豪ドルが”やばい”、”やめたほうがいい”といわれているのはなぜ?


”豪ドルはヤバイのでやめとけ”と口コミや評判で言われている原因について掘り下げて解説します
豪ドルは本当に”やばい”のか、デメリットとメリットから真相に迫る
豪ドルが”やばい”と言われることについてネットの口コミや評判から真相を掘り下げてみました。「豪ドルはやばい」「豪ドルはやめたほうがいい」といった意見が投資関連のサイトやSNSで見られることがありますが、その背景には様々な理由があるようです。一方で、多くの投資家が豪ドルを選ぶ理由についても調査し、豪ドルの持つ特徴やリスク、そして今後の見通しについて詳しく解説していきます。
豪ドルが”やばい”と言われる主な理由
豪ドルが「やばい」と表現される背景には、いくつかの特徴的な要因があるようです。
トレンド時の動きが非常に激しい
豪ドルがやばいと言われる理由の一つ目は、トレンド時の動きが非常に強い通貨だからだと言われています。2024年7月には、豪ドル/円は1990年9月以来となる109円台を付け、実に34年ぶりの高値水準を記録しました。
特に注目すべきは、100円を超えてから109円台までの到達に要した期間がたった3ヶ月だったという事実です。これは非常に激しい値動きと言えるでしょう。また、下降トレンド時も同様で、1ヶ月間で109.371円から90.107円まで下げる激しい値動きを見せたと報告されています。
豪ドルの値動きは年間で10〜20円ほど価格が上下するほど激しく、トレンドの際に安易な逆張りをしたトレーダーは大きな損失を被る可能性があるとされています。
資源価格への高い依存度
豪ドルがやばいとされる2つ目の理由は、オーストラリア経済が資源価格に大きく依存しているためです。オーストラリアは石炭・鉄鉱石・天然ガスなどの豊富な天然資源に恵まれた世界有数の天然資源の輸出国であり、これらの資源価格の変動が豪ドルの価値に直接的な影響を与えると言われています。
オーストラリアの主な輸出品は鉄鉱石(29.8%)、石炭(12.2%)、天然ガス(9.6%)となっており、これらの資源価格が下落すると、豪ドルにとって悪影響となる可能性が大きいとされています。
中国経済への依存
3つ目の理由は、オーストラリア経済と豪ドルの価値が中国経済に大きく左右される点です。中国はオーストラリア最大の貿易相手国であり、豪ドルは中国経済の影響を多大に受けると言われています。
例えば、2023年に中国が利下げに踏み切った際には、豪ドルも下落したという事例が報告されています。現在も中国経済の低迷が続いており、今後の豪ドルへの影響が懸念されているようです。
中国の景気が豪ドルの価値に影響を与えるため、自国の景気動向だけでなく中国の経済状況にも注意が必要とされています。
リスクオン/リスクオフの影響を受けやすい
豪ドルはリスクオン通貨の特性を持っていると言われています。リスクオンとは投資家がハイリスクハイリターンでの投資や取引を行う市場環境を指します。
豪ドルは市場規模と取引量が小さいため、投資資金の変動が大きな影響を及ぼしやすい通貨とされています。世界の政治や経済の動きに敏感で、不安定な状況下では価値が下がりやすく、安定しているときは価値が上がりやすい特性があるようです。
リスクオンの時には豪ドルは上昇しやすく、リスクオフの時には下落しやすいという特徴があり、これが豪ドルの価格変動を激しくする一因となっているようです。
不動産バブル・家計債務の懸念
豪ドルの「やばい」と言われる5つ目の理由として、オーストラリア国内の不動産バブルや家計債務の懸念が挙げられています。これらの国内経済における潜在的なリスク要因も、豪ドルの安定性に影響を与える可能性があると指摘されているようです。
豪ドルの特徴と現状
豪ドルについてより深く理解するため、その基本的な特徴と現状について見ていきましょう。
世界第6位の取引量を誇る通貨
豪ドル(AUD)は、2022年の時点で世界第6位の取引量を誇り、世界での為替取引量の約7%のシェア率を持っています。特に豪ドル/日本円の組み合わせは国内で人気が高く、また豪ドル/米ドルは世界で4位の取引量を持つ通貨ペアとなっているようです。
高金利通貨としての特性
オーストラリアは金利が他国に比べて高くなる傾向があります。これはオーストラリア準備銀行が利上げを行い続けていることや、オーストラリアが世界有数の天然資源の輸出国であり常に安定した資源を保有していることから、金利狙いの資金が集まりやすいためだと説明されています。
高金利であることから、豪ドルはスワップポイントも高く、うまく運用すれば為替差益とスワップ収入の両方が狙えるという点が特徴として挙げられています。GMOクリック証券では、豪ドル/円を1万通貨買うと、一日に122円のスワップポイントが付与されるとの情報もあります(2024年9月16日時点)。
2024-2025年の豪ドルの動向
2024年7月前半まで豪ドルは非常に強い通貨でしたが、その後はトレンド終焉・転換の兆しが見られているとのことです。100円越えを達成してから快進撃を続けた豪ドル円ですが、その後失速し、現在(2024年後半時点)は90円台のレンジに入っているようです。
大幅下落からの上昇で99.863円を付けるも、その後は93.590円まで下落したとされています。テクニカル分析でも下落基調にあり、アメリカ大統領選の影響などでリスク回避の円高によって90円割れを起こす可能性も考えられるとの見方もあるようです。
豪ドルに関する良い評判・口コミ
否定的な意見がある一方で、豪ドルに対する肯定的な評価も多く見られます。実際の投資家からの口コミや評判を見てみましょう。
資産形成に活用する投資家の声
「外貨預金の代わりに豪ドルを毎月積み立てています。少しづつですが確実に資産が増えるのを実感できるのが良いですね。スワップ狙いの取引はコツコツタイプの投資家に向いています」という口コミがあります。
このように、短期的な値動きではなく長期的な視点で豪ドルを活用している投資家も多いようです。特に高いスワップポイントを活かした運用方法が人気のようです。
安定した資源国通貨としての評価
天然資源は外的環境の変化によって受ける影響が少ないため、豪ドルは高金利かつ安定した通貨として日本人からの人気も高いとされています。
オーストラリアは世界12位の一人当たりGDPを持ち、経済的にも安定している国だという評価もあるようです。
豪ドルと米ドルの比較
豪ドルと米ドルはどちらがより良い投資先なのかという観点からの情報も見ていきましょう。
豪ドルのリスクと米ドルとの違い
豪ドルは、市場規模と取引量が小さいため、投資資金の変動が大きい影響を及ぼしやすい通貨だとされています。また、国債利回りが米ドルよりも低くなっている点も特徴として挙げられています。これは同じ額の投資をした場合、オーストラリアの国債はアメリカの国債に比べて期待できる収益が低いということを意味し、積立金の運用効率が低くなる可能性があると指摘されています。
通常、米ドルの方が安定していると感じられますが、過去を振り返ると、2008年のリーマンショックでは豪ドルの下落率が米ドルよりも大きかった一方、2011年のアメリカ国債格付け引き下げ時には、豪ドルの価値が米ドルを上回る現象も起きています。このように、将来的な外貨の動きを予測するのは難しく、常に変動の可能性があるため、両通貨の特性を理解しておくことが大切だと言われています。
豪ドル投資の具体的な選択肢
豪ドルに投資するにあたって、いくつかの具体的な方法があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
FX取引を通じた豪ドル投資
FX(外国為替証拠金取引)を通じた豪ドル/円の取引は、日本の投資家の間で人気があるようです。特にGMOクリック証券などの主要FX会社では、豪ドル/円のスプレッド(売買の価格差)が比較的狭く、取引がしやすいという評価があります。
「スプレッドが狭くて手数料が安い」「スマホアプリが初心者でも使いやすい」などの良い評判がある一方で、「最低取引単位が高く(1000通貨)、少額投資に向かない」「ロスカット手数料が地味に痛い」などのデメリットも指摘されています。
FX積立を活用した豪ドル投資
FX積立は、定期的に一定額の外貨を購入していく方法で、外貨預金の代わりとして注目されています。外貨預金に比べてFX積立がおすすめされる理由としては、「為替相場の変動に対応しやすい」「為替手数料が低い」などが挙げられています。
実際の収支データによれば、米ドル/円の積立では82.6%の人が収支プラスとなっており、メキシコペソ/円でも76.1%の人が収支プラスとなっているようです。累計損益率も米ドルで9.7%、メキシコペソでは20.6%と高い数字が報告されています。
外貨建て債券での豪ドル投資
豪ドル建ての債券も投資の選択肢の一つです。例えば「トヨタ ファイナンス オーストラリア リミテッド 2029年3月満期 豪ドル建社債」は年4.54%(税引前)という高い利回りが特徴で、格付けも「Moody’sジャパン」でA1、「S&Pジャパン」でA+と高く、リスクの低さは申し分ないとされています。
ただし、外貨建て社債は利回りだけを見て買うと損をする可能性のある、リスクの高い金融資産だという指摘もあります。為替リスクを含め、十分な理解が必要な投資対象と言えるでしょう。
豪ドル投資の欠点とリスク
豪ドル投資には、これまで見てきたようなメリットがある一方で、いくつかの重要なリスクや欠点も存在します。
変動リスクの大きさ
豪ドルの最大の欠点は、値動きが激しく予測が難しい点にあると言われています。特にトレンド時の動きが激しいため、トレーダーにとっては大きな利益を得るチャンスがある反面、大きな損失を被るリスクも高いと指摘されています。
年間で10〜20円ほど価格が上下する豪ドルは、デイトレードなどの短期取引には向かない場合もあるようです。
外部要因への依存度
豪ドルの価値は、オーストラリア国内の経済状況だけでなく、中国経済や世界の資源価格など、外部要因に大きく左右されます。この依存度の高さが、豪ドルのもう一つの大きなリスク要因とされています。
特に中国との関係性は重要で、中国経済の減速はオーストラリアの輸出に直接的な打撃を与え、AUDの価値下落を招く可能性があると指摘されています。
金利優位性の変化
かつては高金利通貨として知られた豪ドルですが、近年はその位置づけに変化が見られるとの指摘もあります。世界的な金融政策の変化や他国の金利動向によって、豪ドルの金利面での優位性が低下する可能性も考慮すべき点だと言われています。
豪ドル投資を検討する際のポイント
豪ドルへの投資を検討している方々に向けて、いくつかの重要なポイントをまとめました。
長期的視点での運用を考える
豪ドルは値動きが激しいため、短期的な売買よりも長期的な視点での運用が適している可能性があります。特にスワップポイントを活用した長期運用や積立投資は、多くの投資家に支持されているようです。
「外貨預金の代わりに豪ドルを毎月積み立てています。少しづつですが確実に資産が増えるのを実感できるのが良いですね」という投資家の声もあるように、コツコツとした投資アプローチが適していると考えられています。
資源価格や中国経済の動向を注視
豪ドルで取引する際は、天然資源の価格変動や、他国(主に中国)の景気動向に注意することが重要だとされています。オーストラリアの主要輸出品である鉄鉱石、石炭、天然ガスなどの価格推移は、豪ドルの価値に直接影響するため、これらの市場動向を把握しておくことが望ましいとのことです。
分散投資の一環として考える
どの通貨も将来の動きを完全に予測することは難しいため、豪ドル一つに集中投資するのではなく、分散投資の一環として位置づけることが推奨されています。米ドルやその他の通貨、さらには株式や債券など、異なる資産クラスとバランスを取りながら投資することで、リスクを軽減することができるとされています。
結論:豪ドルは本当に”やばい”のか?
豪ドルが「やばい」と言われる理由を様々な角度から検討してきましたが、その真相はどうなのでしょうか。
豪ドルは確かに値動きが激しく、資源価格や中国経済など外部要因に大きく左右される特性を持っています。この特性が「やばい」と表現される主な理由のようです。しかし、これはリスクでもあり、同時に大きなリターンを得る可能性も意味しています。
「やめたほうがいい」と断言できるものではなく、投資家の投資スタイル、リスク許容度、投資目的によって判断が分かれる点だと言えるでしょう。短期的な利益を求めるトレーダーにとっては不安定さがリスクとなる一方、スワップポイントを活用した長期運用や積立投資を考える投資家にとっては魅力的な選択肢となり得ます。
豪ドルへの投資を検討する際は、単に「やばい」という表現に惑わされるのではなく、その特性を正しく理解し、自身の投資目的に合った運用方法を選択することが重要だと言えそうです。特に長期的な視点での分散投資の一環として考えることで、リスクを管理しながらその特性を活かすことができるのではないでしょうか。
今後も国際情勢や経済環境の変化に応じて、豪ドルの評価も変わっていく可能性があります。継続的な情報収集と慎重な判断が、成功への鍵となるでしょう。
最後に
豪ドルが「やばい」と言われる背景には、確かにいくつかの重要なリスク要因が存在しています。しかし同時に、多くの投資家が豪ドルを選ぶ理由も明確にあります。投資は常にリスクとリターンのバランスの問題であり、豪ドルも例外ではありません。
自身の投資目的やリスク許容度を踏まえ、豪ドルの特性を正しく理解した上で投資判断を行うことが、最も賢明なアプローチと言えるでしょう。専門家のアドバイスを参考にしながら、多角的な視点で検討することをおすすめします。
