グローバルXの高配当ETFはおすすめできるのか?

グローバルXの高配当ETFはおすすめできるのか?
ライター:関野 良和

グローバルXのETFはおすすめできるのか、わかりやすく解説

2025年1月、日本の金融市場に新たな風が吹き込んだ。大和証券グループのETF専門資産運用会社であるGlobal X Japan株式会社が、東京証券取引所に「グローバルX 銀行 高配当-日本株式ETF」を新規上場したのだ。これにより、同社の取り扱うETFは合計50本となり、東証上場ETF運用会社の中で最速のペースで50本に到達した。

Global Xは2008年に米国で創業したETF専門の資産運用会社で、革新的なETFのパイオニアとして知られている。日本法人であるGlobal X Japanは2019年9月に設立され、日本で唯一のETF専門資産運用会社として、投資家の多様なニーズに応える特長あるETFを提供してきた。

特に注目を集めているのが、同社の高配当ETFだ。高配当ETFは、配当利回りの高い株式に投資することで、安定的な収益を目指す投資商品である。しかし、高配当だけを追求すると、財務状況の悪化した企業に投資してしまうリスクもある。そこでGlobal Xは、単に配当利回りだけでなく、企業の財務健全性や成長性も考慮した独自の指数を開発し、それに連動するETFを提供している。

この記事では、Global Xの高配当ETFの特徴や魅力、リスク、そして投資家にとってのおすすめ度について、詳しく解説していく。

この記事でわかること

  • Global Xの高配当ETFの特徴と種類
  • 高配当ETFのメリットとデメリット
  • Global Xの高配当ETFの運用実績と評価
  • 他社の高配当ETFとの比較
  • 投資家のタイプ別おすすめ度

グローバルXの高配当ETFについて

1. Global Xの高配当ETFラインナップ

Global X Japanは、日本株式を対象とした高配当ETFを複数提供している。主な商品は以下の通りだ。

  1. グローバルX 銀行 高配当-日本株式ETF(315A)
  2. グローバルX 高配当30-日本株式 ETF(235A)
  3. グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF(2564)
  4. グローバルX Morningstar 高配当 ESG-日本株式 ETF(2849)

これらのETFは、それぞれ異なる指数に連動することで、投資家に多様な選択肢を提供している。例えば、「グローバルX 銀行 高配当-日本株式ETF」は、東証業種別株価指数「銀行業」の構成銘柄のうち、配当実績の高い15銘柄から構成される指数に連動する。一方、「グローバルX 高配当30-日本株式 ETF」は、日本の大型高配当企業30社により構成される指数に連動する。

このように、セクター特化型や幅広い業種から選定するタイプなど、投資家の戦略に合わせて選択できるのが特徴だ。

【用語解説:ETF(上場投資信託)】
ETFとは、Exchange Traded Fundの略で、特定の指数に連動するように設計された投資信託のこと。通常の投資信託と異なり、証券取引所に上場されており、株式と同じように売買できる。指数に連動することで、少額から分散投資が可能になり、運用コストも抑えられるのが特徴。

2. Global Xの高配当ETFの特徴

Global Xの高配当ETFには、以下のような特徴がある。

  1. 独自の指数開発: Global Xは、単に既存の指数に連動するのではなく、独自の指数を開発している。例えば、「グローバルX 高配当30-日本株式 ETF」で使用される「Mirae Asset Japan High Dividend 30 Index」は、時価総額5,000億円以上かつ年間フリーキャッシュフローから年間配当総額を引いたものがプラスである銘柄を組入候補銘柄とし、その中から配当利回りの高い30銘柄を選定している。
  2. クオリティ重視: 高配当だけでなく、企業の財務健全性も考慮している。例えば、「グローバルX S&P 500クオリティ・ディビデンドETF」では、S&P 500の中から予定年間配当利回りとクオリティスコアの両方で上位200社を選定している。
  3. ESG要素の考慮: 「グローバルX Morningstar 高配当 ESG-日本株式 ETF」のように、高配当とESG(環境・社会・ガバナンス)の要素を組み合わせた商品も提供している。
  4. 定期的な銘柄入れ替え: 多くのETFで年2回(1月と7月)に指数構成銘柄および構成比率の見直しを行っている。これにより、常に基準を満たす銘柄に投資することができる。
  5. 分配頻度: 多くのETFが年4回(1月、4月、7月、10月)の分配を行っており、定期的な収入を求める投資家のニーズに応えている。

これらの特徴により、Global Xの高配当ETFは、単純に配当利回りの高さだけを追求するのではなく、企業の質や将来性も考慮した投資を可能にしている。

3. 高配当ETFのメリット

Global Xの高配当ETFには、以下のようなメリットがある。

  1. 安定的なインカム: 高配当株式に投資することで、定期的な配当収入が期待できる。例えば、「グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF」は、2024年10月末時点で東証の国内株高配当ETFの中で最も高い利回りを誇っている。
  2. 分散投資: 複数の高配当銘柄に分散投資することで、個別銘柄のリスクを軽減できる。「グローバルX 高配当30-日本株式 ETF」のように30銘柄に分散投資することで、リスクの低減が図られている。
  3. 低コスト: ETFは通常の投資信託と比べて運用コストが低い。Global Xの高配当ETFの多くは、信託報酬が年率0.3025%(税込)程度と、比較的低コストで運用されている。
  4. 流動性: ETFは取引所に上場されているため、株式と同様に売買が可能。これにより、必要な時に換金しやすい。
  5. 少額から投資可能: Global Xの多くのETFは、1口1,000円〜5,000円程度で購入可能。少額から投資を始められるのも魅力だ。
  6. 専門家による銘柄選定: 個人投資家が自力で高配当銘柄を選ぶのは難しいが、ETFを利用することで専門家による銘柄選定の恩恵を受けられる。
  7. 自動的な銘柄入れ替え: 定期的に指数の構成銘柄が見直されるため、投資家自身が銘柄の入れ替えを行う手間が省ける。

これらのメリットにより、高配当ETFは特に長期的な資産形成を目指す投資家や、定期的な収入を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっている。

4. 高配当ETFのデメリット・リスク

一方で、高配当ETFには以下のようなデメリットやリスクも存在する。

  1. 株価変動リスク: ETFの価格は、構成銘柄の株価変動の影響を受ける。高配当銘柄であっても、市場全体の下落時には価格が下がる可能性がある。
  2. セクター偏重のリスク: 高配当銘柄は特定のセクター(例:金融、公益事業)に偏りがちで、分散投資の効果が限定的になる可能性がある。
  3. 配当減少のリスク: 経済環境の悪化や企業業績の悪化により、構成銘柄の配当が減少または停止するリスクがある。
  4. 為替リスク: 海外の高配当株に投資するETFの場合、為替変動の影響を受ける。
  5. 追随誤差: ETFの価格が連動対象の指数と完全に一致しない場合がある。
  6. 流動性リスク: 市場環境によっては、ETFの売買が困難になる場合がある。
  7. 分配金の希薄化・濃縮化: ETFの設定・解約により、1口当たりの分配金額が変動する可能性がある。
  8. 高配当銘柄の罠: 単に配当利回りが高いだけの企業に投資してしまうリスクがある。財務状況が悪化している企業が高配当を維持しているケースもあるため注意が必要。

これらのリスクを理解した上で、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて投資判断を行うことが重要だ。

【用語解説:追随誤差(トラッキングエラー)】
追随誤差とは、ETFの運用成績が連動対象の指数の動きと乖離することを指す。この誤差は、運用手数料、売買コスト、配当の取り扱いの違いなどによって生じる。投資家は、ETFのパフォーマンスを評価する際に、この追随誤差にも注意を払う必要がある。

5. Global Xの高配当ETFの運用実績

Global Xの高配当ETFの運用実績を見てみよう。ただし、多くの商品が比較的新しいため、長期的な実績データが限られていることに注意が必要だ。

  1. グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF(2564): このETFは、2024年10月末時点で東証の国内株高配当ETFの中で最も高い利回りを誇っている。具体的な数値は公開されていないが、高い配当利回りを維持していることがわかる。
  2. グローバルX S&P500配当貴族ETF: 2024年11月24日の決算では、1口当たり500円の分配金を支払い、分配金利回り(1年)は1.62%となっている。これは、安定的な配当を提供していることを示している。
  3. グローバルX 高配当30-日本株式 ETF(235A): このETFは2024年8月20日に設定されたばかりで、長期的な運用実績はまだない。しかし、日本の大型高配当企業30社に投資するという明確な戦略を持っており、今後の成績が注目される。
  4. グローバルX Morningstar 高配当 ESG-日本株式 ETF(2849): 2024年10月24日の直近決算では、1口当たり5,300円の分配金を支払い、12か月利回りは3.08%となっている。これは、高配当とESGの両立を目指す投資家にとって魅力的な数字だ。

これらの実績から、Global Xの高配当ETFは概ね安定的な配当を提供していることがわかる。ただし、ETFの総合的な評価には、配当だけでなく価格変動も考慮する必要がある。例えば、QUICKファンドスコアのような総合評価を参考にするのも良いだろう。

また、Global Xの強みは、単に高配当を追求するだけでなく、企業の質や成長性、さらにはESGなどの要素も考慮している点だ。これにより、単純な高配当戦略よりも持続可能な運用が期待できる。

6. 他社の高配当ETFとの比較

Global Xの高配当ETFの特徴をより明確にするため、他社の類似商品と比較してみよう。

  1. 商品ラインナップの多様性: Global Xは、日本株に特化した高配当ETFを複数提供している。これに対し、他社は1〜2本程度の商品しか持っていないケースが多い。Global Xの多様な商品ラインナップは、投資家に幅広い選択肢を提供している。
  2. 独自の指数開発: Global Xは、多くの場合独自の指数を開発し、それに連動するETFを提供している。例えば、「Mirae Asset Japan High Dividend 30 Index」などがある。一方、他社のETFは既存の指数に連動するものが多い。独自指数の開発により、Global Xは他社とは異なる独自の投資戦略を実現している。
  3. クオリティ重視: Global Xの高配当ETFは、単に配当利回りの高さだけでなく、企業の財務健全性や成長性も考慮している。例えば、「グローバルX S&P 500クオリティ・ディビデンドETF」では、クオリティスコアも選定基準に含まれている。これに対し、他社の中には単純に配当利回りのみで銘柄を選定しているものもある。
  4. ESG要素の考慮: 「グローバルX Morningstar 高配当 ESG-日本株式 ETF」のように、高配当とESGを組み合わせた商品を提供している点も特徴的だ。他社にもESG関連のETFはあるが、高配当とESGを両立させた商品は少ない。
  5. 運用コスト: Global Xの高配当ETFの多くは、信託報酬が年率0.3025%(税込)程度と、比較的低コストで運用されている。これは他社の類似商品と比較しても競争力のある水準だ。
  6. 分配頻度: Global Xの多くのETFは年4回の分配を行っている。これは他社の多くのETFと同様だが、投資家にとっては定期的な収入を得られるという点で魅力的だ。
  7. 銘柄数: Global Xの高配当ETFは、「グローバルX 高配当30-日本株式 ETF」のように30銘柄程度に絞り込んでいるものが多い。これに対し、他社の中には100銘柄以上に投資するものもある。銘柄を絞り込むことで、より厳選された投資が可能になる一方、分散投資の効果は限定的になる可能性がある。
  8. 運用実績: Global Xの多くの高配当ETFは比較的新しい商品が多いため、長期的な運用実績の比較は難しい。一方で、設定来の配当実績や短期的なパフォーマンスを見る限り、他社の類似商品と遜色ない結果を出している。

これらの比較から、Global Xの高配当ETFは、独自の指数開発やクオリティ重視の銘柄選定、ESG要素の考慮など、他社とは異なる特徴を持っていることがわかる。これらの特徴が、投資家のニーズに合致するかどうかを見極めることが重要だ。

【用語解説:ESG投資】
ESG投資とは、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のこと。持続可能な社会の実現と長期的な投資リターンの獲得を両立させることを目指す投資手法として、近年注目を集めている。

7. 投資家のタイプ別おすすめ度

Global Xの高配当ETFは、投資家のタイプによって適性が異なる。以下、投資家のタイプ別におすすめ度を解説する。

  1. 長期的な資産形成を目指す投資家:
    おすすめ度:★★★★☆(4/5)
    長期投資家にとって、Global Xの高配当ETFは魅力的な選択肢となる。安定的な配当収入と株価の成長を期待できるため、複利効果を活用した資産形成に適している。特に、「グローバルX 高配当30-日本株式 ETF」のような幅広い業種から選定されたETFがおすすめだ。
  2. インカム重視の投資家:
    おすすめ度:★★★★★(5/5)
    定期的な収入を求める投資家、特に退職後の投資家にとって、Global Xの高配当ETFは非常に魅力的だ。年4回の分配金支払いと高い配当利回りにより、安定的なインカムが期待できる。「グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF」は特に高い配当利回りを誇っている。
  3. ESG投資に関心のある投資家:
    おすすめ度:★★★★☆(4/5)
    ESGを重視する投資家にとって、「グローバルX Morningstar 高配当 ESG-日本株式 ETF」は魅力的な選択肢となる。高配当とESGの両立を図っているため、社会的責任投資と安定的なリターンの両方を追求できる。
  4. リスク回避型の投資家:
    おすすめ度:★★★☆☆(3/5)
    リスクを極力抑えたい投資家にとって、高配当ETFは株式投資の中では比較的安定した選択肢となる。ただし、株式市場全体のリスクは避けられないため、債券ETFなどとの組み合わせを検討するべきだ。
  5. アクティブ運用を好む投資家:
    おすすめ度:★★☆☆☆(2/5)
    頻繁に売買を行いたい投資家にとっては、Global Xの高配当ETFはあまり適していない。これらのETFは長期保有を前提としており、短期的な値動きを狙った取引には向いていない。
  6. セクター特化型の投資を好む投資家:
    おすすめ度:★★★★☆(4/5)
    特定のセクターに注目したい投資家にとって、「グローバルX 銀行 高配当-日本株式ETF」のようなセクター特化型のETFは魅力的だ。ただし、セクター集中によるリスクも高まるため、ポートフォリオ全体のバランスに注意が必要。
  7. 初心者投資家:
    おすすめ度:★★★★☆(4/5)
    投資初心者にとって、Global Xの高配当ETFは比較的理解しやすい商品だ。少額から投資可能で、分散投資の効果も得られる。ただし、株式投資のリスクについての理解は必要不可欠だ。
  8. 海外投資に関心のある投資家:
    おすすめ度:★★★☆☆(3/5)
    Global Xは日本株に特化した高配当ETFを多く提供しているが、「グローバルX S&P500配当貴族ETF」のような海外株式に投資するETFも提供している。海外分散投資を考える投資家にとっては、これらの商品も検討の価値がある。

投資家は自身の投資目的、リスク許容度、投資期間などを考慮し、これらのおすすめ度を参考にしながら、自分に最適なETFを選択することが重要だ。また、ポートフォリオ全体のバランスを考えることも忘れてはならない。

8. 高配当ETFの税金と確定申告

高配当ETFに投資する際、税金と確定申告について理解しておくことも重要だ。

  1. 配当金への課税: ETFからの分配金は、原則として配当所得として扱われ、20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)の税率で課税される。
  2. 譲渡益への課税: ETFを売却して得た利益(譲渡益)も、20.315%の税率で課税される。
  3. 特定口座の利用: 特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば、証券会社が自動的に税金の計算と納付を行ってくれるため、確定申告が不要になる。
  4. 一般口座の場合: 一般口座で取引を行った場合は、原則として確定申告が必要になる。ただし、配当金の合計額が20万円以下で、かつ申告不要制度を選択する場合は確定申告不要。
  5. NISA(少額投資非課税制度)の活用: NISAを利用すれば、年間の非課税投資枠内で得た配当金や譲渡益が非課税となる。ただし、NISAで購入したETFから得た配当金は、申告不要制度を選択できない。
  6. 配当控除の適用: 国内株式の配当金には配当控除が適用されるが、ETFの場合、その構成銘柄によって適用の可否が異なる。国内株式のみで構成されるETFの場合は配当控除の対象となるが、外国株式を含む場合は対象外となる。
  7. 損益通算: ETFの譲渡損益は、他の上場株式等の譲渡損益や配当金と損益通算が可能。ただし、特定口座(源泉徴収あり)と一般口座の間では損益通算ができないので注意が必要。
  8. 繰越控除: 年間の譲渡損失が譲渡益を上回った場合、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができる。

投資家は、これらの税金に関する規則を理解した上で、自身の状況に応じた最適な投資戦略を立てることが重要だ。特に、NISAの活用や特定口座の利用は、税金面でのメリットが大きいため、積極的に検討すべきだろう。

【用語解説:NISA(少額投資非課税制度)】
NISAとは、Nippon Individual Savings Accountの略で、一定額の投資から得られる利益が非課税となる制度。2024年からは「新NISA」が始まり、年間の非課税投資枠が拡大されるなど、より使いやすい制度となっている。長期的な資産形成を後押しする制度として、多くの投資家に活用されている。

9. 高配当ETFのリバランシング戦略

高配当ETFを長期保有する場合、定期的なリバランシングが重要になる。リバランシングとは、ポートフォリオの資産配分を当初の目標に戻す作業のことだ。

  1. リバランシングの必要性: 高配当ETFの価格変動や、他の資産との相対的な値動きにより、ポートフォリオ全体の資産配分が変化する。これを放置すると、意図せずリスクが高まる可能性がある。
  2. リバランシングの頻度: 一般的には年1回から2回程度のリバランシングが推奨される。ただし、市場の大きな変動があった場合は、臨時のリバランシングを検討する必要がある。
  3. リバランシング方法:
  • 定期リバランス:決まった期間(例:毎年1月)にリバランスを行う。
  • 閾値リバランス:資産配分が一定の閾値(例:目標比率から5%以上乖離)を超えた場合にリバランスを行う。
  1. 税金への配慮: リバランシングのために売却を行うと、譲渡益課税の対象となる。NISAを活用するなど、税金面での影響を最小限に抑える工夫が必要。
  2. コストの考慮: リバランシングには取引コストがかかる。頻繁なリバランシングはコストを増加させるため、コストと効果のバランスを考慮する必要がある。
  3. 複数の高配当ETFの活用: Global Xの複数の高配当ETFを組み合わせることで、セクターや地域の分散を図ることができる。これにより、リスクの低減とリターンの安定化が期待できる。
  4. マーケットタイミングの回避: リバランシングは、マーケットタイミングを図るものではない。定期的または規則的に行うことで、感情的な投資判断を避けることができる。
  5. ドルコスト平均法の活用: 定期的に一定額を投資するドルコスト平均法を活用することで、自動的にリバランシング効果を得ることができる。

リバランシングは、長期的な投資成果を最適化するための重要な戦略だ。投資家は自身の投資目標やリスク許容度に応じて、適切なリバランシング戦略を立てることが重要である。

10. 高配当ETFと他の資産クラスとの組み合わせ(続き)

  1. 債券ETFとの組み合わせ: 高配当ETFは株式市場の変動リスクを伴うため、債券ETFと組み合わせることでリスクを軽減できる。例えば、「グローバルX 高配当30-日本株式 ETF」と「グローバルX 日本国債ETF」を組み合わせることで、安定性と収益性のバランスを取ることができる。
  2. 成長株ETFとの組み合わせ: 高配当ETFは一般的に安定した企業に投資するため、成長性が限定的な場合がある。成長株ETFと組み合わせることで、ポートフォリオ全体の成長性を高めることができる。
  3. REITとの組み合わせ: 不動産投資信託(REIT)は、高配当ETFと同様に安定的なインカムを提供する。両者を組み合わせることで、異なる資産クラスへの分散投資が可能になる。
  4. 金ETFとの組み合わせ: 金ETFは、経済的不確実性が高まる時期にパフォーマンスを発揮する傾向がある。高配当ETFと組み合わせることで、ポートフォリオの安定性を高めることができる。
  5. 海外株式ETFとの組み合わせ: Global Xの日本株高配当ETFに加えて、海外株式ETFを組み入れることで、地理的な分散を図ることができる。例えば、「グローバルX S&P500配当貴族ETF」を組み合わせることで、日米の高配当株式に分散投資できる。
  6. セクター別ETFとの組み合わせ: 高配当ETFは特定のセクターに偏りがちなため、他のセクター別ETFと組み合わせることで、セクター分散を図ることができる。
  7. 低ボラティリティETFとの組み合わせ: 低ボラティリティETFは、市場全体よりも価格変動が小さい傾向にある。高配当ETFと組み合わせることで、さらなるリスク低減が期待できる。
  8. コモディティETFとの組み合わせ: コモディティETFは、インフレヘッジとしての役割を果たす。高配当ETFと組み合わせることで、インフレリスクに対する耐性を高めることができる。
  9. ESG ETFとの組み合わせ: 「グローバルX Morningstar 高配当 ESG-日本株式 ETF」のようなESG要素を考慮したETFと、他のESG ETFを組み合わせることで、持続可能性を重視したポートフォリオを構築できる。
  10. レバレッジETFとの組み合わせ: リスク許容度の高い投資家であれば、高配当ETFの安定性とレバレッジETFの高リターン性を組み合わせることも考えられる。ただし、レバレッジETFは高リスクであることに注意が必要。

これらの組み合わせを検討する際は、自身のリスク許容度、投資目標、投資期間などを考慮し、適切な資産配分を決定することが重要だ。また、定期的なリバランシングを行うことで、目標とする資産配分を維持することができる。

【用語解説:資産配分】
資産配分とは、投資ポートフォリオにおいて、株式、債券、不動産、現金などの異なる資産クラスにどのような比率で資金を振り分けるかを決定すること。適切な資産配分は、リスクの分散とリターンの最適化を図る上で重要な役割を果たす。

11. 高配当ETFの将来展望

高配当ETFの市場は今後も成長が見込まれるが、いくつかの要因が将来の展望に影響を与える可能性がある。

  1. 金利環境の変化: 低金利環境が続く中、高配当ETFへの需要は高まっている。しかし、金利が上昇した場合、相対的な魅力が低下する可能性がある。
  2. 企業の配当政策の変化: 経済環境や企業戦略の変化により、企業の配当政策が変更される可能性がある。これは高配当ETFの運用成績に直接影響を与える。
  3. ESG投資の普及: ESGへの関心が高まる中、単に高配当だけでなく、ESG要素も考慮したETFへの需要が増加すると予想される。
  4. テクノロジーの進化: AIやビッグデータの活用により、より洗練された銘柄選定や運用戦略が可能になると考えられる。
  5. 規制環境の変化: 金融規制の変更により、ETFの運用や構造に影響が出る可能性がある。
  6. グローバル化の進展: 国際的な投資の増加に伴い、グローバルな高配当ETFへの需要が高まる可能性がある。
  7. 人口動態の変化: 高齢化社会の進展により、安定的なインカムを求める投資家が増加し、高配当ETFへの需要が高まると予想される。
  8. 新たな指数の開発: より洗練された指数の開発により、新たな高配当ETF商品が登場する可能性がある。
  9. パッシブ投資の拡大: パッシブ投資の人気が高まる中、高配当ETFもその恩恵を受ける可能性がある。
  10. マーケットサイクルの影響: 経済サイクルの変化により、高配当株の相対的な魅力度が変動する可能性がある。

これらの要因を考慮すると、高配当ETFの市場は今後も拡大すると予想されるが、同時に変化も求められるだろう。投資家は、これらの動向を注視しながら、自身の投資戦略を適宜調整していく必要がある。

まとめ

Global Xの高配当ETFは、安定的なインカムと潜在的な資本成長を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっている。独自の指数開発、クオリティ重視の銘柄選定、ESG要素の考慮など、他社とは異なる特徴を持つ点が強みだ。

しかし、高配当ETFにも株価変動リスクや配当減少リスクなどが存在することを忘れてはならない。また、税金や確定申告についての理解も重要だ。

投資家は自身の投資目的、リスク許容度、投資期間などを考慮し、高配当ETFを他の資産クラスと適切に組み合わせることで、バランスの取れたポートフォリオを構築することができる。

将来的には、金利環境の変化やESG投資の普及、テクノロジーの進化などが高配当ETF市場に影響を与える可能性がある。これらの動向を注視しながら、定期的なリバランシングを行うことが、長期的な投資成功の鍵となるだろう。

高配当ETFは、長期的な資産形成を目指す投資家や安定的なインカムを求める投資家にとって、有力な選択肢の一つとなっている。しかし、投資にはリスクが伴うことを常に念頭に置き、十分な調査と慎重な判断が必要だ。Global Xの高配当ETFを含む投資商品を活用しながら、自身の財務目標の達成を目指していくことが重要である。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としている。 港区を中心にグルメ情報にも精通しており、独自の切り口でレポートを行う。
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