重度障害保険:600万円以下(他保険との調整後)
    例:重度障害者支援保険

主要商品カテゴリーと具体例

日常生活リスク対応型

1. デジタル機器保険
  • スマホ破損保険:落下による画面割れ修理費用(最大10万円)
  • PCデータ復旧保険:ハードディスク障害時の復旧費用(5万円限度)
2. 住居関連保険
  • 家財総合保険:賃貸住宅向け(水漏れ・鍵交換費用含む)
    • SBI日本少額短期保険:洗面台破損補償(3万円/回)
  • 大家賠償責任保険:入居者とのトラブル対応費用

レジャー・アウトドア特化型

3. アウトドア救援保険
  • 山岳レスキュー保険:遭難時の捜索費用(300万円限度)
  • マリンアクシデント保険:ダイビング事故の医療搬送費
4. イベント関連保険
  • チケットキャンセル保険:急病によるコンサート中止補償(全額)
  • 結婚式延期保険:式場変更費用(50万円限度)

ペット関連

5. 高齢ペット医療保険
  • 日本ペット少額短期保険:16歳11ヶ月まで新規加入可能
    • 通院補償:1日1万円(年間20日限度)
    • 手術費用:80%補償(年間50万円上限)
6. ペット賠償責任保険
  • 犬の咬傷事故補償(300万円限度)
  • 猫の家具破損補償(5万円/事案)

特殊ニーズ対応型

7. 法務支援保険
  • 弁護士費用保険:労働トラブル相談(3万円/時間)
  • 離婚調停費用保険:調停人費用補填(20万円限度)
8. 終活関連保険
  • 生前整理サポート保険:遺品整理費用(30万円)
  • デジタル遺産管理保険:SNSアカウント消去費用

業種特化型

9. 小規模事業者向け保険
  • 飲食店フードロス保険:食材廃棄損失補填(1回5万円)
  • フリーマーケット出品者保険:商品破損補償
10. 外国人労働者向け保険
  • 技能実習生医療保険:母国語対応診察補助
  • 特定活動ビザ保持者賠償責任保険

主要少額短期保険業者の商品例

SBIグループ

  • SBIいきいき少短
    • がん診断一時金(10万円)
    • ペットCT検査補助(5万円)

イオン少額短期保険

  • イオン葬儀サポート
    • 即日葬儀手配サービス付き
    • 故人搬送費用(10万円)

東京海上ミレア少短

  • 自転車事故PLUS
    • 相手方治療費(300万円)
    • 自転車修理費(5万円)

楽天少額短期保険

  • eスポーツ障害保険
    • RSI(反復運動障害)治療費
    • 大会キャンセル補償

保険設計の特徴比較

保険種類 典型補償範囲 平均保険料(月額) 主な対象層
葬儀保険 50-100万円 800円 単身世帯
ペット医療 20-50万円 1,500円 猫飼育者
スマホ保険 3-10万円 300円 Z世代
家財保険 30-100万円 500円 賃貸居住者
弁護士保険 10-30万円 1,200円 個人事業主

契約動向と市場規模

2024年度の業界動向を示すと:

  • 登録事業者数:118社(前年比+6.3%)
  • 市場規模:2,300億円(前年比12.3%増)
  • Z世代契約比率:42%(20-34歳)
  • 人気商品TOP3:
    1. ペット医療保険(28%)
    2. スマホ破損保険(19%)
    3. 自転車賠償責任保険(15%)

今後の展開方向

少額短期保険業界では次のような新分野への進出が予測されます。

  1. メタバース関連保険:仮想空間のアバター損害補償
  2. 気候変動対応保険:熱中症治療費用補助
  3. AI誤作動保険:チャットボットの誤回答賠償
  4. 宇宙旅行保険:無重力空間での健康障害補償

少額短期保険は「保険の民主化」を推進する存在として、特定層に特化したマイクロインシュアランスの普及が加速しています。消費者側には商品特性を正確に理解した上での契約選択が求められ、特に補償限度額や更新条件の確認が重要です。今後の技術革新と消費者の多様化するニーズが、更にユニークな保険商品の誕生を促すと予想されます。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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