楽天が高配当株式米国ファンド、SCHDのメリットとデメリット

楽天が高配当株式米国ファンド、SCHDのメリットとデメリット
ライター:関野 良和

楽天高配当株式米国ファンドSCHDとは

「楽天・高配当株式・米国ファンド(楽天シュワブ)」は、楽天投信投資顧問が設定し、米国上場の「シュワブ・米国配当株式ETF(SCHD)」を主要投資対象とするファンドです。SCHDは高配当株100銘柄で構成されるインデックスに連動し、配当収益や中長期の値上がり益を狙います。直接投資が難しかったSCHDへのアクセスが、この投資信託により可能になります。

今回の楽天証券による米国高配当株ETFの投資信託化は、日本の個人投資家にとって非常に魅力的な選択肢を提供します。直接米国ETFにアクセスすることが難しい状況で、楽天証券が業界最低水準のコストで提供するこのファンドは、特に長期的な資産運用を目指す投資家にとって有力な選択肢になるでしょう。ただし、為替や市場のリスクを十分に理解し、分散投資を心がけることが重要です。

SCHDのリスクとは

米国高配当株ETF「SCHD」の主要なリスクについて、投資家が注意すべき5つのポイントがあることを解説します。

まず、SCHDは米ドル建て資産のため、円高進行時には円換算での投資収益が目減りする為替リスクが存在します。また、米国の金利上昇局面では、投資家の資金が株式から債券へシフトする傾向があり、高配当株が売られやすくなるという金利上昇リスクも考慮が必要です。

さらに、安定的な配当収入を重視する投資方針により、急成長するテクノロジー株などと比べてキャピタルゲイン(株価上昇による利益)が限定的になる可能性があります。

加えて、米国企業に特化した投資であるため、米国経済の停滞や株式市場の調整の影響を直接受けやすい米国経済依存のリスクも存在します。

最後に、定期的な配当の再投資時に、市場が高値圏にある場合は不利な価格で購入してしまう可能性がある配当再投資のタイミングリスクも要注意です。

これらのリスクは投資家の目的やリスク許容度によって影響度が異なるため、投資判断の際は自身の投資戦略との適合性を慎重に評価することが重要です。

SCHDのメリットとデメリット

SCHDのメリットとデメリット

SCHDは、年平均11.4%の増配率と3.5%以上の配当利回りを誇る米国高配当株ETFです。約100社への分散投資で安定性が高く、新NISA対象で税制優遇もあります。一方で、為替リスクや米国経済への依存度が高いことがデメットです。長期投資向きの商品といえます。

SCHDのメリットとデメリットをまとめましたのでご覧ください。

SCHDのメリット

SCHDは、高配当利回りと高い増配率、基準価額の上昇期待、税制優遇、分散投資効果など、多くのメリットを兼ね備えたETFです。 これらのメリットにより、安定した収入と資産の成長を同時に追求することができます。

特に、長期的な資産形成を目指す投資家や、定期的な収入を求める投資家にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

SCHDの5つのメリットは以下の通りです。

高配当利回り

このメリットは、SCHDが3.5%以上の配当利回りを提供することにあります。高配当株式に投資することで、安定した収入を得られる可能性が高まります。

このSCHDのメリットは、特に定期的な収入を求める投資家にとって魅力的です。高配当利回りは、市場の変動に関わらず一定の収入を確保できるというメリットがあります[1]。

増配率の高さ

SCHDの大きなメリットの1つは、高い増配率です。過去10年間で年平均11.4%の増配を達成しており、これは他の高配当ETFを上回る成長率です。 このSCHDのメリットにより、投資家は時間とともに増加する配当収入を期待できます。増配率の高さは、長期的な資産形成において重要なメリットとなります[1]。

基準価額の上昇期待

SCHDのメリットとして、配当だけでなく基準価額の上昇も期待できる点が挙げられます。高配当株式は相場暴落時も買われやすく、下値耐性が強いという特徴があります。 このメリットにより、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙うことができ、総合的なリターンの向上が期待できます[1]。

新NISAの成長投資枠での購入可能性

SCHDを投資対象とする楽天SCHDは、新NISAの成長投資枠で購入できるというメリットがあります。 このメリットにより、値上がり益に対する約20%の税金が非課税になるだけでなく、受け取る分配金にかかる税金も外国課税の10%のみで済みます。税制優遇は投資のリターンを高めるうえで重要なメリットです[1]。

分散投資効果

SCHDは約100社の米国企業に投資しており、1社あたりの比率も4%程度に抑えられています。 このSCHDのメリットにより、特定の企業や業種のリスクを軽減し、ポートフォリオの安定性を高めることができます。分散投資は、リスク管理において重要なメリットとなります[1]。

SCHDのデメリット

SCHDは高配当ETFとして人気がありますが、為替リスク、金利上昇リスク、キャピタルゲインの限定性、米国経済依存のリスク、配当再投資のタイミングリスクなど、いくつかの重要なデメリットが存在します。

これらのSCHDのデメリットは、投資家の目的やリスク許容度によって異なる影響を与える可能性があります。SCHDへの投資を検討する際は、これらのデメリットを十分に理解し、自身の投資戦略に適しているかを慎重に評価することが重要です。また、ポートフォリオ全体のバランスを考慮し、適切なリスク分散を図ることで、これらのデメリットの影響を軽減できる可能性があります。

SCHDの5つのデメリットは以下の通りです。

為替リスク

まずは、SCHDが米ドル建ての資産に投資していることに起因するデメリットがあります。円高が進行すると、ドル建て資産の価値が目減りし、円換算での投資収益が減少する可能性があります。 このSCHDのデメリットは、長期的な投資においても常に考慮する必要があり、為替変動が投資パフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。為替リスクというデメリットは、国際分散投資の際に避けられない要素ですが、SCHDの場合は特に米ドルの動向に敏感であることを認識しておく必要があります。

金利上昇リスク

SCHDのデメリットの一つとして、金利上昇局面での影響が挙げられます。米国の金利が上昇すると、高配当株が売られる傾向があり、SCHDのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。 このデメリットは、債券の利回りが魅力的になることで、投資家が株式から債券へ資金をシフトさせることに起因します。金利上昇リスクというデメリットは、特に配当重視の投資戦略をとるSCHDにとって重要な考慮点であり、金融政策の動向に注意を払う必要があります。

キャピタルゲインの限定性

SCHDのデメリットとして、株価上昇による利益(キャピタルゲイン)が限定的になる可能性があります。主に配当収入を目的としているため、急成長するテクノロジー株などと比較すると、株価の上昇率が抑えられることがあります。 このデメリットは、短期的な大きな利益を狙う投資家にとっては重要な考慮点となります。キャピタルゲインの限定性というデメリットは、SCHDが安定性を重視していることの裏返しであり、投資目的に応じて適切に評価する必要があります。

米国経済依存のリスク

SCHDのデメリットの一つは、米国企業に特化していることによる米国経済への依存度の高さです。米国経済が停滞したり、米国株全体が大きな調整を受けたりすると、SCHDのパフォーマンスも大きく影響を受ける可能性があります。 このデメリットは、地政学リスクや経済の不確実性にさらされやすいという点で重要です。米国経済依存のリスクというデメリットは、グローバル分散投資の観点からは不十分であり、他国の資産への投資も併せて検討することが推奨されます。

配当再投資のタイミングリスク

SCHDのデメリットとして、配当再投資のタイミングリスクがあります。定期的に分配される配当を再投資する際、市場の状況によっては高値で購入してしまう可能性があります。 このデメリットは、特に市場が高値圏にある際に顕著となり、次の市場調整局面で含み損を抱えるリスクがあります。配当再投資のタイミングリスクというデメリットは、長期的な複利効果を最大化するうえで重要な考慮点であり、ドルコスト平均法などの手法を用いてリスクを軽減する必要があります。

楽天証券がNISA対象の米国高配当ETFを投資信託で日本で初めて提供

「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」 商品概要

投資対象、特長 1:米国の株式を主要投資対象とし、ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス指数への連動を目指す上場投資信託証券(ETF)に投資
当指数は米国株式のなかで配当利回りの高い100銘柄で構成2:2、5、8、11月の各25日(休業日の場合は翌営業日)に決算をおこない、収益分配方針に基づいて分配をおこなう
手数料 購入時手数料:なし

信託報酬:0.132%(税込)

信託財産留保額:なし

投資対象とする投資信託証券における報酬:年0.06%程度(※4)

実質的に負担する運用管理費用:年0.192%(税込)程度(※5)

設定日 2024年9月18日(水)
販売開始日 2024年9月27日(金)

楽天証券がNISA対象の米国高配当ETF「シュワブ・米国配当株式ETF」を投資信託で日本で初めて提供

楽天証券と楽天投信投資顧問は、2024年9月27日からNISA成長投資枠に対応した「楽天・高配当株式・米国ファンド」を新たに提供開始します。このファンドは、米国上場ETF「シュワブ・米国配当株式ETF(SCHD)」を主要投資対象とし、高配当株への投資が日本で初めて投資信託で可能になります。年4回の決算が行われ、分配金を受け取れる可能性があります。

このニュースのポイント

  1. NISA成長投資枠対象の投資信託
  2. 米国上場「シュワブ・米国配当株式ETF」への投資が日本で初
  3. 楽天証券で2024年9月27日より購入可能
  4. 年4回の決算・分配金可能性

NISA対象の米国高配当ETFを提供した背景

米国市場の高配当株式への関心が高まる中、日本から直接米国ETFへの投資は難しい状況でした。楽天証券はNISA成長投資枠を活用し、日本の個人投資家が米国市場に効率的にアクセスできる機会を提供するため、今回のファンドを導入しました。特に、シュワブの人気ETFであるSCHDを投資対象とすることで、より多様な投資選択肢を提供します。

楽天高配当株式米国ファンドSCHDが7日間で残高100億円を達成

楽天高配当株式米国ファンドSCHDが7日間で残高100億円を達成

楽天証券が提供する「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」は、米国の高配当株に投資し、配当収益を得ながら資産を増やすことを目指すファンドです。

販売開始からわずか7日間で100億円の残高を達成し、多くの投資家から注目を集めています。このファンドは、NISA(少額投資非課税制度)成長投資枠にも対応しており、長期的な資産形成を目指す方にも適した商品です。楽天証券の強みであるオンライン取引の利便性と合わせ、初心者でも手軽に米国株式市場へアクセスできる点が魅力です。さらに、キャンペーンの実施も予定されており、これから投資を始める人にとっても良いタイミングといえるでしょう。

このニュースのポイント

  • 米国高配当株に投資するファンド
  • 短期間で100億円の残高達成
  • NISA成長投資枠対応
  • 初心者にも手軽な投資方法
  • 楽天証券ならではの利便性

「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」がわずか7日間で100億円を達成した理由として、まず考えられるのは、米国の高配当株式に対する投資家の関心が非常に高いことです。

特に低金利環境が続く中で、安定した配当収入を求める人が増えています。このファンドは、米国株式市場の成長ポテンシャルを活かしつつ、定期的な配当収益を得られる仕組みを持つため、長期的な資産形成を目指す人にとって魅力的な選択肢です。また、NISA成長投資枠に対応しているため、非課税で運用できる点も大きな強みです。楽天証券のブランド力や、オンライン取引の手軽さも、初心者を含め多くの投資家に支持される要因となっています。

この金融商品の最新情報については公式ページを確認してください。

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執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としている。 港区を中心にグルメ情報にも精通しており、独自の切り口でレポートを行う。
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